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塩瀬家に赤ちゃんがやって来た!?
sukinara zutto issho
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
今回は介護用品取扱会社の社長と複雑な家庭で育つ大学生のお話です。
受様が攻様の隠し子騒動により自分の気持ちに気付くまで。
受様は両親を事故で失い、母の弟である叔父に引き取られます。叔父は
慣れない子育てにアップアップで家事が得意だった同僚に助けを求めた
事がきっかけで、受様は叔父とその伴侶となった同僚に見守られた育ち
ます。
とは言え働き盛りの男2人が子育てをするのは想像以上に大変でした。
それでも叔父と伴侶の務める会社の顧客だった老紳士という良き理解者
も得られ、老紳士が脳梗塞で倒れると老紳士の孫に請われた事もあり、
老紳士の一軒家に移り住みます。
老紳士の孫が今回の攻様になります♪ 攻様は介護用品取扱会社社長です。
年老いた祖父を心配して祖父宅の近くに転居をしながらも、昔から折り
合いが悪い自分達が同居できるとは思えず、叔父達にと託したのです。
攻様にとって受様は祖父宅に行く口実でもありました。祖父ではなく
「受様に会いに来た」と言い訳しては祖父宅を訪れます。特殊な環境で
はありますが、受様はすくすくとまっすぐに育ちました。
お互いを支えて支えられながらの男4人暮らしでしたが、老紳士が骨折
した事から老人ホームに入所を決め、自宅管理を叔父達に任せたのです。
しかし老紳士という存在がなくなった事で受様は叔父達が恋人同士で
ある事実を意識する事態に遭遇し、受様は家を出る決意をします。
受様は成人式も終えた大学生となっていたので1人暮らししてもおかし
くは無いと思いますが、家を出たい理由を言えないままで、反対する
だろう叔父達を説得できる自信がありませんでした。
また引越しに関する費用の為にもバイトを始めますが、勤務時間が遅く
酒が出る店だと知った叔父達の反対にあいます。小遣いももらってい
る身としてはこれまた強く出らません。
そんな時に助け船を出してくれたのもまた攻様でした。これまでも攻様は
叔父達との関係に悩んでいる受様の相談に乗ってくれていましたが、
今回も受様を自宅のハウスキーピングのバイトを申し出てくれるのです。
攻様は受様をとても気に入っていて子供の頃から「大人になったら俺の
お嫁さんにならないか」と軽口を叩いていて、叔父は難色を示しますが
バイト時間や内容、学業を優先する事を条件に許され、受様は攻様宅で
アルバイトを始めます。
攻様宅は低層マンションですが、フロントにはコンシェルジェ、ロビー
には来客用の応接スペース、住居スペースは専用門付の各部屋は3階建て
という高級低層マンションです。受様の主な仕事は掃除と料理です。
受様にとって攻様は年の離れた友人であり、攻様との今の関係をとても
気に入っていたのですが、ある日、攻様を訪ねて来た金髪美人と青い目の
男の子の存在がそんな2人の関係を変える事になるのです。
金髪美人は攻様の恋人を名乗り、帰宅した攻様は「あなたの子よ」と告げ
られると、受様に彼女と話し合うからと赤ん坊の世話を頼んできます。
果たして金髪美人に預けられた男の子は本当に攻様の子供なのか!?
火崎先生の既刊『好きなら一緒』『好きなら一緒 にっ』のスピンオフで
既刊カプが大事に育てていた攻様の甥の恋物語になります。
久しぶりの火崎先生の書き下ろし新作になります♡ しかもまさかのシリー
ズもののスピンオフでびっくりでしたが、ワクワク読み始めました。
既刊の脇キャラの恋話なので単巻でも「読めなくはない」ですが、
既刊カプも絡んでいるし、受様が叔父に引き取られた事情や、攻様が
受様を気に入っている事情は省かれているし、既刊発売からかなり経って
いますので、「にっ」を復習してからの方がいいかなとは思いました。
既刊では受様の叔父の伴侶にこなかけもしていた攻様ですが、本作では
素直でまっすぐに育った受様にかなり参っております。しかしながら
叔父達に本気をなら成人してから、本人の意思を無視して手を出すなと
きつく言い渡されていたのです。そのため折に触れて受様に嫁アビールを
しながら光源氏よろしく気長に受様の成長を待っていました。
受様にとって攻様は年は離れていましたが、その分頼れる友人であり、
恋愛アピールも含んで「そういう事も言う大人」だったのだと思います。
しかし、金髪美人の産んだ男の子を引き取る事になった事で、受様に
とって「攻様とはどういう存在なのか」という応えを迫られる事になる
のです。
金髪美人と攻様との関係、男の子と攻様の関係がお話の核心になるのです
が、その回答のヒントはお話の中でチラチラしているので、読者は受様の
ぐるぐるを攻様の心理を推理しながら楽しみつつ、受様がどんな応えを
出すのかワクワクと、楽しく読ませて頂きました (^O^)/
火崎作品は受様か攻様どちらか片方視点によってお話が進む事が多く、
相手の思考や想いは言葉にされた事しか分からず、ちょっとモヤる事が
あります。
今回も受視点で攻様の想いは最終コーナーを曲がるまで、受様には伝えら
れませんので、イマイチ攻様の本当のところまで踏み込まれていませんが、
コミコミ特典とアマゾン特典が攻視点でヤキモキが語られているので、
これから手にする方はぜひご検討くださいませ。
火崎先生はあまりシリーズモノは書かれていないのですが、シリーズから
のスピンオフが数年経ってから出たりするので気が抜けません。今後も
ぜひ嬉しいサプライズがあることを楽しみにしています♡
「好きなら一緒」「好きなら一緒 にっ」のスピンオフ。なんとあのちみっこが20歳になったお話。40代になった元カプも勿論出てくるので、前2作も読んでいた方が楽しめると思います。なんとまあ大きくなって・・と、久しぶりに親戚の子に会う心地のお話、本編230P超。攻め受けとも今一つ萌えなかったし王道お話でして、最後の攻めのセリフと挿絵の力で申し訳ありません、ギリ萌です。
前作カプ孝介、薫に育てられ、無事大学生にまでなった裕太。孝介、薫と共に生活していた家の持ち主、塩瀬のお爺ちゃんが老人ホームに入ってしまい、孝介・薫がいちゃつくのに照れてしまうお年頃になりました。頼まれて、塩瀬のお爺ちゃんの孫である大吾の家のハウスキーパーのバイトをしていますが、ある日、その大吾の家に金髪美人がやってきて「あなたの子よ」と赤子を置いていき・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は、
孝介・薫(受けの育ての親)、塩瀬のお爺ちゃん(攻めの祖父)、マイク(10か月、黒髪碧眼)、ベリンダ(マイクの母親)、ホストさんお一人ぐらいかな。マイクは可愛い。天使。
++攻め受けについて
受けは育ての親がゲイカップル(しかも両方超美形)。相変わらず薫ちゃんは男前な様子がうかがえます。まっすぐ純粋培養、一途な感じ。今回攻めが、ベリンダを抱いて子供作ったと思って、なかなかこじれています。まあそれをきっかけに、攻めを男として意識するようになったんですけどね。
攻めはまさに光源氏。もうすっかり忘れちゃったのですが、確か前作で薫ちゃんを口説いていたはず。その方がですよ!何年待ってんだ?いや気が長いわ。ずーーーーーーーーーーーっと成人するまで待ってたのねええ・・途中、ホストをつまみぐいしながらも。ゆるやかな良い頃合いに力抜けてる、よい社長さんだと思います。いわゆる超優良物件。見込まれて受けさんは良かったんではないでしょうか。育ての親の孝介を殴ってでも、受けを手に入れるとの力強いお言葉、良かったです。そのすったもんだ話をどこかで読みたいものですが、どっかのSSにないのかな。
マイクは天使、めちゃ可愛いし、カラー口絵を始めとする挿絵はさいこーーーに麗しいんですが、受けのまっすぐすぎる気質にそんなに萌えなかったかな。ずっと受け視点、モノローグ的文章だったのもちょっと飽きちゃったのかな。素材は好きなものがあったのですが、なぜか今一つ萌え上がりが足りなかった一冊でした。