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Red, White & Royal Blue
本作品はフィクションであり~とお決まりの注意はあるものの、実名がぽんぽん出てきて、しっかり現代ものとして没入できる。だからこそ楽しい部分と、だからこそ引っかかる部分があった。
ロマンス部分はとても面白いけど、付加情報が多い印象。
まずメインカプの設定がすごい。アメリカ大統領の息子アレックスとイギリス王室のヘンリー王子。アレックスは感情のままに行動することも多く、そのせいでピンチに陥ったり。ヘンリーは普段は明るいけど、逆風に弱い箱入りっぽい。
メッセージのやりとりをして、キスをしてドキドキし、そわそわ会いに行って、とやってることは可愛らしい。ただお互いの立場ゆえに、そこらのカップルとはスケールが違う。
母親に恋人を紹介するシーンが、大統領に恋人は英国王子だと告白するシーンになってて、笑ってしまった。問題は相手が同性だからじゃない、他国の王子だからだ!って現代ものでこれはすごい。別れても一生言われるし大変だ。
恋愛小説としては、王室に認めさせたところがピークな気がする。くっつく前の両片思い状態で逢瀬を重ねる二人のロミジュリ感が好き。
モヤモヤしたのは、レインボーが浸透し、反対の声もある世界観で有名人が同性の恋人を公表すれば、政治利用するかされるかになりそうなとこ。というか思いっきり政治の世界で生きているキャラだった。
大統領選で、息子の性指向が選挙結果に影響するかのような煽りはどうなんだろう、書き方として。あの流れで保守のテキサスを獲ったすごいぞ、とかやられても、女性大統領は初でなく再選だし、どういう解釈で読んで欲しいのか分からなかった。
また、この作品に限らずだけど、アメリカ視点のクセが強い。アメリカ=正義で世界の指導者っていうナチュラル上目線が当然の認識で、ちょこちょこアメリカ出てるーと思うところがあった。イギリス側に怒られそうな描写もある。
全体を見ると、いろんな要素を詰め込み、さらにその一つ一つの情報を広めに書き込んでて冗長に感じる。
アレックスとヘンリーに絞って見たストーリーは、遠恋で秘密の恋に萌えるシーンもたくさんあってとても良かった。二人の軽快な会話も好き。映画版も観てみようかな。
映画を先に見てから、原作を読みにきたパターンです。
映画のレビューで、小説にはすごく魅力的なキャラクターが沢山いる!とのことで、とても楽しみに読み進めました。
映画を見ていたので「あ、ここはあのシーンだ!」となりながら読み進めていたのですが、小説を読むと、二人のやりとりというか、言葉の選び方がとても詩的です。
二人のメッセージのやり取りが、本と、映画とそれぞれ最高の表現の仕方なので、是非どちらも見てほしいなと思いました。
ヘンリーのほうが、どちらかというとメンタルが弱目なんですが、そこに遠くアメリカの地から駆けつけるアレックスのシーンが大好きです。
スケールの大きすぎる話でしたが、二人は誰もがトリコになる可能性のある愛に素直なだけの、若者には違いなく、ヘンリーとアレックスの言葉には何度も胸を打たれました。
また映画を観てみなおして、本作を読み返して、のループがしたくなりました。
この先の二人もみたいー!
アメリカの大統領の息子とイギリスの王子様の恋物語。
これぞ海外BLだなぁと思える設定です。米英の上流階級の違いも面白く読めました。
エッチなシーンはふんわりしているので、BLが苦手な人も読みやすい反面、物足りないと思う人もいるかもしれません。それでも他のふたりのやり取りなどで充分萌えることができるはずです。
ボリュームのある1冊です。今どきのSNSのやり取りも面白く、お国柄、政治、将来、立場、LGBTQ+など、読み応え十分な作品でした。
特にヘンリーの言葉使いがおしゃれだなぁと思ました。
「これできみを完全に黙らせられることがわかっていたら、とっくにこうしていたんだが」
初めてオーラルセックスをした後のセリフです。
初対面から嫌われて、さんざんケンカ腰に嫌味を言われたりしながらも、ずっとヘンリーはアレックスに片想いしていたなんて!!
はじめてふたりが身体に触れ合うシーンは、めちゃくちゃよかったです!!
クライマックスのアレックスの衣装がタイトルの伏線にもなるスーツを着ます。
きっとアメリカとイギリスの国旗の色や両国の交わりともリンクしているんでしょうね。
表紙も素敵なイラストでした。
アメリカの作家さんのせいか、イギリスのことをよくわかっていないのか間違いもあります。
「プリンス・オブ・ウェールズ」の呼称はヘンリーの兄フィリップのものですが、ヘンリーが名乗っていたりしています。でも、細かいことは気にせず楽しんでください。
実存する団体名を記載する、Casey McQuiston作のラブロマンス。
偽装暴露本のようで好きじゃないけど、
「2019年goodreads ベスト・ロマンス賞第1位 王子との恋を描く全米ベストセラー!」を読んでみた。
プロのもの書きの作品だけあって、文章が上手い。翻訳者の腕もいい。
でもやっぱり、物語自体より著者の創作意図や動機に興味がいく。
表紙の二人。
アレックス:米国の女性大統領の息子、黒茶の巻き毛
フィリップ:英国皇太子 金髪碧眼・・アイルランド風の風貌。
物語は、アレックスの視点、会話主体で進む形。
実際にあるものの「名称」をやたらに散りばめる内容、
故意なのか、名が示すものの解釈が微妙に実際とずれている。
故意なら、洗脳か誘導を意図したスリコミ。
何をしたくて英国王室とアメリカ大統領を選んだんだのか分からないけど、
今世の英米の風俗を知ることができるゴシップ小説。
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★きになった事のメモ。
送金アプリ ベンモ :送金アプリ venmo
設立経緯が「紙の小切手」の置き換え。
アメリカでは若者を中心に、送金アプリ「Venmo(ベンモ)」が流行
ペイペイみたいなアプリらしい。
英国王室の遺伝:
金髪碧眼は、後世。元々は、褐色の肌、黒い髪だったらしい。
「王室病」、血友病。ビクトリア女王が、血友病の保因者。
最近の話題は、「リチャード3世の骨」
このピンクの表紙の印象が安っぽいのと(イケメン二人のイラストは素敵です)、言い回しがくどい的なレビューを読んでたので、そこまで期待せずにトライ。
結果、めっちゃ面白かったです!ほぼ一気読み。
もう、登場人物みんなとハイタッチ交わしたいくらいよかったです!
アレックスのキャラクターは、いかにも知的なミレニアル世代といった感じ。初の女性大統領である母親、ヒスパニック(今一番勢いのある勢力)の実父という、現実のアメリカの一歩先を象徴するような二人を両親に持つ、保守的なテキサス生まれのハンサム。
片やヘンリーは英国王子という、白人人種のヒエラルキーの頂点に立つお方。
こんな途方もない組み合わせの二人の恋を、しっかりとロマンスを感じさせつつ、文春砲的な記事からのカミングアウトや大統領選の緊迫をうま〜く取り込んで、いろんな伏線を綺麗に回収しきって大団円に見事に落とし込んだ作者さまの力量に大変感服いたしました。いやー、作家ってすごい。
ストーリーは先が読めちゃうけど、こうなるよね〜と思いながらもぐいぐい引き込まれました。恋に燃え上がる二人だけでなく脇役たちも皆魅力的で、読んでいてとても楽しかったです!
まあ、冷静に見れば現実はこうは上手くいかないでしょうが、いいじゃないの、ロマンス小説はかくあるべし。とても素敵な夢物語でした!
少しずつ読んでいたので終えるまでかなり時間がかかってしまいました。先達のレビューにもありますが、序盤は結構読むのがしんどかった。これまた先達のレビューにあったのですが「ロイヤルシークレット」のような作品かと期待したところ、英国王子の話という共通点以外は、文体も雰囲気もだいぶ異なる作品だった…というのも理由のひとつです。主役2人が若いので、ライトな印象。
「君をスーパーソニックマンにしてやりたい!」は元の英語歌詞のままではいけなかったのだろうか…なんか…なんかさ…「おれを止めるな!おれを止めるな!」って……
非BLになってるのが不思議なくらい立派にBLで、「ロイヤル・シークレット」シリーズが好きだった人にはオススメ。主人公カプの関係性がフラットなのも、海外小説らしい。
欧米人なら分かるのかもしれない独特のジョークは日本人としてはよく分からないが、それを差し引いてもストーリーは面白かったし映画化が楽しみ。織り込まれている大統領選エピソードがあることで、登場人物の葛藤や成長が垣間見え、主人公カプ以外も魅力的な人たちがたくさん。
公共の図書館で借りて読んだんだけど、コミカライズされないかなぁ。
私は昨日の夜これを読み終わり、夢から薄く目覚めるたびに内容を反芻してうふふと楽しみ、何度も思い返してから我慢しきれなくなり、
夜明け前にのそのそと起きだしてこんな時間にレビューを書いている。
ずこくよかった。
凄く面白い!
絶対に読んでほしい。
が、その前に言っておく。
まず、登場人物紹介をよく読み込んでおくことだ。
ついでに登場人物に
リアム・・・高校の同級生。仲が良かったがこの一年間連絡していない。
と加えておきたい。
なにせ登場人物についての説明が殆どないというか希薄すぎて、読者は常にこの人は一体…と悩む思いをするだろう。これは原作者の癖だと思われる。
そう、そして言っておきたい。
最初からP150くらいまでは、ボロ雑巾のようだと。
こんなに辛辣なことを書いておきたくはないが、翻訳には二通りパターンがあり
・小説として成り立っている小説翻訳
・かろうじて翻訳しているが意味不明な日本語まである日本語的に厳しい翻訳
の、下のパターンに含まれる翻訳だからだ。
かなり文章は最初からぬた道(どろどろの道)で、そこを走らされるのでタイヤがスタックしまくる。~が~がと日本語的な読みにくい文章も散見しているうえ体言止めが多すぎて、小説とはいいがたい。
そのうえ、ヘンリーとアレックスが仲良くなるまでは、背景の説明とはいいがたいような背景の説明が続く。
読んでいて、こんなに投げ出したい気持ちになる小説はなかなかない。
が、アレックスとヘンリーが磁石のようにくっつくと途端に物語はレールの上を走りだす。
日本語がぬた道なのは相変わらずだが、メールの偉人引用の文章は美しく感動的に訳されている。
最初は鈍行で、ゆっくり列車は走っていくがやがて急行になり、さいごは特急列車になってレールを走り抜けていく。
同時に胸を打たれる!
よむうちに、アレックスが非常に勤勉で頭がよく、そして誠実なことがわかるし
ヘンリーが本当に深層の令嬢のようだという事も解る。ヘンリーは繊細で美しくかわいらしい本当に素敵な王子様なのだ。まさしく、王子なのだ。
その二人が数々の困難と伝統と世論を前にして恋を展開していく。
こんなに面白い話があったとは!という気分にさせられる。そして夢中になって私はここにレビューを書いている。
ぜひとも読んでほしい。
言っておくが、最初は非常に苦しい。読みづらい!だが読んでいれば慣れる。
その先は夢中になって読めるはずだ。
読後、ああ、なんて素敵な小説という気持ちにさせてくれる。
まさしく名作!
絶対に読むべし!
おそらく、期待値が高すぎたせい(?)、”萌”は見いだせず。
(読者を”萌”させるのではなく、”夢見て”もらうジャンルのレーベルだからあっているとは思うんですけど…すみません。)
看板通り”ロマンス小説”なんですね。非BLだけどここで話題になってたので、ブロマンス的なイメージだったんですが、ガッツリ、ハーレクイン的なロマンス小説でした。映像化はよさそうです。
長いので(翻訳小説としては標準らしいのですが…)、挫折!って気持ち、わかります。前半ちょっとまどろっこしいですよね。外野多いし。でも、中盤以降の展開に勢いがあるので、400Pを超えたら読みやすくなると思います。
設定が壮大すぎるのと、英国王室に既存のあの方々のイメージがちらつきすぎるのが、私の敗因だと思います。ロマンス小説を読み慣れてないので、いろいろ新鮮だったんですけど、エロい描写がないんですね。いや、あるんですけど、露骨でなくて、煌びやかな言葉や美しい表現で描写されていて、夢見がちな乙女も恋したくなっちゃうんだろうな、なるほどーと思いました。登場人物の気持ちとその場の雰囲気を丁寧に描写することで、愛の行為をすごく盛り上げているという印象でした。個人的には、もっとダイレクトなほうが好きです。あと、私がBBAなので、往復書簡とかはいいんですけど、SNSのやりとり部分がちょっと読みづらかったですね。
とはいえ、深夜のV&A美術館の場面などは、その場の情景が目に浮かぶようで素敵でした。どこにも行けないこのご時世に、心だけはロンドンの名所へ一瞬だけ移動してました。浮世離れたラブストーリーと海外の空気を楽しめる作品ではあると思います。
たったいま読み終わり、脳内の荒れ狂う感情をなんとか言葉にしようとしています。
これはひとりでも多くの人に読んでもらいたい。
今まで何百冊かよんだBL小説のなかで、トップ3に入るのでは?というくらいの神作品でした。
受け攻めの細かい設定やストーリーはあらすじなどを読んでいただきたいのですが、受けがイギリスの王子で金髪碧眼ってことです。
そもそも受けが最強すぎます既に。この時点でピンときたら買うべきです。期待通りです。
まだ電子化もされておらず、値段もけっこうお高めなので躊躇される方も多いかと思いますが、わたしは翻訳ものということとこの受けの設定をみただけで何も手につかなくなり本屋さんに走りました。
わたしが行った本屋さんではハーレクインの棚にひっそりとあったのでけっこう探しました。
もともと翻訳ものが好きでモノクロームロマンス文庫も読んでいますが、翻訳ものに抵抗がある人にもまぁひとまず読んでみて、と言いたいです。
確かに特有のノリや日本人にはよく分からない文化も容赦なく出てきますがそれを敬遠して読まないのはもったいないです。
この作品はBLレーベルではないということで、露骨な描写やはっきりとした表現はありません。
なので物足りないのかな、と思いきや全くそんなことはありませんでした。むしろそれが想像力をフル稼働させてくれます。
「ヘンリーはドアに両手をついた」とか、たったそれだけの文章でガッツポーズを決めてしまいます。(心の中で)
なので普段BLを読む人でも読まない人でも抵抗なく楽しめると思いました。
この作品の何より素晴らしいと感じた部分が、この分厚い1冊の中でお互いのことがどれだけ大きな存在で、どれだけ大切に思っているのかということがとてもじっくりと丁寧にかかれているところです。
それぞれ今の自分がどうやって作られてきて何に支えられてきたかとか、内面のすごく深いところにあるものを教え合って理解し合って、その全てを丸ごと愛し合っているんです。
ほんとに相手の存在が自分の体の一部になってしまっているような。
それが読んでてよく分かるため、ふたりの間に何かが起こる度に胸が苦しくなりました。
ヘンリーは王室に生まれた王子であるが故に苦しい思いをしていて、明るみに出た時の追い詰められる様子もほんとにしんどくて、もし現実にこんなことが起きたら世界の反応ってどうなんだろう?なんて考えてしまいます。
あと、攻めのアレックスより受けのヘンリーのほうが背が高くて、これがすごくいい。
攻めより受けのほうが体格がいいのは個人的にはNGだったのですが、むしろそれが最高!!って感じです。
受けが攻めに「チビ」とか言っちゃうのがこんなにかわいいなんて知らなかった。
映画化するらしいのでとても待ち遠しいです。
目で見たいシーンが多すぎる。
無事に完成して日本で公開されることを祈っています。
王子様とのラブストーリーというのは世界共通で夢中にさせるものだと思うのですが、この作品、それだけで語るには勿体ないほどの面白さに溢れてます。
主役のふたりは米国大統領の息子と英国王子。
王室のないアメリカでは、大統領一家は衆目を集める存在。ましてやそれが20代になったばかりの見目好い青年となったら知名度はもう王子様級。
アレックスもまさにアメリカの王子様的な存在として姉ジューンと副大統領の孫ノーラと合わせて人気の「ホワイトハウス3人組」として政権側もがっちり世間にアピールしています(先日の選挙戦見てても思いますが、この辺が実にアメリカらしい。)
顔よし頭よし性格よしで一見派手なアレックスですが、裏では徹夜を重ねて大学で最優等の成績を取り、両親(大統領の母、上院議員の父。因みに離婚済。)同様政治家を目指す野心家でもあります。
そんな彼が苦手なのが英国のヘンリー王子。高名な映画俳優(元007役で有名)と才媛の王女の間に生まれた、こちらも容姿と賢さに恵まれた文字通り完璧な王子様。
初対面でヘンリーが発した一言により2人の間にはわだかまりがありまして、これが元でヘンリーの兄王子の結婚式で大醜態を晒してしまうのです。
このままでは米英関係の危機、間近に迫る大統領選にも影響が……!という訳で、やむを得ず世界に向けて「2人は友達です」アピールをすることに。
でもこれを機に2人は互いを理解していき、彼等の悩みや不完全さが徐々に出てきます。
アレックスは大統領の息子ではありますが父がメキシコ系のため、蔑まれることも多く、それを乗り越えるために余計に努力を重ねていました。(昨今のBLM問題と言い、かの国の人種差別問題は根が深いですね)
ヘンリーは父の急逝以降、母が悲しみから立ち直れずに引きこもり、更に祖母(女王)と兄から王族として自身の性向を隠すよう圧力をかけられ続け、それを隠すために完璧な王子を演じてきました。
そんな2人が打ち解けていく中、電話やメールで繰り広げる遣り取りが本当に可愛い。
ハリポタやスターウォーズ等現代カルチャーてんこ盛りでクスリと笑いながら読んでいけるのですが、2人が本気になるほど、バレたら……という危機、焦燥感は高くなる。タブロイドにすっぱ抜かれ偽装したり、朝3時から対策会議……泣きそうになります。
それでも2人の気持ち、そして周囲の人々の助けが、色々な事を動かして、ハッピーエンディングへ動いてゆきます。
本当に出てくる人達が魅力的で。
まずはアレックス(米国)サイド。ジャーナリスト志望で弟を見守る姉のジューンに分析の鬼で容赦ないアドバイスをする悪友のノーラ。カミングアウトした息子にパワーポイントで問題点を指摘する現職大統領の母エレンに、愛する事について素敵なアドバイスをくれる父オスカー。母の側近で口は悪いが超有能な次席補佐官のザハラ、そして家族ぐるみの友人で独立系の議員、カミングアウト済のラファエル……と人種も性別も異なる(若干メキシコ系強めですが)人々がてんこ盛り。
さらにヘンリー(英国)サイド、薬物中毒から更生した過去を持ち、弟の幸せを願う姉のビアトリスと対照的に保守的な態度で臨む兄のフィリップ、引きこもりな母キャサリン、有能な侍従のシャーン(インド系)にパブリックスクール以来の個性的な友人ペズ(アフリカ、ナイジェリア人)……とこちらも濃い顔ぶれ。彼らから見た2人の様子とかスピンオフが見たくなります。
基本は2人の関係の紆余曲折が勿論メインなのですが、アメリカという国、各種SNSがひしめき合うこの世界の中でどう生きるかという所まで思いを馳せてしまう、BL的ロマンスだけどそこから更に物事を見る事を教えてくれる力強い物語です。
スゴく楽しみにしていたのですが、読了しきれませんでした……無念です。もともと翻訳物が得意ではないせいと思いますが、気になっている方、お試し読みなどなさってからご購入くださいませ。高い本なので。
合衆国大統領の長男であるアレックス。英国王子(長男)のウェディングに出席した際に、もともと苦手だったヘンリー王子(次男)と再会し、式典を台無しにしてしまいます。二国間の外交問題となってはマズイと、母である大統領から「ヘンリーと仲良いアピールをすること!」と厳命され…と続きます。
攻め受け以外の登場人物いっぱい。中表紙裏ぐらいに人物一覧あります。そこを何回参照したか。そのページだけ千切って手に持っておけば、もう少し読むのが楽だったかも。攻め受けもシンクロしなかったし、気になるサブキャラも今ひとつ無し。
+++苦手だったところ
分からないんです、アメリカの生活というか文化など、背景全てが!
食べるアイスの名前、歌う歌の持つ意味、出てくる有名人と思われる方のお名前、ユダヤ教のイベントの名前などなど、挙げたらきりが無い…選挙戦が同時進行するので、各地の地名が出てきますが、歴史背景が分からないから、感情移入する余力が無くて、ツラかった。
ファンタジーなら、架空の地名なので、説明あるし、半分ぐらいの理解でもスルーして読み進められるんですが、めっちゃリアル寄りなので、分からないのをスルーできず、勢いで読み進められませんでした。少ないですが愛称呼びもあるので、誰あんた?となることもありました。頭の容量少ないので、無理です、ごめんなさい。
攻め受けがお互いに惹かれる理由も良く分からず、笑いのツボがあるわけでも無く、びびっとくるものを発見できず、半分ぐらいで力尽き、最後の方だけ飛ばし読みしてしまった一冊でした。敗北感でいっぱいです。
海外のゲイ小説なのに、リバではなくておどろく。
だったら国内にいくらでもBLがあるし、海外のものを読まなくてもいい。
だから、この本がちるちるにあっておどろいたが、非BL分類に納得。
感想はトランプのいない世界線でのアメリカンドリーム。主人公がトロフィーワイフならぬ、トロフィープリンスを手に入れるラストに失笑。トランプと変わらないのでは?
プリンス・オブ・ウェールズの誤用も呆れる。
大統領選の描写は、ミシェル・オバマの自伝が元ネタ?
女性大統領の長男アレックスが主人公で、英国の王子フィリップとハプニングで全世界に向けて仲の良さをアピールしなければならない……という、海外の小説ながら日本でも受け入れやすい展開と設定が読みやすい本作。
主人公のアレックスはそれなりに有名人。
カッコいいのに皮肉屋でキュート、でもその正体は勉強家であり努力家。
世間の軽薄でゴシップに溢れたイメージとは違い、裏ではこんなことをしているのね……と読んでいるうちにすぐ彼の魅力に気付きます。
そして、そのお相手となるヘンリーは金髪碧眼品行方正なザ・王子様。
でもアレックスといるときのヘンリーは楽しそうで、ただカッコいいだけとも違う。
甘ったるい彼の台詞回しや行動に、胸がキュンとさせられます。
王子様が受け!
挿絵がなくページ数がとにかく多いから近寄り難さを感じる方もいるかも知れませんが、海外モノには珍しくリバではないし、表紙通りの可愛らしい印象は読んだあとも変わらない筈です。
作中に出てくるSNSやメールの描写はコミカルで、教養があって好き。
超王道の恋の物語、約束された大団円。
映画みたいにロマンチックなのにアレックスの母親が「初の女性大統領」など社会的な問題にも触れており、けれどその部分が重たいと感じることはなく、サクサク読めるのが魅力です。
家族の問題やセクシャルの問題、これらに触れた展開ながらシリアスにどっぷり浸からず、中弛みしないのが素晴らしいです。
テンポ感がよく面白くて一気に読める内容でした。
BLレーベルではなく一般レーベルからの発売なのであからさまな描写はありません。
BL小説はえろくないと!という方には不向きですが、丁寧に描かれた二人の恋愛模様は「こういうの読みたかったなぁ」と感じさせてくれます。
現実の厳しさも交えたおとぎ話のような一冊でした。
ボリュームたっぷりの大作でしたー。アメリカ大統領の息子とイギリス王子の一大ロマンス。どっかで聞いたような…ライラ・ベースさんの「ロイヤル・シークレット」といい、アメリカってヨーロッパと違い王族がいないから、イギリスの本物の王子様っていうのに憧れがあるのかもしれないですね。
こちらはBLレーベルではないからか挿し絵も一切ありませんが、可愛いどピンクの表紙からわかるようにがっつりアメリカのセレブと英国王子のロマンスものです。しかし主人公の親も初の女性大統領だし、有名セレブ同士でアメリカ⇄イギリスの遠恋って、試練与え過ぎなド派手設定だと思いました。
主人公達の年齢も両方20代前半でまだ瑞々しいピュアな感じで、大人のM/M小説というよりは家族愛の物語でもあり、攻めと受けのカッコ良くて優しい母親や姉が活躍しすぎのストーリーがちょっと鼻につきました。出会って結ばれるまでは回りくどいジョークがメールの文面で繰り返されましたが、恋人になってその後2人に降りかかる試練のパートになってからはストーリーのテンポもよく一気に読めて面白かったです。
プリンスの方が年齢も身長も少し上だけど誘い受けみたいな感じで始まりは積極的で逆ポジかと思いましたが、合体してからはポジ固定型・リバなし。金髪碧眼受け、いいよねー。こういうのはやっぱイラストがほしい。
あとがきで驚いたのが作者の年齢。まだ30歳の若さだそうです。これからたくさんM/MやBL小説書いてくれー。そして1番の驚きが…映画化するらしい。マジで。さすが2019年ベスト・ロマンス賞受賞作。すごいな絶対見たいな。王子はとびきりのイケメンで演技の上手い人でよろしくお願いします。
アメリカ初・女性大統領の息子と、英国王子によるロイヤルロマンスになります。
「 二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション」からの出版になるせいか非BL扱いですが、紛う事無きBLです!
てか、M/Mです!
いやこれね、腐友さんから教えて貰って興味をそそられたので購入したのですが、めちゃくちゃ面白かったですよ。
こう、セクシャリティの問題から彼等の一人の人間としての成長。
そして、人生を懸けた恋。
ウィットに富んだ二人のやりとりに笑い、情熱的な恋にはうっとりする。
また、否応なく二人が巻き込まれてゆく辛い現実には心を痛め、最後は感動で胸が熱くなると言った具合で。
こんな時間ですが萌えを吐き出さないと死にそうなので、レビューを書かせて貰ってるんですけど。
えーと、元々この二人ですが天敵同士って間柄なんですよね。
カリスマ性のある人気者でミレニアル世代のアレックス。
そして、冷静沈着で完璧な王子様であるヘンリー。
二人は兄王子の結婚式で小競り合いから大失態をおかした挙げ句、不仲との噂を払拭すべく全世界に向けて「親友」アピールをしなければいけなくなった。
こう、タブロイド誌常連の派手なアレックスに、優等生そのもののヘンリー。
正反対で仲の悪い二人が、「親友」として共に行動する。
これね、二人のやりとりと言うのが、いかにも海外ものって感じでウィットに富んでて面白いんですよ。
皮肉の応酬って感じなんですけど、二人が会話してるだけで、なんかやたら腐心を刺激してくれちゃう。
や、このやりとりだけでも読む価値はめちゃくちゃあるから!と。
また、そうして共に過ごす事でヘンリーの意外な姿を知り、やがて彼とのやりとりが楽しみになるアレックス。
今作ですが、実は650Pもあるんですよね。
たっぷりページを使って、二人の距離が少しずつ少しずつ近付き、やがて彼等が恋に落ちる様が語られます。
えーと、アメリカとイギリスで生きる二人なので、やりとりの大半はSNSなんですよ。
これが、最初は皮肉の応酬から始まり、友人同士のじゃれあいのようなやりとり、やがて甘く情熱的な恋の囁きへと変化してゆく。
あー、メールの文章に萌える。
メールの文章に死ぬほど萌える!みたいな。
これね、ロイヤルロマンスと二人の恋愛はただただドラマチックかと言いますと、そこには厳しい現実が待ち受けてもいるんですよ。
格式ある伝統の世界で生きているヘンリー。
しかし、彼は本当の自分を偽って生きてきた。
ゲイである彼のセクシャリティの問題が深く掘り下げて書かれています。
彼がアレックスに対してわざと嫌われるような刺々しい態度をとっていた理由や、それでも抑えきれなかった自分の本当の気持ち。
そして束の間の幸せには、ただただ切ない。
果たすべき義務と、自分の本当の幸せ。
彼が自分らしくありのままに生きようとすると、周囲を裏切る事になるのです。
この葛藤で引き裂かれそうな彼の姿は、ただただ痛々しい。
そして、離ればなれになる二人にも。
いや、う~ん。
恋人同士として結ばれる二人と言う前半がめちゃくちゃ甘いなら、後半はかなり切ないし怒涛の展開なんですよね。
タブロイド誌に二人の恋愛がすっぱ抜かれた事により、彼等は離ればなれにって感じで。
ただ繰り返しになるんですけど、家族の問題にセクシャリティの問題。
そして二人の人間としての成長と、すごく読み応えがあるんですよ。
もうね、ページをめくる手が止められなーい!と。
また、思いもよらない展開には、感動で胸がいっぱいになる。
ああ、一人じゃないんだよと。
人生を懸けた恋に出た二人が、周囲を味方に付けて幸せを掴む姿は、とにかく胸アツで。
さすが、ベストロマンス賞第一位だわ。
全米ベストセラーって帯の文句、伊達じゃないわ。
まぁそんな感じで、とにかく面白いし萌えるし感動だしで、めちゃくちゃ素晴らしい作品でした。
ちなみに、リバ無しです。
王子様受けです。
リバ無し、海外ものだと珍しいですよね。