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人狼族の王子×お人好しの薬師。初恋同士のじれじれ&もふもふラブ!
ookami wa koi wo shiranedo
自然を感じる物語ですね。
草、花、大地、匂い、土、虫、夜、月、泥、獣、毒、牙、狼、旅、みたいな。
受けも攻めもどちらも純情で擦れてない感じのキャラで、少年感があります。
野生的で、自然の中に群れがある、そんな感じの。
良い匂いがするっていうと求婚の言葉になるらしいです。
雰囲気は凛として爽やかで、獣チック。民族感とかもあり、イメージ…ものの◯姫系世界観に近い…?って言ったらダメかな。
宮◯駿アニメに出てくるキャラを見てるような感覚。
(BLですが)
世界観とか雰囲気とかは好ましいですが、萌えはどうかな…個人的にはあまり。攻めにも受けにもキャラ萌えができなくて…でも好ましくはあるんですよ。
こういう作品を書こうっていう方向性は好ましく、応援したい気持ちは、はい。そこは応援したい。
元々孤児で旅を繰り返している草木薬師のセイジと、隠れた存在である人狼族の首領の血族ツバルが白い小狼をきっかけに出会う冒頭、美丈夫が初登場で全裸というギャップが微笑ましいです。
メインストーリーは人狼族の首領の病に効く薬草探しの旅です。
短編の漫画や小説だと恋愛が軸で他の出来事が二人を刺激するための起爆剤のような話にならざるを得ないものが多く、関係が進むのが早いのですが、web発信である狼は恋を知らねどは忘れていた初々しさを思い出させてくれました。
二人は旅の中でお互いのことを深く知っていきます。
住居をもたない薬師は家族を持つことが簡単ではなく、人狼族には同士の番がいるものです。生まれも育ちも違う者同士だとわかっているのに惹かれ合うのはラブストーリーの定石、ツバルの突発的な愛情表現にはくすくす笑ってしまいます。セイジが推され気味ではありますが、お互いに初恋同然に右も左もわからないまま手探りで関係を薦めていくのが焦れったくもあり、いじらしくもあり。大変愛らしいです。
そうしているうちに場面は急展開、裏で不審な動きをしていた人間たちの正体が明らかになっていきます。セイジも巻き込まれていくのですが、結論は察していてもそれまでの経緯に驚きが多くて新鮮な気持ちのまま読むことができました。
ただちょっとだけ軽く手を出すにはハードルが高い値段かもしれないので(上下巻に分けてほしかったかも)、ムーンライトノベルズで試し読みしてみるのもいいかもしれません。
おすすめな一冊です。
小説投稿サイト掲載作品に、加筆修正を加えての書籍化になります。
受けに一心不乱な人狼×奥手な薬師での初恋成就ものと、超ツボ設定の為、購入しました。
で、実際に、大筋自体はとても好みなのです。
草木薬師である主人公が、怪我を負い動けなくなっていた仔狼を助ける。
すると、その仔狼はなんと人狼で、お礼に人狼族の居城へと招かれるんですね。
ここから、滞在中に次期首領の病を知ったセイジ(主人公)は、治療の為の薬草探しの旅に出る事に。
その過程で、首領一族である黒狼・ツバルから熱い求愛を受けるようになり、更に、自身の驚きの出生の謎を知る事となる。
元々、初恋同士の二人が、初々しい恋模様を繰り広げてたりするのが、めちゃくちゃ好きでして。
攻めであるツバルですが、生真面目で一途で口下手。
そんな彼が「セイジを見ていると、心臓は休まらないし落ち着かない。でもこうしていると幸福だ。だから触れたくなってしまう」等、熱烈なセリフで口説くのが萌えるんですよ。
や、本人は口説いてるつもりは無くて、素直な気持ちを語ってるってだけが、また最高なのです。
ついでに、二人のやりとりなんかも萌えまくりで。
えーと、これまで恋愛経験が無くて、何もかも初体験であるセイジ。
キスにしろ触れ合うにしろ、戸惑いや怯えが大きいんですよね。
で、「うそっ・・・嘘つき! 急に挿れないって言っただろ」
「すまない! 挿れるつもりじゃなかった」
「でも挿れようとした! ちょっとはいった!」
「い、いやはいってない! 全くはいってないぞ! はいらなかった!」とかってやってるのに、吹いてしまうと言うか。
これぞ、初恋・未経験同士の醍醐味ですよ!
と、ちゃんと萌える部分もあるのです。
あるのですが、なんか引っ掛かる部分も多くて。
こちら、400ページ超えと大ボリュームなんですよね。
で、正直な所を言っちゃうと、どうでもいいようなエピソードがダラダラと続き、読んでてウンザリしてくる。
こう、一つ一つのエピソードを事細かに綴って行くと言う形なんですけど、飽きてきちゃうんですよ。
これこれこういう風に旅に出て、こんな事をして、こんな事が起こっててな感じで。
そもそもこれ、薬草を探す旅が長すぎる・・・。
途中で病に苦しむ里を救ったり、怪我している猟師を助けたり。
もうちょっとコンパクトにしてくれてもいい気がするんですよ。
必要なエピソードもあるけど、獣避けの為の薬草で同行者(人狼)の鼻がおかしくなるヤツなんかは、特に無くても問題ないんじゃない?と。
あと、一番問題なのが、攻めが受けのどこを好きになったのかがハッキリしない点だと思うんですけど。
えーと、人狼であるツバルはですね、運命の相手が匂いで分かるんですね。
で、セイジからは、何故か強く心を惹かれる匂いがする。
これ、運命の相手だからってだけで好きになるのは、個人的に好きでは無いんですよね。
なんか急に「私と群れを作るか?」とか言い出すので、「うん?」ってなっちゃう。
セイジも読者も突然すぎて、ビックリだよ!と。
あと、これは完全に個人的な好みの問題ですけど、受けのキャラが好みでは無くて。
やたら意地っ張りですし、すごく平凡でこれと言った個性に乏しいキャラなんですよね。
こう、強く惹き付けられる魅力と言うものが無いと言うか。
ホント、ツバルはどこに惚れたんだ・・・。
う~ん・・・。
こちらですね、お値段が1400円と張るんですよね。
それで、どうでもいいようなエピソードをダラダラ読まされると、なんか損した気になっちゃうんですよ。
大筋としては面白いし、二人の初々しいやりとりなんかはとても萌える。
作り込まれた世界観も魅力です。
だからこそ、なんか惜しい。
う~ん・・・。
世界観に浸りきって物語をじっくり楽しみたい方には、魅力的な作品だと思うんですけど。