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kozure maou no enai joju
今回は魔眼をもつ魔王と魔王が執着する幼馴染の悪魔のお話です。
攻様から逃れ人間界で暮らす受様が連れ戻されて伴侶となるまで。
受様は3年ほど前に召喚されて人間界にやって来た悪魔で、作り物めいた
美貌の持ち主です。見た目を裏切る男くさい話し方がギャップとなって
女性達にモテることを利用し、悪魔として欲望に忠実に暮らしています。
受様が人間界にやってきたのはある悪魔に執着されたことに起因します。
その悪魔こそが今回の攻様です♪
攻様の執着で魔界で面倒な立場に追い込まれた受様は、人間の呼び出し
を利用して間界にやってきたのです。今は人間界に来て授かった息子と
ともに、気がいいけれど浅慮でよく騙される男の後始末するというギブ
&テイクな関係で彼の家に身を寄せています。
先日も家主は投資詐欺に引っかかりますが、受様は詐欺師から取られた
金のついでに隠し金庫も頂いてき、冬晴れの本日はショッピングモール
のカフェで息子を抱きながら狩りの獲物を物色してしまいます。
受様は噂話に興じているママ友3人組に目を止めると、息子をママ達の元
に向かわせます。ママ達が1人の時には警戒するであろう男でも、友人と
共にいる時に可愛い男の子のパパに感じよく話しかけられれば"友人"認定
してくれ、次に「たまたま」会った時に警戒されず誘惑も簡単なのです。
今回もそのセオリーでママ達に近づきますが、彼女達と雑談をしようと
した瞬間、ぶわっと全身に鳥肌が立ちました。直感に従って振り向いた
先にいたのは、驚いたような顔をした大柄で彫りの深いエキゾチックな
美貌の主である攻様だったのです!!
受様は渋みが加わった風貌に一瞬で心を奪われそうになり、攻様は喜色
も露わに地を蹴って受様に抱きついて食らいつく勢いでくちづけ、ママ
達のみならず回り中の注視を浴びる事となります。
思いがけずも念願の再会を果たした攻様は受様の腰を引き寄せますが、
受様のふくらはぎに抱きつく羊耳のコートの幼児に気付くなり凍りつき
ました。
受様はそのわずかな隙に魔力をこめた一撃で攻様から逃れますが、攻様
は魔界で一番の魔力を持つ魔王であり、見つかったからには逃げること
などできません。
連れ戻されてしまった受様と愛息の未来とは!?
受様にのみ向かう攻様の想いは届くのか!?
出逢った時から受様だけに欲する攻様と強引な攻様に縛られた事を良し
しない受様の攻防戦を描いたラブコメディになります♪
発売が発表された時点で買う気満々でしてあらすじを見ずに読み始め
たのですが、カバーを見て何らかの方法で受様が子供を産む話なの!?と
ワクワクしちゃったのですが、違いました (>_<)
妖系ファンタジーの攻様って受様を妖力で妊娠させちゃったりするし、
成瀬先生ってたまにトンデモ設定も有るからの個人的な期待でもあった
のですが、悪魔でも男性妊娠はなく受様はシンパパでした。
魔界についた受様は攻様の息子とも対面する事になるのです。その子は
攻様が受様に去られて傷心だった時に手をつけた女悪魔に産んだ子です
が、攻様の強大な魔力を受け継いだがために癇癪を起すと手がつけられ
ず、誰もが恐れる存在となっていたのです。
攻様は父親ながらも抱っこすら危なっかしく、受様はついつい彼の息子
の世話まですることになります。受様は何とか攻様から逃れようとしま
すが、黄金の魔眼持ちで人を意のままに操れる攻様からは簡単に逃げら
れません。
逃げる受様を追う攻様の攻防劇に、2人の息子達と魔界の権力者である
魔王に群がる悪魔達の欲望が絡まり合って進み、攻様が長年の片恋を
実らせる道は長くて、一進一退する関係にワクワク&ドキドキです(笑)
攻様が受様に執着しながら子供がいて、受様も子持ちシンパパという
2人のラブストーリーというのはかなり独創的で、徐々に明かされて
いく攻様の過去と想い、受様の傷となった過去の真意にも成瀬先生ら
しい捻りが効いていてとても面白かったです (^O^)/
受様と攻様の攻防劇はもちろん楽しいのですが、受様の息子に一目惚れ
した攻様の息子の報われない頑張りも微笑ましくて可愛いです。
そして亜紀良先生のイラストもお話の雰囲気にバッチリマッチしていて
とっても良かったです♪
こちら、ちょいイビツな溺愛を向けて受けを追いかけ回す魔王と、そんな攻めに執着されまくりながら逃げ続ける主人公(悪魔)と言う、主役二人の攻防がなんともシュールなラブコメになります。
成瀬先生と言うと、その独特な世界観なんかが魅力ですが、今回はそんな「成瀬カラー」全開のお話なんですよね。
主役二人ですが、この追いかけっこの間に女性と関係を持ち、それぞれ子供まで作っちゃう。
悪魔なので人間とは感覚が違うみたいですが、正直、私にも理解し難い・・・。
そんなワケで、このあたりが地雷の方はご注意いただきたいんですけど。
とりあえず、個人的には、受けの拗らせ具合に萌えちゃいましたが。
そりゃ、男だもん。
対等でありたいよねぇ。
内容です。
人間界で子育てする、子煩悩な悪魔・レモン。
そんな彼の前に、異様な執着を見せる幼馴染みの魔王・ヴィクターが現れます。
過去に魔眼を使い、レモンを無理矢理抱いたヴィクター。
レモンですが、そんな彼に捕まるまいと逃げ続けていてー・・・と言うものです。
こちら、ザックリ言っちゃうと、受けが好きで好きで仕方ない攻めと、とある事情から決して彼を受け入れたくない主人公とが、丸々一冊使って延々と追いかけっこしてるお話なんですけど。
そこにプラス、子育て。
で、個人的に一番萌えた部分ですけど。
ズバリ、主役二人の攻防だったりします。
レモンですが、その作り物めいた美貌に反して、言動がすごく男らしいと言うかガサツなんですよ。
で、そんな彼と幼い頃から共に施設(悪魔の学校みたいな所)で育ち、魔王に選ばれてからは自分のものにしようと強い執着を見せるヴィクター。
このヴィクター、レモンを強引に抱き、更に自分の下に置いておくべく捕まえては閉じ込めと、やってる事だけみると結構ヤバいのです。
ヤバいのですが、それに全然負けていない、強い主人公・・・。
や、レモンがですね、立場的には圧倒的に上なハズのヴィクターに言いたい事を言い、すごく強気な態度なんですよ。
また、ヴィクターはヴィクターで、かなり強引ながら根本的にはレモンに甘い。
と言うか弱い。
だから、こんな二人が追いかけっこをしていても、なんかイチャついてるようにしか見えて来ないと言うか。
また捕まる度に、エッチになだれ込んでるしなぁ。
こちら、キモとなるのがですね、主人公が攻めを拒み続けるとある「理由」なんですよね。
これなぁ、実は存外可愛いオチなんですよ。
まぁ、レモンはかなり拗らせてるなぁとも思うんですけど。
まぁでも、男だもんねと。
そう言う矜持があって然るべきですよね。
あと、魔界だったり、そこでの子育ての模様だったりと、作り込まれた独自の世界観も面白かったです。
若干引っ掛かる部分ですけど。
二人とも互いに想いがある状態なのに、それぞれ女性とも関係を持っちゃうんですよね。
直接的にはその部分は出てこないものの。
これ、悪魔としての感覚らしいけど、イマイチ理解出来ない。
う~ん・・・。
一途なキャラが好きなので、余計に。
私と同じく気になる方は、ご注意下さい。
子ども達は可愛いしレモンに頭が上がらない魔王ヴィクターの様子が面白くてニヤニヤしながら読みました。
自分が魔界に居ない間にヴィクターが女悪魔と寝たと知って嫉妬までしているのに、レモンはヴィクターを好きだとなかなか認められないのです。
何度も魔界から逃げようとしますが、お仕置きと称してレモンに愛情を注ぎ続けたヴィクターの執着エッチが良かった。
レモンは人間界で陽之介という人間の家を拠点にしていたのですが、大悪魔に吹き込まれた嘘でヴィクターは陽之介を殺そうとします。
誤解だと分かると陽之介に謝ったりと、なんとも人間くさい魔王なんです。
その理由が余りに強い魔力のせいで「施設」の独房に10歳まで入れられていたから、悪魔不審があったからだったんです。それ故にレモンの歪さも理解していました。陽之介に聞かれてレモンの良さを語るヴィクターはとても一途です。
レモンもヴィクターが魔眼を使ってない事を知って素直になり、ヴィクターの生い立ちを知ってショックを受けていました。
個人的に子守の達人で常識人であるデュラハンがお気に入りです。
かの先生だったので購入。「あー、かの先生らしい」と感じるお話で、攻め受けとも嫌いではないけど何かが足りなかったので中立より萌にしました。塩対応は面白いんだけど。本編230Pほど+あとがき。かの先生のテンプレ王道を求めてはいけない。初恋成就とありますが、まだまだレモンは塩対応だと思います。
魔王となったヴィクターに執着されていたレモン。人間の召喚がしてくれ何とか逃げ出し、出来た息子のリトを抱え、人間の陽之介の家に居候していましたが、ある日ヴィクターに見つかってしまい・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
リト(受け息子、可愛いー)、ラヴァ(2歳、攻め息子、こっちは大変)、デュラハン(首ちょん切れた騎士、側仕え)、陽之介(人間、レモンの居候先)、その他悪魔少々。
++攻め受けについて
攻めがイタリア男か!と思ってしまうほどフェロモン駄々流し受け執着大魔王。実際に魔王。ペラペラしゃべり「俺のことが好きで好きでたまんねーんだろ」と思っているような自信過剰さんに見えます。魔力は絶大なんで、確かに魔王には違いないのですが、同じく魔力溢れる息子ラヴァにはお手上げみたいで、降参!という風情なところがあります。受けさんにはベタぼれ過ぎて、最後のあたりはヘタレ大魔王な感じにも見えます。
片や受け!めっちゃ男前、がさつ?キップがいい?とでも言えばよいのでしょうか。ヴィクターにめろめろにされてしまうのが気に食わない(ちょっとした誤解あって)ため、こんな奴のいう事なんか聞いてやるもんか!と、めっちゃ塩対応。誰もがすりよる魔王ヴィクターに溺愛されてるのに塩対応。男前で良いです♡
そんな男前なのに、息子のリトやラヴァのことはめちゃ可愛がって、オムツ換える、ご飯ミルクあげる、抱っこしてチュする等々、親として最適状態。リトもラヴァもレモン大好き!状態で、つたない言葉でお話に参戦してくるのがめちゃ可愛い。
攻め受けとも好きなタイプな方だったのですが、お話としてどうあったらもっと好きだったのか、上手く自分でもわかりませんでした。なんかが物足りないです。触手が苦手だったからダメだったのかな。かの先生らしいお話の進め方がちょっと今回は苦手だったのかな。「うるせえ!」と一喝してお子様二人でどっかにとんずらして、攻めがもっとヘタレた方が面白いと思ったのかな。難しい。