ほほえみ喫茶の恋みくじ

hohoemi kissa no koimikuji

ほほえみ喫茶の恋みくじ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神51
  • 萌×224
  • 萌8
  • 中立1
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
9
得点
376
評価数
90
平均
4.3 / 5
神率
56.7%
著者
海野幸 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
雨隠ギド 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784403525247

あらすじ

こけしだらけの喫茶店をのんびり営んでいた直文。
近所に住むキレ者の東宮寺親子から、突然店の経営アドバイスを受けることになり……!?


表題作ほほえみ喫茶の恋みくじ

元コンサルタントのサラリーマン
喫茶KOKESHIの店長

その他の収録作品

  • 特別なのは貴方だけ

レビュー投稿数9

こけしパラダイス最高‼︎

いやー、めっちゃ笑った。
最高に面白くて、ハッピーなれる一冊です!
大好き‼︎
 
舞台はこけしだらけの喫茶店、その名も『喫茶KOKESHI』(笑)
名前からしてダサくて、こけしがらみのエピソードには吹き出してしまうこと多々w

主人公は、『喫茶KOKESHI』をのんびり営むゲイの直文。
ある日、喫茶にやってきた小学生の朝彦は、『喫茶KOKESHI』の問題点を的確に指摘してきます。
彼の父・東宮寺は元経営コンサルタントで、優しく包容力のあるイケメン。
そんな東宮寺に直文はトキメキ、惹かれていき……と、いうお話。

見た目は子ども、中身は大人の朝彦が真面目に笑わせてくれます。
そして、朝彦を子どもだからと馬鹿にせず、真剣にアドバイスを受け入れる直文に癒されます。
やたらと「弥次郎系こけし」を推してくる直文が可笑しくて可笑しくて(笑)

速攻で検索しましたよ。
うん、意外と可愛いじゃないかw

直文のこけしネタに笑いが止まらなくて、そもそも喫茶店なのに100体以上もこけしが並んでるって……こわっ(笑)
朝彦も地味にこけしをディスって弄ってくるから、その度に吹き出しました。

いやー、こけしネタテッパンだわ!と思っていたら、直文がこけしを愛でる理由に感動しちゃって、不覚にもホロリときてしまいました。
こけしには、家族愛が詰まってるんですよ‼︎

直文が純朴で優しくて素敵でした。
直文とのお喋りは呼び水で、いつの間にか自分語りをさせられてしまうお地蔵さんの様な存在(だと私は思う)。
手作りのおみくじも優しくて大好きでした。
直文がギクシャクしている東宮寺親子のいい緩衝材になっていて、いつの間にか親子関係も修復させていくところも自然で心温まりました。

東宮寺はいつも冷静で、朝彦も父親を尊敬しているのが伝わってきて、そんな所もほっこりさせてくれます。
結婚していたのでノンケかと思ったら、ゲイよりのバイというちょっとした訳あり。
アピール下手なのか直文が鈍感なのか……
両片想いなのに伝わらない想いに焦れましたが、最後は朝彦に背中を押された形で結ばれてホッ。

後半は、『喫茶KOKESHI』の近所にライバル店ができ……と、いう展開。
東宮寺親子とのスレ違いは切なかったのですが、ここでも直文の人間性に救われる人が。
〝こけしサークル〟というパワーワードにも笑ったし、最後まで楽しくて楽しくて仕方がなかったです。

Hは少な目ですが、初めてなのに感じやすくて素直な直文が可愛かった♡
東宮寺は、さすが慣れてるね〜

『Retta』の北条の恋人は男かな?
続編期待しちゃうなぁー♪

16

すごく深みのある素敵なお話だと思う

元経営コンサルタントのシングルファザー×喫茶店店長による、ホッコリほのぼの日常系BLです。
ただ単にホッコリってだけじゃなく、すごく深みがあって優しいお話でもあるんですよね。
なんと言うか、主人公。めちゃくちゃスケールのデカいいい男だった。
最初はただのアホかと思ったけど。

こう、誰かが誰かを支えてみたいな、世の中にはいっぱい思いやりが満ちてると気づかせてくれる、すごく素敵な作品だと思うんですよね。
書き下ろしの同時収録作が、その最たるもので。
海野作品のこういう所、本当にめちゃくちゃ好きー!

実はこちら、一年以上前ですが、作者さんのブログで紹介されてたお話でして。
例のこけしのお話がようやく読めると楽しみにしてたんですよね。
で、そのブログ記事ですが、作者さん自らの手によるこけしのイラストが拝めるのです!
えーと、大変味があるイラストですので、皆様もぜひご覧いただきたいなぁと。
ちなみにそこで作者さんがこけしをイケメンと表現されてますが、こけしは女児を模したものなのでこれは間違い・・・ってのは間違い。
諸説ございますが、こけしは五穀豊穣の富を運ぶ「小さき子神」=「童子」。
なので、男児って説があるそうです。
こんな感じのこけしトリビアがあちこちにちりばめられてるのも、また面白いです。
どうでいいけど、人生で始めてこけしに興味を持ちましたよ。
欲しいとは全然思わないけど。

で、すでに詳しい内容は素敵なレビューを挙げて下さってるので、個人的な感想だけ。

繰り返しになりますが、最初は主人公をただのアホだと思ったんですよね。
急遽進路を変更して始めた喫茶店の経営は、コンセプトがブレブレ。
喫茶店に自分が好きだからとこけしを山ほど飾り、客の要望のままにメニューを次々増やしたせいで喫茶店だか定食屋だかハッキリしないありさま。
おまけに、客には手作りのおみくじプレゼントと、それに何の意味が?って感じで。

こう、もうけ度外視でのんびりおっとりやってる天然主人公の店が、元経営コンサルタントの攻め+しっかりものの攻めの息子の手によって繁盛店に!みたいなありきたりの展開を予想しちゃったと言うか。

が、そんな予想を完全に裏切る形でお話は展開してくんですよ。
こう、チビッ子が指摘した改善点をですね、反対に片っ端から肯定して行く父親(攻め)。
あれ、想像してた展開と全然違うと。
てか、攻め、めちゃくちゃ分かってるいい男じゃね?と。

またね、この段になって、主人公の思いがけない思慮だったり、深い思いやりに満ちた経営理念だったりが次々に読者に理解出来るって案配なのです。
ああ、ちゃんと筋が通ってるすごくスケールのデカいいい子だったと。
アホを装ってるだけだったかと。
いや、特に装っては無くて、そのまま素だろうけど。

そう、完璧な攻めによって受けが救われる系のお話では無くて、実は受けによって完璧に見えた攻めが救われるってお話なんですよ。
直文の喫茶店経営ですが、実はそれほど心配する必要は無かったんですよね。
ちゃんと彼には彼の理念があって、それは客にも伝わっているから。
逆に、東宮寺が、息子との関係性が上手く行かなくて、問題を抱えていた。

これね、あくまで直文は自然体なんですけど、そんな彼の存在によって、親子の関係が上手く周り出すと言うエピソードの数々が嬉しくて。
また、直文視点ではあるのですが、そんな彼に東宮寺が惹かれて行ってるのが読者にはよく分かる仕様なのです。
や、東宮寺は包容力もあるしスマートだしですごくいい男なんですけど、分かりやすく嫉妬したり落ち込んだりと、意外と可愛い部分もあって。

う~ん。
これ、直文は直文で穏やかで優しく頼りになる。で、ちょい弱ってる東宮寺に惹かれて行くのがよく分かるんですよ。
で、両片思いである二人が、まさに大人の可愛い片思いっての感じのを繰り広げてくれるのも、萌えて萌えて仕方ないのです。
くっ、ラブと子育てと仕事(喫茶店の経営)のバランスが完璧って感じで。

また繰り返しになりますが、一つ一つの何気ないエピソードに、ちゃんと深みのある理由があるのが良い。
直文がこけしをここまで好きな理由。
朝彦(チビッ子)が小学生ながら、喫茶店の経営改善をしようとしたわけ。
東宮寺が息子に対して腫れ物のように接してしまう、その真相。
みんなそれぞれ、愛ゆえですよね?
ここが、すごくすごく素敵だと思う。

あとこちら、雑誌掲載の表題作の他に、書き下ろしでその後の彼等が収録されています。
派手なイタリアンレストランが近くにオープンした事で、客足が落ちてしまった直文の店。
緊急対策を練ろうと焦る東宮寺親子と、のんびり構えていた直文の間に亀裂が入ってー・・・って所でしょうか。

こちらもですね、予想とは完全に違う展開が面白かったです。
直文、本当にいい男だと思うんだよ。
ついでに、イタリアンレストランのオーナーに対して、分かりやすく嫉妬する東宮寺にもニヤニヤしちゃうんだよ。

東宮寺な。
普段は冷静でいい男なのに、何故か直文が絡むと感情的になっちゃうのよね。
まぁ、恋愛で格好悪くなる攻めは大好物なので、全然問題無いけど。
問題無いどころが、楽しくて仕方無いけど。

と、そんな感じで、ほのぼのホッコリだし優しいし、もちろんめちゃくちゃ萌えるしで、素敵な作品でした。
あと、ついつい吹き出しちゃう楽しい会話も、ぜひご賞味下さい。

15

人情

海野さんこの間も新刊を読んで号泣したばかりなのにもう次の新刊が出て早いですね。

こちらも泣かされました。海野さんのお話には涙腺が刺激されます。

ほほえみ喫茶の恋みくじ
喫茶店KOKESHIの店長のとぼけた直文と利発な朝彦と親子関係に悩む朝彦の父東宮寺。

直文視点のお話です。
初っ端から朝彦の登場の仕方にびっくり一気に引き込まれます。
子供らしからぬ物怖じせず辛辣でズバッと放つ的確な指摘、すごいですね。直文とのやりとりがとても面白くて笑えます。
そして父に対して思うところがあるようで…。

東宮寺も朝彦とどう接したらいいかわからず、自分の人生と照らし合わせ迷ってるようで…。

登場人物がみんなとっても魅力的なんです!
とくに主人公直文。人形に負けないくらいのかわいい顔をしていながらコケシを愛し、寂れた喫茶店を一人で切り盛りする26歳の恋愛経験のないゲイの男の子で。

この直文のおおらかなところ、初めての恋にうろたえるところ、子供の朝彦の話をまじめに聞くところ、東宮寺親子の関係をうまく背中をおすところ。

特に直文の人生経験や両親の話に泣けて泣けて。父が母の葬式の時にご近所さんに頭を下げるところや、コケシの表情をどう見えるか考えさせるところや。
その後ご近所さんがよく寄ってくれたところや交流。
葦の穴ですね。

そういう過去を含めて直文のとぼけた、でも心の広い無欲な人情味が溢れて魅力的なんでしょうね。

お話の展開はストレートで恋愛は花を添える感じかな?
もちろん恋愛もハラハラし、告白の場面では泣けました。
ただ人情味あふれるこのお話に対して恋愛はなんというか現実味がないというか、東宮寺の容姿もまさに登場時点から攻めでしょ!って感じだし、東宮寺の好意の伝え方もささやかで、恋愛初心者の直文には難しいですよね。
でも直文の相手が東宮寺で本当に良かったです。

特別なのは貴方だけ
駅前に新しいイタリアンのお店がオープンし、喫茶KOKESHIの客足が遠のく始まりで。
東宮寺親子は鼻息荒く敵場視察や分析をしてて、すっかりいい親子だなあと微笑ましいです。

でも直文の考え方がまた人情味あふれるいい人なんですよ。ライバルとか敵対とか自滅を待つとか思うんじゃなくて、地域のお客さんを思った町の全体を思った考え方で。ぐっときました。

ライバル店長とも仲良くなりお互い助け合いお客さんを紹介したり、結果三方得?になって。

でもエッチはしっかり。まさかの東宮寺がそうだったの!?で。

素直にそのまま読めるいいお話でした。

8

ほっこりしてて癒される

肩肘張らずに読めるところが好きです。
でも何も残らないのではなく、読後感はほっこりした気持ちになれる。
こけし大好きな直文が営む「喫茶KOKESHI」という店名からして、なんかゆるくて和む。
全体としてほっこりテイストなお話ではありますが、いいスパイスとなっているのがスーパー小学生とでもいうべき朝彦の存在。
小四なのに、大人顔負けの語彙力と、その指摘の容赦のなさに思わず目が覚めるというのかしら。

その朝彦が「店名がダサい」と一刀両断するところは、何度読んでも笑えます。
朝彦、容赦ねーな!って。

対する店主の直文は、のんびりマイペースなんですよね。
そんな二人のやりとりは、どっちが子供でどっちが大人なんだか……と笑ってしまう。
そして、直文がこけしの事になるとついつい饒舌になるところもかわいくて、微笑ましい。

直文は、側から見るとのほほんとしてて商売上手ではないかもしれない。
でも、この世知辛い世間での尊い希少種というのかな、いつまでもこのままでいて欲しいわ。
直文の父親や、常にお茶を飲みにきてくれた周囲の人々も、みんななんて優しい世界なのかしら……。

「意識高い」系の対岸にあるようなお店なんだけど、そこがいいです。
お店の明確なコンセプトがないからこそ、そこから外れる人を生み出していない。
こけしにも深いきっかけや理由があるけれど、それを決して人に押し付けてこないし、相手を否定しない。
何事にも押し付けがましくなく、ゆるやかに相手を受け入れる直文という存在に癒されます。
そんな直文だからこそ、相手を想うが故にすれ違っていた東宮寺親子の確執も解けていく。

朝彦の父である東宮寺とのラブ模様も微笑ましくて良かった。
東宮寺からのラブは割とわかりやすいのだけど、直文にはその意図が伝わらずに一人でドキマギしてる姿もかわいい。
こけしラブでおっとりな直文、スパルタな朝彦というキャラと比べるとちょいかすみがちだった東宮時だけど、いざとなるとあくまで口調は丁寧でありながら割と肉食だったところも萌え。

初読時は萌萌だったけど、再読率が高いので神で。

1

誰かのために誰かとともに

今回はシングルファザーの会社員と喫茶店店主のお話です。

受様が知り合った小学生との縁で攻様と結ばれるまでと
近所にできた新しい飲食店を絡めた続編を収録。

受様は駅から歩いて10分の高架線沿いに並ぶ
雑多な店舗の1つである喫茶店の店主です。

この喫茶店は受様の叔父夫婦から譲り受けたもので
喫茶店を営んでいた叔父夫婦に3年かけて
仕入れから帳簿付け、調理等を教えられ
半年前の春にオープンしました。

平日であまり客が来ない事から
受様が店内に並べたこけしを磨いていると
ランドセルを背負った少年が
入り口のカウベルを鳴らして入ってきました。

ここは喫茶店ですか。それてもこけし販売店ですか?

と少年にわざわざ確認されるほど
店内には大小様々なこけしが溢れ
独特の微笑みで迎えるのが受様の喫茶店なのです。

受様は砕けた口調で対応しますが
少年は無言でカウンターの高い椅子に自力で座ると
アイスティーを注文しました。

少年は子供らしからぬ口調で
周辺の飲食店の中で受様の店が一番改善点があると言い
問題点の洗い出しなどに協力したいと言います。

受様がびっくりしつつも少年の質問に答えていると
すらりと背の高くどこか日本人離れした華やかな容姿の
スーツ姿の男性が来店します。

この男性こそが今回の攻様になります♪
そして攻様は先に入店した少年の父親で
息子に似た子が店に入るのを見てかけてきになって
様子見にきたようなのです。

攻様は息子は大人の真似をしたがるところがあるから
邪魔にるなら追い出してくれと恐縮しますが、
受様は「いつも暇を持て余しているので」と言い
攻様を苦笑させてしまいます。

少年は次に来店すると夏休みの自由研究だという
「私の街の飲食店」と言うタイトルの分厚いファイルを
受様に見せてくれます。

飲食店の利用状況等が詳細に書き記されていましたが
彼の真の目的はこの界隈で最も流行っていない店を
自ら立て直す事で受様の店に白羽の矢が立ったのでした。

少年は毎日やってきては受様に色々とアドバイスし、
攻様も息子を迎えにやってくるようになり
受様は2人と過ごすうちに攻様に惹かれていきます。

果たして受様の恋の行方とは!?

雑誌掲載作のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で、
コンサルタント職から総務職に異動したシングルファザーと
開店半年の喫茶店の店主のラブコメディです♪

ここのことろ連続で
海野先生の新作を読ませて頂いていますが
キャラとカプも設定も絶妙に捻られていて
とっても新鮮な萌えを楽しませて頂いています。

本作は受様と攻様親子の関りを通して
受様の過去、喫茶店を開いた思い、
攻様の親子の過去、父としての思い、少年の思いが
少しづつ明らかになっていく展開なのですが

それによって見えてくるのは
人との関りを大切にしている受様の思いであり
その優しさは攻様親子にも惜しみなく与えられていき
2人とも受様にノックダウンされていく感じで
ワクワクしながら楽しく読ませて頂きました (^-^)v

まぁ、少年はちょっと困っしゃくれているし、
攻様は優秀なコンサルタントだった片鱗が
見え隠れする策士さんだし
受様が翻弄されてる感じが強かったですけど、
それもまたドキドキ要素で良かったです♪

また私の父親もこけし収集していて
実家には沢山のこけしが林立している(笑)ので
受様のこけし愛がすごく微笑ましかったです。

5

喫茶こけし(ひらがな表記にしてみた)

そういう考え方も大事だよね、と目からウロコな気持ちになってしまいました。

受け様は「喫茶KOKESHI」の店長直文。
ある日、大人びた小学生朝彦からお店の問題点を指摘され、改善点のアドバイスされる。

この朝彦のイケメン父親の東宮寺がこの度の攻め様になります。

東宮寺から、息子が失礼を、と謝罪されるのだけど、すごいじゃないですか、と笑顔で対応。

以来、親子は直文の店を訪れるようになる。
東宮寺のイケメンぶりにボーッとなる直文の様子が笑えてかわいかったです。

朝彦に背中を押してもらって動き出す直文。
私も頑張れって応援しましたよ(≧▽≦)
きっと直文も、朝彦親子をはじめ、これまでにたくさんの人たちの背中をそっと押してきたんだろうなぁ。


書き下ろしの方では、近くに新しくイタリアンのお店がオープン。
客足が減り、直文のお店のために作戦会議に余念がない東宮寺親子。

イタリアンのお店の店長と偶然出会った時に直文がしたアドバイス、私もそれはどうだろう‥と正直思ってしまったのですが。
東宮寺親子に、きちんと考えて謝罪する姿、とてもよかったです。
その上で、直文の考えを知って反省でした。
直文は、自分の店ありき、ではなく、お客様ありき、なんですね。
いつだって、お客様に気持ちよく過ごして欲しいと頑張っている直文に頭が下がる思いでした。
こんな直文が店長なら、きっと喫茶KOKESHIは地域に根付いたお店であり続けるのだろうな。


イラストは雨隠ギド先生。
優しくてほんわかした雰囲気がお話にベストマッチでした。





5

店名変えないのか?

昨今
お子様連れBLが増えておりますが
まああえてわざわざ読まないルートを取っていますが
海野幸先生は作家買いルートなので購入
でも前述の気持ちからなんとなく後回しにしていましたが読みました

結論

こんな風に
子供が子供である事以外にきちんと意味を持ち
この子でなくてはいけないキャラとして物語に存在しているお話は素晴らしい
小学生の朝彦ではなく
朝彦というキャラクターが小学生である
なのである
当たり前のようで
○○が育てている子供
というニュアンスでの子供が多い気がするので
海野幸先生が子供を登場させるお話をこのように設定されたことが素晴らしい
子育てBLではなく
子供が登場するお話だと思う
とても面白かったです


小学生の朝彦の行動から彼の父と彼の行きつけ(?)の店の店長が結ばれるわけだが
受けちゃんがなかなかの天然ちゃんだし
朝彦くんはお父様への間接的援護射撃をこれからも打ってくれそう

子育てBLじゃないと言いつつ
こんな親子関係っていいな
と思う一冊でした


しかし店名ひらがなにしないんですね
いっそダサさを極めてみるのもある意味いいのかもしれないなあ

1

キューピッドはコンサルタント志望の小学生



人の話を聞くのが得意な喫茶店主と子持ち元コンサルタント




喫茶店「喫茶KOKESHI」を初めて半年の新米店主・沢木直文(受け)。
大好きなこけしを店内に所せましと並べているちょっと不思議な喫茶店。
それほど流行ってないお店をのんびり経営している直文に、ちょっと小生意気な
小学生・東宮寺朝彦が自分の夏休みの自由研究の成果としてこの店のコンサルタントをしてくれると申し出ます。歳に似合わない大人びた言動で直文の喫茶店の問題点を次々と上げていく朝彦にたじたじとなっている直文でしたが、そんな朝彦を父親の東宮寺(攻め)が引き取りにきます。
コンサルタント会社に勤める(今は総務部で元コンサルタント)の東宮寺親子による善意のコンサルタントを受けることになる直文は東宮寺にどんどん惹かれていってしまうのです。


表題作と「特別なのはあなただけ」の中編2本立て

自称「王様の耳はロバの耳の葦の穴」な直文が東宮寺親子のすれ違いを取り持つのに感心したり、のほほんとしていて結構重い過去を持つ直文がこけしに傾倒することになったいきさつに涙したり、新規開店したお店を敵として「KOKESHI」のために敵情視察をする東宮寺親子と同業者を追い落とすのではなくみんなで盛り上げたいと思う直文とのすれ違いにどきどきしたり、とても楽しく読み終えることができました。

この話のキモはこけしだらけの喫茶店です。
話の中でも自分の心の持ちようでこけしが泣いていたり不気味だったり笑っていたりと不思議な気持ちになりました。

そして、MVPはなんといっても朝彦でしょう。
父親に対する負い目もあって、コンサルタントをするにあたって自分の力量を試すためとはいえ「喫茶KOKESHI」に突撃し、図らずも二人を出合わせくっつけるキューピッドでした。
ませていて大人顔負けの言動をする朝彦が父親への負い目をどうすればいいのかわからなくて反抗的になっていたり、時々する年相応の反応がとてもかわいいかったです。ともすれば大人二人よりも印象深かったかもしれません。
朝彦の活躍にすっかり霞んでしまっていた二人でしたが、これからも穏やかに愛を育んでいってほしいと思いました。
なんかあっても朝彦が間にはいってくれたら大丈夫でしょう。

0

こけし

先生買い。海野先生らしいハートフルな部分あり、お仕事話あり、サブキャラ(今回はお子様)は面白い、いつも通りとは思うものの、こけしが苦手なのと、攻め受けにキャ♡と感じる部分が少なかったので中立より萌にしました。雑誌掲載分150P弱+その続き本編90P超+あとがき。

駅から歩いて10分ほどの高架下で喫茶店を営む直文。ある日、店に小学生がやってきて「ここはこけし販売店か?」「最近客足が落ちてきたのでは?」などと話しかけてきて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
朝彦(攻めの子、小生意気な小学生)、北条(後半登場、イタリアンレストラン店長)ぐらいか。朝彦、良いです、小学生なのにめっちゃおもろい。

++ 以下 より内容に触れる感想

こけしだらけの鄙びた喫茶店にあれやこれやコンサルタントする!ついでに恋話も!という印象のお話でして。朝彦はくそ生意気な小学生!というのがピッタリ、分かりやすくてとても面白かったんですけど、攻め受けにビビっとくるものが感じられなかったため萌が減っちゃいました。コンサル話はとても面白かったんですけどねええ・・

受けさんはお人よし、ど天然、超善人という分類でしょうか。ほんわり癒し系、ごりごり前面にでてくる訳ではないけど、するっといつの間にか馴染んでいる という印象の方。喫茶店のマスターにうってつけな人材と思います。

攻めさんはお子様との関係性に悩むところのあるイケメンお仕事ばりばりコンサルタントさん。カッコいいんでしょうねえ・・・なのですが、押しが強いという訳でもないし、フェロモンだだもれというタイプでもなく、なんとなく控えめな印象でした。ほんわり癒し系なイケメンがお好きな方だったら良いのかな?

朝彦にはめちゃ笑えたのですが、恋話に盛り上がれなかったお話でした、皆さん評価高いのになあ。うーん乗り切れなくて何だか口惜しい。

3

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