さあ、おとなしく私を受け入れろ

熱砂のロイヤルアルファと孤高のつがい

nessa no royal alpha to kokou no tsugai

熱砂のロイヤルアルファと孤高のつがい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×25
  • 萌8
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
59
評価数
16
平均
3.7 / 5
神率
18.8%
著者
ゆりの菜櫻 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
アヒル森下 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
シリーズ
腹黒アルファと運命のつがい
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784815532390

あらすじ

警視庁バース課・特別管理官、倉持健司。超エリートアルファの彼の悩みの種はサルージュ王国・第三王子、カーディフだ。

つがいと決めた相手ならどんなバースでもオメガに変異させることができる、エクストラ・アルファのカーディフは、一年前、国際会議で出会った倉持を『運命のつがい』と直感、以来、倉持が私怨を抱く東條グループ絡みの情報をちらつかせては、その肉体をもてあそぶのだ。

そんな折、またもや東條家に絡んだ事件が…。

表題作熱砂のロイヤルアルファと孤高のつがい

カーディフ・ラフィータ・ビン・ラム・バルーシュ,サルージュ王国第三王子・エクストラα
倉持健司,警視庁バース課の特別管理官,α

その他の収録作品

  • リバース・サイド
  • 双子ちゃん、ピクニックへ行こう!
  • あとがき

レビュー投稿数7

色んな愛の形があっていいんだと、胸が熱くなったよ

「アルファとつがい」シリーズのスピンオフで、アラブの王子・カーディフ×超エリートアルファの刑事・倉持と言う新カップルでのお話になります。

ゆりの先生と言うと、腹黒執着攻めが見初めた美人受けを手に入れようと、あの手この手で絡めとるみたいな甘くてコミカルなお話のイメージが強いんですけど。
が、今回ですね、かなり硬派な印象なんですよね。
二人の関係も、曖昧なまま終了ですし。
あと、前二作にかなりリンクしているお話なので、今作だけで読むのは難しいんじゃないかと思います。
そんなワケで、いつものゆりの作品を期待する方にはオススメいたしかねますが・・・。

ただ、国の未来と言う大きな視点でもって、戦う主人公が格好いいお話なのです。
そして、そんな主人公を後方で支え、羽を休める場所であろうとする攻めの、大きな愛にシビれるのです。

ちなみに、倉持の将臣に対する、複雑な思いにも萌えました。
決して恋愛的な感情では無いのですが、ある意味それよりも強い結び付きを感じる。
いつか、二人は親友に戻れる日がくるんでしょうかね・・・。

内容です。
歪んだバース社会を自分の手で修正したいと望み、その為に戦うエリート中のエリートである特別捜査官・倉持。
彼は、自身に執着するサルージュ王国の第三王子・カーディフに、情報と引き換えに抱かれていてー・・・と言うものです。

この倉持ですが、「腹黒アルファと運命のつがい」では将臣を裏切り、「スパダリアルファと新婚のつがい」では彼を嵌めと、なかなかの面の皮の厚さなんですよね。
で、今回、そんな彼がこの件の裏でどう関わってきたか、またどう動いていたのかと言う事が語られます。

何と言うか、彼は想像していた以上にしたたかで、また熱い男でもあって。
いや、歪んだバース社会を正す事が最終的な目標になるワケですが、その為にはまず、バースによる派閥=東條グループの解体が必要となってくるんですよね。
で、その為には元親友で、東條グループ後継者である東條将臣をも利用する。

えーと、あの事件の裏にこんな思惑があったのねとか、こんな事を考えていたのねと、読んでいて一つ一つ腑に落ちるんですけど。
何だろうな・・・。
この、様々な思惑が入り乱れての駆け引きだったり、それぞれの信念に基っての戦いが面白いのです。
いや、自分の信念に従って、戦う男は格好いいよ!と。

で、そんな彼に深い愛を注ぐのが、攻めとなるカーディフ。
自身がつがいだと決めた相手をオメガに変転させる事が出来る、エクストラ・アルファです。
彼は情報と引き換えに倉持を抱いていますが、実はとても深く倉持を愛してるんですよね。

で、萌えたのが、カーディフの葛藤。

倉持を深く愛するカーディフですが、倉持と言う一人の人間を、自分の感情で変えてしまいたくはないのです。
欲しいのは、彼の身体では無く、魂なのです。
しかし、本能の部分で、自身のつがいにしたいと強く望んでしまう。

エリートアルファ達は自身がオメガに変化させられる事を恐れていますが、そのエクストラ・アルファであるカーディフ本人も、愛する人を変えてしまう事を恐れているんですよね。
自身が愛する事で。
これ、読んでて切なかったですよ。
心のままに愛する事で相手の尊厳を傷つけてしまうって、なんて皮肉なんだろうと。

う~ん・・・。
この、相手をオメガ変転させてしまうに関しては、拒否感を持つ方も多いと思うんですよね。
ただ、個人的にはすごく萌えたんですよ。
もちろん、本人の意思を無視してバース性を勝手に変えてしまう事自体は、許される事では無い。
でも、圧倒的な力を持つ存在のつがいが、唯一その存在を殺せると言う点に置いて。
分かっていて、自分の命を委ねる事を。
愛すればこそ、自身の命を委ねても怖くないのだろうと。

今回、倉持はアルファオメガへと変転はさせられないです。
前に進み続ける倉持の、枷にはなりたくない。
ただ、彼が疲れた時に、羽を休める事が出来る場所でありたいー。
これもまた、カーディフの愛し方なワケですが、とても深いなぁと思います。

ちなみに、二人は結ばれと言う、分かりやすい形では終わらないんですよね。
でも読んでると、色んな愛の形があっていいんだと胸があたたかくなりました。
続編があるんでしょうかね?

ところで、一つ気になる点なんですけど。
倉持の同僚が、カーディフの兄王子に拐われたエピソードでの事ですが。
結局何で、倉持だけにはカーディフの結界が無効化したんですかね?
いや、倉持がカーディフのアルファオメガなら効かないけど、なってないしね。

3

お互いの距離感が好き

将臣と聖也のお話よりこちらの方が断然好みでした。

出会って直ぐにお互いが特別な存在だと意識していたのに萌えました。
べたべたしてないカーディフと倉持の距離感が素敵です。

独占したいのに倉持の意思を尊重するカーディフの包容力が素晴らしいです。

そしてなんだかんだ言ってても、最後には倉持もカーディフを思って行動しているのに萌えました。ハッキリと好きだとは言わなかったものの、カーディフ以外はあり得ないと言ってるも同じですからね。

倉持が同期の真備を期待させないように、容赦なく振るところも好感が持てました。諦めてないようだけど。

将臣と聖也とは違う幸せの形もあっても良いと思いました。
 


倉持の妹の鞠子が何か企みがありそうですが、いくら妹とはいえBL作品で女性キャラの存在が大きくなるのは興醒めするので、もう登場しなくても良いです。
将臣に接触するのも夜源とのやりとりはいらなかったかな。


それからアルファオメガをオメガアルファと間違えた箇所があったりと、他にもミスがあったので担当者様には頑張って貰いたかったです。


0

倉持のその後

①「腹黒アルファと運命のつがい 」
②「スパダリアルファと新婚のつがい」
・・に続く、スピンオフ。将臣の後輩、失踪した倉持のその後の巻。
背景の時期は、①の後。②の東条武信の計略のちょっと前。

警視庁勤務の倉持は、養殖警護に行った先で出会ったエクストラ・アルファのアラブの皇子の「運命の番」。
皇子は気づいたけれど、倉持はそれを知らない。

任務上、エクストラ・アルファの特性を知っている倉持は、皇子と必要以上に接近しないようにしていた。
皇子から情報提供を受ける見返りに、肉体交渉を要求され、ダラダラと関係が続く。
皇子は、倉持の意思を尊重して、アルファオメガにするつもりはない。
・・・二人は、微妙な関係。皇子は、思いやり深い。
皇子の情報提供で、将臣と聖也を陥れる計略を、倉持が阻止。

でも倉持は、皇子と距離を置いたまま終わる。
終わりがすっきりしないので、萌2。

0

まだ続きそう

『アルファと番』シリーズのスピンオフで、将臣の親友だった倉持健司のお話です。
既刊を読んでいなくても大丈夫だと思いますが、「腹黒アルファと運命のつがい」の本編は読んでおいた方分かりやすいかもしれません。

倉持の相手は、腹黒〜の社会人編に登場したアラブの第三王子・カーディフで、〝エクストラ・アルファ〟です。
財力も能力もあるアラブの王子が、日本のいち警察官に必死で気に入られようとしているところが最高の萌えです!

将臣を裏切った過去を引きずる倉持は、警察庁・バース課の特別捜査官として活躍しています。
倉持は、未だに将臣への罪悪感を強く持っています。
ですが、日本の政財界を支配する東條グループを嫌悪しており、バースに縛られない社会を実現するためには東條グループは邪魔だとも思っているのです。
罪悪感と正義感、将臣への微かな憧れ……それが今の倉持の原動力かなと思います。
簡単に言うと、倉持が東條グループを解体するために画策するストーリーです。

将臣と倉持はラストにチラッとすれ違う程度なのですが、この相反する二人の関係性にとても萌えました。
この二人、実は目指す手段が違うだけでゴールは一緒なんじゃないかな?と、思います。そうだといいな。

ただ、倉持が目的を果たすための手段がいつも一緒。
カーディフに抱かれて情報を得、聖也を誘拐させて将臣の力で特殊部隊を動かすという。
正直、またか……の連続でした。
聖也が誘拐され過ぎてかわいそうだし、もう少し自力でなんとかしろよと思わなくもない。

そして、このシリーズで一番恐れていたアルファをオメガに変えるというエクストラ・アルファの能力。
これが今回も適応されるのか?ということですが、今回はなかった!ホッとした!!
将臣によって聖也が勝手にオメガに変えられてしまったのがどうしても許せなくて、今回の倉持とカーディフについても心配していました。

カーディフは倉持の本質を変える事はしたくないと思っていて、倉持をオメガに変えるつもりは無いといいます。
でも、実は倉持をアルファオメガにして全てを奪ってしまいたいとも考えていて、その苦悩する様子が恋する男って感じで良かったです!
独り占めしたいのに、嫌われたくない……みたいな。
恋敵である真備との探り合いにも、計算高さの中に必死さを感じさせてくれてニヤニヤしました。

これ、多分続くんですよね。
カーディフと倉持も想いを通わせながらも関係性の変化はないし。
カーディフの張った結界を倉持が難なく突破したのは何だったんだろう?
ここは、今後ちゃんと回収して欲しいと思いました。

同時収録のショートストーリー2本は、どちらも良かった!
倉持の妹・鞠子の話。この女、怖いけどカッコいい!
それから、将臣たちが家族でピクニックに行こうとする話。
こちらは、子どもたちが可愛くて癒されました^^

2

今作だけだと評価が難しい

前作・前々作を読まれていないと、今作だけでは理解し辛いというか、作中でのフォローがないので読み辛いかと思います。
「腹黒アルファと運命のつがい」に登場した将臣の親友・倉持をメインキャラクターとして描いたスピンオフ作となります。
全体的に甘さやコミカルさはあまり無く、どちらかと言うと硬質さのあるお話でした。

このシリーズに登場する「エクストラ・アルファ」という、アルファよりも更に珍しく秀でた能力のある独自バース設定が見どころでしょうか。
アルファを「アルファオメガ」という特殊なバース性に変異させる能力を持つものなのですが、運命のつがいすらも自分の意思で決めてしまえるほどの力がある。
要するに自分好みの人間をつがいに出来てしまうので、エクストラ・アルファの前では運命のつがい論は意味をなさないのです。
しかしながら、エクストラ・アルファの特殊な能力を無効化したり殺せる者はアルファオメガだけであったりと、つがいにするのならばある意味命がけとも言える諸刃の剣のような、本当に愛した者でなければ…という設定が面白いですよね。

良かったところは、カーディフがエクストラ・アルファでありながら倉持を自分の良いように簡単にアルファオメガへ変異させなかったところ。
このバース設定であれば、気に入った人間を自分の思うままに…なんて事もあっさりと出来てしまうと思うのですよ。
しかし彼は、倉持という人を好ましく思っているので、彼の意に反する事は決して行わない。
倉持の気持ちや心がこちらへ向くまで待ちの姿勢で居ながらも、さり気なく包み込む。
うーん、執着や葛藤を抱えながら、おおらかに見守るカーディフは良い攻めでした。

正直、個人的にあまり萌える要素は少なかったかな。
事件や思惑がメインに描かれていたからだと思うんですけど、そんなに盛り上がる事もなく読み終えてしまった。
あとは、前作キャラクターである将臣と聖也本人は登場しないというのに名前が出張ったり、事件に巻き込まれたりと、ごちゃごちゃしていたかなーという印象が強いかも。
今作だけだと評価が難しいです。
スピンオフという事で、もっと倉持とカーディフの関係を濃密に描いたものだったら萌えたかもしれない。
将臣との関係や2人の今後についても曖昧なままなので、これは続編が出るのかも?
もし出るのであれば今度はラブな部分もたっぷり読みたいな。

1

エクストラアルファ

「アルファとつがい」シリーズ第三弾。今回は1作目で気になっていた倉持君のスピンオフでした。さらっと読んでしまったので萌にしましたが、倉持君の続きが出ないかなあ。本編210P超+鞠子様のお話6P+将臣聖也ファミリーのほっこり話8P。鞠子様と夜源さんのところが絡んでもうひと悶着ぐらいありそうなんだけど。

警察庁バース課で特別管理官として働くアルファの倉持。秘密クラブで行われたオメガのSMショーをめでたく摘発、事件の後片付けでてんやわんや。摘発にはサルージュ王国第三王子であるカーディフの協力を得ていて、そのご褒美としてカーディフに呼び出される関係で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
真備(受け同僚、分析官)、サマルーン(攻めの兄)、東條武信(将臣の叔父)、鷹司夜源(東條グループ総帥)、鞠子(夜源の妻、受け妹、オメガ)、三沢(武信のところへ潜入中)、アディル(攻め側近)ぐらいかな。

**以下 印象に残った箇所

アルファを超えるバース、エクストラアルファというのがこのシリーズの特徴で、つがいと見込んだアルファをアルファオメガに変えてしまえるという、無敵な設定。
エクストラアルファであるカーディフに見込まれた倉持君、バースに変化が見られたら、すぐこの関係を絶つ!といって、渋々情報提供&肉体関係を続けていますが、要はデレ無しのツン。そして最後の最後までツン。
アルファオメガになるのかと思ったら、アルファのまんま!
そこが「おお?」と思った箇所でした。

カーディフ殿下は「つがいにしたいけどそれにはアルファオメガにしないとダメ、でも倉持の意思を大切にしたい・・」と一応考える、「おお、ちょっと大人じゃん」という感じの策士さん。良いです、ちょっとだけ余裕ある様子でちゃんと倉持のこと見ていて。

倉持君は最後にはカーディフ殿下しかいないなと自覚しているけれども、自分の中で抱えていることがきちんと終わらないと、オメガになんかならないと思っているのかな。なので、倉持君の葛藤(東條家を滅ぼしてやるぜ)が無事解決するよう、将臣とも仲直りできるよう、また続きが出るのを待っていたいです。鞠子様も何やら思う所があるようだし、気になるなああ。

萌えたか?と言われると、めっちゃ恋話的に盛り上がったのではないのですが、とにかく倉持君の行く末が気になるお話でした。頼むから続いてー。

0

シリーズ読んでないともやっとするかも

オメガバース作品の中でも設定が少し他の作品と違って、エクストラアルファやアルファオメガなどバース種にこだわりのあるシリーズなんだなと言う印象でした。後書きで他の作品のスピンオフだとありましたが、作中でも過去の因縁について思わせ振りな表現が多く、この作品から読み始めるとモヤモヤしながら読み進めることになるかも?という感じでした。もう少し過去の経緯や、関係するカップルの説明があった方がスムーズに読みやすかったかなあと。
作品自体はスパダリ×意地っ張り(攻め属性?)のイチャイチャでオメガバースにありがちな強引感が少なく、安心して読み進められました。

0

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