ボタンを押すと即立ち読みできます!
hatsukoi yuki
夕映月子先生の作品がとにかくどれも好きで、読めるものが少なくなってきて手を出した、こちらの電子短編。
やっぱり、良かった…!でも、ちるちるさんでの評価は低いんだなあ。。( ; ; )
短い中にも初恋の甘さや切なさがあって、自分の好きな歳の差要素もあって、個人的にはとても好きです。
バスの運転手 × 寺の一人息子の高校生。
「こうあるべき」という姿に縛られ息苦しく生きている忍(受)が、大学は東京に出よう、実家の寺は継がないつもりだと幻覚な祖父に意思表示をすること。
そして自分が男性の梶谷に惹かれているということ。
それは忍にとって恐怖を感じるぐらい大きな決断や思いだっただろうな、と。
揺れ動く忍の心情を、ドキドキハラハラしながら追っていました。
第一印象が悪ければ悪いほど、一度印象が変わった後の好意の跳ね上がり感が半端ないと思うんですが、そういった心情の変化もごく自然に描かれています。
夕映先生の筆力だなあ…
欲を言えば、やっぱり二人の「その先」が見たかったな、と。短編だからね、仕方ないんですが;
忍の友人2人もいい奴で、青春って眩しいな、なんて思ったりもする作品でした。
夕映月子先生の電子短編。
元は2014年雑誌掲載作です。
主人公は、忍。高校生。
山間集落のお寺の一人息子。
学校の部活動も頑張り、自分は疲れててもバスでお年寄りに席を譲り。
子供の頃からの「良い子」の躾けが染み付いている。
そして、そんな自分自身に窮屈さを感じているお年頃…
さて、普段通学で乗っている路線バス。
たまに乗り合わせるある運転手さんが、時々忍をからかったり。
ある時は疲れを気遣ってくれたり。
恥ずかしくてはじめはすごく反発してツンケンする忍。
だけど気付いたらもうその運転手さんに恋してた…
そんなお話です。
真面目くんの自我の目覚め、恋の目覚め、将来を見据え始める成長。
そのきっかけが、10才くらい年上?のバス運転手さんへの初恋、というわけです。
短編だからか運転手さんの視点は無く、元々ゲイなのか、忍をどう好きになっていったのか、そういう部分は描かれていません。
忍が大学は東京に行きたい、家を出たい、という希望をお祖父さんに宣言する、そして運転手さんに誘われていた海への旅行へ。
抱かれてもいい、という覚悟を持って。
そして…
尊い初体験、です。
物語はここで終わり。
その後、運転手さんとの恋がどうなるのか、続くのか。
忍がどんな大学生になるのか。
忍は結局お寺を継ぐのか、継がないのか。
その辺は、未知。
今、この時。初恋とこれからへの不安。でもきらめいてる。そこが書けるのがやっぱり夕映先生ですね。