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inu hodo suteki na shoubai wa nai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
PET LOVERSシリーズ集めて満足して積んでました。(他にも積んでる本だらけ)
2022年コチラの作品文庫版として加筆修正されるではないですか!じゃあ、発売前に読もうと思ってたけど、発売後になってしまった。
まずは、新書版から読みました。
会員制デートクラブPET LOVERSでの倖生の初めてのお仕事は、派遣先の轡田宅で「犬」として過ごす事。最初は戸惑い、憤慨するもののどんどんハマっていく倖生。
犬の躾のコマンドが、今流行りのDom/Subユニバースみたいと思ってしまった。
ずっと四つん這い、言葉は発しない、水はお皿からピチャピチャ舐めて飲む、食べ物はご主人様の手から犬食い、手に残った物もペロペロ舐める、意志の伝達は、見つめながらゆっくり瞬き。
足元にじゃれついたりクゥンって鳴いたりしてる23歳成人男性。
愛しいと思えるの?私なら我に返ってしまうな。
でも、コチラの攻め様は、愛やつめと密かに思っちゃってたらしい。
無表情で気持ち伝えてくれないから受けの倖生はずっとご主人様に心振り回されっぱなし。
いい加減しんどいわってとこでトラブル発生からの大団円でした。
轡田さんの良き仕事の相棒、岡さんがなかなかいいキャラで好きです。
バカップルと化した轡田さんと倖生が目の前でいちゃついてても華麗にスルーしてくれる。
こうでなくちゃ、轡田さんの元では働けないんだろなー。平然な顔して甘々な轡田さん面白いから、轡田さん視点の実は心の中は騒がしかったりするお話も読んでみたかったです。
乳首ピアスを開けたそうな話をしていた轡田さん。
でも、倖生くんがモデルのお仕事する様になったら乳首ピアスはエッチすぎてダメじゃないですか?社長。脱ぐ仕事はさせないとか言うてたけど。
乳首ピアス、どうなるのか気になりました。(個人的には大好物です)
志水ゆきさんの表紙と作品名から想像していた内容とは全く違うものでびっくりしました。でも良い方に裏切られた感じ。ワンコ受け的なやつとか、もっとポップなSMもの(SMにポップとかあるのか?!)かなーと思っていた。
愛情を受けずに育った受け(ユキ)。適当に生きてたんですが、最初はお金のために犬になるという会員制クラブに登録します。まぁ、普通に考えてご主人さまとその犬っって感じで覚悟して雇い主のところへ赴く訳ですが・・・
実際は本当に犬になれと言われる。
しゃべっちゃだめ。四つん這いで動く。水を飲むのもお皿から。
お金のためと割り切るけれど、いつのまにか轡田に褒められたり優しくされたり可愛がられることで自分に欠けていた”何か”が満たされるような気持ちになる。
彼の犬になることで満たされてしまうユキ。生クリーム欲しさに轡田の手を舐めてしまうシーンは、ちょっとウルっと来ました。ユキの心が揺れていくところがね。
でもこのままではいけないと契約を解消した轡田。ユキは絶望します。そんな時にユキ身代金目当ての誘拐に合ってしまう。
この物語は辛い過去があったユキと少々歪んだ愛情を注いでしまう轡田だったからこそ成り立った関係だということ。その証拠に轡田の元カレではその大きな独占欲、束縛を愛おしいと思えなかった訳ですからね。
凸凹がうまくあって、最後は幸せな二人を読めて嬉しい。
相変わらず独占欲の強い轡田の元でユキはモデルの道を歩んでいく・・・
いやぁ、想定外だったのでかなり惹き込まれてしまいました。うん、読んで良かった。
ほとんど性行為のない主人と飼い犬だったので、まるで純文学を読んでいる感じで面白かったです。
最後にちょっとエッチがあるだけでストーリー重視の方にはオススメです。
こういうジャンルは新しいなぁと思いました。
受けは愛を知らず、ただ気ままに顔だけで生きてきた受け。
デリヘルを想像して入店したところ、お客様第一号は犬を所望のご主人様。
これが運命の出会い。
受け、犬としての生活がスタートします。
そして私の想像していた犬の生活をぶち壊されます(笑)
受け同様、驚きました。
本気で四足歩行をさせ、「待て」や「おすわり」まで躾けてまるで本物の犬のよう…。
とはいえ、犬としてでもたっぷりの愛情を注がれて受けも依存していきます。
どうして攻めがここまで異常に犬にこだわるのか…。
それは元カレや愛犬が関係しています。
また、元カレ登場して受けに「彼は執着が酷くてね…」と愚痴った時は「自慢か?」と思ってしまいました…。
今は一途だとしても、そういう発言はちょっとなぁ。
むしろ、そっち二人の話も気になるんですが(笑)
なぜ、そう思うのかというと、このお話、とにかくゆきおが頑張ったんです。
突き放されても、追いかけたし会いに行ったし告白したし…。
肝心な場面はほとんどゆきおが一歩踏み出した。えらい!
とはいえ、ラブラブになった途端、轡田が饒舌に…(笑)
あっまあまでした。
エッチ少なめのが逆に良かったなぁと思います。
愛に飢えた二人が、始まりこそちょっと変わっているけれど互いを愛していくの物語でした。
そうそう、消えた1,000万円の行方はいずこへ…?
「ちるちる不朽の名作BL小説100選ときめく恋」に選ばれた1冊。志水ゆき先生も大好きなので挿絵でもドキドキした。
ユキ視点で進むから轡田が何を考えてるのか分からず、ユキと一緒に不安だった。
最後まで読んでようやく深く激しく愛していたんだなとわかりました。
轡田の犬になることで、今まで受けたことのない愛情を感じたシーン。すごく心に刺さったな。
恋人になった後の2人の話も読みたいな。
さみしくてさみしくて気が狂いそうだったので、犬を飼うことにした。
扉ページに書かれている攻め轡田(くつわだ)の独白です。
読了後、もう一度ここを読み返してみました。
日本語って素晴らしい!”さみしい”がひらがな表記なことで、一見隙のない完璧人間にも見える轡田の根底にある幼さや人間臭さを表している...と勝手に解釈してます笑(ヲタクあるある深読み癖)
そ し て!2021年始まって間もなく、ベストオブ幸せになってほしい受けにランクインした倖夫(ゆきお)が、この独白の後ろに透けて見えて私は切な死にました。たくさん幸せになってね...。
☆ここが尊いよ、くつゆき
1.二人とも寂しがり屋の甘えん坊カプ。過去のこともあり、独占欲の強い轡田と、愛を知らず育ち己が愛を求めていることを自覚しないまま無気力に生きる倖夫は、出会ってしまったが最後惹かれ合う運命なんです。ずっとイチャコラしてなさい。
2.作中では誇張なく本当に犬として轡田に飼われずっと振り回されていたような倖夫。けれど轡田により本来の倖夫の内面的外見的美しさが表立つようになります...が、自分に自信がなく周囲にどんな目で見られているかも知らずのほほんとしている倖夫(健気無自覚美人て最強)に、これから轡田の方がたくさん嫉妬し振り回されるんだろうなあと思うと、私は笑いが止まりません。ずっとイチャコラしてなさい。
犬として調教される倖夫がどんどんそれを受け入れ、悔しさや羞恥心が悦びとなる姿は率直にエロすぎました。それだけに轡田のある行動にプッチンキレる倖夫にめちゃくちゃ感情移入。
轡田も”犬”には裏切られることもない、そう思っていたのにその犬に惹かれる自分に焦っていたんだろうとは思いますが、ちょっと一発殴らせてほしいです。
読み手側を否応がなしに登場人物に感情移入させる文章は、さすが榎田先生完敗でした!
何でもっと早く読まなかったのか...。
読み終えた方は、くつゆきのイチャコラ話をもっとみた〜〜〜い!!!そう叫ばずにはいられないと思います。
素敵な作品ありがとうございました!
ワンコプレイではなく、本当の『犬』として接し教育するお話は真新しく、とても興味深かったです。
非人道的なようで、そこに安らぎというか幸せが見えるんですよ。
皆さまが言う自分も轡田(攻め)の犬になりたい、って気持ち凄く分かりますもん。
愛を感じるからこそ低俗な遊びには見えず魅力を感じました…。
どこにでもありそうなお話ではなく、オリジナリティがあった。
読んでいてこれは当たりだと思いました、面白かったです!!
2020年最初に読了。
評価が良かったので楽しみにしていましたが読んでみてもとても良かったです!
正直「犬」というのはもちろん男娼であるのだから最初からエッチな展開なんだろうなと思っていたのですが、本当の本当に「犬」として扱われる生活に驚きました。
しかし物語が進むにつれて、ユキオがユキとして飼い主をどうしようもなく無条件で愛していってしまう様が危険であり可愛く映ります。さすが榎田先生の一言。
ペットラバーズシリーズをライオンと猫も読了しましたが最初の犬が個人的にはストーリーが一番良かったです。犬が一番ベーシックなペットですね。飼うなら私も犬がいいです。
「犬ほど素敵な商売はない」というタイトルから漂う自嘲めいた感じやコミカルさはなく、ガチの犬っぷりに途中ビビりました。
ワンちゃんごっことか、ワンコ受けみたいなかわいいものではなく、「犬になる」契約をした受けが最初は反発しながらも、途中心底、攻めの「犬」としてなりきるというか「犬そのもの」になっているところは、もはや洗脳&マインドコントロールされまくってるとしか思えず、なんつー恐ろしい話なんだ……と思っていたのですが……。
破れ鍋綴じ蓋なんて言葉が生易しく感じるほどでした。
途中で攻めのことを、相手をまるごと呑み込む嵐の海にたとえ、対する受けは乾ききった砂漠だと例える一文があるのですが、まさにそれだと。
お互い愛に対して尽きぬものがあって、運命としかいいようがない組みあわせだと思いました。
これだけだったら萌萌くらいだったのですが、最後の展開に神だ!!!と思いました。
生い立ちのせいで自己評価が著しく低い受けは、周囲から執拗にモデルデビューを勧められても、自分に自信がないからと相手にしません。
それを聞いた攻めが「自分の狭量のせいで、自身の価値を知らずに過ごすなんて……最悪だ」と、モデルデビューを勧めるのです!
受けのことを「宝石箱にしまっておきたい、鍵をかけて誰にも見せたくない」と本気で思っているし、受けに仕事をさせず家で専業主夫やらせて閉じ込めておきたいというのが本望だろうに、自分の嫉妬心よりもお前の未来が優先されるべきだからと言って、新しい世界へ挑戦させる姿に果てしない愛情を感じました。
お話の途中までは、完璧な飼い主と完璧なペット犬という病んでる?としか思えないような関係だったけど、こんな素敵な終わりになるとは思いもよらなかった。
そしてモデルの仕事に関する細かな注文が、もはやご馳走さま…としか言いようがない域に達してて読んでてニヤニヤしちゃいます。
そしてお話の最後の最後、攻めのセリフが何とも良かった。
他のシリーズも読んでみようと思います!
Pet Loversシリーズ第一弾、犬です。
賛否両論ある作品ですが、私はシリーズ内では今作が一番好きです。
とはいえ、読み始めはあんまりの『犬』徹底ぶりに引きそうになりました。
本当に犬の躾けですもん…。
しかし反発していた倖夫が轡田に愛情を感じるにつれ、私も今作の好き度があがってきたという。
寂しい者同士なんです。
轡田は「さみしくてさみしくて気が狂いそうだったので、犬を飼うことにした」といってクラブから人を犬として雇うくらいですし、倖夫も愛に飢えていた人。
出会い方が特殊すぎなんですが、出会うべき人に出会ったんでしょうね。
想いが通じ合った後は、どんな時も「最初に会ったらキス」という約束のある2人。
ちょ…少しは周り気にして…(笑)
お互いしか見えてない、そんな2人にニヤニヤしました。
今作で一番好きなセリフは「お前を喰らうよ」。
クラクラします…!
ご主人と犬としての主従契約を結んだ轡田と倖夫ですが、倖夫は決して、BLで言うところの可愛いワンコではありません。作中ではボルゾイと表現されていますが、私はどちらかというとドーベルマンとか土佐犬といった狂犬の類をイメージしました。しかも飼い主以外には絶対に懐かないので、完全に「狂犬注意!」と門戸に書かれるやつです。そのくせ、心臓は兎の心臓で飼い主が構ってくれないと寂しさで死んじゃいそうなくらい弱い。
轡田は轡田で、傍から見れば仕事のできるイケメン社長ですが、一癖も二癖もある。でも、それが最終的には彼の魅力に思えてしまう。
重すぎる執着攻めを嫌悪感を抱かせずに、悲惨な過去を持つ受けを同情を誘い過ぎずに書くことに関して、榎田先生は本当に天才だと思います。
一種のマインドコントロールとか倒錯愛だと思いますが、暴力や言葉で傷つけて支配するのではなく、一途な恋の延長上に執着-依存の関係が成り立っていることをじわじわと読者に浸透させていく筆力は流石です。
本当に犬なんです
なにを言っているの?って感じなんですが、
受けが攻めによって精神から動作まで
彼(犬)の従順な犬(人間)にさせられてしまう…
とんでもなく変態くさく(褒め言葉です)
とんでもなく、耽美なお話しです。
1つ言うなら、
性的に倒錯した人間の話ではありません。
人間をペットに…な時点で
倒錯していると思いますが
彼らの寂しさに触れてしまうと
そんな風には思えなくなってしまいました。
では、まず「本当に犬」であるというのは
最初は当たり前ですが"人間"なので
受けは攻めに"しつけ"(調教と言うのは違う気がします)
をされるところから始まります。
"しつけ"というのは、sit、stay、down など
動物の犬にするものと全く同じものです。
もちろん人間なので
全力で抵抗と反抗をするわけですが
あくまで、犬として扱ってくる
(酷くするわけではなく…)
攻めにだんだんと、じわじわ調子を狂わされ
絆されていく過程の耽美なこと…!!!!
絆された受けは犬そのものなので、
ご主人様と会えなければ不安でたまらないし
甘えて愛されたい。愛されたいし嫌われたくない…
攻めは、飼い主として
甘えられれば可愛くて甘やかしてしまう。
自分だけのものに縛り付けてしまいたくなる…
(だんだんと、飼い主とペットの関係から
人間的な愛情に飢えていきます)ここは私が感じた見解ですが…)
飼い主とペットの関係への萌えをもう1つ
飼い主はペットが言いつけを破ればお仕置きをします。
当たり前ですよね、自分のペットなのだから
ちゃんとしつけをしなければ…
お仕置はというと、
いわゆるSMチックなものではなく
家犬がされるような、外で反省しなさいといった
リードをつけられ庭に追い出されるようなもの。
彼の犬にされたものの
人間なので、しようと思えば首輪を外し
リードだって外せるのに、彼の犬でありたい
受けはそれをしないんです…
不器用で寂しい2人が
こうして、特殊な愛情関係で
結びつく…
こういった、彼には彼しかいない!!
依存しあった関係があまりにも、
あまりにも最高なわけです…!!!
と、私が萌えたシーンは数知れずですが、
最後への持って行き方は少し無理があるんじゃないかな?と思ったり…
ただ、そこも最初から中盤にかけての萌えを持ってすれば補われます。
それくらいには特殊で的確で他にはない
とんでもない"耽美かつ萌え"性癖が!!組み込まれた
全力でオススメしたい!
最高に耽美で!変態な!切なくて愛おしい作品です
途中まで、話が特殊すぎてとまどいました。本のタイトルと内容があまり合っていない気もします。
どの程度愛というものを知らないと、人の犬になることに幸せを感じれるのかと思いましたが、思いはまとまらず。
でも最後のほうにある、
”轡田が相手をまるごと呑み込む嵐の海だというならば、倖生は乾ききった砂漠だ。”
という1センテンスで、妙に納得しました。どの程度の愛とかではなく、運命の相手同士だったんですね。
”女たちとのセックスなど、この深くて激しい交わりに比べたら、前戯みたいなものだった。”
思わず、「だろうね~」と口に出して感想を述べてしまった私。
動物シリーズすべて読みましたがこちらの犬が一番好きです。物語としては王道中の王道 BLにみんなが求める二人の関係性が間違いなしに散りばめられているのでBL好きなら読んで損は無しの一冊です。最初は嫌な奴かと思った轡田清巳さんが本当に可愛らしい人でただただ愛すべき存在です。淋しさが素直に表すことができない不器用な人 そんな清巳さんに懐いていくワンちゃんが素敵です。もっとその後の2人がどういう生活をしているのか読んで見たかったです。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
さみしくてさみしくて気が狂いそうだったので、犬を飼うことにした。
・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥・‥…━…‥
冒頭、こんな一文から始まります。これはまぎれもなく今作の攻め視点の一文です。これ以外は殆ど受け視点で語られます。よってこの一文、寡黙な攻めの気持ちを表した唯一の言葉として、最後まで重く心に止めながら読み進めることになります。
犬を飼う、と一口に言っても本当の犬ではなく、人間であり、今作の受けです。
受けは知り合いから誘われ、犬として働くことになります。飼い主のもとを訪れた当初、受けは「男娼」として呼ばれたものと思い込んでおりました。ところが攻めが呼んだのは、自分の命令に忠実に従う「犬」でした。本物の犬だと寿命が短く、死ぬところを見たくなかったからです。
受けもですが、攻めも早いうちに家族を失っております。攻めは家族を亡くしたあと、当時飼っていた犬に慰めを得ておりましたが、6年後に死んでしまいました。攻めはその時の喪失感を忘れられず、人間を犬として代用することを考えました。
二人には天涯孤独という共通点があり、愛に飢えていました。しかも読み進めると分かることですが、攻めはかつて束縛愛によって恋人に去られた経験があります。それゆえ攻めは、自分の愛が常軌を逸していることを自覚しています。だから人を愛することをやめ、でも寂しいから犬(人間)を飼うことにしたのです。
にしても犬になれなんて…実際にはあり得ないことだし、あってはいけないことですよね。ま、小説なので楽しく読ませて頂きました♪受けは犬扱いされることにむかつきながらも呼び出しに応じ続け、いつしか犬であることが「楽」だと思うようになります。
L(゜□゜)」オーマイガ!
この心の変化、めちゃくちゃ素敵!と思いました。たぶん自分だったらきっと無理。1日目でリタイアしてしまったはずです。でもこの作品の受けは、育った環境や心の在り方にもよるのでしょうが、「楽」と思ったことからどんどん飼い主さんに懐いていきます。
受けの変化は攻めにも通じるものでした。反抗心あらわに言うことを聞かなかった受けに対し、当初は厳しく意地悪だった飼い主も、受けの従順な態度にどんどん優しくなっていきました。寂しがり屋の二人の距離が縮まっていく、最初の砦が崩れる瞬間を見た思いです。
二人は気づいておりませんが、たぶんこの時以降、相思相愛だったに違いありません。ただしどんなに縮まっても二人の関係は、飼い主と飼い犬のまま。一体攻めが受けを人間として愛してくれる日はあるのでしょうか。
とある日、攻めがフルーツサンドを受けに食べさせてくれるシーンがあります。攻めの手から直接頂くのですが、攻めの手にたっぷり零れたクリームを舐めるシーンが本当にエロティックで、萌えましたー(//∇//) 実際の愛の行為よりも、こんな何気ないしぐさにこそ持っていかれるものなのですね。
その後もいろいろ紆余曲折はありましたが、やはり何といっても二人の愛が成就するラストがたまらなく好きで、何度も同じシーンを読み返してしまいます。「お前を喰らうよ」(なんて素敵な愛の言葉なのでしょう!)と言う攻めのセリフから始まり、二人の愛のむつみは止まりません。終わらないセックスってあるんですねー♪
この後、攻め(=社長)とその部下と受けの3人で食事をするシーンがあるのですが、部下から「社長も大人になりましたねぇ」などとジョークを言われたり、トロットロに甘いラブラブな二人を見ることが出来たり、幸せのおすそ分けを頂いたような気分で本を閉じました。
絶対オススメですよー♪この度も長々と有難うございました<(_ _)>
面白かったです。まんま犬、というレビューを見て、精神的に痛かったらやだな~、とおそるおそる読み始めましたが、さすが榎田さん、読ませてくれました。
さらに、犬ごっこの変態が個人的に全然ありで萌えるという。
後半は、Hも含め甘々王道展開でした。前半の変態っぷりを貫いてどう着地させるかっていう展開を見てみたかったのですが、その辺はBLお約束でした。
攻め受け、両者がお互いを必要とするようになるバックグランド、キャラの描き方があって、非常にスムーズに最後まで読めました。
全体にシリアスですが、タイトルのセリフだけは榎田さんのコミカルテイストが出ていて吹き出してしまいました。お話しにはほとんど関係ないですが。
というわけで、次はライオンに行きます。
会員制デートクラブでバイトを始めた倖夫は、
轡田に犬として飼われます。
しかし轡田が求めているのは、本格的な犬で2足歩行禁止、口もきいてはいけない、水もお皿からという徹底ぶり。
はじめは抵抗をしめしていた倖夫でしたが、犬としてであっても愛されていることに心地よさを感じて、どんどん犬化していきます。
お互いの愛情が感じられたので、読んでいて嫌悪感はありませんでしたが、なんだか異様な光景をみているようでした。
二人とも愛に飢えていたからこそ成立した関係かも。
倖夫とボルゾイのイメージはぴったりでした。
最後は人間として恋人関係になってくれてほっとしました。
電子にて。
ペットシリーズ1。
非常に面白かったです!
専属を解消され絶望しているユキの姿にうるうる。
何度読み返してもそのシーンで泣けてきます。
愛に飢えたユキと、愛し尽くしたい轡田。お互い相手をベロベロに甘やかして欲しい!
最初に会ったらキスをするルール、甘々でとっても素敵だと思いました(*∩ω∩)
あらすじは、他の方が書いてくださっているので感想を…
「さみしくてさみしくて気が狂いそうだったので、犬を飼うことにした。」
こんな一文で始まります。これでほぼ内容がわかると思います。
とにかく面白かったです。私はさらりと読めました。
倖夫(受)を完璧な犬として躾けようとする轡田(攻)と、初めは犬として扱われる事に反発しながらも犬として大事に扱われる事で自分の求めていたものに気付き離れられなくなってくる倖夫。
破れ鍋に綴蓋的なお話でした。
轡田の前恋人の破られた写真が出てきた時には、もっと深刻な別れが…?
と思いましたが、そうでもないし
犬として躾けられている倖夫自身も、初めから断ることができたのに
葛藤しつつも納得しそれを望んでいるから、その点も不快感も無し。
犬としてではあるが轡田に飼われたいとの感情の変化も詳しく書かれていて本当に面白かったです。
自分は捨てられ新しい犬を飼おうとしている轡田に怒って抗議するのかと思いきや、呼ばれた別の犬に対して自分のテリトリーを奪い返そうとしたりと、すっかり轡田の従順な犬となっていった倖夫ですが、そのまま犬として飼われて終わるのでなく、きちんと対等の恋人同士としての様子までが書かれている為、読後感もすっきり。
お互いの寂しい心を埋め合う為の執着愛ですので、一方的じゃないところがまた良かったです。
この本を読む前は、「レビューでも絶賛されてるなぁ。まぁ、そんなに重い話じゃないでしょ。主従モノは好き。のらりくらりとハッピーエンドな話かなぁ?」と思っていました。
…読んでみたらその程度のものじゃありませんでした。
深い。愛のある依存関係。最後はハッピーエンドでしたが、それまでの話の道のりが、愛しくもあり、苦しくもありました。
犬として愛される心地よさに浸って、人間としての生活が空っぽになってしまう受けは、見ていて心が締め付けられました。
人間としての理性を持った上で感じる幸せ。人間だが犬となり、世間体などほっぽらかして主から与えられる愛と快適さで感じる幸せ。どちらが正しい幸せなのか、よーく考えると分かりません。
幸せとはなんなのか、考えさせられました。
最後には、二人はちゃんと人間としての恋人となり幸せになります。ホッとしました。
依存と束縛に偏った愛ではありますが、それでもいいと思います。私自身、そういった依存の愛は嫌いじゃないです。
この作品は、単にBLの域を越えています。もっと人間の奥底にタッチした作品だと思います。
読んだあとに頭のなかでストーリーを思い返して、あんなに長くて深いストーリーがこの一冊に詰まっていたのかと思うと少し驚きました。
倖生は適当に今を生きていた。
稼ぎの額にひかれ訪れたのは、とある事務所。
『Pet Loves』というその会社は会員制のデートクラブで、倖生は「犬」になるために轡田という客のもとを訪れる。
犬、と言っているが、ようは体を売るんだろう。そう思っていた倖生は、轡田から要求された内容に強い反発を覚える。
なんと轡田は、倖生に本物の「犬」になるように命令してきたのだった──。
真剣に「犬」を求める轡田の姿がすごく異様です。
けれど、反発しながらも轡田のもとを訪れ、そしてあるきっかけから倖生は「犬」になることを厭わなくなる。
倖生もまた、どこか歪んでいました。
「飼い主」は惜しみなく「犬」に愛情を注いでいい立場にあり、そして「犬」は「飼い主」の愛情を甘受していい立場にある。
轡田にしろ倖生にしろ、心から強く求めていたものが、歪な形であれどそこにあった。
そんな形でしか求められない二人に、なんていったらいいんだろう…怖いと思うのと同時に、すごくすごく切なくなりました。
窮屈なほど独占欲を発揮し、愛情をたっぷり注ぎ相手を縛り付けたい轡田と、空っぽの心に苦しいぐらいの愛情を注ぎこんで欲しい倖生。
そんな両極端な二人だからこそ、終わることなく恋人として一歩を踏み出せたんだと思います。
最後の10ページ分で、あれ、これってゲロ甘なお話だったかしら、と勘違いしてしまいそうなほど二人のバカップルぶりが描かれています。
うん、その甘さも、どっかずれてるんですけど。
最初に会ったら家だろうが外だろうがとりあえずキスって、どんだけですか。
カフェの客も店員も職場のスタッフもいい迷惑だよね。笑
自分の魅力を自覚していない倖生に轡田さんは呆れています。
宝石箱にしまっておきたいなどと真顔で言うくせに、自分の愛玩犬が自分の魅力に気づいていないのは許せないみたいですよ。
恐ろしいほどの歪みが背景にあったはずなのに、読了後は甘ったるい恋愛ものを読んだ気分になったお話でした。
Pet Loversの1作目ですが、蛇、獅子、犬の順に読みました。
今回の作品ですが、私は調教物やSM物は苦手でも好物でもありません。
なので攻めと受けの間に愛があれば全く問題ないジャンルだと思うのですが、この2人にはちょっとついていけませんでした。
主に攻めの轡田さんの考え方がよく分からず、ついていけなかったのだと思います。
誠実だし責任感があってかなり好印象な攻め様だなぁと思っていので、どうしてあんなにばっさりと倖生を切ることができるのだろうと不思議でした。
たとえ契約だったとしてもあそこまで執着させておいて。
倖生の幸せを願っているからと言っていましたが、倖生のことを見たうえで言えるセリフなのか疑問に思いました。
自分の感情をもてあまし恐怖したからというよりも、都合が悪くなったからと捨ててしまう無責任な飼い主に映ってしまったのです。
(こちらで轡田さんのカテゴリを見たら、ヘタレ攻めとあって納得しました。)
それにシリーズ3作品読んでいて、後半に受けが拉致あるいは監禁されて攻めが助け出すという展開が一緒で、またこのパターンかと白けてしまいました。
2人の関係性に愛を見出せるか、またはほの暗い歪みに萌えられるかで評価は分かれるのかもしれません。
私は執着攻めは好きですが、受けが攻めからの愛にあまりにも依存しているとモヤモヤが残ります。
攻めの愛に頼らずとも、自分のことを認めてあげられるようになってほしいと思うからです。
このシリーズはPet Loversという高級娼館まではいかないギリギリのバランス感覚や、仕事上の契約と本心とのはざまで揺れるすれ違いなどがとても魅力的です。
ですが個人的には物語の展開と受け攻めが好きになれませんでした。
榎田さんは好きだし、凄く期待していたのでとても残念です。
しばらくして読み返したら印象が違うというタイプの作品かもしれません。
結構、評価の分かれる作品なんですね。私は好きなんですけど。
まずは、轡田のユキに対する愛情がいい。常にユキに目を向け、愛情を注ぐ。そして、それは、幼いころ母親に愛されなかったユキにとって、これほど心地よいものはないというものになっていくという・・・犬である間は、自分は何も考えず、主人にどっぷり甘えていればいい。いやあ、すごい。
そして、轡田のユキに対するセリフがいい。
「悪い子だ」
「困った子だ」
「いやらしい子だ」とか。
轡田に調教されたユキが、彼の言葉攻めに反応しまくるのもいい。そして、悪いことをしたユキに、轡田がお仕置きするのもいい。鎖につないで外に放置したり、尻をいじって射精させたり。
思いが通じた後の、轡田の宣言通りの執着っぷりもよかった。「お前を喰らう」宣言のあとのがっつがつのセックス。ガタイもよくて若くて体力たっぷりのユキが音を上げるとは・・・どんだけ底なしなんだ。轡田さん!!
これが、榎田さんの、50冊目の著作です。
『Pet Lovers』シリーズ1作目です。
内容はいまさら触れるまでもないと思いますので、個人的な感想を。
非常に評価の高い作品ですし、小説としてよくできているんだろうとは思います。
ただ、私はこれのどこがどう面白いのかも理解できないままに読了してしまいました。
私は『僅かでもSM的なもの(本物・真面目なSM考察も単なる暴力の言い訳みたいなのも全部)』も『調教』も、ものすごく苦手なんですよ。
まあ、こちらは『SM』ではないんでしょうね。『調教』にしても、BLでよくあるタイプとはまったく別物です。それは確かです。
『SM』ではなく(一種の『調教』ではあるとしても)、これは『純愛』なんだと思います。思いますがそれだけです。
それよりも、とにかく『病んでる執着』系統がダメなので、もう読みながら拒否反応が出ました。
キャラクターもストーリーもエピソードのひとつひとつも、すべてが『好みじゃない(=しゅみじゃない)』んです。
榎田さんは、上手い作家さんなんだろうとは思っています。
でも、私は初期からかなりの数読んでみて(それこそ『魚住くん』から『交渉人』まで)、申し訳ありませんがほとんどの作品は、よくて『上手いんだろう、けどそれだけ』としか感じないんです。
とにかく、まったく面白いと思えない。
中でも、こちらはどうにも無理でした。ただひたすらに、気持ち悪くて気分悪かったです。
犬を飼うことにした。
この一文だけのページから始まります。
たったそれだけでこの世界を理解させて引き込んでくる。すごいことしてくれますね。
同時に、このページを破り取って持ち歩きたいと思うほど撃ち抜かれてしまいました。
榎田作品全制覇を目指すことが決定した瞬間でもあります。
やばかったです。久しぶりにこんな突き抜けた萌えを経験しました。・・・はぁ。神様ありがとう(泣)
確かに調教モノなんですが、一味違っています。背景の描き加減といい、テンポといい、文句のつけようがなかった。そのくらい私にとってはど直球でした。
榎田さんのコメディを読んだ後だったので、タイトルを見てこれも少し軽めのお話かな?と気軽に読み始めたんですが、がっつり裏切られました。
ものすごくねっとりした濃い愛情なので、ドロドロに重い話になりそうなものなのに、うまい具合に乾いた明るさがあってしつこくならない。でもちゃんとコクは届いてくる。どう料理したらこんなものが出てくるんだろう?と首をかしげるばかりなのです。
迷うことなく神評価にしてしまいました。
できることならこれ、私は山田ユギさんの絵で見たかったです。
榎田先生の作品は、交渉人シリーズとeroticaしか読んだことがなかったのですが、どちらも文章力と世界観が秀逸で、是非他の作品も と思い、ちるちるで評価の高かったこちらの作品を読んでみました。
が、怖かった。全く萌えられませんでした。
ーー犬だから考える必要ない。
ーー犬用の愛で構わない。
はっきり言って異様だと思いました。
轡田がいない場面でも、後悔や反省の念から無意識的に?”伏せ”の体勢をとること。
犬でない自分に興味を示さない轡田を意識して、野外にも関わらず四つん這いになってしまいたい衝動に駆られること。
ゆきおの狂おしいまでの寂しさやら、異様なまでの焦燥、依存やら、犬としての主人への信頼やら。
榎田先生の克明な描写は本当にリアルで圧倒されますが、その分、ダメだと思うととことんダメでした。
ただ、この作品を低評価にさせていただいた主な理由は、寧ろ轡田への不信感にあります。
まずもって、<犬ならば人間ほど深入りせずに済むと思った>
犬としての人間を軽視しているようにしか受け取れませんてした。結局扱ってるのは人間だし、自分の都合で一方的に捨てる、突き放すっていうのは、犬であろうと人間であろうと、勿論犬のふりした人間であろうと、あまりに理不尽。契約関係にあるといっても、常識ある大人がすることとは思えませんでした。
とくに<男娼はいらないと言っておいて、結局お仕置きと称してゆきおの身体を弄ったこと>、更に<その翌日にこれまた急にゆきおを捨てたこと>は酷い。手放したのも、ゆきおに幸せになってほしかったからというようなことでしたが、手を出された上に放り出されたら不幸に決まってます。手を出す前に手放してあげるべき。
飼い主と犬(プレイ的な意味でなく)から人間同士の対等な恋愛関係に簡単に昇華できると思っているあたりも理解し難い。
また、事件の収束や破ってつなぎ合わせた写真の理由、その後のSEXも、全てがチープで盛り上がりきれませんでした。
ペットごっこの中でゆきおが変わりゆく様は実に巧みに描かれていた分、あとの付けたし感にはいささか不満です。
ただ、みなさま描いておられますように、世界観や描写は本当に巧みで感嘆モノであることには変わりないかと。
いろいろと書きましたが、この点に関してのみでも読んでみる価値は恐らく充分にあるかと思います!^_^
榎田さんの作品は好きなのですが、まだまだ初心者なのでメジャーな交渉人シリーズやペットシリーズは手付かず状態でした。交渉人は巻数多いしペットは…。
ペットって調教もの?SMもの?それってプレイ??
正直どれもそんなに好きではないので躊躇ってたのですが…ちるちるさんでの高評価やレビューに勇気づけられ、とりあえず一作目の犬、読んでみました。
凄いですね!!
プレイっていうか、本当に犬!
最初ちょっと痛かったけど、犬としての信頼関係が芽生えてからは痛いというか切ない!切ないところから今度は恋愛感情が来て、最後の甘々!
物語があってでも萌えもあって、何度でも読み返したくなります!
なんでもっと早く読まなかったんだろ?新しい出会いをくれたちるちるさんと皆さんのレビューに感謝です!!
とりあえず一気に二回読みましたw
でも次のペットに行くか再び迷い中…(笑)
犬!
犬、獅子、猫、蛇とあるのですが
第1作目になります。
ん~ん、この飼い主嫌い!(笑)
響田と三浦のすれ違いにはヤキモキヤキモチしました。
というか、本当響田の行動はこちらとしても首をひねるものばかりですよ。
こちとら同じく犬になってますからね読んでる時は(笑)
三浦の人間からペットになっていく姿がなんとも痛々しいし不憫・・・・。
響田なしではいられない人間の自分なんて心地よくもなんともない早く犬になりたいと思っちゃうからすごいよね。
響田によってもたらされるのは心地よさとと安心感、その飼い主である彼がほかのペットを手にいれようとした時三浦がキレた!!
キレた三浦をみて喜ぶ響田はゆがんでるぜ~。ワイルドだろ?(フルッ)
結局すごい三浦に対して執着した自分がいやでほかの犬を試そうとしてたってはなしなんですけど三浦からしたらとんだ裏切り行為だよね。
なんともゆがんだ愛だなぁと思いました。
響田の元恋人の恋人がでてきて三浦攫います。そして響田がなんで犬のペットにこだわるかとか全部過去と元恋人の影響だったということがわかります。
三浦振り回されてかわいそす。
そのあとの響田の過保護には笑えます。なんだよこいつ・・・最初っから素直にそうしてよ!
なんだかんだですごい響田嫌いなんですけどね4作の中でこのお話が一番好きです。
一番 ペットだなぁ~と思える作品です。
これって愛なの?執着なの?二人がよければそれがいいか?
PET LOVERSシリーズ、1作目。
まずは犬から・・・。
本当に犬になっちゃうんですねというか、動物(人なんだけど)を派遣する会員制クラブ(とても怪しい)飼い主と犬から始まった轡田と倖生の関係が恋人同士に変化していく過程に引き込まれました。
互いに孤独で相手を縛ることでしか愛せない轡田と愛情を知らずに育ちそれに飢えていた倖生。
恋人同士になってからの幸せそうなふたりがとても良かった。
轡田の部下の岡、倖生の友人のナナ、脇役も良い味出していました♪
榎田尤利先生の「優しいSの育て方」が好きなので
榎田先生の作品ならSMものなら読めるかなぁと思ったのと
自分の中で志水先生がブームなので読んでみようと思ったんですが
これはアタリでした。
神評価でも良い位なのですが、シリーズ物の第1作目ということで
抑えておきました。
今作はSMものではなくて、逆に引いたのですが終盤にいくにつれ
嵌っていきました。最終的にはめちゃめちゃラブラブで好みな感じに
終わったので良かったし、このシリーズを読んでみよう!と思えたのでした。
はじめはSMを想像して手にしたのですが、そういうことではなかった作品。
犬扱いは、純粋に(?)ワンちゃんゴッコの延長線みたいなやつでした。
かといってガッカリしたかというと、期待以上に面白くてびっくりしたのを覚えてます。
相手が好きすぎて束縛してしまう攻めと、
愛情をもらわずに育った愛に飢えた受け。
凹凸がうまくはまり合うようなコンビだから成り立つお話です。
相手を束縛しすぎて人とうまく付き合えない寂しがり屋の攻めが、心の拠り所としてペットを飼うことにしたものの、本物の動物は死期が早いので、犬のフリをしてくれる人間を雇う、ということで出会ったふたり。
大人のするワンちゃんゴッコだから、とても本格的で、4足歩行に慣れてない人間にとっては過酷なことこの上ないのですが、エロいかというとセクシャルな意味でのいやらしさはありません。
でも、バイトとはいえ犬扱いされ、皿で水を飲まされるなど屈辱感はあります。
人のときより、犬のフリをしてるときのほうが、雇い主は優しいので、それもまた受けにとっては屈辱です。
始めの頃は、そうした屈辱感と高額なバイト代を秤にかけて、なんとか我慢するというのが受けのスタンスでした。
でも、徐々に、犬の時に与えられる優しさや愛情が心地よくなり、飼い主と犬の間にあるような絆みたいなものが双方に芽生えてくるのです。
お互いに、気持ちを打ち明ければ距離を置かれるだろうと思い、その先の関係には簡単に進めない。
むしろ、相手に溺れて後に引けなくなることを恐れて飼い主の方(攻)は受と距離をとったりします。
ひとりの人間と人間ではうまく距離をとれないのに、『飼い主と犬』というおかしな関係の時のほうが居心地がいい…そんな歪んだ絆を解きほぐし、『人と人』の次元でもいっしょにいられるように、恋の駆け引きをしていくお話です。
変な話ですが、『飼い主と犬』の関係の二人のほうが幸せそうで、見ていてキュンとさせられました。
「どんなSMかな~?」なんてピント外れな期待をいだいて読んだ作品でしたが、エロスがなくてもストーリーの深さや、ふたりの精神的な繋がりの描写などにキュンキュンしっぱなしでした。
晴れて恋人同士になったふたりは、もうワンちゃんゴッコの真似事なんてしていないのでしょうが、飼い主と犬としてのふたりのやり取りもほのぼのしてて好きだったので、たまにはそういう遊びをしていてほしいな~なんて妄想してニヤニヤしてみたり。
こういうほっこりした調教モノのアリですね。
『調教』という単語とかに嫌悪感抱く人でも読めるような…心温まる平和的な調教モノです。
《個人的 好感度》
★★★★★ :ストーリー
★★・・・ :エロス
★★★★★ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★★・ :構成
ペットがほしいなと思う時って寂しい気分の時だなあ。
うまい所付いてくるぜ!
これは絶対にお客様来ますよ。
だって美形が派遣されてくるのですから。
お金持ちなら試してみたいだろうなあ。
値段はお一人いくらぐらいかかるものでしょうか。
(貧乏性だから 金に食い付きます)
興味がすごいあるわあ。
今回は イヌです。
本当のイヌのようにシツケられてますね。
シツケプレイなのか。
ご主人様攻めのストレス発散みたいな感じです。
寂しかったのですね。
流石、榎田さんと思った作品でした。
金で雇った受けを賢い犬に躾ける、という突拍子もない設定なのに、すんなり納得、読めてしまう。
なんだか「マイ・フェア・レディ」の主人と犬版みたいな(笑)。
恵まれない幼少時代の家庭環境や、誰にも愛されず、人生に何も望まずただ生きているろくでなしという受けが、初めて自分だけを見てくれる主人という存在を得て、次第にそこに幸福を見出す。
攻めは本当に犬を訓練するように受けを訓練するのですが、決して一線を越えようとしない。
だけど、犬として接してもらえてるのは、金で買われている間だけという思いがあって、次第に強くなる受けの攻めに対する気持ちが切なかったですね。
訓練中はほとんど甘い所が見られなかった二人ですが、恋人になってからはもう遠慮しない、といった感じで、二人のラブラブぶりが萌えました^^。
ワンコ受ですが、最初からワンコ受なのではないし、普通にイメージするワンコ受とはちとタイプが違っていて、ロクデナシを自覚している顔と体だけが取り柄なロクデナシ受です。
倖夫[受]は不幸な生い立ちで天涯孤独な身の上で、何にも興味もなく不幸でも幸福でもないというロクデナシ。
そんな彼が飼い主の元に人間をペットとして派遣するというPet Loversに「犬」それも「ボイゾイ犬」として登録され、轡田[攻]に毎週数時間「犬」として飼われる様になります。
犬は口をきかない、犬は立って歩かない、犬は皿から飲み物を飲む、等々、ある意味SM的な「飼い主」と「犬」との関係に初めは反発を覚えるものの、次第にその関係がまるでそれが当然の様に築かれて行く様子が興味深いです。
特に倖夫ことユキが、轡田の犬である事に対して不思議な満足感をおぼえ始める流れが、不自然でなく自然に思えてくる読ませ方は流石!!
事件は起こりますが、それはやや蛇足的にさえ思えました、物語の神髄は孤独な飼い主と、飼われる事によってやっと幸福になった犬、彼等2人、その描写と結び付きにあります。
ものすごく好きなお話でした。両片思いが大好きな私としては、こういう当初の関係性に縛られて素直になれない人たちというモチーフにはきゅんきゅんします。
ただ、倖生の独占欲は地味に轡田さん並に危ないよということをもっとアピールしてほしかったなと思います。シュウに対する行動のエピソードで、倖生の依存心のヤバさがもっと言及されていたら、個人的にはより萌えられたかと思います。
二人の共依存関係のバランスがよりわかると思うので。
と、さくっと感想は終わり、ここからは深読みというか妄想の末に感じたことです。
本書において、飼い主と犬という契約上の関係が、両者とも人間である以上恋愛関係に移行していく可能性は多分にあり、むしろ移行してもらわないと困るのですが(笑)本書のラストではいまだ人間同士の恋愛関係には至ってないのではないかと思います。
倖生を「一目見て惹かれた」轡田はともかく、轡田の「犬」として大切にされることで轡田に依存することとなった倖生の感情は本当に恋愛感情なのか。
立場としては飼い犬だけれど実際は人間であることから生まれる特殊な独占欲とどう違うのか?
これが男女間であったり倖生が元々ゲイなのであればそのような独占欲を恋愛感情と認識(≒誤解)するのも納得なんですが、そうでないぶん恋愛感情ではない依存心である可能性も捨てきれないと思うんですよね。
といろいろ書いてはみたものの、もしかしてこれは深遠なホラーなのか…などとちらりと考えつつ、BLには愛と萌えを求める私は、両片思いの末くっついた愛情過多気味のはた迷惑なカップル話として楽しもうと思います。
最初の一文。
「さみしくてさみしくて気が狂いそうだったので、犬を飼うことにした」
衝撃でした。頭をぶん殴られたようです。
本書は何度も読み返しているのですが、その衝撃は、薄れるどころか、二度、三度と読み返すたびに、ますます強さを増して心を揺さぶられます。
ここに出ている言葉はみんなある意味反語なんですね。
「寂しい」から「傍にいて欲しい」「愛して欲しい」
その最初の「寂しい」というところから、無自覚なのでもどかしいんです。
傍から見ると、それは紛れも無く「恋」であることが分かるのに(本文中でナナが指摘したように)、当人達にだけは分かっていない。
それは、それぞれの心の事情故ともいえますが、「PET LOVERS」という大きな仕掛けがあるんですね。
秘密の会員制クラブ。
ありがちです。ですが、周囲から閉ざされた世界だからこそ、外に出せば一目瞭然の関係にも気付くことが出来ない。
何だか上手くまとめられませんが、非常に技巧的な作品だと思います。しかし、感情麺にも深く言及していて、そのアンバランスさが一層作品に深みを与えている。……説明文のような感想になってしまいました。スミマセン。
最後に、コレだけは言わせてください。
私は、泣くためにこの本を読みます。
なんか、「犬として厳しい躾される」って聞くとどうしても…セックスの一環でそういうプレイすんのかなって想像しちゃうんですけど、そうじゃなくて.
本当の本当に、「犬として」の躾なんですよね.
犬だから一切喋ってはいけない、手も使ってはいけない.
飼い主である轡田からの命令は全てcome、stay、downなんかで出される.
犬のユキとしてなら、もうこれ以上ない程に可愛がってくれる轡田ですが、時間がきて人間に戻った倖生には全く関心を示しません.
その落差が余りにも大きくて戸惑うけど、逆に犬でいる限りは絶対的な愛情をもらえるってわかって、倖生は犬に徹する.
最初こそ抵抗も羞恥もあったけど、そんなものは自分のことだけ考えてしつけて可愛がって世話やいてくれる轡田の傍にいられる心地よさに消えていく.
確かに二人の関係は端から見れば異常だったかもしれません.体の関係があるならまだ納得いきますがそんなの全くなくて…
でも二人の間には確かに絆が存在してて、暖かい関係だった.
しつけのくだりから、最初反抗しまくってた倖生が徐々に、飢えてた愛をいっぱい与えてもらって轡田の傍にいたいって思うようになるまでをすごく丁寧に書いてて良かったです
ちょっとした仕草とかを全部丁寧に描写してくれるから、まるで読んでる自分が轡田に可愛がられてるような気分になって、倖生と一緒に轡田の一挙一動に喜んだり悲しんだりできます
元がどうしようもないダメ男だった倖生が、轡田の犬になることで余計落ちぶれるんじゃなくて成長できて生き生きするのも良かった!
轡田の病的な程の独占欲の強さは問題かもしれませんが、今まで家族や友人、恋人からでさえ本物の愛をもらえなかった倖生だからこそ受け止められると思います!
二人のその後が読みたい~(>_<)!
SMで犬扱いされるわけではなく 犬のように蔑まされるのでもなく ただ犬であること!
暴力を振るわれるでもなく 身体を求められるでもなく・・ 忠実な犬であること!
こんな焦らしを作り上げるとはvvvv 神業です 榎田尤利さん!!
親に愛されたことのないホストくずれの倖夫は
会員制のコールボーイのような仕事をはじめるわけですが
はじめて取った客の要望は、犬になること。
「私はきみを、美しく賢い犬に躾ける」と、首輪をつけ
言葉を発することを禁じ、四つんばいで歩かせ
犬のようにコマンドを覚えさせていく・・・
調教監禁陵辱モノ?とおもいきや
人間としての意思や尊厳を剥奪しているように見えて
このプレイには『信頼』が、しっかりと見える。
主人に主人たる責任や愛情が、しっかりと見える。
人間は誰しも、幼児のように後退して
他人に身体ごと預けたいと思う瞬間はあるんじゃないかと。
絶対的な信頼や愛情のもと
愛したいと思うし、愛されたいと思うんじゃないかと。
犬としての躾けを施す上で、危害を加えることは一切ないし
それは肉体的にも精神的にも。
私も轡田の犬になりたい。
そう、思える魅力が十二分にありました。
轡田は、さみしくてさみしくて気が狂うほど犬を欲していたし
倖夫も、さみしくてさみしくて気が狂うほど飼い主を欲していて
犬とか飼い主なんて単語に置き換えなければならないほど
自分が愛情に飢えてること、恋人が欲しいと思っていることに
気付けないそんな大人のお話なんだと思いました。
すごくおもしろかった!
犬の種類がボルゾイなのも良かったなv
マジ泣きしてしまいました。
BLっていうジャンルの中にも様々なストーリーありますが、
ときどきあるんですよね。
心揺さぶるほどの『神』の領域が!
BLなのにっていうのも変ですがBLだからこそ?生まれる得るのか・・・
他サイトさんでも非常に注目され評価が高かったので早速読んでみたのです。
冒頭「さみしくてさみしくて気が狂いそうだったので犬を飼うことにした」
からして何があった!?と非常に気になるエピローグ。
榎木田さんはストーリーに読者を引き込むのが大変上手な方。
内容はもうほぼタイトルどおり。
しかし遊びでごっこするんではなく本気の犬ですよ!
飼い主は淡々と人間に犬としての命令を下すのです。
ただただシンプルに犬らしく、立ち振る舞い(四つん這い)から犬にとって基本の命令、お座りやら何やらを本気で。
そして商売として犬になったユキオ。
子供のころから育った環境のせいもあり幸せを感じることがなかったユキオ。彼は空虚の塊でした。
はじめは轡田のやり方に憤慨や信じられない思いを抱え、金のためだと我慢していた彼。
そして、そのうち気づくのです。
人間でいるときよりも犬として轡田と接し、些細なことが嬉しいと。
大事にされていると。
この話は本当によく描いた作家さんの心意気とかチャレンジ精神を感じます。
思わず自分の家で飼っているペットの気持ちは!?なんてことまで考えてしまったほど。
犬としても人としても間違った行為を見咎められたシーンや捨てられたシーンなどの切なさと痛みは本物でした。
秀逸なストーリーほどなんて言ったらいいのか・・・褒め言葉が見つからないとはこのことなんですね~。
この切なさと感動は、陳腐な言葉ですが今まで読んだ中でも最高でした。
飼い主と犬の愛。ご主人様とか調教とか苦手で(内容は想像です)このタイトルに引き気味だったのですが、評価が高いので読んでみました。…泣きました。叱られたときと捨てられたとき、二度も。最初は犬として躾られる。屈辱。だけど常に見守ってくれる飼い主の愛に安心感を覚えて、依存するようになる。なんかね、信頼関係があるのよ。飼い主は犬を可愛がる。犬は飼い主に懐く。他の人も犬も入り込めない、1対1の。人と犬。忠犬ハチ公の話を思い浮かべるだけで泣きそうになる自分としては、BLでなくてもすごい話でした。最後まで犬のままでもよかったかも。ちゃんと人間の恋人になれたのもよかったのだけど。だって本当は犬じゃないから、自分だけを見てほしいから。言葉がなくてもいい人と犬でなく。あーでも人と犬の愛も至上のものだと思うなあ。犬を飼いたいです。
>むつこさん
こちらもコメントありがとうございます。
続編。以前チラ見して、痛そうだからまた今度にしよう、と近付いてなかったのですが、むつこさんがタイトルをあげてくださったので、覚悟を決めて読みました。
…痛かったです。
年下攻は大好物なので、そこだけ読んでます。
レビューできそうにないので、ここで書いておきました。
スイマセン、こっちも…。
ひよこさん、私の好きな作品ばかりを続けざまにレビューされてるので、やたら嬉しくて(*´∇`*)
漫画家シリーズも好きなんですが
「調教ものが苦手でもぜんぜん大丈夫」って点と、「最後まで主人と犬という関係のままでも良かった」という点、めちゃくちゃ同意です!(もちろんこのラストに不満があるという意味ではなく)ほんと、その通りだと思います。
続編は読まれましたか。
まだでしたら、『獅子は獲物に手懐けられる』は、微妙に痛いシーンがあるから気をつけてくださいねー。
あらら・・・犬ですよ。本当にわんこちゃんです。ある意味擬人化よりチャレンジですよね。わんこ調教。
そして身も心もわんこちゃんになってしまう倖生。捨てられた時の寂しさや、それでも会いに行ってしまうところとか本当にわんこちゃんでしたね。志水さんのイラストの倖生が最近読んだ「是-ZE-」の雷蔵を思い出させてくれて、「わんこ、わんこ」と心の中で意味も分からず叫んでいました。
読みながら、さすが榎田さん!と思うところがいくつもありました。普通なら「ええ?!」と思う設定だし展開なのに、とても自然に読めました。なんでかって考えてみたら、倖生がわんこに調教されていくのが必然な気がするからかな、と思いました。強がっているけど、本当は寂しがり屋な倖生。無気力の鎧をかぶって、自分を守っていた倖生。誰かに必要とされたい、って気づけなかった倖生。みんな誰かの「オンリーワン」になりたくて足掻いているんだよね・・・。そうよ、これは愛の物語なのよ!
まあ、結局わんことしてでなく、ちゃんと人間として向き合って愛されて良かったね♪轡田もクールな人だったはずなのに、最後にはラブオヤジになっておりましたね。骨抜きじゃん!!
ラストでちょっと、普通の話になってしまった感はありますが、とても萌えのある素敵なお話でした。
でも、あるブログで「どこでもちゅーをするのはどうなの?」という記事を読んでちょっと我に返った部分もあったりします。(笑)そのいき過ぎ(?)の部分が普通の話になっちゃた感なのかもしれません。
今回、とても小説とイラストが合っていましたねぇ~♪
特に倖生が他の犬が派遣されたと知った時に、キレて暴力を振るうシーンとか志水さん上手く描きそう!これはぜひ漫画で読んでみたいです。
たいしたエロ行為ではないエッチシーン。ですがっ!榎田さんの文章力にかかると物凄くエロい♪
すごいなぁ~と感心しながら読み進めました。
犬。つまり、犬として攻めに飼われるのですが・・・・
ストーリー展開のうまさに読んでて引き込まれます。
犬として飼われるなんて、馬鹿にしてた受けが、だんだん犬になりたがっていく過程が見事です。
攻めのストイックさにもうっとりさせられます。
犬というとSMみたいですが、ソフトな文章なのでSMさをほとんど感じさせません。
ハードっぽいイメージですが、内容は全くのソフトです。
攻めに認められたくて、犬として攻めにどんな仕打ちされても堪えてる受けが健気です。
上質なボーイズラブを堪能させていただきましたvvおすすめです~
調教モノかと思ったら、ぜんぜん違いました。
最初はお金のために犬のふりをしているだけの主人公が、だんだん「犬でありたい」と思うようになる。
そう思うようになるまでの展開が自然で、共感してしまった。私も犬になりたい。普通は共感しないです、榎田さんの描写力に感服しました。
嵐のなか、外に繋がれたまま、簡単に逃げられるのに逃げない。飼い主のほうは、もういいから俺から逃げろって言ってたんですよね。でも逃げない。このシーン、神がかってます。泣いた。
オススメです。
カバーイラストと内容紹介文だけで、調教!主従!SM!と小踊りしたが、それは見事に大ハズレであった。
しかも度肝を抜かれたのは、雇い主の轡田がわんわんプレイなどという甘っちょろいものを求めていたのではなく、ドッグトレーナー並みの躾を人間の倖夫に行ったことだった。
それはSMプレイの方がずっと楽じゃないのか、と思わせるほどの徹底振り。
「首輪をつける」
「喋らない」
「四つん這いでいること」
「sit,up,down,stayなどの命令コマンドに従う」
これは基本。
その他にもボール遊びをさせられたり、水を飲むのも直接皿からであったりなど、相当本格的である。
結局のところ轡田は目いっぱい与えたくて、倖夫は目いっぱい与えられたい。
そういう部分で引き合うべくして引き合ったラブラブカップルでした、と話を括れば美しいのだが・・・倖夫の洗脳にも近い依存ぶりに、正直うすら寒さを感じるお話であった。
中でも轡田に罰だと言われて庭に放り出され、雨の中で意識がなくなるまで待ち続けるシーンは、その極致。
また言葉を忘れてしまったかのように、アイコンタクトだけで意思疎通する様子も、どうよそれ?と思わずにはいられなかった。
何故なら倖夫の轡田に対する従順ぶりは、ただの依存。
また本人もそれを望んでいるところが憐れで、恋愛小説を読んだ気にはなれなかった。
しかしながら人の心の脆さや危うさをここまでガッツリ描けるのは、榎田さんだから出来る芸当であり、倖夫の酷い依存ぶりは決してこの作品の評価を下げるものではない。
ただ個人的な好みとして、攻め様をすっぽりと包み込んであげられるくらいの度量の広さを受け子には求めているので、評価はやや辛目にした。
プレイとしての『犬』では有りません。純粋に、お互いを『犬』として描かれた作品です。
受視点(ユキオ)で書かれているんですが、かなりキモチをグッといかれる作品だと思いました。本当に読めばわかるとおもうんですが、純粋にこうしてほしい、こうだから。っていうキモチをキュンキュン言わせてるんだよ!!
犬視点のキモチで画かれているせいか、なんだろうね、不思議な空間でもあったように思うんです。
最初は、本当に反発していたユキオが、徐々にココロを開き、依存していく。そもそも、親も親~な環境で過ごし、孤独で愛を知らない子供だったんですね、だからこそ、こんなに一心に愛情を受けた事が無かったんです。たとえそれが犬に対しての愛情だったとしても。
だからこそ、それが心地よくて、そこが自分の居場所になって。
始めて「幸福」というものを知った。っていう台詞は本当に胸を救われる気分ですね。私もこんな気持ちになってみたい。そう思う。
こんなに感情移入して、続きがきになってドキドキするBLも有るんだな~と。つか・・・むしろBL?みたいなww
かろうじて男同士で最後ヤってるので、BLな感じですが、普通に感動ですよ。凄いの一言。いや~~~ね。これぞ文学!ぉぃ。
とくに、後半は、もう自分が「犬」というのにかなりなってます。
「犬は喋らない」
「犬だから」
「犬が主人のベッドに寝るなんて」
「犬としてしてはいけない事をした。罰せられて当然だから」
もうね、あれだよね。1つのドラマ?みたな。
涙が・・・・。+゜(ノД`)゜+
こんなに感情移入してしまったもこさんです。
ユキオに感情移入ですよ。
「もう来なくていい」って言われた時のさ、切なさとか、もどかしさとか。ページめくれません状態だよ(メクリナサイヨ
主人が嫌がることはしたくないとか。
主人の言う事は絶対とか。
主人が嬉しそうな顔をしたら凄く嬉しくなって胸がいっぱいになってしまうとか。
見えない尻尾を振るとか。
兎に角好きな作品でした。
受なのに180センチ・オーバーのデカイ子ってのもナカナカそそる設定だしね。
大きいワンコ受てのもナカナカいいものだと思いますわよ☆