Brave ―炎と闘う者たち―

Brave ―炎と闘う者たち―
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神40
  • 萌×217
  • 萌16
  • 中立5
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
13
得点
321
評価数
81
平均
4.1 / 5
神率
49.4%
著者
楠田雅紀 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784199010118

あらすじ

幼い頃の火事が俺の運命を狂わせた――
発火能力を持った消防士と
その相棒が、人々を苦しめる炎と対峙する!!

念じるだけで手のひらから炎を放射できる
発火能力――その力による過失で両親を亡くし、
幼い頃の記憶まで失ったイサム。
過去の罪は人々を救うことで償いたい――
イサムは能力を隠し消防士を目指す!!
そんなイサムの苦悩を見守ってきたのは、
一歳年下で幼馴染みのジェイク。高校では
男女問わず人気者で、将来を嘱望されて
いたはずが、周囲の制止を振り切り、
イサムを追って消防士として現れ!?

表題作Brave ―炎と闘う者たち―

9年生~,かつて隣人だった年下の幼馴染
10年生~,幼い頃の火事で両親を亡くした日系アメリカ人

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数13

年下攻めの見守り系執着愛

男らしさ溢れる小山田先生の表紙に惹かれて!中の挿絵も素敵です!

アメリカの消防士のお話。
とにかく攻めが子供の頃から一途で………作中何回か振られちゃうのですが、貫き通しましたね。おま、実ってよかったなぁ……ととにかく攻めの頑張りを労いたくなったので、評価一段階上げました。
(年下ワンコみがあまり得意でないので自分の萌えには繋がらず…)

全体的に、アメリカの世界観、ハイスクールや消防士のお仕事ストーリーは面白かったです。

ただどうしても後半の受けにモヤモヤしてしまいました…。
前半は健気で頑張り屋さんなオリエンタルビューティーで好印象。攻めとの境遇の違いを妬んでしまうのだって仕方ない。人間だもの。

でもね、命をかけて携わる職業を選んでおいて、自分がフラッシュバックで危ない行動を取ってしまうことを軽視しすぎてませんか?
自分だけでなく仲間も救助者も、すべて危険に晒すことなのに…。
人生かけて目指してきた消防士という仕事。辛い過去とも向き合うことになり精神的にも不安定…もちろん心情は分かります。
頑張ってきたからこそ、気持ちが強いからこそ拘ってしまうのだと思う。

でも、訓練校?で散々「命令と規律を守ることを厳しく教えられた」んですよね…?

命令も規律も破りまくりだし、グダグダ言い訳するわ、人のせいにするわ、命令背いて嘘ついて「来ちゃった」って…。
とにかく現場が人手不足だと言っても、それでも隊長の許可が降りないような不安定な人連れてくリスクよ…。
結果、役に立ったとしても何だかなぁ~。受けの職業意識の低さにイライラとガッカリしてしまいました。

恋愛面も。
幼い頃、隊長に助けられたと知って隊長に矢印。(憧れとは思いますが)
でも実は攻めが…と知って、攻めに矢印。恋愛的に未熟なのも分かりますが、ちょっと簡単すぎないか…?もう少し納得できる理由や受けの成長を見せてほしかった。
後半にかけて、とにかく受けの魅力がだだ下がり…ごめんなさい、私は合いませんでした。

ただ、こうした世界観のBLは好き。
今作で間違いなくカッコよかったダグラス隊長のスピンオフなど出れば読みたいです!

0

消防士~

小山田先生の麗しいがっつり消防士な表紙に惹かれてずっと気になってました。
お仕事もの&バディもの大好き!!!
なのですが、念じるだけで手のひらから炎を放射できる発火能力…超能力もの?ファンタジーなのかなぁと躊躇していたらkindleアンリミテッドに!!(期間限定かもです)

ゴリゴリに消防士をしてました!!
しかも日本ではあまりない(?)山林専門の部隊!!
自分のトラウマと立ち向かい、時に立ち止まって火に向かう姿がカッコいいい!!
厳しくも人情のある隊長が本当にカッコよくて!!
イサムがコロッといってしまわないかハラハラしました。

イサムの過去の事件が、徐々に明かされ、苦しんでく様はしんどかったですが、
イサムを想って想って、果敢にぶつかってくジェイクの奮闘が良かったです!


0

ジェイクの努力

ストーリーはアメリカが舞台で、そこで働く消防士のお話です。
ただ、受けでありイエローのイサムは消防士を目指し、努力してその道に進むのですが、大きな秘密とトラウマを抱えています。

そんなイサムを幼馴染として支えるのがジェイクです。
彼自身もイサムを支えながら自分の気持ちと、そして彼自身の体験した事件とも向き合っています。

舞台がアメリカで、さらに山火事などの非日常なのですが、ジェイクの年下攻めとしての一途さがとても切なくもあり、誠実な思いが実ったところにはキュンときました。
なにせ彼はイサムに2回も振られてるんですよね(苦笑)

しかし、やはり黒髪日系が受けになっちゃうのね…まぁそうなるか。

1

ジェイクに幸あれ!

ジェイクに萌×2で!

お話は仕掛けだらけで後から後からわかるあれやこれやに、そうだったのー!とハラハラドキドキでした。
でも正直途中で飽きてきてしまい、もうさっさとジェイクに全部聞いちゃえば?と思ってしまいました。

でもそれじゃ駄目だったんですね。
理想の形で勇が過去を思い出して。

そして小さな頃からずっとジェイクは勇を守ってくれていて。
同じハイスクール?に進み、繰上げ卒業?して2ヶ月遅れで同じ消防署においかけてきて。

ずっと勇を見守り追いかけて。ヒーローになりたいの意味が泣けます。勇、君のためのヒーローだよ!

だって最後の時点でジェイクは18歳くらいですよね?
もう人生を勇を守ることに捧げてますよね。

勇が罪悪感や炎への恐怖に苦しんできたのは気の毒ですが、上司への報告をしなくて出動停止をジェイクのせいにしたりとかはなんだかなーでした。

別に後方支援だって火事から市民を守る大切な仕事なのに、あくまで現場にこだわってジェイクや隊を危険にさらすのはどうなのかと。

こんなにジェイクが勇のために頑張ってきたのに、勇はなかなか向き合わず、やっと事件の真相を知ったら急にジェイクにコロッとなったのは、もう少し納得させて欲しかったです。

ジェイクが勇にトラウマを乗り越えさせて支えて包み込んで。スーパー年下攻めですね。

スクールカーストはアメリカではこんな感じなんだなあと興味深かったです。プロムの重要さも。

とにかくジェイクにこの評価で!

2

受けの職業意識って……

攻めが一途な年下ワンコで凄く良かった!
幼い頃から受けが特別な存在で、何度振られても一途に受けの側に居続ける姿に萌えた。

お話も、自分のせいで両親を焼死させてしまったと自責の念に囚われ続けている受けの苦しみと、その事件に関する謎が良い緊張感を生み出してなかなか面白かったです。

だけど、中立なのは受けに超〜モヤモヤさせられたから……
大きな炎を見るとフラッシュバックして動けなくなる人が消防士なんかやっていいんか??と。

小さな火なら大丈夫!と主張するんだけど、向かう現場の炎の大きさとか火事の規模が選べるはずもない。

おまけにフラッシュバッグしたせいで、あわや…という状況になるんですね。
本当はそれを隊長に報告しないといけないのに、なんだかんだと理由つけて報告しない。
おまけに痺れを切らした攻めが代わりに隊長に報告した事で現場を外されるんだけど、勝手に報告された!と逆ギレする始末……
そんなトラウマ抱えてる割には、カウンセリングもなあなあにしてるし。
とどめは、命令に背いて嘘ついて現場に乗り込んだ挙句の「来ちゃった」と舌を出す姿。
こいつ…テヘペロじゃないだろっっ!と怒りが炎のように立ち昇ってしまいました。

もし119番した時に、「実は火事にトラウマがあって、大きな火だとフラッシュバックして動けなくなるんですけど、罪滅ぼしのために消防士になったんです!だからどうしても頑張りたいし、小さな火なら大丈夫なんでそちらに向かいます!」みたいな消防士さんが来たら…と考えると絶望感しかないです。

自分の感情や事情を優先して現場にこだわり続ける受けの姿が、贖罪というよりも自己満足にしか見えなくて、この受けにとって、職業意識って何なのかしら…と思ってしまい、途中から完全に撃沈です。

18

消防士として捧げる人生

2020年刊。
それにしてもこの本の表紙、何だかBLじゃないみたいで恰好いいね。
タイトル通り、消防士の責務と誇りといった熱いドラマだった。
骨格のしっかりした話でがっつり読み応えがあり、火災現場の切羽詰まった緊迫感が感じられて良かった。

過去の火事で両親を死に追いやった罪悪感から消防士になると決心したイサム。
一つ年下のジェイクはイサムと同じハイスクールに進学し、選択授業も全て同じにする徹底ぶりで、彼に追いつき常に側にいようと頑張っている。
イサムの卒業間近には人種で括られたコミュニティの違いから壁ができてしまったものの、遂にはジェイク自身も消防士となりイサムの後を追ってきたのだった。
イサムが消防士を目指すのが贖罪の気持ちからならば、ジェイクが目指すのはそんなイサムを守る為、といった意思がはっきりしているから、執着心とかストーカーめいたものは感じない。
ジェイクの決意がしっかりしたものなので、そこには一人前の大人としての頼もしさがあった。

ただ、イサムのほうはいざ消防士になったのはいいが、火災現場での消防活動で過去のフラッシュバックが起こり、足手まといになる様子にはハラハラした。
謹慎処分が嫌でそれを隠そうとジェイクに口留めするのには苛ついたが、それを逆に諫める事ができたジェイクに芯の強さとプロ意識を感じた。

実はこの新刊を手に取ったのは主人公が発火能力者という特殊な設定に惹かれたからだが、プロフェッショナルな仕事ものとして充分満足できるだけにこの設定は不要だったのでは…と思った位だ。
しかし、この話ではイサムが当時の記憶を失くしている程のトラウマをどう克服するかってのも焦点であり、クライマックスではその能力を用いて危機を乗り越える、といった見せ場もある。
要はイサム自身がこの能力を忌み嫌うばかりではなく、どう共存していくか…てところなのだろうね。

8

炎に隠された真実

今回は裕福な家の1人息子である幼馴染と
火事で両親を亡くして孤児となった日系人のお話です。

火事により過去の記憶を亡くした受様
攻様との再会で真実を思い出し、彼の想いを受けとめるまで。

受様は日本人の父と日系二世の母の間に生まれ、
純日本人の外見をもつ少年です。
受様は火事で優しかった両親を失うまでは高級住宅街に住み、
隣に住む白人夫婦と家族ぐるみの付き合いをしていました。

隣人夫婦の息子である攻様は1つ年上の受様が大好きで
受様も誰にも秘密にしている発火能力を教えるくらいに
幼馴染を可愛がっていたのです。

しかし受様は、9才のクリスマスイブの夜に
その発火能力でうんだ火を父に放って火事を起こし
両親と家を燃やしてしまう事になります。

火事の恐怖に囚われた受様はその場からどうやって
助け出されたのかも覚えておらず、
気が付いた時には防火服に身を包んだ消防士の腕に
抱えられて助け出されていました。

受様は懸命に自分が火を放ったと説明しますが
受様は火事以前までも飛んでおぼろげで、
誰もが「受様の記憶違いだ」と取り合いませんでした。

その後、
身寄りのなかった受様は児童養護局のグループホームに入り
カウンセリングも受けますが、
受様の記憶は白い煙に包まれたままで
罪の意識から解放される事もありませんでした。

受様がミドルスクールに進んだ翌年、
受様は学校のカフェテリアで青い目を輝かせたイケメンに
声を掛けられる事になります。

そのイケメン少年こそが
成長したかつての幼馴染である攻様だったのです♪

大好きだった1つ年下の友人との再会に喜ぶ受様でしたが
攻様は受様がこの学校に進んだことを知って進学と言い、
離れていた時間を取り戻すかのように旧交を温め
受様との時間を持とうとするのです。

しかしながら
運動神経も良く快活でおしゃれでイケメンな攻様の周りには
受様のような有色人種がいないばかりか、
男も女も顔やスタイルが良くおしゃれで陽気な者達が集い、
シニアが次のリーダーグループと一目置く存在になります。

そしてハイスクールの最後の1年を迎えても
攻様はグループメンバーがどれほど反発しても
受様と共に過ごす時間を持ち続けますが
受様の中には攻様が自分とはもう違う世界の人間なのだという
気持ちが育っていました。

そして受様が大学に進学せずに消防士を目指すと知ると
「俺も消防士になる」「受様を護りたい」と言い
受様を想い続けてきた事を告白するのです!!

両親を亡くした贖罪を消防士という夢に託す受様には
攻様の言葉はとても軽くしか聞こえず
傷つけると判っていながら拒絶の言葉を放ってしまいます。

そしてハイスクールを卒業した受様は
ファイヤーアカデミーに進みアカデミー歴代1位の成績で
念願の資格試験に合格し消防士となるのですが

その2ケ月後、
消防士となった攻様が新人消防士として現れて!?

発火能力を持っている受様が
その能力で両親を殺してしまった罪の意識を抱えながら
消防士を目指すミステリーになります♪

火事の衝撃で記憶喪失を失ってしまった過去を
攻様との再会で徐々に思い出していく中で
受様が攻様との過去、両親との関りを思い出す事が
本作の鍵となって、ワクワクで読み進めました。

受様視点で進むので
攻様がなぜこれほどまでに受様に執着するのかが
ある意味怖く感じられたのですが

曖昧だった受様の火事の記憶が少しづつ
詳らかになっていく中で炎の中で起こった出来事と
幼かった攻様の決意が明らかになっていきます。

そして見えてくる攻様の母親の言葉の真意、
かつての自宅跡を訪れた時の受様の言動、
受様の語る過去に攻様が感じていた違和感の正体、

受様が記憶を取り戻してもなお
知りえなかった攻様の関りを知った時には
受様同様、もう涙が止まりませんでした。

受様があの日の真相を知り、攻様の真意を知り、
攻様の手を取るまでこんな展開になるんて
全く思いもしませんでした。

攻様、いい男過ぎですよ ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

小山田先生の硬質で繊細なイラストも
物語を素敵に彩っていて最高に良かったです。

11月に発刊された『小説Chara vol.43 2021年1月号』に
本編後日談が収録されています。
2人を巡る消防団員達のやりとりが微笑ましいお話ですので
気になる方はぜひチェックして下さいませ。

7

挿絵と作者の発想力と筆力の勝利。

最近、異世界転生ものや異世界ファンタジー系ばかり読んで、自分は異世界系しか面白さを感じられなくなってるのか?と危惧していたんです。
面白いと感じる自分が惹きつけられる小説がそういったものばかりで。
でも今回の楠田先生の新刊、すごい良かったんですよ!

まずこのアメリカの消防士という題材を持ってきた発想。
そしてそれを飽きることなく読ませる筆力。
魅力的なキャラたち。

そして、素晴らしい小山田あみ先生の挿絵!
もう絶対、この作品には小山田先生しかありえないという感じでした。
表紙だけでなく、中の挿絵も素晴らしいんですよ!

あと私、途中、隊長とイサムが幸せにならないかと願ってしまいました。
イサムが隊長に傾倒している描写なんか、何か分からないけど良かった!
隊長がステキすぎて、大人で逞しくて頼りがいがあって、すごくカッコイイんですよ!

隊長のスピンオフが読みたすぎます!
こんな素晴らしい隊長の幸せになった姿が見たいです!

8

優しいまなざしは変わらず

毎回バラエティに富んだ設定で楽しませていただいています♡

『Brave』の舞台はアメリカ西海岸。日本人の父親と日系二世の母親との間に生まれたイサムが主人公です。小山田先生の挿絵効果も相まって、思いのほかアメリカ〜ンでした。小説だけれど本場のドラマや映画を観ているかのように違和感がなく、あやうくBLを読んでいるのを忘れそうになりました。ストーリやテーマはBLみに溢れていますが、少しだけファンタジー要素があります。

作品から滲み出る作者の愛情深さが大好きで、新作を拝読するたびに癒されています。今作はとみに楠田ママ感が強かった…笑。うまく表現できないのですが、キャラに向ける作者の視点に母性バシバシなビームを感じてしまいました。

これはイサムとジェイクのラブストーリーでもあり、イサムが幼少期に経験したトラウマを、ジェイクや周囲の人々が時間をかけて見守っていくお話でもあります。

特殊能力を持つイサム。子供の頃、自分の身を守るために不思議な力を行使した結果、大切な人を失ってしまいます。それゆえ贖罪の念から、ハイスクール卒業後に自分の持つ能力を全否定するかのような職業(消防士)に就くのが夢となりました。ところがやっと念願の職に就いたイサムは、勤務中の態度によって上司から二度の出動停止を命じられてしまいます。二度目の命に背いた彼の行動は結果的に吉とでますが、このクライマックスの収め方(ファンタジー要素)が出来すぎていて、ちょっと萎えを覚えてしまいました。

イサムの上司・ダグラスはそそられるキャラでしたね。個人的にダグラス推しです。プライベートでイサムがノコノコと彼の後をついて行っちゃうシーンに、もしや?やっと?きたか?と思わず大興奮。上司としてのスタンスがブレず潔かったし、キャラの中で唯一芯の通った父性を漂わてくれていました。そのせいか平穏にコトが進んで物足りなかったですけど笑

欲をいわせていただくと、メイン二人のすれ違いや、ヤキモキするような嫉妬シーンをもっとガッツリ見てみたかったです。ハイスクール時代のプロムと卒業式のシーンでそれが見られたらよかったのにな…と思いました。なぜカットされたんだろう(泣)

メインカプをあたたかく見守りたい派には、シリアスめでも安心して楽しめるお話だと思います。

7

サスペンスとホラーの香りが漂うストーリー

小山田あみ先生がまたやってくれました。ハリウッドの新作映画みたいなカッコいい表紙。BL界に小山田先生がいらっしゃって良かったなあといつも思います

ストーリー…イサムは幼い頃隣の家に住んでいたジェイクと高校で再会します。しかし火事で家も家族も失ってしまったイサムは裕福な家庭のジェイクとはずいぶん立場が変わってしまいました。火事の時の記憶も曖昧でトラウマ持ちのイサム。なんと自分の体から炎を出す事のできる超能力も持っているという盛り沢山な設定。

前半部分のアメリカのハイスクール青春ストーリーはとても楽しかったです。スクールカーストもなんのその。ガンガン日系人のイサムにアタックしてくる金髪碧眼のジェイク。しかし鈍感な本人には全く伝わっていなかった悲しさ。

後半、2人が消防士になってからの話はだんだんと昔の火事の原因やイサムの記憶もわかってきて、シリアスで悲しい真実が明らかになります。でも発火出来る体質の人が消防士って…告知義務違反もやらかしてるし、イサムは悪い事言わないから内勤に移っとけと思いました。

あと40前半の独身ゲイ、ダグラス隊長がかっこよすぎた。イラストもカッコええ。楠田先生、ダグラス隊長のスピンオフよろしくお願いします。

追記…最近レビューを読んだ後だと他の方の影響受けがちなので新刊は特に自分のフィーリングで書いて後から他の方の感想もじっくり読むのですが…皆様ダグラス隊長に触れていらっしゃる(笑)ねーカッコいいですよね!楠田・小山田両先生タッグでまたやって頂きたいですね。

7

攻めと隊長がすごく好き

消防士もの!しかも舞台は海外!!
あらすじと設定だけでも、これは面白そうだなあと思っていたら、なんとイラストが小山田あみ先生ですよ!
こんなの最高の組み合わせじゃないか!と。
がっしりめの身体つきが説得力大です。モノクロイラストのダグラス隊長の腕の筋がたまらない。
消防服姿もこれまたかっこいいんだな。

お話もすごく面白くてですね。
主人公であり受けのイサム視点で進んでいく今作。
火事に遭った経験のある少年が消防士になって活躍して終わり…では終わらないんです。
過去のトラウマや失われた幼い頃の記憶だったりと、あちこちに謎が散りばめられていて、なかなかに読ませてくれる作品でした。
主人公達の幼少期から消防士として活躍し始めるまでが描かれているのですが、楠田先生の文章がすっきりとしていて読みやすいのでするする〜っとお話に入り込めます。
読みやすい上に面白くてびっくりしました。
先生初のアメリカが舞台の作品とのことで、登場人物達の会話や仕草、文化に関してもそれっぽい。
海外もの特有の口調ってクセになりますよね。

今作の見どころは、やはり攻めのジェイクでしょう。
上にも書いた通り、消防士ものなんですけど「それだけで終わらない」部分に、BLのLがあるのも大きいと思うんですよ。
ヒーローになりたいと頑張り続ける年下攻めがすごく印象的。非常に好感度の高い攻めでした。
イサムが忘れてしまった過去が明らかになるに連れて、なんだか幼い頃のジェイクが愛おしくて仕方がなくなってきちゃう。
それから、周囲の人々もすごく優しいんですよね。題材的にシリアス側にドンといきそうなところを、バランス良くしてくれるというか。あたたかいちょうど良い温度で保ってくれています。
消防士のお仕事現場も読みごたえあり。
しかし、文章でもやはり火事は怖いものだなと。
先生のあとがきを読んで、Netf◯ixで番組を探して見てみたくなりました。

と、お話はすごく面白かったのですが、イサムはトラウマ持ちなのに消防士になれるものなのかなあとちょっと思ってしまったのと、途中の頑なさにうーん?となってしまったので、間を取って今回はこちらの評価に。
攻めのジェイクが良かっただけに、イサムにもうちょっと魅力があったらもっと良かったかも。異能力はあんまり目立たなかったかな。
個人的にはダグラス隊長が好きです。シンプルにかっこいい。
仕事が出来て、頼りになって、物事をしっかりと見ていて…うーん、かっこいい。

11

表紙買い

カッコよすぎる表紙に我慢できず購入。攻め受けともきゅんとするタイプではなかったので、萌にしました。お話は面白かったです。本編300Pほど+あとがき。

9才の時に火事で両親を失い、児童保護局のグループホームで暮らしながらハイスクールに通っているイサム。ある日、幼い頃隣家に住んで仲良しだったジェイクとハイスクールで再会し・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
デニス(受けの友人)、攻めの母、マッケン先生(受けのカウンセラー)、ダグラス(受けの配属先の大隊長)、ロイ、ジョニー(受けの同僚)等。ダグラスがカッコイイんだよな。

++攻め受けについて

攻めさんは超スパダリイケメンなんだけど、他の方には見向きもしない年下健気一直線わんこという印象。カッコいいのかもしんないんだけど、なんだろう?きゅん!とするところがあまり感じられず。一途で健気だからかな。おかしい。

受けさんは手から炎を出せるという異能持ちなんだけど、幼いころの火事がトラウマになっていて、そのころの記憶があやふやになっているのと、大きな火をみるとフラッシュバックしてしまうという設定。(そんな状態で消防士なんか、すんなよ!という気持ちが少々)どうやら美人さんの様ですが、そんなにキラキラ!というのを強調されている訳ではないので、ビジュアルから惚れてしまうタイプの私にはあまり響かず・・・まっすぐな頑張り屋さんなのが悪い方に働いてか、なかなかカウンセラー行こうとしないし、隊長に報告しなかったり。あかんやん。

ということで攻め受けがストライクゾーンに入ってないのと、そもそも激アマ恋話というものではないので、今一つ盛り上がらなかったでした。火事の現場話なんかは読んでて「わー!」と思ったんですけど。年下ワンコ攻めが好きな人ならいいのかな?

もう一つおまけで。今月発売の小説Charaに後日談載ってます。こっちはニマニマするお話なので、よろしければ。

8

たった一人のヒーローになりたい

ものすっごく良かったです!
表紙やタイトルから受ける印象はシリアスですが、読み口は比較的ライト。
それでいて随所に伏線が張り巡らされており、読み応えは抜群!
ラブ面でもしっかり萌えさせてくれます。

とにかく、攻めが魅力的。
一途な健気攻めで、幾度となく泣かされました。

「ヒーローになりたい」

誰かの──じゃなく、受けの。受けだけの。
それを体現していた攻めが、本当に素敵でした。


主人公のイサムはパイロキネシス。
自分の能力で火事を起こし、両親を殺してしまったという罪の意識に苛まれながら生きています。
イサムのトラウマの元になった事件の真相を知っているのは、幼馴染のジェイクだけ。
事件前後の記憶を失っているイサムですが、高校でジェイクと再会した事で止まっていた時計が動き出し……。

ミステリーとSFの要素がうまく絡み合って、ストーリーを面白くしています。
イサムの能力面はあまり強調されておらず、むしろ両親が亡くなった火事の真相や、ジェイクとのラブストーリーに重きが置かれているのも良かった。

イサム・ジェイクともに過去を悔やんでそれぞれに苦悩を抱えており、それが物語に深みを与えている印象。
ストーリーが進むにつれ、イサムの記憶と事件の真相が明らかになっていくところが見どころです。

そして、ジェイクとのラブストーリーも一筋縄にはいきません。
何度も告白しては振られるジェイク。
それでも諦めず、贖罪として消防士になったイサムを追いかけ、自身も消防士に。

気持ちを押し付けず、ひたすらイサムを支え続けるジェイクが愛しすぎました。
事件の真相が明らかになる事で、さらにジェイクの献身的な愛が際立っていきます。
兎にも角にも、優しくも厳しいジェイクが素敵なんです♡
これは好きになっちゃうでしょ。
必然の恋ですよ。

ここでパイロキネシスの能力が発揮されるのか……と、ここぞという時の能力の使い方にも脱帽しました。
イサムの作った小さな炎が大きな炎に向かっていく姿が、バディを組んで命懸けで人を助けようとする二人の姿に重なって、感動で涙が止まりませんでした。

ラブ要素もたっぷりなので、存分に萌えさせていただきました♡
ラブとミステリーとSF、どれも過不足なく丁度いい。
アニメっぽい世界観ながらも、エンターテイメントとして完成されている作品です。

小山田先生のイラストも素晴らしかった。
ありがとうございますと言いたい。

消防隊の隊長・ダグラスもかっこ良かったので、スピンオフプリーズ!

17

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