条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
私の中に、あなたを入れてください
kago no kotori wa sorani dakareru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「王の至宝は東を目指す」「花は獅子に護られる」に続くチベット風ファンタジー、第三弾になります。
世界観が同じだけなので、単品で問題無く読めます。
で、今回、孤島の寺院で「生き神」として存在していた主人公。
彼が一人の男と出会った事により、広い世界を知り、やがて血の通った生身の人間になると言う、壮大で感動的なお話なんですよね。
こう、異国情緒溢れる情景描写が素敵なら、ドラマチックなストーリーにはうっとりしちゃうって感じで。
ちなみに、主人公は結構酷い目に遇いますが「花は獅子に護られる」の主人公よりはマシなのでご安心を。
この主人公、弱そうに見えて結構逞しいと言いますか、雄々しいと言いますか。
ついでに、無垢故のエロさがたまら~ん!と。
攻めもめちゃくちゃいい男でしたよ。
内容です。
孤島の寺院で「生き神」として存在するリンチェン。
巡礼にやって来たどこか異質な男・ナムガに特別なものを感じるんですね。
ナムガから外の世界の話を聞くうちに、やがて彼自身に会える事が楽しみになるように。
しかし、彼は身内の仇討ちの為に領主の命を狙っていて、更にこれから自分の身に降りかかるおぞましい出来事を知ってしまいー・・・と言うものです。
こちらですね、繰り返しになりますが、とてもドラマチックなストーリーなんですよ。
自身が生き神だと信じ、人々の安寧を一心に祈ってきたリンチェン。
幼い頃から寺院の中のみで生きてきた彼の世界は、とても狭いものだったんですね。
タイトルどおり、まさに「籠の小鳥」で。
こう、辛い事も悲しい事も無く、ただただ籠の中で美しく囀ずるみたいな。
で、そんな彼の世界を変えるのが、謎の巡礼の男・ナムガ。
皆が生き神として恭しく接する自分に対して、ただ一人真っ直ぐ視線を向けるー。
これね、二人の限られた時間の中での交流と言うのが、とにかく萌えて萌えて。
ナムガですが、島の外の食べ物に景色、そして人々の生活と、リンチェンの知らなかった世界を教えてくれるんですよね。
こう、人形のようだったリンチェンが、驚き、戸惑い、そして拗ねって感じで、生身の人間になって行くのがとにかく微笑ましくて。
また、巡礼であるナムガは、そう遠くない未来に去ってゆくんですよね。
彼との別れを仕方ない事だと自分に言い聞かせるリンチェンには、切ない心地にさせられて。
と、ここまでは、切なくも優しく穏やかな展開。
が、ここから急転直下。
ナムガの秘めていた目的ー領主の暗殺が分かり、更にリンチェンは、領主の慰みものとして献上される存在なのだと知ってしまう。
ナムガに手をとられ、島の外へと出奔したリンチェン。
追っ手のかかる、二人の運命はー?
って所でしょうか。
これね、外の世界へ初めて出たリンチェンが、ナムガと共に色々な事を経験してゆくのが、とても嬉しいです。
悲しみに喜びに幸せにって感じで。
いや、ほんのささいな出来事でも、一つ一つ大事にしてるようなリンチェンが可愛くて。
また、そんなリンチェンを、あたたかく見守るナムガ。
復讐に囚われていた彼が、リンチェンの存在によって変化するのも嬉しい。
この二人、出会うべくして出会ったんだなぁと。
ちなみにここから、怒涛の展開でハラハラドキドキと読ませてくれます。
自身の存在そのものが根底から揺らぐリンチェン。
彼がすごいのって、ここから驚きの強さを見せてくれる所だと思うんですけど。
いや、予想外に打たれ強い!
また、終盤での驚きの展開には、思わずニヤリと。
なるほどねぇ!
くっ、ナムガ、格好よすぎるわ。
あと、エロが最後に一回と少な目なんですけど、リンチェンの天然煽りっぷりにはニヤニヤしちゃいました。
性的に何も知らない無垢な受けの方が、無防備でエロかったりしますね。
と、壮大で感動的な素敵な作品でした。
夢乃先生のアジアンファンタジーがお好きな方、ぜひ!
外界からその島に渡ることが出来るのは、1年のうち、湖が分厚い氷の床で覆われる冬の短い期間だけ。
どこか神秘的な雰囲気のある、湖の中に佇む孤島には、水の神を祀った寺院があるという。
そこには"生き神"と呼ばれる、美しい1人の少年が暮らしていた。
序盤の数十ページから、このお話は面白いに違いないぞと、何かをググっと掴まれたのです。
掴みが本当にお上手で、次々とページをめくりたくなってしまう。面白かったです。
チベット風の架空の国が舞台の今作。
関連作品も既刊で発売されているそうです。私は未読でしたが、こちらだけでもたっぷりと楽しめました。
まだ記憶も定かではない幼い頃から生き神として育てあげられ、勤めや教えに関すること以外は何も知らずにいる、籠の中の小鳥・リンチェン。
ある日、寺院へ巡礼に訪れる人々へと祝福を与える中で、思わずハッと目を奪われる存在感を放つ男・ナムガと出逢うことになる。
この、起承転結であれば「起」にあたる、2人が出逢い、言葉を交わすシーンを読んだだけでワクワクとしてしまうんです。
タイトル通り、籠の小鳥のリンチェンが、空のように広い世界を知るナムガと接するうちに、自身がまだ知らない世界や知らなかった物事に想いを馳せていくわけなのですが…
作中での、リンチェンが新しい物事を知る度に高揚し、胸躍る描写が本当にお上手なんです。
これには主人公であるリンチェンにどっぷりと感情移入をしてしまうし、愛着が湧いてしまう。
ナムガがリンチェンにねだられ、外の世界を語るシーンが大変微笑ましく、萌えて仕方がないんです。
ここ、どうしようもなく萌えた。可愛すぎる。
世界を知らない度合いで言うのならば、読み手である私たちもこの世界のことを知らないわけで。
リンチェンの視点を通して、自分もナムガに教わっているような気分になるというのかな。
なんだかちょっと不思議な体験が出来ました。
こちらの作品、小さな世界しか知らなかった主人公が、外の世界を知っていく様子をメインに描いた王道作品なのです。
ですが、それだけではなく、ナムガと領主という2人の男の存在によって、これまでの自分の中の常識や考え、立場がぐらついていくリンチェンの心理描写が丁寧ですごく良かったんですよね。
ヒーローがやって来て籠の中のヒロインをあっさりと救い出してめでたしめでたしではなく、憧れたり、自問自答したり、しっかりと悩み、葛藤しながら少しずつ人として成長していく。
なかなか芯が強い主人公で、私はとても好きでした。
そんなリンチェンを文字通り包み込むナムガがまた良い男なんですよ。
歯の浮くような超絶かっこいいことを言ったりはしないんです。どちらかというとフラットに構えた包容力のある男前。
チュバという衣服の前を開き、寒さを凌ぐためにとリンチェンを包み込むナムガも、大人しく包まれるリンチェンも可愛くて可愛くて頭を抱えた。
ストーリー展開と主人公の成長を楽しみながら、微笑ましさと萌えが交互に来るような、細部までツボにはまり楽しめました。何気ない会話が心地良くて萌えてしまう。
最後に、兼守先生の挿絵が世界観と合っていて非常に美麗です。ナムガのビジュアルがとても好きでした。
兼守美行先生大好きなので購入。「王の至宝は・・」「花は獅子に・・」などと同様、なんちゃってチベット舞台。表紙の左(生き神様)があまりにキレイで女性っぽく見えたのが気になりましたが、全体的に好きだったので萌にしました。本編280P超+あとがき。チベット好きな方だったらおススメしたいです!
湖のど真ん中に浮かぶ島、そこの僧院で「生き神」として過ごしているリンチェン。ようやく湖が凍り付き、それを待っていた人々が僧院へ巡礼に訪れ、リンチェンは祝福を与える日々でしたが、ある日リンチェンをまっすぐ見つめる、印象的な男が巡礼に訪れ・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
タシ(10歳♂、受けの側仕え)、僧院の方々少々、領主、受け家族、王ぐらいかな。
++良かったところ
「チベット風」とのこと(先生あとがき)、バター茶だの、巡礼の仕方だの、第三の目を描かれる生き神だの、「おおおお」とつい感じてしまう記述の数々。青い空に聳え立つポタラ宮やはためく5色の旗が勝手に頭の中に浮かんできます。(チベット好き)
その僧院でなんの疑問も持たず、生き神として人々にただただ祝福を与え続けていたリンチェン。どんなに清廉で無垢で美しかったことでしょうか・・超ロン毛で編んだ豊かな髪、その容貌からやや女性っぽく見えてしまうのがちょっと気になったのですが、とにかく美しいからok!とめっちゃ思いました。あー第三の目が描かれた様子を正面から見たかったな。おそらくその第三の目が描かれていると思われる横からの絵(超キラキラ)があるのですが、攻め受けとも超絶好きな1枚です。カッコいい&超キレイ。
攻めさんは、そんな何も知らない清いリンチェンに、もっと広い世界について話していく方。カッコいいなとは思うものの、めっちゃくちゃ惚れる!というエピソードが無くて、うーんあと一押し欲しい!と少し思いました。ちっぴりしか出てこなかったけど、王様が渋みを感じる&カッコいい、めちゃ好みのタイプ。年齢重ねて、この王様みたいになってくれるといいんだけどなあ。
攻め受けとも「まあ好き」でチベット風舞台がワクワクしたお話でした!