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nijiiro no yokuou wa kujaku ni hanayomesihou wo matowaseru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
こちら、鳥人(孔雀人間)BLで、壮大なファンタジーになります。
人々は羽の色で明確に区別され、階級制度が絶対と、テーマとしては重いしシリアスなお話なんですよね。
ただ、だからこそ、悩み迷いながらも自分の気持ちと真っ直ぐ向き合う二人に、心を打たれて。
いや、教育や文化によって培われた価値観って、なかなか覆す事が難しいと思うんですよ。
なのに攻めは、不吉とされる受けの黒い羽を、美しいと素直に思うんですよね。
なんかすごく感動しちゃって。
読みながら「君は綺麗だ~」が、延々と頭の中でリピートされちゃいましたよ。
まぁ、運命を唯々諾々と受け入れる男達じゃ無い所にも、シビれちゃうんですけど。
ストーリーとしても、裏切りあり、涙あり、驚きの真実ありと大変面白いので、ぜひご期待下さい。
内容です。
羽の色で階級が分けられている、孔雀人間の社会。
黒い羽で最下位(低危険種)であるリヒトは、仲間達と盗みに入った所を捕まり、罪人として裁かれる代わりに最上位(絶滅危惧Ⅰ種)であるルークのつき人を命じられます。
最下位の人々が虐げられる現実に強い憤りを感じ、特権階級に対して反発心を持っていたリヒト。
しかしルークと過ごす毎日の中で、様々な真実が見えて来てー・・・と言うものです。
まずこちら、繰り返しになりますが、ストーリーとしてもめちゃくちゃ面白いのです。
人々が区別される「階級社会」がテーマとなるワケですが、これが一筋縄では行かないんですよね。
いや、最初こそ、虐げられる最下位の人々と、単純な差別のお話に思えます。
それが読み進めるうちに、最上位は最上位で繁殖の為だけの道具も同じ存在だったりと、立場は違えどそれぞれの苦悩がある事が分かってくる。
そう、彼等が生きる社会ですが、とんでも無く歪んでいて大きな問題を抱えているのです。
で、そんな世界で、最上位と最下位として出会った二人。
実はつき人の仕事ですが、繁殖力が弱い絶滅危惧Ⅰ種の為に、同じ最上位同士で生殖が出来るよう、奉仕すると言うものになります。
要は、ちゃんとエッチが出来るように、つき人が前戯を施して勃たせるみたいな。
えーと、この制度自体で、彼等の世界がとても歪んでいる事をご理解いただけると思うんですけど。
まぁそんなワケで、貧民街に住む仲間達の保護を条件に、ルークのつき人となるリヒト。
リヒトですが、最下位で更に不吉だと言われる黒い羽の持ち主でありながら、ごく稀に生まれるとされる非常に美しい青年です。
また、その美貌を武器に、厳しい毎日を生き抜いてきた、とても逞しい受けなんですよね。
で、上手いのが、彼の魅力の鮮やかな描写。
ルークですが、自身の存在や現在の社会に疑問を持つ、「最上位」としては変わり者の男なんですよ。
窮屈な世界で、ウンザリしながら生きてきた。
そんなルークがリヒトと出逢い、生命力に溢れた彼の姿に、新鮮な驚きや感動を覚える。
いや、見た目だけなら美少年なのに、泥だらけになりながら蛇を捕まえたりと、リヒトの行動って完全に予想外なんですよ。
でも、そんな彼の姿に、ルークが惹かれて行くのが良く分かって。
う~む。
いつもなら萌える~って言う所ですが、これはとにかく鮮やか。
奈良先生のイラスト効果も相まって、ここでのリヒトの姿がただただ鮮やか。
一枚の絵として瞳に焼き付いちゃう感じなんですけど、伝わりますかね?
これ、リヒトはリヒトで、危険を顧みず最下位である自分を助けたりするルークに、心が揺れ動くようになる。
また、自分とのつき人としての「行為」の後、婚約者の寝室に消えるルークに、胸の苦しさを覚えるようになる。
いや、両視点で進むんですけど、互いに少しずつ少しずつ惹かれあってゆく、こんなエピソードが秀逸なんですよ。
二人の心情の変化に、萌えまくっちゃうんですよ!
と、そんな中、ルークが何者かに毒を盛られると言う事件が起きます。
また、ルークが低危険種(リヒト)にうつつを抜かしていると言う噂が立つと、リヒトはつき人を解任され・・・と続きます。
こちらですね、繰り返しになりますが、ストーリーとしてもとにかく面白いのです。
ここから怒涛の展開となるワケですが、驚きあり、感動あり、涙ありって感じで、もう息を吐かせないのですよ。
いや、意外な犯人にとにかくビックリ。
キレイなだけでは無い、人の心の複雑さよ!と。
また、ここに来て、互いへの想いを伝えあう二人に泣けちゃって。
そう、彼と出会って、初めて生きる意味が分かったのです。
互いの存在しない世界で一人生き永らえるくらいなら、共に死にたいのです!
二人はかなり過酷な状況に置かれますが、追い詰められたリヒトの最後のセリフに、泣きましたよ。
なんて、なんて感動的なのに、切ない・・・!
や、ギリギリまで抵抗してやる的な、いい意味で諦めの悪い男達でもあるんですけど。
もう、背中合わせで戦う男二人って、格好良すぎー!
オチに興奮しまくりーーー!
とりあえず、壮大で感動的な、とても素敵な作品だと思う。
社会派と言ってもいいテーマだと思うんですけど、落とし処までお見事でしたよ。
めっちゃ面白かった!
主役は鳥です。鳥人!!
時代背景は近未来ですが文明が退化しており、印象としては明治時代頃に近いのでは?と思いました。
確固たるヒエラルキーを描いた作品でありながら、本作は『みにくいアヒルの子』なのだと思いました。
羽の色によって階級が分かれる鳥人世界。
トップに居るのは、虹色の美しい絶滅危惧種。
そして最下層は黒or茶(低危険種)であり、特に黒は不吉な存在とされています。
本作の主人公は、虹色のルークと黒色のリヒト。
繁殖能力の低い絶滅危惧種に性的な奉仕をし、繁殖の手助けをする〝つき人〟になったリヒト。
ルークが同種とセックス出来る様に勃つまで奉仕するという役目を負います。
リヒトに反発しながらも惹かれていくルークと、もしかしたらそれよりも早くリヒトに惹かれていたんじゃないかと思わせるルーク。
お互いの羽を拾ってこっそり持ち歩くところは、きゅんきゅんします♡
最上位種でありながら決して人を見下したり蔑んだりしないルークがとっても素敵で、素っ気無いようで実は情熱的なところがとても魅力的でした。
そして、最下層でありながら決して媚びないリヒトは男前なんですよね。
二人が惹かれあいながらも階級の違いに阻まれたり、
ルークの命を狙う輩や、リヒトを嵌めようとする意外な人物の存在……
ただのラブストーリーじゃない!
特に、最後の黒幕は意外すぎてビックリした‼︎
完全にミスリードされてました(^^;;
ルークが別室で他の男を抱く声が聞こえてきた時は、胸がギュッとなって苦しかった( ;∀;)
子孫繁栄のためとはいえ、辛すぎました。NTRの気分。
実はここにも秘密があるのですが、真実を知った時には狂喜乱舞しましたよ‼︎
途中、このままじゃ結ばれないんじゃ?と不安になりましたが、
危機的状況に陥った時、リヒトに大きな変化が訪れます!
これが『みにくいアヒルの子』なんですよね。
でも、姿が醜くても美しくても存在自体は変わらないのだから、その人はその人なのです。
「低危険種はたくさんいても、リヒトは一人だ」というルークの言葉にはグッときました!
ヒエラルキーなんてクソくらえなルークが格好良すぎた♡
また、奈良先生のイラストが最高に素敵で、羽を広げながら交わり合うルークとリヒトにはため息が出ます。
イラストだけでもみる価値ありです!
前作の最強アルファ〜が好きな方は絶対に気にいる作品だと思います。
中原・奈良コンビ最強だわ。とってもワクワクした‼︎
孔雀と人間を掛け合わせて作られた鳥人たちの世界
大空を飛ぶことのできる極彩色の絶滅危惧種ルークと貧民街に住む漆黒の低危険種リヒト
見上げることしかできない相手への恋を自覚したときのリヒトの切なく美しい独白
「嵐なら、もう来ている」
クラシカルできらびやかな描写が身分差の恋を彩ります
二人が苦悩しながら密やかに想いを募らせてゆくのと、不可解な事件が同時進行
生意気で口の悪いリヒトの純粋さ、健気さと、迷いながら困難をねじ伏せてゆくルークの強さが起こした奇跡に胸がすく思いがしました
全てを読み終えたとき、表紙とタイトル、作中の絵画が全て繋がり、中原先生の仕掛けと奈良千春先生の原作の咀嚼力に唸ります!
文章も挿絵も美しい物語をありがとうございました
二人のその後が読みたい!
続編希望します!!
皆様の愛あふれるレビューを見ると、読まずにはいられなくなりました。
とっても面白かったです。
中原先生の描く鳥人達の世界にうならされました。
絶滅危惧種優位の世界、なるほどなー。
受け様は低危険種とよばれる漆黒の髪と翼を持つリヒト。
生きる為に犯罪まがいのことをしながら、家族や仲間達と助け合い必死に生きている。
攻め様は絶滅危惧種Ⅰ種の、虹色の羽を持つルーク。
Ⅰ種の最重要責務は子をなす事。
窃盗団のリーダーとして捕まったリヒトはルークのつき人、子作りのためにルークに奉仕をする仕事をすることに。
ただの高慢ちきな絶滅危惧種Ⅰ種さまさま、と思っていたルークの置かれている立場の苦しさを知り、少しずつルークに惹かれていくリヒト。
でも、ルークには子作りをする相手がいるわけで、自分が奉仕した後、隣にいるその相手の元へと送り出さなければならないリヒトが切なかった。
仮面を付けている様で、あまり自分の生の感情を出さないルークが、リヒトの為に必死になる姿は、とても萌えがあふれました。
また、ルークの嫉妬心を煽ってくれたルークの友人にはグッジョブ!!!と拍手モノ。
攻め様の焦燥や嫉妬、大好物なのでにやにやがとまりませんでした。
立場が違いすぎて、なかなか相手への想いを認められない2人。
ようやくはっきりと気持ちを認めて覚悟を決めたら、とても強かった。
生きるのを諦めず、でも相手を失った世界に未練はないから、と立ち向かう姿はかっこよかったです。
性欲が薄いと言われてる絶滅危惧種Ⅰ種のルークが、最後には何度も「愛してる」と告げながら情熱的に愛し合っていて、人って変わるんだね、よかったね、と微笑ましく見ました。
そしてまた、奈良先生の描くイラストがとても秀逸でした。
野生児感たっぷりの愛嬌あるリヒト。
月夜に浮かぶ力強いルーク。
口絵の、ルークの羽で抱きしめられてる姿は美しいけど、リヒトの物慣れない表情はとてもかわいい。
眼福なイラストをありがとうございます。
今回は最上位の特権階級である虹色の羽の鳥人と
貧民街で育つ最下位種である黒い瞳と羽の鳥人のお話です。
攻様の付き人となった受様が攻様を変え、世界を変える存在となるまで。
鳥人たちの世界は種族によって7段階の階級に分かれています。絶滅した
とされる白色の羽をもつ種を除き、最高位の特権階級は虹色の羽をもち
絶滅の危機に瀕するために保護の対象となっている絶滅危惧Ⅰ種です。
次に位置する緋色の羽をもつ絶滅危惧ⅠA種と絶滅危惧Ⅰ種は翼が大きく
空を飛ぶ能力を持ち、政治にかかわる権利を与えられ、贅沢な暮らしを
しています。
かつて地球を支配していた人類が殺し合いで滅んだことから、鳥人たちは
できるだけ争いを避けるために、美しく色艶のいい者がいる事で、国力を
誇示していたのです。
青色の羽をもつ絶滅危惧ⅠB種、鴬色の絶滅危惧Ⅱ種、黄土色の準絶滅危
惧種までは朱の違いはあれど、それぞれに職を持ち、働いて生計を立てて
いますが、絶滅する恐れがないとされる焦げ茶系の羽をもつ低危惧種は
最下層とされ、その日暮しの貧しい生活を強いられているのです。
受様はそんな低危険種の中でも不吉とされる黒い羽根をもつ鳥人です。但
低危険種の中にごく稀に生まれるとされる美しいさで、上尾筒の目玉模様
も銀のラメを施したような輝きを放つほど魅力的な容姿をもっています。
受様はその容姿を最大限に活かして美人局をしたり、比較的裕福な屋敷を
貧民街の仲間達と襲って金品を得ていますが、生きていくだけで精一杯な
のです。
ところが仲間達とある屋敷を襲って逃げる際に、絶滅危惧Ⅰ種である虹色
の羽をもつ鳥人に追い詰められてしまいます。この虹色の羽の鳥人こそが
今回の攻様になります♪
攻様はその場を圧倒するほどの力強さを感じさせる美丈夫で、巷を騒がす
窃盗団の捕縛の為に空から受様を追撃し、捕える事に成功するのです。
受様は仲間達を逃すために単身捕まりますが、受様が連れていかれたのは
特権階級のみが住む「特別区」で、緋色の瞳の男達に投獄する代わりに、
攻様の房事のサポートをする付き人になれと迫られる事になります。
受様に求められているのは色仕掛けを活かして繁殖に乗り気でない攻様に
子作りをさせる事のようです。絶滅危惧Ⅰ種は繁殖力が極端に低く、攻様
は花嫁候補もいるというのに房事に積極的ではなかったのです。
逃げれば地区の者は皆殺しだとまで言われては受様に選択肢はなく、せめ
てもと攻様に尽くす代わりに地区の生活を保障して欲しいと交渉します。
面白がった攻様は受様の要求をのみ、受様を付き人とします。
しかし、実は受様の美人局は睡眠薬を用いたもので、実技の経験は皆無な
のですよ。そんな受様に攻様の付き人としての役目を果たせるのか!?
人間の滅亡した後に誕生した絶対的な階級カースト世界で、貧民街育ちの
最下層種の受様と特権階級の最上位種の攻様との出会い、やがては鳥人世
界の基盤までもを変えていく身分差恋愛ファンタジーになります♪
鳥人たちの際上位種として虹色の羽引継ぐ種を残す事を課せられている攻
様ですが、特権階級の生まれに胡坐をかくことなく、市街地の視察や警察
に出向いて治安の状況を聞いたりする他に、他地区の虹色の羽の鳥人たち
とも熱心に意見交換をする多忙な日々を送っていました。
攻様の伴侶候補は繁殖のために一時的に性転換した男性で、受様がサポー
トに入ることにも好意的でした。しかし受様はなかなか攻様をその気にさ
せる事ができず逆に不慣れな姿をさらしてしまう事になります。
それでもなんとか夜のサポートをし、外出時には毒見役としてのサポート
も行うようになりますが、馬車の脱輪を装って誘い込まれたパブで、受様
が毒見した菓子で生死の境をさまよったり、農村部で行われた神事中には
飛行していた攻様の翼に矢が射かけられる惨事まで起こるのです。
徐々にきな臭い状況に追い込まれていく攻様なのに、付き人に過ぎない
受様を庇われた受様の心は千々に乱れます。その上、一線まで超えてしま
ってさらに大混乱!! そして攻様が低危険種である受様に執心しているとの
噂された事で、受様までも命を狙われる事に!!
徐々に追い詰められていくようにしか見えない2人の未来にハラハラが止
まらず、まさか、まさかな展開に、ドキドキも止まらず2人が幸せになる
まで、たいへん楽しく読ませて頂きました (^O^)/
俺様な攻様の見え難い優しさとか奔放な受様の意外な真面目さとか、お互
いが相手の羽をこっそり大事にしてる事とか、互いに見えない部分で見せ
る姿にもキュンキュンさせられました。
所々にちゃんと伏線は張られているのですが、丁寧に微妙に積み重ねられ
て気づけない!! 故のまさか、まさかな展開とタイトルに込められた意味が
絶品だったので「神」評価とさせて頂きます♡
奈良先生の緻密で華やかなイラストもお話の雰囲気にぴったりで、とても
素敵でした。翻る上尾筒の目玉模様とか、羽が舞い散るシーンとか、どの
イラストもとっても良かったです ヾ(≧▽≦)ノ
面白くてページをめくる手が止まりませんでした。
人間が滅んで鳥人が暮らしている世界のお話でした。人間と孔雀を掛け合わせて人工的に作られたと言われていて、階級制が全ての社会なんです。
最下層の低危険種のリヒトが窃盗団のリーダーとして捕まった事から、特権階級の絶滅危惧Ⅰ種のルークのつき人になるんです。
リヒトは瞳も髪も羽根の色も真っ黒なんですが、とても美しいのです。
一方虹色の瞳と羽根を持つルークは、特権階級に興味がなかったリヒトが思わず見惚れるような美丈夫です。
つき人の役割りとはルークが繁殖相手と交尾する前に、そういう状態になるように奉仕するのが仕事なんです。
危ない仕事をして身体を触られる事はあっても経験の無いリヒトは、妹や母親や貧民街の人々の生活の向上を約束させて引き受けるのです。
繁殖相手の屋敷に行って奉仕させて、思わずリヒトに夢中になるルークの様子に萌えました。
段々とリヒトもルークに惹かれて行って、2人の間にある階級差に苦しむ様子がとても切ないんです。
毒薬事件や祭の最中にルークが襲われたりする事件があるのですが、ルークのリヒトを必死に守ろうとする姿に愛情を感じました。
特権階級がつき人に本気になると、繁殖の妨げになるからとリヒトも命を狙われます。
そこにやはりルークが飛んできてリヒトを助けに来るのですが、絶対絶命のピンチの時にリヒトにとてつもない変化が起きて助かるのです。その伏線もお話しの途中途中にあり、もしかして?と楽しみながら読めました。
鳥人の姿になってのセックスの描写が凄く獣っぽくて、とても面白かったです。
拙い文章では伝わらないので是非読んで欲しいです。
奈良先生のイラストも作品にとても合っていて素敵でした。
『梟はなぜ烏を黒く染めたのか』のスピンオフだと思っていたんです。
いや、何の根拠もないの。
『梟は~』が好きすぎた所為で生まれた単なる勘違いなんですけれども。
ただですね、暴走した妄想が行き場所をなくしてしまって……
折角の中原さんの『鳥話』なのにもったいないことを!
やはり先入観で物事を決めつけてはいけませんな(反省)。
前作『最強アルファと発情しない花嫁』とお話の手触りが似ている様な気がします。
身分差と『受けさんを道具扱い』というシチュエーションが同じだからかな?
とにもかくにもリヒトの恋心が切ない。
あと超絶お貴族様であるルークのお世話係として、3人ばかりちびっこが出て来るところも、そういう空気を醸し出しています。
『最強アルファ~』がお好きだった方は多分お気に召すのではないかと思います。是非、ご一読を。
『梟は~』がお好きだった私の様な方は、LOVE部分よりも鳥の生態の部分が面白く感じるかもしれません。孔雀の求愛行動になぞらえた濡れ場は言わずもがなですが、私は鳥型をとったリヒトがヘビを捕まえるシーンにちょっと興奮してしまいました(変かな?)。
ここのところシリアスモードが続いている中原さん。
「個人的にはそろそろコメディ(って言うか、中原さんの場合『人情喜劇』って言う言い方の方が合っているかもしれません)が読みたい気持ちです」と小さな声で言ってしまったりして。
中原さんの鳥が好きで絶滅危惧種の表記に萌えた。なぜならそこに萌えがあるから。
そこから広がって生まれたこのお話です。
なかなか色んな要素が入り混じり複雑で、身分差が絶対の世界で、お互い生まれる恋心を認めるわけにはいかない切なさ。恋する人を発情させ別の人との情事を隣室で聞かされる辛さ。
絶滅危惧種に気に入られた付き人は殺されるやるせなさ。リヒトもルークも気の毒で。
たまに挟まれる攻めのルーク視点もいいです。
階級社会、身分差、容姿羽根の美しさの優劣、絶滅危惧種の役目などなど社会派ですね。
今作はどちらも男前ですね。クールな有能改革派絶滅危惧種の美しいルークと、最下位種の黒い髪と羽根を持つ貧民街の窃盗団リーダーの美しいリヒト。
お互い心を惹かれ合いながらも階級差から素直になれず…。
でも必ず助けに来るルーク!リヒトが絶体絶命の時の登場にはしびれました。
そしてなんとなく予想していた奇跡も起きて。
めでたしめでたしなのです。
心が濡れた
名言ですな!
二人共何度も狙われ信じていた人に裏切られ、お互いを助けようと自分が犠牲になろうとしたり、二人でなきゃ意味がないと抗ったり覚悟を決めたり。
やっと気持ちが通じ合い結ばれる求められる、孔雀の本気の交わり。
別人のようにリヒトを口説くルークもいいですね。
今で言う、ただの人類が滅んだ後の世界が舞台。
人間が娯楽や性的な欲望を満たすために、孔雀と人間を掛け合わせたパーピーが元となった人工的に作られた存在があった。
皮肉なことに、生物兵器よって汚染された地球で生き延びられたのは、神経毒に耐性を持っていた鳥人と呼ばれる彼らのみだった。
人類が滅び、文明が衰退した世界にディストピアもののような雰囲気を感じつつ、序盤から既に物語にぐいぐいひき込まれていってしまいます。
こんなに心惹かれてわくわくするような設定と、設定を更に膨らませて巧みに描き、それでいてすっきりとした読みやすい中原先生の文章、そして物語や登場人物をより魅力的に表現し彩る奈良先生のイラスト。
この3つの要素が集まった時点で面白いに決まっていますよね。
本当に面白かったです。
こちらのお話、鳥人の設定や階級制度、どこの御家柄がどうだとか、ピラミッドのような特権階級付近の陰で渦巻く陰謀だとか、設定の数々を文字で並べるとかなり複雑そうなのです。
しかしながら、そこは中原先生の文章の上手さが光ります。
超がつくほど読みやすいんですよ。それでいて面白く、表現が美しい。
あらすじを読んでみても、ファンタジックで、SFのような雰囲気もあって一見難しそうに見えるかもしれません。
けれど、描かれているのはごくごくシンプルなシンデレラストーリーだったり身分差ものだったりするのです。
愛を知って世界が変わったり救われていくのが王子様側だったというのがまたね、良いんですよね。
あっという間にするすると読めてしまうので、普段ファンタジーを読まない方にもぜひチャレンジして欲しい作品。
今作の主人公は、美しいけれどスラム育ちというたくましさを持ったリヒト。
もうこの時点で好きなんだよなあ。
真っ直ぐで、家族や仲間想いで、どんなに不遇な環境下でも折れずに日々を生きている。
美しく健気な受けも好きだけれど、外見と行動がそぐわないこういう自然体でたくましい子も大好き。
一方で、最下層の鳥人にとっては別世界の存在とも言うべき最上位の美しい鳥人・ルーク。
きらびやかに見える特権階級に身を置く彼ですが、蓋を開けて見れば、子孫繁栄・繁殖のためだけに望まない生殖活動を期待され、淡々と義務をこなして生きている。
そんな彼の灰色がかった日々に飛び込んで来た、リヒトという鮮烈な印象の色。
決して交わることのないはずの2人が出逢ってしまってからというもの、これまた見事な化学変化が起きていくんですね。
軽口を叩き合いながら、上位に立つ者・つき人として共に過ごし、お互いの立場による苦悩や人となりを知っていく内に、自らの役割に疑問を持ち始めたり、相手のことがどうしようもなく気になるもやもやとした存在から愛おしい存在へと変化していく様子は流石ベテラン作家様。
どんな階級に生まれたって、立場が違ったって「好き」という気持ちは同じなのです。
つき人としてリヒトがルークをイアンの元へと送り出すシーンは切ないですし、リヒトを特別に想い始めてからのルークのぶっきらぼうさ、ブラッドリーにじわじわと嫉妬心を燃やすシーン、ギリギリの環境で想いを伝え合うシーンが本当にたまらない。
それから、お互いに羽根を拾っていたというエピソードがすっっごく良くなかったですか?
どちらかというと、リヒトのことがどんどん気になって仕方がなくなっていってしまっているルークに萌えました。
今後の2人がどう世界を変えていくのかが楽しみです。
設定がかなり特殊な分、お話の展開がシンプルかつスタンダードなので、序盤から伏線が分かりやすく描かれているため、リヒトの変化についてはすぐに想像が出来てしまいますし、暗躍者に関しては引き際があっさりとし過ぎていますし、ちょっと後半がギュッと詰まり過ぎてしまっているように感じてしまいました。
ただ、それを込みにしてもとっても面白かったんですよね。
今回はカップリングにものすごく萌えた!というよりは、お話が純粋に面白かった。
なので、限りなく神に近い萌萌評価で。
個人的にですが、この世界観でもっと読んでみたいかも。
だって、設定的にもこれだけだなんて勿体なさすぎると思いませんか?
あとは、今作はルークとリヒトの2人に目がいきがちですが、普通に考えるとイアンの恋心があまりにも切なすぎるので…どうにか彼の救済スピンオフなんてものがあったりしないかな?なんて。
特権階級らしさあふれる彼が本気になってしまうような、そんなブラッドリーの恋のお話も読んでみたいです。
茶目っ気あふれる先生のあとがきまで好きな作品でした。
先生買い。鳥ちゃんの世界観は面白かったですが、笑うところは少なく、カプ達の恋心にはあまり萌え上がらなかったので萌にしました。遠い未来?の人類が鳥ちゃんと融合した?後のお話で、本編250Pほど+あとがき。
貧民街に暮らす低危険種のリヒト。なんでもやってその日の糧を得る暮らしを続けていますが、ある日うっかり捕まってしまって相手を見ると、絶滅危惧Ⅰ種、虹色の羽をもつ鳥人で・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ロア(受けの幼馴染)、マキ(受けの妹)、ダレル、ソフィア、チャーリー(攻めの使用人、ちびっこ、超可愛い!)、イアン(攻めの繁殖相手)、ブラッドリー(別地区の特権階級、攻めの幼いころからの知り合い)。イアンがねえ・・
**以下 内容に触れる感想
リヒトは強がりな野生児くん、ルークも「俺が法律だ」ぐらいいいそうな傲慢さんぽく感じました。そんな二人なんで、あまーい雰囲気は少な目、ケンカップルという印象の方が強いです。
絶滅危惧種の繁殖のために低危険種が前戯を手伝うしきたりがあるらしく、リヒトはそれで連れてこられたのですが、リヒトは不吉とされる黒一色!烏の濡れ羽色的つやっつやの黒色羽根、しかもオス孔雀の飾り羽根が黒一色ってどんだけ綺麗なんだろう!と、とっても妄想が広がりました、ここ。
勿論その妄想の根拠となるのが奈良先生の超絶画力MAXな挿絵!描かれるの大変だったのでは・・・と思うほど、羽根だらけシーンが複数(笑)イタしている最中に、あの孔雀の羽根をふるふるさせるヤツ、あれで遠隔で欲情させるって設定もまた面白いーーーーーーーーっイタしている最中で羽根拡げている挿絵が最後に1枚入ってます。めっちゃ綺麗なのでご期待ください。
羽根話や挿絵で萌~となりましたが、攻め受けのキャラはめちゃくちゃ好きというタイプではなかったので、恋話の方はちょっと残念でした。どちらかというとイアンの恋心の方が私は泣きました。彼が幸せになるお話を読みたいです。スピンオフでイアンのお話出てこないかなあ・・・。