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horobi no mae no shangrila
楽しみにしていた凪良先生の一般作。
丁寧な心理描写と、ドキドキする展開に引き込まれました。
一ヶ月後に地球は滅亡する……
そんな世界で人は何を見つけ、何を求めて生きるのか?
タイトル・あらすじから想像した通りの作品。
読後は、とても悲しくてやるせない気持ちになりました。
連作短編集のような形の小説で、それぞれの話が次々重なっていきつつ終焉に向かいます。
〝人生いつ終わってもいい〟と思っている主人公たちが、実際にそうなった時にどう思うか、どう行動するか……と、いう所が見どころの作品です。
チャットモンチーの「シャングリラ」にインスピレーションを受けたという本作。
シャングリラ幸せだって叫んでくれよーーという歌詞が、胸に突き刺さります。
犯罪が横行し、理性と秩序が崩壊する世界の終末。
略奪、レイプ、殺人……と、荒んでいく世界の中で、生きていくために必要な愛とは?
大切なのは、最後に何をしたいかじゃなく、誰といたいかだと思いました。
なぜ、人は今際の際にしか行動できないのか?
なぜ、普段から悔いなく生きようと努力できないのか?
死ぬ気になれば何でも出来るはずなのに、本当の死が迫らないと何も出来ないのは何でなんですかね……
人生の半分近くを生きてきた自分は、今死んでも受け入れられるかもしれない。
だけど、子どもは?新婚さんは?胎児は?
誰も悪くない、打つ手がない、誰も守れない……
これがすごく理不尽で辛かったです。
私は、「パーフェクトワールド」という目力信士のエピソードに心奪われました。
愛を知らず育ち、衝動を我慢できない男。
そんな信士が世界の終わりに見つけた、ささやかな幸せと温かい家族。
なんでもっと早く……そう思わずにはいられなかった。
自分らしい死って何だろう?
そんなら「死生観」について考えさせられる作品でした。
ただ、ラストは帯にあるほどの圧巻さはなかったかな。
凪良先生の非BL作品。どんなだろうと楽しみにしていましたが、うーん。変わらず凄いんですが、あくまで好みの問題で私は前向きに明るく笑っていきたいので、今回はちと辛かったかな。
ということで中立よりの萌にしました。
お話としては凄いんです。きっとどこかの部分に何かがひっかかって胸が痛むこと間違いないと思います。
17才の江那友樹は、ぽっちゃり体系、言いたいことをぽんぽん言える性格でもなく、学校のカーストでは最底辺。同じクラスの井上にこき使われ、憧れている女子の前でいびられ「今すぐ爆発させて人類を滅亡させて」と願う日々でしたが、ある日本当に小惑星が1か月後に衝突すると政府から発表があり・・と続きます。
登場人物は
江那、藤森(♀、友樹の憧れの女子)、静香(江那の母、シングルマザー)、信士(40才、バカラ屋を任されている)、Loco(藤森の憧れの歌姫)の5人がメインで、その5人の関係者複数。私は静香にシンクロしたなあ。
++以下内容により触れる感想
すっきり終わらないお話です。それでも大丈夫な人限定です。
最初は「美しい彼」のような高校生活のお話から始まったと思ったら「小惑星激突、人類滅亡の危機」と分かるや否や、急速に形をゆがみ始める日常生活。
学校は休みになり、会社も休業になり、略奪・暴力が当たり前になり、すべては「どうせあとひと月で死ぬのだから」という言葉のもと、何が行われてもおかしくなくなり。
そんな中、愚鈍なまでに頑固に藤森を守ろうと頑張る江那。
自分なりの心の維持方法で何がなんでも東京に行こうと頑張る藤森。
何をやってもいいから必ず帰ってこいと包丁を持たせて息子を見送る母、静香。
とにかく手が速くて、もうちょっと人生なんとかならかなったのかと思う信士。
最後の最後に自分を取り戻したLoco。
信士とLocoはもうちょっと何とかならなかったのかという思いが強すぎて、辛い。江那は本当によく頑張ったし、藤森も少しは折り合いが付いたかもしれず、良かったと思う一方、彼らの未来はどこに?とやるせない。今まで頑張ってきたし、最後の最後に好きだった人に会えて幸せだったのではないかと思う肝っ玉母さん静香に、一番安らぎを覚えますがとにかく先がない!!!!!!
はあ。
今の読後感はむなしさがちょっと勝ってしまっています。家族、今を大切にしてっていうメッセージを私は感じました。するめタイプ(何回も咀嚼するように読みなおす)の本だと思います。
凪良ゆう先生の一般作。
ココに登録されているし、気になり手に取りました。
先生の作品はBLの『美しい彼』『憎らしい彼』の2作品のみ読んでいますが、BL同様とても読みやすく休憩を挟みながらも数時間で読了しました。
現実にあってもおかしくない地球滅亡を描いたファンタジーで、暴力的な描写もあり、結末も決して明るくないので落ち込みがちな時には回避したい作品かなと思います。
消えてしまいたい、死んでもいい…と思っている登場人物たちが、残りひと月の命と分かった時に何を思い、どう過ごすのか。
それぞれの想い、焦り、後悔、懺悔に胸がキュッと痛くなります。
誰もが自分ならどうするだろう、と物語内で一度は思い馳せるのではないかと思います。
どんな当時人物を描いても、その存在がリアルでまるでそこに居るかのように感じさせる描写は流石です。
高校生たちの淡い恋、静香と信士の再会など男女の恋愛は軽くありますがBL要素は皆無なので中立としますが、作品としては☆5つ中☆4つくらいの面白さだったかな、と評価させていただきます。
作者様の他の一般作もいづれ読みたいと思っています。