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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
わくわくするファンタジーでありながら、ハラハラするミステリーというか、もちろんBLなんですけど、たくさん出てくる本とそのストーリーに絡めた、登場人物達の隠れた傷や、わだかまりをほどいていく過程がとても見事でした。
途中急に友達をまとめて紹介される部分があって、ありゃ名前が覚えられないなぁと思っていたんですがそれぞれに対してもストーリーが展開して、慌ててページを遡ったりもしました。
しかしそのどれもがかなり重たくて、ものすごく感情移入させられる。
それぞれの今後も詳しく読みたくてたまりません。
主役の1人の清良はこれからもっともっと花開くように成長して人気者になるだろうな。
一点、兄の耀流を救って欲しい。
頑張って弟のために何度もガチャガチャしてる姿を想像するだけで何回でも泣ける。
これを書いてても泣ける。
ファンタジー要素の強い作品なので、何か救いのストーリーが読みたいと思いました。
〝蜜月〟という言葉に弱くて、甘美な恋愛を想像してワクワクしてしまうのですが、全くといっていいほど甘い話ではありませんでした。
少なくとも私には重かったし、読後はモヤモヤが残りました。
活字中毒の高校生・清良は、ある日自分の胸に穴が開いていることに気が付きます。
導かれるように向かったのは、今は使われていない図書塔。
そこで図書の精霊・詞葉に出会い、開いた穴を塞ぐための契約を結びーーというお話。
妖精たちと詞葉と共に、清良が本の中に忘れてきた記憶のカケラを集めるファンタジーです。
とはいっても完全な冒険ファンタジーではなく、ファンタジー要素を現実に落とし込んだ作品という感じ。
作品の舞台はあくまでも現実世界で、自分探しやそれを導く者たちにファンタジー要素を盛り込んでいます。
正直、しんどいエピソードが多くて心が苦しかったです。
4人家族のうち父と弟を亡くし、空っぽになってしまった母と暮らす清良。
自分の存在価値を疑いながら、母を気遣って暮らす日々。
そして、清良の穴を埋める記憶は辛いものばかりで、それは清良が忘れたかった過去です。
無意識にすり替えた記憶が明らかになり、張り巡らされていた伏線を回収していく様は見事。
無意識こそがトラウマの本質なんでしょうね。だから根深い。
心に闇を抱えた清良を支え、勇気を与えるのが詞葉と妖精達。
詞葉がなぜここまで清良にこだわるのかいまいちピンとこなくて、ここだけが少し残念でしたね。
妖精たちは文句なく可愛かった!
清良と交流を深めていくクラスメイトたちの闇も深く、そこも詞葉と共に救っていく友情の話でもあります。
そして、男子校なのもあってか皆男に恋してます。
恋が人を狂わせるのか、一番の友人・丹色のラストにはモヤモヤが募りました。
この先の丹色の人生を思うと、なんとも言えない気持ちになります。
そして、清良の母もまた……辛。
今まで向き合ってこなかった結果なのか、はたまた母自身に対する代償なのか分かりませんが、清良の事も忘れてしまう結末には納得がいかなかったです。
記憶を返してもらうために詞葉とセックスしてきた清良ですが、
次第に本気で詞葉に惹かれていきます。
図書塔が放火され万事休すかと思いきや、こちらはハッピーエンド。
周りは不幸になったのに、ここだけハッピーでいいの?と思うと、手放しで喜べなかった。
二人の一途な想いにはグッときたので、ここは素直に喜べば良いのかもしれないけど、なんかね……
作品としては面白かったと思います。
今回は高校の図書塔に棲む精霊と活字中毒の高校生のお話です。
胸に虚を抱えた受様が攻様の助力を得て周囲との関係を再構築するまで。
受様は活字中毒者の高校1年生です。受様は去年の夏に参加した学校説明
会で案内された古い図書塔に魅了された高校に合格します。しかしその図
書塔は大掛かりな工事のてめに受様が入学した時には閉鎖されていました。
しかも再開予定は受様の卒業後で受様は青ざめさせます。実は受様は学校
説明会の時に1冊の本を無断で持ち出していたのです。引率教師の説明より
も書架の希少本に目を奪われていた受様は、通路に落ちた1冊を棚に戻せず
そのまま持ち帰ったのです。
受様はこの本を返す為にも鐘撞第一の生徒にならなければならず、必死に
受験勉強に打ち込んだのですが、入学早々に図書塔の工事で返却は叶わな
くなったのです。
しかも最近の受様は本を開いてからたいして頁が進んでいないのに結構な
時間が飛んでいたり、強い頭痛に襲われるようになっていました。今日も
授業前に少しだけ読もうと広げていた件の本を、英語教師に取り上げられ
て初めて授業が始まっていた事に気付きます。
幸いにもその教師は担任で、その本が図書塔の本だと気ついた教師は本を
返してもらいのいった受様に、経緯を問い質さずそのまま返却しておくと
言ってくれます。但し「物語世界に嵌る気持ちはわかるがリアルを侵食す
るほど溺れるな」とも忠告されるのです。
必要以上の関心は不要と思う受様はその忠告を無視する形で退室して、遅
れた体育の授業に参加しようとしますが、ロッカーにかかった鏡で胸の辺
りにゴルフボール大の穴が開いているのを気付き、パニックになります。
動転した受様は具合が悪いと早退しますが、自宅に帰れば母に心配をかけ
るだろうと、人目を避けるうちに北のはずれの図書塔に辿り着きます。
閉鎖されているはずの扉がわずかに開いていたのが見えた時、受様は吸い
寄せられるように扉に近づきます。そしてここなら誰も来ないという安堵
感に包まれて手にした本を長椅子で読み始めてしまうのです。
そんな受様が目を開けた時にはとっくに下校時間を過ぎた時間でした。慌
てて扉に向かいますが重い扉はビクともせず、取り出した携帯は充電切れ
で受様は今日一日で起きた不条理の数々に打ちのめされてしまいます。
誰も受様を見ない。
長い間声にならない声を上げ続けている事に気付いてもらえない。
ところがさんな受様に「大丈夫か?」と声を掛ける者がしました。闇に溶
ける暗色の背広を纏う美貌の男性は自分を図書塔を取りまとめる者だと
名乗ります。彼が今回の攻様になります♪
攻様は受様の胸の穴の存在に気付き、それは物語世界の中に受様が自分の
欠片を置き去りにした為にできたものだと言うのです!!
受様の穴の存在を見抜いた攻様とは何者なのか!?
そして受様の柄谷開いた虚を塞ぐ手立てはあるのか!?
活字中毒の受様の身体に空いた虚を塞ぐために図書塔の精霊である攻様と
もに物語世界を巡るファンタジーになります♪
好きな作家さんの本はタイトルくらいしかチェックしないのて、本作も
タイトルとカバーイラストの雰囲気で、本好きでインドアな受様が図書館
の主である攻様と関わる事で恋を育むラブロマンスかと思っていたのです
が、全く違いました。びっくりです (>_<)
受様の活字中毒は現実逃避のためのもので、辛い現実を忘れる為に虚構世
界である物語に傾倒する事で忘れたい現実を本の中に封印していたのです。
受様の中から封じられた欠片を取り戻せば虚は塞がりますが、人である受
様だけでは本の中の欠片を見つられない事から、図書塔の精霊である攻様
と契約を結んで共に物語の世界を旅する事となります。
本に取り込まれた受様の欠片も受様本人も物語世界にとっては異質であり、
欠片は攻め様が回収して浄化しないと取り込めず、攻様に浄化された欠片
を取り込むため、受様は攻様に身を預ける事になるのです
徐々に明らかになっていく欠片の正体、攻様との時間を大切にする為にと
受様が目を向けていく四天王と呼ばれるクラスの中心的な友人達が抱えて
いた深い闇までも詳らかになっていき、誰もが見た目のままに明るく幸せ
な毎日を送っているわけではないと事が明らかになっていくのです。
そして受様の欠片が集まっていく事で受様が虚を抱えることになった最大
の要因が見えてくると、今まで見えなかった伏線が次々と明らかになって
いき、惹かれ合っている2人の恋が実るのか、非常にハラハラさせられま
したが、とても楽しく読ませて頂きました (^-^)
物語世界を楽しみ事で現実世界を忘れる事はあっても、現実世界との関わ
りを断ち切ることはできません。攻様が受様に繰り返し現実世界との繋が
りを求めるのは、現実世界では誰もが主人公であり、誰かと代われるもの
ではない唯一無二の存在である事を知って欲しかったからではないでしょ
うか。
大好きな作家様なので、何も情報を入れないまま読み始めたのですが、六芦かえで先生のかわいらしいカバーと甘めタイトルからは想像できないストーリー展開でした。
冒頭からすごく素敵で、本好きの清良がなぜ活字中毒になったのかや、彼の家庭環境、三年前に亡くしてしまった弟との関係が少しずつ明かされていきます。
(ロー)ファンタジーがお得意の作家様なので、主人公の清良が高校の図書塔に入り込んでしまうところからは、ワクワクしながら読み進めました。だけどちょっと今回は…、んー、ピタッとこなくてめちゃくちゃ残念。
作家様の作品では初めて読むレーベルで、わたし自身が現行のカラーとあまり相性の合わないところだったのも少なからず影響しているかもしれません。読者に喜ばれるポイントを押さえているのはよくわかるのですが、B Lは甘くてエロけりゃいいっていう素直な読者じゃないもので笑
作品によるのですが、高校生がメロメロに開発されていくところとか、エッチシーンの善がり方が本作ではどうにも好みじゃなかったです。男子校が舞台というのもあって、みんながみんな同性に片思いしているところも…。その上、B Lならではの萌え設定が要所要所に組み込まれているのが見えてしまって、お腹いっぱいになってしまいました。
後半の謎が解き明かされていくところは泣きました。ここ、すごい萌えポイントなんですよ。(わたしだけ?)そして作家様の本領なんですよ。
映画「普通の人々」や「スタンド・バイ・ミー」でボロ泣きしたある意味普遍的テーマなので、ここを読むだけで大満足しました。清良の抱える罪悪感や深い悲しみが読書行為によって慰められるわけですが、それがああいう形になったのは…B Lらしいのかもしれないけど、もったいないというか、モヤモヤしてしまうというか…。
図書塔のメンバーたちは本当にファンタジーしていて、一人ひとりキャラが立っていました。珊瑚もかわいいけど、弄月が萌えキャラかな。ツンで毒舌なあまのじゃく。だけど一番正義感に燃えていて、お世話焼きなんですよね。
本に潜って清良が物語の中に置いてきた心の欠片を取り返しにいくシーンは毎回迫力のある描写で、映像が鮮やかに浮かんできます。清良が自分だけでなく、友人たちも救済していくことになる展開は意外でした。登場人物の関係性が若干渋滞気味な感はありますが、澤居先生がなんだか不憫だったので、いつか誰か(玉響?)と幸せになって欲しいかも…。
前作『飼い犬に手を咬まれるな』から1年3か月。
『飼い犬~』での衝撃(特にあとがき)があったものですから、次作にあたるこの本がつつがなく刊行される様にと祈っておりました。
今月、もう1冊予定されておられるようですし、まずは「良かった」と思っています。
引き続き、夏乃さんのお話が読み続けられますように。
さて、お話の感想です。
やはり夏乃さんの『痛いエピソード」は半端なく、徹底的に痛いなぁ……
主人公の清良だけではなく、彼の友人の門倉、日柴喜、丹色と4人のそれぞれの痛いエピソードが展開されるのですけれども、これがすべて『高校生くらいの子が陥ってしまう痛さ』なんですよ。
3人の友人が抱える『痛さ』は性に関わるもの。
清良が抱えるのは『家族との関係』に関わるもの。
目を背けてきた自分自身の弱さを直視しなければならなくなるから、痛いんです。気づかないふりをし続けてきた事実を認めなければならないので。
興味深いのは、彼らの現実逃避の場所が『本(物語)の中』ということ。
特に清良。
現実社会から出来るだけ距離を置いて物語の中に逃げ込んだままの清良は胸に『虚』が開いてしまうのね(比喩ではなく本当に穴が開いちゃう)。だから『図書館の精霊』の詞葉が清良と一緒にいくつもの本の中に入って、そこで失った清良の心のかけらを集めていくことになります。
いや、私が「面白い」と言うか「へえ~」と思ったのは、図書館の精霊って「物語世界の総元締めみたいなものではないのかしらん?」ということなんです。本来なら「もっと本を読んで」っていう立場に立つもんじゃないかと。
でもね、詞葉は清良に「もっと現実と触れ合え」ってすすめるんですよ。
この辺がね「夏乃さんって『物語』というものに対してアンビバレントな感情を持っているのかなぁ?」と思ったりしました。
柔らかい逃げ場であるけれど、そこで足踏みし続けてはいけない場所、みたいな。
だからこのお話は成長物語です。
私、このお話のラストは違った風にと思ってたのね、読みながら。
なので、覚悟して読み進めていた分、ちょっとばかり拍子抜けいたしました。
本の中の冒険や本の妖精の描写は、おどろおどろしかったり幻想的だったりして楽しめました。欲を言えば、そんな風な部分をもう少し多く読みたかったです。