条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
「極道さん」シリーズの人気キャラクターのスピンオフが書籍で登場!
intelligentsia yakuza wa bukiyou na sakuryakuka
2016年から続く「極道さんは」シリーズのスピンオフで、再発刊もの。
・・人気が続いているものが面白くないはずがない、と思って
本編シリーズを読まずに、これを購読。
小刀祢舞桜:雨宮医院に勤める看護師 晴海に助けられた恩がある。
伊勢崎晴海:賢吾の右腕。舞桜の遠縁の親戚。インテリヤクザ。
ミャアちゃん:捨て猫だった利口な猫
このシリーズの極道とはインテリやくざで、
刃物や力技でしのぎを得ているのではなく、
大卒で商売でしのぎを得ている投資のシテ師。知能戦で稼ぐ人達。
面白かったです。
今回は東雲組若頭補佐と雨宮医院の看護師のお話です。
複雑な家庭近況に育つ受様を見守り続けた攻様が受様を恋人にするまでと
恋人になってからのラブラブな後日談を収録。
受様は16才の時に東雲組の現若頭に拾われ、今や若頭補佐となった攻様と
一緒に暮らしています。受様は複雑な家庭環境で育った為、拾われた当初
は掃除や洗濯、料理は出来ても読み書きは全くできませんでした。
当時の若頭はまだ大学生で受様は彼と面識もなかったのに、受様を助ける
事を「投資だ」と言い、ずっと受様がいるはずだった場所から驚くほど
あっさりと助け出してくれます。
そして彼の片恋相手である幼馴染のために「看護師になって同じところで
働いて近況報告しろ」と看護学校を目指せと言われるのです。そして読み
書きもできず、世の中の常識も知らない受様は攻様に預けられたのです。
攻様と顔を合わせた受様はとても驚きました。攻様の生家は受様の母方の
本家に当たり、何も知らなかった子供の頃に少しだけ手遊んでもらったら
慌てて飛んできた母親に引き離された上にひっびどく怒られたほど、遠い
存在だったのです。
当時攻様もまた大学生でしたが、東雲組に入ることを決めていた様子で、
若頭と共に起こした事業の業績も良く、受様は当時から攻様が住んでいた
マンションで幼い子供のようにも物知らずだった受様に様々な事を教えら
れて育ち、今の受様となります。
攻様の何でも自分でできる人だから、受様があの頃より役に立つように
なっても対して恩を返せるとは思えず、自分がいるからこそここに帰って
くるなら自分がこの家から出るのがいいのかとも思いますが、受様が出て
いくきっかけを思いつけません。
しかし今夜のように帰宅したら倒れるようにソファに沈む攻様を見ている
と、自身の身体を過信している攻様が心配にもなってしまいます。若頭に
相談しても幼馴染である伴侶に関する事以外に聞く耳をもたず、状況は
改善しそうにありません。ただ、そんな日々を攻様が楽しんでいる事だけ
が受様にとってせめてもの救いでもありました。
そんな時、受様の戸籍上の義弟を育てている祖母(受様にとって父方で血縁
関係はない)がぎっくり腰で入院する腰になるのですが、併せて精密検査も
うける事となります。
受様は義弟のために祖母宅に泊まり込み、これを機に受様宅から出ようと
思うのですが、攻様はあっさり義弟を自宅に招きいれたばかりか、受様の
同居計画に自分もともに移り住む気で話を進めようとしてびっくりしてし
まいます。
攻様は受様の祖母に自分という存在を「同居中の恋人」を装うように自己
紹介していますが、受様としては本当のことが言えない為の方便でも、攻
様にとっては隠れた本心をチラつかせての説得だったのです♪
攻様の想いは若頭にもその伴侶にも周知の事実でしたが、受様は攻様の思
い人を若頭の伴侶と誤解していて、攻様の想いにも自分の気持ちにも気づ
いていません。
そんな中、東雲組の姐さんが攻様に見合を勧めてきたり、義弟を祖母に
押し付けていた受様の元父親が現れたりと、受様の日常を揺るがす変化が
起こり始めるのです。
果たして攻様は受様を見守るだけで満足できるのか!?
そして突然現れた受様の元父親の目的とは!?
佐倉先生の『極道さんはパパで愛妻家』で始まる人気シリーズスピンオフ
で本編カプの攻様補佐となる後輩と不遇な受様の恋物語になります♪
こちらは角川の電子専門として連載&配信されたスペシャルストーリーに
書き下ろし短編を書き下ろしての文庫化です。
角川の小説掲載WEBサイト「カクヨミ」にて連載されたスピンオフである
『首領ジーノは家族思いな情熱家』も紙版で文庫化したのでこちらも文庫
になる日を楽しみにしていててワクワクでGETしました o(^O^)o
既刊の様々なエピソードから、受様が若頭の思惑で雨宮医院の看護師にな
ったのは幼馴染のボディーガードと見守り役である事はわかっていました
が、まさかそれが攻様がしののめ東雲組に入った事と繋がるとは思いもし
せずでびっくりしました。
また受様の複雑な出生も予想外すぎでした。様との関係も攻様が気持ちを
隠す事が巧みな事と受様の鈍さだけではなかったのですね (ӦvӦ。)
キャラ達の性格を活かして真実と事実と憶測と誤解が複雑に巧みに配され、
ハラハラされられ、ドキドキでワクワクなとっても楽しい1冊でした。
いつもは若頭もその伴侶も姐さんも組長も冷たく仕切る攻様が、受様の前
で見せるヘタレたシーンにクスクスさせられ、受様の義弟が父親から受様
を全身で庇うシーンには胸熱でした。
受様を見守るしかできなかった攻様も、孫と距離をとるしかできなかった
祖母も、攻様にも祖母にも頼り切る事ができなかった受様も、過去をのり
超えて遠慮も捨てて互いの手を取りあえて本当に良かったです。
まだまだシリーズは続きそうなので、また本編では見えない脇キャラ達の
活躍を読ませて頂きたいです (^O^)/