嘘の欠片

uso no kakera

嘘の欠片
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神15
  • 萌×238
  • 萌17
  • 中立4
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
15
得点
282
評価数
80
平均
3.7 / 5
神率
18.8%
著者
栗城偲 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
一夜人見 
媒体
小説
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
カクテルキス文庫
発売日
価格
¥755(税抜)  
ISBN
9784866692913

あらすじ

「……最悪」寝ぼけてキスした相手が峯井だったと気づいた呉村が、そう呟いた。それ以来、親友だった呉村への片思いが苦しくなって、高校卒業後、違う進路を選び連絡を絶った峯井。看護師として勤務して十年。三十路になった今でも呉村を忘れられず、彼とキスをする夢を見続ける日々。もう諦めたいと思っていた矢先、峯井の勤める病院にやってきた看護師が呉村で…? 何もなかったかのように接してくる呉村に戸惑うが…。「今度は、逃がす気ないからな」一途に拗らせる十年愛

表題作嘘の欠片

呉村清隆,32歳,高校3年生→看護師
峯井佳哉,32歳,高校3年生→看護師

その他の収録作品

  • 番外編
  • あとがき

レビュー投稿数15

激萌えの幼馴染×両片想いストーリー

もう、激萌えだった…!!

幼馴染×両片想い×再会と、「好き」要素が詰まりに詰まった、こちら。

そして、受け攻めどちらも”看護師”とは珍しい!
医者じゃなくて看護師というところが、理由は自分でも分かりませんが自分には刺さりまくりでした。

病院内の様子やら採血の様子、白衣の種類に至るまで描写が細かく、作者様はひょっとして病院勤務の方なのかな…?と思っていたら、あとがきによるとお母様が看護師とのこと。なるほど、だからか!と腑に落ちました。

詳しいあらすじは他の方が書いてくださっているので、内容絡めた感想のみを。

高校時代、密かに想いを寄せていた呉村(攻)から間違ってキスをされた上に、「最悪…」と呟かれ、峯井(受)は自ら彼のそばを離れる決意をします。
もう、もうこのシーンの描写が秀逸で。

読者としては「違う違うそうじゃない!その”最悪”はそっちの意味じゃないよ峯村ー!」と叫び出したくなるぐらいだったのですが。

再会した呉村が峯井と仲の良い外科医師に嫉妬して割り込んで真ん中に座ってくる描写とか、クスリと笑え可愛いな❤︎なんて思う部分もあって、何度も言いますが萌えまくりました。。

で、この峯井と仲の良い外科医士の鳥谷野さんが、まーたいいキャラなんですよ…!好き…!(バツイチ子持ちで、現在看護師さんとお付き合い中ですけれども)
いいパパであり、後輩の良き相談相手でもあり。

登場した当初は「当て馬か…!?」と警戒していたんですが、当て馬どころかめちゃめちゃいい仕事してくれてますやん…となりました。
彼なくしては、二人の拗れた想いがきれいに解かれることはなかったでしょう。
ほんと、ナイスアシストだよー…!

鳥谷野が「あーん」と峯井にねだるシーン、個人的に身悶えしましたね。
なんて可愛い四十路なんだ٩(๑`^´๑)۶

ストーリー、キャラはもちろんのこと、看護師というお仕事ものとしても興味深く読めて、何重にも楽しめました◎

再会や初恋の再燃、幼馴染、看護師同士の恋…どれか一つでも引っかかるワードがある方に、ぜひぜひ読んでいただきたい作品です・:*+.

0

微笑ましい二人

中学からの同級生。
高校三年生で、思わぬアクシデント、寝ぼけてキスしてしまったことを「最悪」と言う親友の呉村。呉村を友達以上の好きになってしまっていた峯井は、同じ学校への進学を諦め、呉村から離れる決意をする。
卒業の日に、進学先を変えた峯井に呉村はなんとも言えない表情で…

それから10年がすぎたある日、峯井の勤務先に呉村が転職してきて。

そこからは、もう究極の両片思いな訳です。
キューピッド役の外科医に嫉妬する呉村も面白いし(本人にとっちゃ真剣なんですけど)、峯井は一緒にいるのが楽しくて、でもこの気持ちは抑えなきゃならなくて。
すれ違う二人がもう、萌えるんですよ。

やっと想いが通じた二人のやりとりにはニンマリしちゃいました。
栗城さんは、こういう萌多めの切ないながらも応援したくなるお話が多い印象ですが、これも裏切られず、ラブラブしている二人をもっと見たくなっちゃうお話でした。

0

ひとカケの嘘が雪だるま式に膨らんで 引けなくなった話

幼馴染の二人。
呉村の父親は、看護師。
峯井は、呉村の父に手当をしてもらったことから、看護師志望。
呉村も、峯井に引きずられるように看護師志望。
いつも一緒の二人は、看護師を目指して進学する学校も同じ・・はずだった。

いつものように一緒に受験勉強をした夜、呉村が寝ぼけて峯井にキス。
飛び起きた呉村は、舌打ちして「...最悪」と呟く。

その呟きを、峯井は「激しく拒絶された」と解釈。
以後、呉村から遠ざかる。学校も、黙って別を受験。
卒業式から10年音信不通。

10年後、呉村が峯井が勤務する病院に入ってきた。
「呟き」の誤解を解こうと、ひたすら逃げようとする峯井に呉村は努力する。
この部分の、追う人と逃げる人の、心理描写が面白くて良い。

呉村君が諦めない人でよかった。ハピエン。

0

10年間は無駄に長い……

「再会」「同級生」ものが読みたいと思って、詳細検索でヒットしたのがこちら.
早速、読んでみたところまるで「再会」「同級生」「誤解・すれ違い」のお手本のような作品!!
再会、同級生、誤解・すれ違いはこうあるべきみたいな王道とでもいうのかしら。
(あと設定には登録されていないけど「両片思い」も該当すると思います。)

なのに、なんで萌どまりかと言うと、会わなかった10年間が無駄だったなぁ……と思ってしまったから。
だってせっかくの両片思いだったのに。
せいぜい3年程度で再会させてあげたかったなぁ、そしたら貴重な20代を一緒に過ごせたのに……って。
ワガママ読者ですみません。

もちろん再会愛は、せいぜい数年で再会させろ!と言ってわけではなく、10年要するようなケースもあると思うんですよ。
例えば、当時はとても相手を素直に受け入れられず、自分の気持ちに素直になるまで時間を要したとか。
当時は恋に無自覚で、あれは恋だったんだ……と気づくのに時間がかかったとか。
執着攻めが、受けを手にいれるまでに着々と準備するのに時間を要したとか。
長い時間と共に、気持ちや関係が変化していくところが醍醐味で、あぁこの二人がくっつくのには時間が必要だったんだなと思えるケースですね。

でもこの二人は、そうじゃない。
再会しても相変わらず誤解したままで、多分鳥谷野先生がいなかったら、10年どころか20年30年経ってもくっつかなかった気がする。

とりあえず、鳥谷野先生には足向けて寝れないですね。

0

清らか

性格のすこぶる良い2人のすれ違いを美しく読ませる作品です。およそ悪人と思われる悪人が出てこない!健全な職場環境!峯井に無理やりキスした女の子や、採血室の看護師なんかもいましたけど、可愛いもんです。女性にそういう役回りが与えられてる感じがややBL作品らしいなと思いつつも、不快なほどではありません。大方のBL小説にも、職場にも世の中にも、もっと苛立ちが含まれると思いますが、とにかく清らか。番外編で知ることになる呉村の彼女への態度がなかなか酷いなとも思いつつ、それも許容範囲内。表紙の通り清浄な空気に包まれた本でした。そこが物足りなさに繋がるかもしれないけれど、そういう本ばっか読んでる間にこういう綺麗な川みたいな作品もいいですね。

看護師2人が揃ってて初っ端から生中出しにはびっくりしたけどね!清らかな2人はそこすら不浄の領域なんでしょうよ!

萌〜萌2

0

王道なすれ違い話

初買いの作家さんです
ファンタジーや偏った設定が多いBL小説、もっと身近な、普通な設定を読みたいとか偶然に見かけた一冊。
すれ違いが大好きなのですぐに購入しました

とにかく読みやすいです
1ページ目を開いた後どんどん読めてしまう、気づいたら最後のページまで。
初恋(片想い)→峯井(受け)逃げる→10年後の再会→誤解→誤解が解けて結ばれる
すれ違いの中でもザ王道という感じだが、飽きることも物足りなさも感じさせない、バランスの良い作品だと思いました
結ばれるまでだいぶ時間がかかるので、自然とエロシーンも少なめです。
物語中心でエロ少なめ、王道な展開で約束されるハピエン、
誰でも楽しめる一作だと思います

1

親友だから、伝えられない恋心。

BLの王道のひとつですよね。

本編:峯井(受)視点
番外編:呉村(攻)視点
特別編SS:鳥谷野視点

親友である呉村(攻)に片思いしている主人公・峯井(受)。
片思いの辛さに耐えきれず、同じ大学へ進学すると信じ込んでいる呉村を裏切り、別の学校を受験することに。
こうして別々の進路に進んで疎遠になったふたりが、再び職場で再会するストーリーです。

親友を装いながらも恋をしていたこと。
内緒で進路を変えたこと。
呉村に嘘をついていた罪悪感から、今も昔も自責の念が強い峯井が切ないんです。
めちゃくちゃ庇護欲そそられました。
「傷つくなんてお門違いだと、わかっている」
とかね。
我慢しすぎだよ。
痛い時は痛いって言っていいんだよTT(涙)

早く幸せになってくれ〜!と願いつつ、本編はずっと受け視点なので、呉村の気持ちがはっきりするまですごく焦れ焦れさせられました。

実はあの時こうだったよ、という呉村のお話は番外編でたっぷり聞けます。
もうさ、ダミーで彼女作るのやめよう。ほんとに。
良いことひとつもないから!!
感想はこれに尽きる。

特別編SSは、本編で大大大活躍してくれた鳥谷野ドクター視点。
遊び心と包容力を兼ね備えた最強ドクター♡
SSでもまた見れて嬉しかったです♡
「天才外科医は、外科病棟の看護主任のシフトを把握していた」
っていう文章すごく好き。
硬い感じなのに、しょーもない内容なのが面白くて笑っちゃいました。

4

王道で直球

「手練れの作家さんが書く王道って実に面白いなぁ」と思ったのは、2020年5月現在の世界がいつもと違ってザワザワしている所為かもしれません。
今、私が読んでいて楽しいと思うのは『日常もの』だと気づきまして。
「ああ、この感染症流行の中でそれほど被害を被っていない私ですら、何らかの日常を失っているのだなぁ……」と感じたりしました。

お話の詳細は書きませんが、もう、絵に描いた様な『誤解・思い込み』で『すれ違い』の『両片思い』です。
「いつかどこかで読んだような気がする」とか「予想したとおりに話が進んで行く」とか、こんな風に書いてしまうと不満の様に見えるそのことこそが、この物語を読む快楽なんだと思うのですよね。

そんな楽しみ方が出来るのは栗城さんの筆が上手だから。
あとがきによれば『だいぶ昔に他社の雑誌に掲載されたものを加筆修正した』とのことです。
なるほどねぇ……こういう言い方もなんですが、リメイクなんだ。
知っている類の話、しかもリメイクをここまで楽しく読ませてくれるっていうのも凄いことだと思うんです。
その力に感激しました。

13

安心して読める

カバーイラストの雰囲気で飛びつきました。やっぱり文章が読みやすいです。読みながら場面場面が絵として浮かんでくるので負担が全くありません。ずっと読んでいたくなります。

好きな設定ですが、読後にあとを引くような、ちょっと考えてみたくなるような、目新しさみたいなものを期待してしまうと厳しいかも。

切ないお話が大好きなのですが、切なさはあまり強く感じませんでした。序盤から先が読める感触があるので、安心して読める再会ものだと思います。が、単にわたしの感覚がズレてるだけかも…

メイン二人の誤解を解く人物として登場した鳥谷野が、とてもキャラの際立つ存在で魅力的でした。スピンオフを希望したくなりますよね。

鳥谷野はタラシ風情だけど娘を溺愛していて、バリバリの異性愛者としてしかイメージできなくて。もしそんな彼が同性に目覚めたら、意外にもすんごい幸せになっちゃうか、人生を狂わされるもしれませんね笑

男性の患者さんが女性看護師さんに頼みづらいことがあった時に、男性看護師さんがいたら心強いんだろうなとか、経験上採血でいつも失敗されて辛いので、峯井みたいに鬼レベルで上手な看護師さんに担当してもらいたいな(切実)…とか、そういった院内エピソードの方がリアルに想像できて面白かったです。

キリキリするようなトーンに萌えるので少し物足りない感じはしましたが、すれ違いからの和解ラブを穏やかな気持ちのままで楽しませてくれる、優しいお話だなと思いました。

5

取り残された恋心

今回は整形外科に入った看護師と外科の主任看護師のお話です。

受視点で嘘をついて離れた相手と再会して恋を実らせるまでと
攻視点で本編裏事情的な過去を絡めた後日談を収録。

受様は親友である攻様とキスする夢をよく見ます。それはいつもくすぐ
ったいくらい柔らかな触れるだけのものですが。実際にキスの体験のな
い受様には嬉しくて幸せで・・・同時にとても悲しいものでした。

受様と攻様は中学で出会います。攻様はバスケ部で活躍する男らしくカッ
コイイ人気者で、看護師という同じ夢を持っていた事から急速に仲良くな
り、お互いの家にもよく泊まりに行く仲になります。

受様が初めて攻様にキスされる夢を見たのは攻様に「初めて彼女ができた」
と報告された日の事でした。良かったと初彼女を祝ったけれど、夢を見た
事で無意識に攻様を恋愛対象としてみたいた事に気づいたのです。

それまで受様は誰も好きになった事が無く、性的思考について悩んだ事も
考えた事すらありませんでしたが、その日から親友に、好きな人にずっと
嘘をつき続ける事になるのです。

受様は攻様と同じ高校に進みますが、攻様に彼女ができるたび、別れるた
びに一喜一憂する事になります。そして辛いけれど親友でもいいから傍に
いたいと思っていたはずが、気持ちを隠し通すのが辛い、嫌われたくない
から離れたいと思うようになります。

2人は同じ大学を目指していましたが、膨れ上がった想いは止められず、
受様は攻様が推薦入試を受けた大学とは別の臨検にある病院付属の看護専
門学校を受験するのです。そして攻様がその史実を知るのは卒業式の日だ
ったのです。

黙っていく気だった詰め寄る攻様に受様は自分の気持ちがバレない様に
「お前と一緒の学校なんてもう行きたくなかった」と言うしかなく、攻様
に「嫌いだったか」と問われて「嫌いじゃないよ」と答えるのが精いっぱ
いでした。

それから10年が経ち、受様は大学付属病院の外科に勤務する主任看護師と
なっていました。独身寮を規定で追い出され、病院近くの1LDKに1引っ越
した夜、受様は久しぶりに件の夢を見て汗びっしょりで目覚めます。

それは何かの予兆だったのか。受様が引っ越しで休みを取った日、整形外
科に新しく男性看護師が入局します。まだまだ男性看護師は珍しく、挨拶
回りで会った外科医は"背が高くてかっこいい看護師"と評します。

翌週の金曜日、男性看護師の宴会部長が開いた歓迎会に参加した受様が紹
介された看護師はなんと攻様その人で!?

初出の雑誌掲載作に加筆修正した本作は、一番の友人だった攻様への恋心故
に攻様のから離れる道を選んだ受様の10年来の初恋成就の物語になります♪

受様視点で進むので攻様の真意は判らないモノの、エピソードの端々に2人
が互いに友情以上の想いを抱いているだろう事が見え隠れしているので、
行き着く先は判るのですが、どうやって修復されるのかとワクワクしながら
読み進めました。

大切すぎる相手に嫌われたくないという気持ちが強過ぎて、自分の気持ち
を隠し続ける事しかできなかった2人は高校の卒業の日から別々の道を歩き
出しますが、初恋を忘れられません。そして攻様が前職の教授の伝手で受
様のいる病院に転職してきたことから2人の恋の第2章が始まるのです♡

再会した攻様は何事もなかったかのように親しい友人として接してきます
が、受様は攻様にどう思われているのかと気にかかるのですが、自分の嘘
が出発点なので聞くに聞けないのです。

そんな受様を気に入っている独身バツイチ外科医師がとってイイ性格です。
2人が両想いなのがわかっていて激ニブな受様を守りつつ攻様を嗾け、攻様
がヒートアップして対抗意識メラメラなのがMYツボで萌え萌えでした♡

何気ない毎日の中で育まれていく淡い恋の喜び、見ているだけしかできな
い辛さ、大切だからこそ嫌われたくない、失いたくないと思う受様が切なく、
2人が両想いになるまでキュンキュンしつつ、楽しく読ませて頂きました。

最後に攻視点で受様との過去回想が入っていて、受様の誤解した出来事の
真相が明かされているのもすごく楽しかったです。人は自分がソレが正しい
と思ってしまうとなかなソノ考えから抜けだせません。特に相手が自分の
大切な人だと相手を悪く思えないものです。

恋のなれそめなら盲目でもいいですが、幸せを育んでいくなら相手に呆れら
れても正直に胸の内を語る事も必要なのかなと思いました。まぁ、匙加減は
必要ですけどね (^_-)v

3

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