ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~

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ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神53
  • 萌×231
  • 萌11
  • 中立3
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
20
得点
425
評価数
105
平均
4.1 / 5
神率
50.5%
著者
寺崎昴 

作家さんの新作発表
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イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
電子発売日
価格
¥779(税抜)  
ISBN
9784344848160

あらすじ

【先天性獣化症】というめずらしい症状のため、狼のような姿で生まれてきた祭は、人と違うことで偏見の視線を受けながら育ってきた。それでも、母や弟たち家族は皆優しく、友達も少なからず居る。社会の中で心に刺さる棘を時折意識しながら、それでも大学生になるまでまっすぐ生きてきた祭。そんな祭はある日、家庭教師と教え子として出会ったクールな高校生から目が離せなくなり……? 人とは違う【個性】を抱えた二人が等身大の互いを見つめ合う、優しくも瑞々しいデビュー作。

表題作ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~

露崎祭,21歳,先天性獣化症の大学生
宇野哲平,16歳,引きこもりの教え子

その他の収録作品

  • 恋は思案の外
  • あとがき

レビュー投稿数20

何物にも代えられない”ギフト”

初読み作家様でした。最高に胸に沁みるお話だった…!
あらすじは他の方が丁寧に書いてくださっているので、感想のみを。

胸が痛くなったり悲しくなったり怒りを感じたり、想いを確かめ合った二人に心からおめでとう!!良かったね!と言いたくなったり…もう、めちゃくちゃに心揺さぶられる作品でした。。

笠井あゆみ先生のイラストも本当に素晴らしくて。哲平が初めて笑顔になったシーンの挿絵が特に個人的に「神!」だった。祭じゃなくても恋に落ちるわ。。

病気で獣人姿である自分が、想いに応えてもらえるわけなんてない、とはなから諦めている祭の気持ち。
家庭教師が終わったら哲平と離れてしまう…離れたいけど、離れたくない。誰かと幸せになって欲しいと願うけど、ずっとずっと一人でもいて欲しい。寂しい。
そんな、片想いの切なく矛盾する苦しみや葛藤がもう、刺さって刺さって仕方なかった…

ありのままの自分を好きだ、と本心から100%言い切れる人なんてどんな人でも、いわゆる「普通」の人でもきっと少ないだろうけれど、応えてくれる人に出会えた時、無理なく自然に自分を受け入れることができるようになるんじゃないか、と希望が見出せる、そんなお話でした。

本のタイトルでもあり、レビュータイトルにも書いた「ギフト」に関する、祭の就職先の塾長の言葉もとても良くて、じーんとしました。

物語として心動かされる最高のものだったんですが、獣人の特徴を生かした二人のエッチもね。最高だった…!えっち以外にも、ふさふさ、もふもふも、尻尾ふりふりの獣人特徴を存分に堪能でき、萌えの宝庫だった…と最後に付け加えておきます(*´˘`*)

0

先天性獣化症

半額セールだったので電子版で読了。絵師買い。

▶先天性獣化症:架空の病名だと思う。全身獣毛、尾もある。遺伝疾患。
▶ギフテッド(英: gifted):先天的に顕著に高い知性と深い共感的理解、高い倫理観、強い正義感、博愛精神を持っている人々を指す。
 ★この作品では、意味合いが違う「ギフトを与えられた者」と言う意味。

特設頁 https://bit.ly/3K4FWqt も読んだけど、
題名に二つも、ギフテッド+獣人と「先天性の異常」を題名に含むので、萎えて読む気になれなかった作品。


一読後の感想。
著者の過去作をチェックして感じたのは、「一般的なもの、普通」を逆転したかったのかな。
「愛しのChat Noir」は、Dom/Subユニバース
「獣人王子の花嫁」は、ケモノな絶倫王子の一途な溺愛。
「ヴァンパイア社長は大和撫子をご所望です!」では、吸血鬼。
「トランスバース~完璧なαの抱かれ方~」では、抱かれるα。
・・と、書いてきて、
今作は、「ギフテッド~狼先生は恋をあきらめない~」
「普通」ではないけど、みんなとそれも違うそれも多様性の一つで個性である・・というテーマ。
 奇病の為に差別されることにうんざりしている主人公。
 家庭教師で担当する教え子は、ゲイばれ+虐めにあい、不登校になった美少年。
ハピエン。

明るいタッチの文調だけど ・・なんだか違和感。
差別と偏見ではなく個性とするなら、差別ありきの奇病設定は、どうなんだろう??
可哀そうを引きずるような「奇病」という設定で、何度も差別を愚痴る主人公。
当たりまえに獣人が登場する世界観にしたほうがすっきりするのじゃないかと思った。

0

ギフテッドの意味

獣人と人のお話かと思って購入したのですが少し違いました。
獣人と人が共存している世界のお話ではなく、
基本的には人ばかりの世界なのですが
『先天性獣化症』という症状で、狼のような姿で生まれてきた祭(攻め)。
そんな祭と、とあることが原因で引きこもりになった哲平との恋のお話。

祭の母の上司の家に家庭教師として働くことになった祭。
その教え子が哲平です。

二人共トラウマや暗い過去を抱えていて、
その中で一生懸命前をみて生きていくお話でした。
(すっごく大雑把な説明になります。)


ゆっくりゆっくり進んでいく二人の恋。
読んでいてもどかしくもありましたが
確実にお互いの心を溶かしていくような甘い恋です。

将来のことを考えると問題はまだあるので、
今後どうなっていくんだろう…続編が読みたいなぁ…と思いました。
祭の家はクリアしてるようなものですが
哲平の家は親が過保護なところがあるので
絶対に賛成はしてもらえないだろうな…と。
そんな問題を乗り越えた先の二人もみたくなりました。

1

うきうきした感じの文体

私は初出版のこちらではなく、短編売りだった『トランスバース~完璧なαの抱かれ方~』を先に読みました。どちらの作品にも一本、太い芯が通っていると思ったんですね。それは『自分らしく生きる』っていうテーマなんだろうと思います。

でもね、お話のテイストとして、大きく違う所があるのよ。
こっちのお話の方が、作者の語り口がウキウキしている様な気がするのよね。

いや、お話は『先天性獣化症』という、獣に近い見た目でで生まれた露崎祭くん(彼の場合は狼です)とゲイばれした所為で不登校になった宇野哲平くんが、家庭教師と生徒という立場の中で心を通わせ恋を成就させるまでを書いたもので、間には『マイノリティとして生きることのつらさ』が繰り返し繰り返し出て来るので、決して楽しいばかりの話ではないんです。
キャッキャウフフモードではないんですよ、確実に。

でもね、なんか筆が躍ってるの。
文章に熱があるっていうか、書いていて楽しそうなの。

あとがきを読んで解りましたよ。
寺崎さん、獣人フリークなのですね。
好きで好きでたまらないものを書いた文章は、もうそれだけで読み手に喜びを与えるのだと思います。外見だけではなく内面も、獣人の描写が楽しくてたまらなかったのだろう寺崎さんのことを好きになっちゃいました。

0

コンプレックス持ち同士

遺伝子異常で獣人に姿の大学生が諦めていた伴侶を見つけるまで

「先天性獣化症」という遺伝子の異常で獣人の姿で生まれてきた大学生の祭(攻め)は母親から家庭教師のバイトを紹介されます。
担当するのは、高校から引きこもりになった母親の上司の息子・哲平(受け)。
引きこもりになった理由は聞かないというのが条件でしたが、なんらかの事情で深く傷ついているらしい哲平に対し、自身の経験も踏まえてうまく勉強を教えていきます。
自身も卒論や就活などを抱えながら哲平の家庭教師の仕事をこなしていくのですが…



自身が獣人というコンプレックスを持っている祭は哲平が殻に閉じこもろうとするのを敏感に感じ取り、うまくコミニュケーションを取っていきます。
偏見の中生きてきた祭は、それでも家族に恵まれ真っ直ぐ育ちました。友人もちゃんといましたが、幼少期から続く差別的な対応により周りと一線を画すようになってしまっています。
そんな祭と自身のセクシャリティに傷ついた哲平は相性が良かったのでしょう。

祭は見た目が人と違うだけの等身大な大学生です。
精神的にも大人になろうとしている途中といった感じです。

これは私の勝手な心情ですが、獣人が出てくる話って異世界系かオメガバースでしか読んだことがなかったので、狼の獣人って基本スペックが高くて肉食系なスパダリな印象でした。そのため先に表紙をみていた印象と違いすぎで読んでいてちょっと混乱してしまいました。
特に劣等感でうじうじしている姿が思ってたんと違うと思いすぎて集中できませんでした。

ストーリーはとても良かったと思います。
ただ、コンプレックスとの折り合いをつけることに時間がかかり(理不尽な偏見に晒され続け仕方ないとは思うけど)、2人の恋愛の比重があまりおかれていなかったように感じたため、萌を感じることがができませんでした。
もうちょっと恋愛しているところを読みたかったです。

祭の弟・楽視点のSSが良かったです。
本編ではいきなり爆弾落としてきたり、味方なのか敵なのか時々わからなくなった言動の時があった楽ですが、最後の方でずっとちゃんと味方だったんだとわかってホッとしました。
本編でイチャイチャしているところはほとんど読めなかったけど、楽視点で2人が仲良くイチャイチャしてるんだなというのが読み取れて、こういう仲良くしているところをもっと読みたかったなと思いました。

0

質の高いデヴュー作

帯の段階で獣人がBLの設定でよくある獣人ではなくギフテッドと言うタイトルから落ち着くところはある程度推測された状態で読んでいました
話は一人称中心で非常にわかりやすく淡々と進んでいるのですが
キャラの感情や行動、地の文にちりばめられた言葉や間が特別な言葉を使っているわけではないのにとても良くて
コンプレックスを克服できない2人の感情がとてもよく表現されていて
切なさに胸が痛くなりすぎて何度も本を置いては息を整えて読み返すをくり返しました
読むのをやめたいとは1度も思いませんでした
読みながら何箇所か付箋を貼ってしまったくらいです

何かドラマチックなことが起きるわけではないけれども
自分の中の壁を相手の存在に力をもらい越えていく様をよく表現されていて読み応えがある良いお話でした

デビュー作と伺いました
ぜひ次回作も読ませていただきたいと思います

3

良かった。

祭がすごく良い意味で達観してます。
こう何というかバランス良く、自分の置かれた状況とかと折り合いをつけてる。

弟君も良い子です。ちゃんと自分で考えて判断して行動できる子です。お兄ちゃんのこと好きなんだなぁ。と感じました。

哲平君は可愛くて、頑張り屋さんです。
ただ、この先祭との交際にはこちらのご家族がかなりなハードルである事は間違いなさそう。
おばちゃんは心配です。笑

とても丁寧にその時々の感情の動きが描かれていて、安心して気持ち良く読めました。

笠井先生の描く哲平の笑顔がとっても可愛かったです。

2人の未来を応援したい気持ちで読みました。


1

新人作家さんですが面白い

表紙につられて買ったら新人作家さんということで、読んでいきましたが面白かったです。
今後も頑張ってほしいと思える完成度でした。
ただ、差別や迫害の話をやるならもっと深淵まで描いて欲しかったです。

1

笠井先生のイラスト最高!

ホントは萌えかなぁと思ったけど
笠井あゆみ先生のイラストが神100%で
神にしました!
お話の内容は、設定は面白かったけど
まぁ最初の方でこうなるんだろうなーと…
イラストは素晴らしく、獣人の祭が素敵でヨダレ物でした!!

0

文句なしの神!!

てっきりモロなファンタジー小説かと思ったんですよね。
だけど、読んでみたら違った。

「先天性獣化症」のため狼のような姿で生まれてきた攻めという点ではファンタジーです。

だけど特異な見た目のせいで「普通」から外れてしまっている攻めの祭が抱えているコンプレックスや劣等感。
それが決して特異な悩みというわけではなく、予想以上に等身大なんですよね。
大なり小なり、私たちが抱えているものと同じなんだなと思える。

特異なファンタジー設定と、等身大で瑞々しいキャラによるリアルな日常との融合というんでしょうかね、そこが凄いです。

そして私自身、末妹が「普通」ではない見た目(生まれついての難病のため常に鼻にチューブを挿して酸素ボンベを携帯してる)だったので、攻めの弟にやたら共感しちゃいました。
一緒になって注目されてしまう恥ずかしさや葛藤。
そして恥ずかしさを覚えてしまう自分自身に対する嫌悪。

あの頃の、幼かった頃の自分の気持ちが蘇ってきました。

物心つく前から無遠慮で無神経な洗礼を浴び続けた末に、「(兄が獣人で)だったら悪いか」と友達に言えるまでになった弟の姿は、かつての私が通ってきた道でもありました。
そういうところも実に等身大というのかな。
けっしてお涙頂戴的な大仰さもないし、リアルな感じがとても良かった。

あとがきで幼い頃から獣人好きで、獣人がいる世界線についてたびたび妄想を繰り広げてきたとありました。
大人になってからは、よりリアルに「私たちの住んでいるこの世界に獣人がいたら、彼らはどういう扱いを受け、どんな問題を抱えることになるのだろう」と考えるようになった末にこの小説ができたとあって、ものすごく納得したんですよね。

だからか!!と。
獣人が流行ってるから書いてみよう〜!みたいなノリもないし、獣人の売りでもある安易なモフモフ萌えアピも無いし、詰めの甘さとか破綻してるところもない。
お見事としか言えない完成度というんでしょうかね。

「ギフテッド」の意味も良かったです。
最初の頃の祭がそう言われたら、絶対に受け入れられなかったと思うんですよね。
だけど受けの哲平と出会って、少しずつ変わっていき、その与えられたものに感謝する。
ここの着地点もお見事で、とても良かったです。



13

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