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jain nochi
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かなり変わったヤクザBLと言いましょうか。
予想外の展開に驚いた。
フツー、ヤクザBLってすでに極道か、一般人の高校生が極道に惚れるかどっちかですが、コレ、一般人からヤクザになってしまうんですよ。
それも惚れた男のために。
その惚れた男のために手彫りの刺青を入れ、それと共に自分の中にある血が覚醒していく、そのプロセスがなんとも清々しい。
刺青と言えば、谷崎潤一郎の短編小説に「刺青」がありますが、
それに似た覚醒感や妖艶さがあります。
谷崎小説では背中に「女郎蜘蛛」を彫るわけですが、
ここではなんともエロティックな形の双頭の蛇。
谷崎小説級とはいわないまでも、刺青を彫られた立ち姿はそれ相応に迫力あります。
ふっつーの美大生だった凪斗ですが、
角能に惚れる凪斗ちゃんの乙女くさくあまったるーいかわゆさと、
全体に流れる硬派さのギャップも面白い。
ところで、昔、薬師丸ひろ子主演の「セーラー服と機関銃」って映画、知ってます?w
40代以上の方なら覚えがあるでしょう。
零細極道の父の跡目を継がなければならなくなった女子高校生と彼女を守る組の男。
ラストシーンで、当時17歳だった薬師丸ひろ子が、彼女のために屍になった男にキスをするシーンがえらい話題になったもんですが、あどけない高校生が機関銃をぶっぱなす、またうっすらと極道の男に惹かれていたりというのがセンセーショナルでありました。
そこらへんが非常に似通っています。
ずばり、テーマは主従ですね!
凡庸な男子が、その血に潜む本性で一人の男を虜にして、一枚脱皮した時に自分のモノにするという。
エロい、痛い、でも目が離せない。
がっぷりよつに取り組んで読んで、子へびちゃんの成長を見守ろうではありませんか。
美大の日本画を専攻する凪斗は実は岐柳組組長の隠し子で、トラブルに巻き込まれるのを恐れる為、常日頃自分を抑え込み生活している。
そんな時、跡目争いから義兄に命を狙われるようになり専属でついたボディーガードが角能という男。
凪斗の余りの凡庸さに最初は軽くあしらい、器ではないと思っていたのですが、凪斗の描いた絵を見てその内に秘める本性を感じる。
凪斗は、画家としてなのか角能の身体に興味を抱き、欲情するようになり、初めて抱かれたことから恋を認識するようになる。
角能は組に入る覚悟を決めさせる為、凪斗は角能をつなぎとめるため、そんな思惑が混じり、凪斗の身体に双頭の蛇の刺青を入れる。
再び、義兄の魔の手が伸びてきた時、凪斗の内に潜む蛇が現れる。
凪斗に関して、本当に放っておいてあげればいいのにと思うほど凡庸な男子ですが、角能と関わることにより、微妙に変化していく様がワクワクさせる。
無意識の意識が働いて、それはとてもエロいのであるが、身体から始まる恋愛というのを100%認めている自分には、凪斗の心の動きに不自然さは全く感じず、これは好ましいものだとさえ思う。
角能には、義務としての警護から、この人を真から護りたいと思わせる為のストーリー展開になっていて、それが読み応えがある。
しかし、何分凪斗が覚醒しなければあくまで凡庸さを身にまとっている人なので、角脳の強引さが目立つ気もするが、これはこれでお互いを補い合いう組み合わせになるのだろう。
最後のクライマックスで覚醒した凪斗が、義兄を組み敷くシーンは遠山の金さんか、水戸黄門を思わせるww(笑うところではないのだが)
最初のエチシーンで、薬を掻きだすだけだったのに「まずい、勃ってきた」と角能が言うところ、
拉致された凪斗を負ぶって脱出する際、擦れて角能の背中で射精してしまうところ、
シリアスな作品なのに、そんなところで少しほのぼのを感じてしまいました。
凪斗の本格覚醒(脱皮)のお話は「蛇恋の禊」に続きます。
表紙の奈良絵とあらすじの「監禁」と「催淫剤」という言葉に惹かれて読みました(笑)
凪斗は美大生で普通の生活を送っていました。
しかし自分の手元に荷物が届いたことからその生活は一変。中身は爆弾だったのです。
そしてそこに現れたのが角能。彼は岐柳組のもので凪斗のボディガード兼凪斗を4代目岐柳組の組長に育てるための教育係りとしてやってきたのです。そして爆弾を送ったのが凪斗の腹違いの兄だと告げます。
しかし凪斗は自分が極道の血を引いてることは知っていても、組長になる気は全くなく。
そんな凪斗を角能は凪斗の兄が凪斗を守るということもあって、自分の部屋に置いて凪斗を監禁しようとします。
まあ監禁といっても凪斗を守るためですからねw
きっちり手錠されちゃいますが。ついでにちょっとイタズラされちゃいますが(笑)
しかし凪斗がちょっと外に出てしまったせいで兄に拉致られて薬を盛られてしまいます。凪斗には悪いのですが薬でハァハァしちゃってもう感じてしょうがないってのにすごく萌えました。
凪斗は最後にも兄やその仲間達に無理矢理犯されそうになります;
凪斗と角能の両視点で描かれているので、凪斗の角能を好きになる気持ちと角能の凪斗を「護りたい」と強く思う気持ちが段々はっきりしていくがわかってよかったです!
凪斗が美大生という設定もちゃんと関係してきます。
ただ凪斗が刺青を彫るのは痛そうだなあと思いました(^_^;)
表紙にも出てる通り蛇のなんですがね、ほぼ身体全体になんですよ…イテテテ
あとヤクザものとあって銃も出てきたり。
精神的にではなく肉体的に痛そうだなあとシーンはありました。
凪斗は最初こそ組長になることを断っていましたが、最後はかっこよかった!
そして凪斗が角能との日々を写し取ろうとして描いた絵のタイトルにキュンときました!
シリーズ一作目。
この作品の辺りは沙野さんも良く読んでいたのですが、最近では痛かったり切なかったりと自分がヘタレになったせいもありなかなか手が出せません。
このシリーズもその路線ではあるのですが、沙野作品では一番好きかもしれないです。
受けの凪斗は岐柳組組長の隠し子で、美大では日本画を専攻する凡庸な青年。
突如跡目候補となったことで今までの生活が一変することとなり、その凪斗のボディーガードとして現れた角能が攻めとなります。
極道の世界とは離れて、ひっそり暮らしていた凪斗へ送られてきた爆発物。
それは凪斗の義兄からで…という始まりなのですが、跡目候補受けとそのボディーガードという設定自体は王道風。
ただ、最初から攻めが受け至上主義的ではないのが良かったです。
この作品甘さ皆無に感じるのはやはり、そんな角能の存在のせいかなと。
そして最初こそ個人としての凪斗に興味なさげだった角能ですが、凪斗の描く絵を見たことで彼の奥底にあるものを知るわけで。
このシリーズのキモは刺青ですね。
いやあこんなに大変なものなんですね、本当の刺青って(汗
沙野さんの筆力で、こちらまで痛い…
凪斗が刺青を入れることには、凪斗は角能と共にいるため、角能は凪斗を極道の世界へ絡め取るため…と、まったく噛み合わない理由を二人とも内に秘めていてラブラブ大好き〜チュ〜とか安易に進まない辺りがBLでは珍しく、結構前の作品なのですがそういう物が読みたい方にお勧めしたいですね。
しかしこの頃の奈良さんの絵は淫靡ですよねえ。
作品にぴったりです。
わたしがこの後しばらく奈良さんホイホイされるようになったのは、この作品がきっかけでした。
神まであと一歩でした。
非常に面白かったです。
ドラマCDを先に聴いてたんですが、この作品は小説のほうが面白い。
こちらを読んで、「ドラマCDの作り方、下手だったな」と改めて思いました。
任侠世界での、一風変わった下剋上モノです。
読みどころは、受けの変化です。
普通の生活をしてた受けが、いきなりヤクザの跡継ぎ候補となり、ボディーガードとなった男(攻め)に拉致監禁されて刺青いれられて…という。
この攻めが受けを身体使って仕込んでいくんですが、途中からの逆転現象が面白いんですよ。
受けの中のヤクザの血?がどんどん目覚めていくんです。
攻めが仕掛けていったのに、最終的には攻めのほうが受けに惹きこまれ、呑み込まれてしまう、という。
強くて男らしい攻めの陥落、最高です。
下剋上モノであり主従モノであるこの作品、萌えツボをきっちり押してくれました。
ちなみにいちばん萌えたのは、刺青をいれられてる場面。
長時間にわたる痛みを耐える姿って、エロいわ~。