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俺以外の雄に、おまえを寝取らせる気はないからな
yuin omega
タイトルといい表紙といい、かなり艶っぽいですが、とてもしっかりした捜査官ものです。
プラス、オメガバース。
オメガである捜査官が、自身の発情を囮として捜査に加わると言う、オメガバースと捜査官もの好きにとっては夢のような設定。
更に更に、バディのアルファは、自分の組むオメガの全責任を負うんですよ。
その身の安全から、発情のケアまで。
いや、面白かった!
設定としてもストーリーとしてもだし、何よりキャラクターやその関係性の変化が最高ですよ。
ただ単に面白い捜査官ものと言うだけでなく、しっかり書かれた心情描写が素晴らしい。
「運命」をこう持ってくるかって感じで。
いやもう、オメガバース設定を、こうも巧みに使ってるのに脱帽ですよ。
そう、オメガとかアルファとか本能とか、そこに意味があっても無くても、そんなものは関係ない。
愛し求めた結果が「運命」なんですよ!
ザックリした内容です。
自らの発情を囮にする捜査官・瓜生。
激化しつつあるヘイトクライムに対応するために発足した、第五係に登用されたんですね。
共に捜査を進めるうちに、上司で自身を「運用」する司波に惹かれてゆく瓜生。
しかし、司波の過去には深い傷がありー・・・と言うものです。
まずこちら、ストーリーとしてもかなり面白くて。
第五係ですが、オメガに対する悪質な性差別犯罪(ヘイトクライム)を専門に取り締まる課になるんですね。
その為、囮役として、オメガが唯一登用されている。
で、そんな彼等が現在追っているのが、極端なオメガヘイトを叫ぶ思想集団「ネメシス」。
その一派で、オメガの行方不明事件に関与していると見られる動画配信者・神代。
彼等の正体とは?
また、突然姿を消すオメガ達の行方はー?
と言った所が、見所の一つになると思うんですけど。
今作でのオメガバ設定ですが、オメガが社会の底辺としてあからさまに冷遇の状態にあります。
また、神代によって配信される動画での、オメガの末路が悲惨そのものでして。
こう、性差別思想を扇動する動画ですので、オメガが乱暴され強姦されと、とにかく凄惨なんですよ。
いや、サラッと書かれちゃいますが、かなりエグい。
えーと、とりあえず切断系ですかね?
の、後の強姦。
まぁそんなワケで、オメガが理不尽な世界観とか苦手な方には、ちょっとキツイお話かとも思うんですけど。
ただ、だからこそ、逆境に負けずに強気で立ち向かう主人公が格好いいと言うのもありまして。
瓜生ですが、そんなオメガに対して理不尽な状況を変えたいと、強い意思を持つ青年になります。
その為なら、自身の身を利用する事すら厭わない。
こう、彼の信念に基づいた行動やセリフがシビれるんですよ。
オメガはあくまで囮役でしかなく「道具」として「運用」される形です。
その覚悟を問われれば「道具じゃなく、武器だ」と返す、と言った具合に。
また、そんな彼のバディとなる司波。
彼はですね、エリートアルファで傲慢な態度と、最初こそわりかし冷たい男に思えます。
いやまぁ、そんな司波を籠絡しようとする瓜生と、二人の艶っぽいやりとりが超楽しかったりするんですけど。
えーと、捜査官として登用される為の試験が、司波を誘惑して落とせなんですよね。
こういう、駆け引きめいた色っぽいやりとりって、個人的に超ツボなのです。
話がそれましたが、そんなワケでバディを組んで捜査にあたる二人。
共に捜査を進める中で、司波の痛い過去や彼の本当の姿が見えてくるのが上手い。
捜査で囮になる為に、瓜生は当然発情を抑制しません。
で、捜査後はその発情を収める為に、司波が抱くんですよね。
ここで、彼が瓜生を道具扱いどころか、一人の人間としてちゃんと扱ってる事が分かってくるんですよ。
いや、いくら仕事の一貫とは言え、人間って心があるんですよね。
瓜生が司波に惹かれるのは、オメガとしての本能でしかないのか。
そして、瓜生の気持ちを頑なに否定する司波の、心に抱える傷。
このへんの葛藤や心の揺れと言うのが深く掘り下げて書かれており、すっごく読み応えがあるのです。
本能でしかないと否定された瓜生が「人間には、心があるんです」と訴えるのが、めっちゃ心に刺さって。
で、この後、神代らしき人物との接触に成功する瓜生
彼を捕まえるべく、囮として捜査に参加するものの、一人危険な状況に置かれ・・・と続きます。
こちらですね、全く先が読めなかったですよ。
てか、先に動画で配信されてるオメガの悲惨な末路を見ている為、どうなるかと震え上がりましたよ。
だって、犯人達が用意してる道具が怖すぎる・・・!
そして、意外な黒幕にも驚愕。
これまでの経緯を思えば、なるほどね~と思わず言いたくなるけど。
これは、完全に一杯食わされましたね。
ついでに、オチでニヤリとさせられましたね。
司波、やるじゃないかよ!と。
いや、なかなかしたたかな男ですよ。
血相は変えてたけど。
あとこちら、言葉の使い方が上手くて。
タイトルの「ハニーポット」だったり、瓜生のコードネームである「スワロウ」だったりに、深い意味があるのです。
ハニーポットもニヤリとしたけど、スワロウに込めた意味にはグッときたわ。
そう、貴方の元に必ず帰るから。
まぁそんなワケで、とにかく面白かったですよ。
そして、設定上、かなりエロかったですよ。
ついでに、小山田先生のイラストが、めっちゃ色っぽかったですよ。
最後になっちゃいましたが、瓜生がラストで「オメガに生まれて良かった」と思うんですよね。
ここが、とても素敵でした。
続編を熱烈に希望しますよー!
二人の今後も見てみたいし、柳楽管理官もめちゃくちゃ気になるよーーー!!
めちゃくちゃ面白かった!
オメガには辛い世界観でしたが、受けの瓜生は境遇にめげないポジティブな思想の持ち主だし、攻めの司波が瓜生の危機には必ず助けに来てくれるので安心して下さい。
被害者のオメガが酷い扱いを受けていますが、私は大丈夫でした。5係の同僚のβ達も最初は瓜生を馬鹿にしていたのに捜査が進むにつれて、瓜生を認めて他の課の捜査員から庇うのがなんとも良かったです。
思わぬ裏切り者には驚きましたが、司波にはお見通しだったのでスパダリ感が半端ないです。
瓜生だけでなく司波側の視点からも書かれているので、お互いの想う気持ちが本物だと分かる点も読んでて萌えました。
事件が解決してから瓜生は訓練に行っていたので、続編がある事を期待したいです。
そして司波の片腕であり番になった瓜生の活躍を読みたいと思いました。
オメガバース大好き人間なので沢山オメガバースを読んできましたが今作は特にΩに対する風当たりが強く、差別されて当然の劣等種というあり方が色濃く描かれているように思います。しかしながら、前向きに生きている主人公の目線で話が進んでいく点からも悲観的にならず前に進もうとする強い力を感じるのでシリアスに傾きすぎないちょうどいいバランスが保たれているように思います。この作品は刑事ものとして惨い事件が軸にあるのでBL小説を読んでいながら刑事ものを読んでいるような感覚にもなれて非常に楽しめました。
小山田さんの美麗イラストに惹かれて購入。砂床さんの新刊はオメガバースもの。
タイトル、小山田さんの描かれた表紙、そして帯の文句から、エロエロで甘々なお話かなー、なんて思ってましたが、ところがどっこい、なかなか硬派なミステリーものでした。
主人公はΩの瓜生。
彼は自らの努力で刑事になり、そしてオメガという特殊性を生かしてとある捜査班に加わることに。
そこで出会ったのは上司の司波。αである彼に惹かれる思いと認めてほしい気持ちがあり、複雑な思いに駆られる瓜生だが、巷ではある残忍な事件が世間をにぎわせていて、その捜査に追われることに。
彼らが捜査するのは、Ωを嬲り、その様子を動画でとりネットで流す輩を逮捕すること。
Ωに加えられる暴力が少しずつエスカレートしていく。犯人をおびき寄せる囮として瓜生が動くことになるが―。
Ωを拘束し、レイプし、挙句の果てに惨殺する非道な事件。
その事件を追う中で、少しずつ育っていく司波への想い。
その2つを軸に展開していくストーリーです。
んんー。
これは読み手を選ぶ作品かもです。
なにしろ、Ωが危害を加えられるシーンが、かなり残酷です。
私もそのシーンはちょっと斜め読みしてしまった…。
さらに司波×瓜生の2人の濡れ場が、
めっちゃエロい…。
瓜生はΩということで発情期がある。
その発情期をコントロールするのも上司である司波の仕事、ということでエロてんこ盛りです。
オメガバースもので、ここまでΩが発情期に見舞われるものもあまりないんじゃなかろうか。
司波と瓜生は、序盤お互いにあまり仲良くありません。
その理由はきちんとありますが、そんな中でも、彼らがお互いに強く惹かれ合っているというのは透けて見えてきます。
が。
「何故お互いに惹かれたのか」という部分が若干甘い。
甘いがゆえに、彼らの恋心が上滑りしちゃってるんですよね。
なぜなら、司波は過去に、
ネタバレ注意!!
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番がいたんです。
瓜生の前任者(Ωで、囮捜査官として働いていた人物)。
その番ではなく、瓜生を愛してしまった理由が、「運命の番」だからなのかな?
そこが、この作品のキモではなかろうかと思うのです。
番にまでなった、司波の過去の恋人。
彼ではなく、瓜生でなければならなかった理由。そこが、描かれていない。
ストーリーとしてはめっちゃ面白いです。
犯人捜査の件も、胸糞なシーンは多いけれどミステリーとして面白かったし、反目し合いつつも惹かれ合っていく司波×瓜生の2人の想いもなかなか萌える。
番がいた司波は、αゆえにそれの解消は問題になることはないだろうけれども、でもサクッと瓜生と恋人同士になれるの?というあたりの葛藤もあっても良かったんじゃないかな…。
ストーリーも設定も、キャラも、すべてが面白かっただけに、そういった甘い部分が残念と言えば残念でいした。
この世界観は非常に面白かったですし、続編を作ろうと思えばいくらでも作れると思うので、ぜひとも二人のこれから、を読んでみたいと切望しています。
今回は捜査第一課特別捜査班第五係の統括者と囮捜査官のお話です。
受様が第五係の新たな囮捜査官として性差別思考犯罪に関わり
五課の捜査官に仲間として認められるまで。
この世界にはアルファ、ベータ、オメガという性別が存在します。
社会はアルファを頂点して構成され、オメガは劣等種として一般種の
ベータよりも体力や身体能力で劣るとされます。
その上オメガは本人の意思とは無関係にフェロモンを発散する事から
劣等種として蔑まれ、差別を受けながら生きるを強いられ、性別を
ベータと偽るオメガも少なくありません。
近年、激化しつつある性差別思考犯罪に対応するため、警視庁刑事部
の花が他ともいえる捜査一課に特別捜査班第五係が誕生します。秘匿
捜査のため、名前や顔を不特定多数に晒せば即移動、捜査官はコード
ネームまで与えられているタスクフォースです。
創設されてから3年半と歴史は浅く、捜査官も7名しかいませんが、
その特殊な職務から捜査官にオメガを含むために独立した執務室を
持っています。
五係はオメガの特性をあえて利用し、例外的にオメガの刑事を囮とし
て捜査に使っているのです。発足当時初登用されたオメガ性は3年前
に殉職、今の五係にはオメガの捜査官はいません。
受様はオメガである事を誇りに持てる社会にしたいと警察学校に入り、
厳しい訓練と初任科研修、特殊化訓練を経て、ただひとり2人目の
オメガ捜査官の最終試験にまでたどり着きます。
受様の課題は「正体を悟られずに五係の堅物統括者を落とす」事です。
しかし、ベータの捜査官にオメガ性とバレて取り押さえられたところ
を、誘惑すべき統括者に助けられた挙句に、受様の目的もあっさりと
看破されてしまうのです。この統括者こそ今回の攻様になります♪
捜査官はバディで動くことが基本ですが、囮捜査官となるオメガは
統括者であるアルファのパートナー(実態は道具扱い)としてオペレー
ションが組まれます。
アルファはパートナーとなったオメガの身に起こる事態に全責任を持
ち、潜行先からの保護、救出から、任務中に発情状態に至った場合の
性欲対処まで責任者として引き受けることになります。
攻様は受様に道具として使われる覚悟を問いますが、受様は色を使お
うとも誰かの道具になるつもりはなく、武器として使われたいと望み
ます。攻様はそんな受様のお手並み拝見とばかりの手厳しく扱います。
そんな受様の初任務は極端なオメガヘイトを叫ぶ思想集団メネシスが
関わっているとみられるオメガ失踪事件の捜査でした。メネシスはオ
メガを被写体としたエログロ動画の配信で性差別思考を扇動しており、
強姦行為を撮影した過激な映像をしては多くの支援者から多額の収入
を得ていると思われます。
その動画素材となっているのが、行方不明となっているオメガらしい
のですが、配信者と思われるアルファがどうやってオメガを見つける
のか、どうやってそのオメガを誘い出しているのかも謎でした。
果たして五係の面々は行方不明のオメガ達は見つけられるのか!?
そして悪質な動画配信者を捕える事ができるのか!?
砂床さんの初オメガバースは性差別思考犯罪を取り扱う特殊係を舞台
にしたバデイものになります♪
オメガバースは作家さんよって様々なバリエーションが生まれていま
すが、本作はオメガが劣等種として虐げせれている社会が設定です。
オメガバースの初期作品に多いオメガ性が生き難い設定なので痛い系、
残忍描写が苦手な方はご注意ください。
受様は性差別思考犯罪を取り締まるために、囮として犯罪組織に潜入
を果す役目を担うために五係に着任するのです。最初は五係内でも役
に立たない者と扱われますが、オメガ失踪事件に関わるらしい動画配
信者との繋がりを捜査する中で、徐々に攻様や皆を信頼していき、
仲間として認められて行きます。
しかし、動画配信者はオンラインゲームや会員制サイトを使って巧み
にオメガを誘い出しているらしく、なかなか彼に迫る情報を得られま
せん。
受様達の追う事件がオメガ強姦の動画配信に端を発しているので、
最初かなり凄惨な状態がゴロゴロな展開だったら嫌だな~となかなか
頁が進みませんでしたが、なかなか捜査が進ない為に逆に影も見えな
い犯人に受様達がどうやって迫っていくのかが気になりだしたらスラ
スラ進み、ハラハラしながらたいへん楽しく読めました (^-^)v
受様が徐々に攻様を信頼していく中で、攻様の過去も見えてきます。
受様の前任で殉職したオメガ性の捜査官と攻様との関係は攻様に大き
な傷を残していましたが、道具ではなく武器になりたいという受様の
強さが攻様のトラウマさえも払拭していく展開にオメガバースらしい
設定が生きていて良かったです。
砂床さんと小山田さんのタッグなので、Hシーンがとってもエロい♡
受様も五係の仲間として認められたので、違う事件での彼らの活躍や
攻様と管理官との駆け引きなんかも読んでみたいな。
今回は警察繋がりで鳥谷しずさん『捜査官は愛を乞う』『捜査官は愛
を知る』をお薦めです。エロも濃ゆくて楽しいです♪
オメガバは基本的に好きじゃないのですが、評価も高いし、作家さん買いで思い切って購入。
囮捜査官と上司という設定やストーリーはとても面白かったですし、キャラも立ってて良かったです。
ただ、2人が惹かれあう動機というか、説得力が薄かったという印象です。
オメガバにありがちですが、フェロモンで惹かれあう以外に、相手への特別感がもう少し描写されてたらなと。(特別感、無くは無いのですが、薄いので)
Ωが迫害されるというのはよくある設定ですが、さすがに赤達磨+屍姦はやる方が異常者すぎるかと…(汗)
ネメシス信奉者がどのくらいいるのか、社会的なΩ迫害がどれくらい酷い世界なのか、それほど具体的には書かれていないのですが、レイプ被害にあっても警察もろくに動かないらしいので、相当倫理観が薄いというか、Ωが人間扱いされてない世界なのだと思います。
オメガバとしての細かい設定(Ωが産まれるのはΩからだけなのか?全ての性別から産まれるのか?αはβからも産まれるのか?等)が不明なので、一般的にΩが家族にいる場合どう対応するのか?Ωがαを産むなら、母親がΩのαはそれなりにいるわけで…
だからこそ、βである神代がα撲滅のためにΩを殺そうとしたのでしょうし。
α優性思想が常識の社会というのはオメガバ設定ではよくあるとは思うのですが、Ωの数が少ないとはいえ、自分の母親や家族がΩなら、迫害しようという気持ちになるのか?
Ωが身内の人がどうしてるかが出てこないので、どうにもΩに対する社会的な風当たりが強すぎる気がしてしまいました。
色々書いてしまいましたが、警察物としてのお話はとても面白かったですし、司波も瓜生も良いキャラで、ラブシーンは濃厚で一気読みしました。
電子で購入しましたが、誤字が気になりました。焼却炉が橋脚露になってたり、司波が司馬になってたり…
以前から「読もう、読もう」と思っていたのですが、何故か機会がなくて。元日に『誘淫オメガ-season2-』が発売されたのをきっかけにして読了。
私が面白いなと思ったのは、瓜生がΩの囮捜査官になった理由が書かれていないことなんです。勿論、社会の最下層として虐げられるΩの人たちを守りたいとか、自分もΩであるけれどそれに屈することなく戦いたいとか、そういう一般的なことは書いてあるんです。でも、個人的な経験については触れられていないんです。
主人公がウェットにならないこの感じが、私は素敵だと思ったんですね。
囮捜査ものらしく、お話はハラハラドキドキです。
それも『乱暴されやすい』という欠点を武器として囮になる訳ですから。
そこの所は大層楽しませていただきました。
ただ、読み進めていくうちに『フェロモンで他者を発情させる』と言うことだけで、これだけのΩ差別が起きちゃうかなぁ?と思っちゃったんです。
差別がエスカレートするためには、Ωが優遇されている必要があるんじゃなかろうかと。つまり「低俗種のくせに俺より良い暮らしをしている」とか「Ωを理由に〇〇を免除されている」とか「あの事件、ハニートラップだよね?」とか、そういうのが憎む心を作って行くと思うんです。
犯罪の動機が事件解決に至るまでに書かれていますが、あれを動機とするならば、Ωに対する憎しみが形成されていく社会構造の辺ももう少し触れていただければもっと面白かったんじゃなかろうかと。
恋に堕ちる様についても、さらっとしすぎかなぁ……
恋は理由なく始まるものだからこそ「ああ、この時に、こんな風にズキューンと来ちゃったのね」というのを、もうちょっと読みたかった気もします。
お話が面白かった故に余計そう思うのでしょうけれども。
エロはつゆだく。
小山田画伯のイラストも色気が凄いのよ。普段、イラストをあまり気にせず小説を読むタイプの私ですら、アクロバット的な体位の一枚を穴が開くほどガン見してしまいました。
砂床先生&小山田先生のコンビというのは、私にとっては本当に神。相変わらずの色っぽい素敵なイラストで眼福!
オメガの新人囮捜査官の瓜生と、彼の上司でアルファの司波が、事件を通して絆を育んでいくというお話。
囮捜査官としては駆け出しの瓜生。司波はそんな彼を一人前にするため、厳しく接するが、そうするのには上司だからというだけではない理由があった。
オメガの囮捜査官というのは、実は過去にもひとり存在していた。前任者の福良というオメガは瓜生と同じように、司波の下で運用されていたのだが、三年前に殉職してしまう。
この悲劇を繰り返さないためにも、瓜生には必要以上に情を寄せない、と自分を律する司波がストイックで素敵。抑えきれない気持ちが滲んでしまう濡れ場では、ムッツリ感がよかった! やはりムッツリ攻めはいい! 受けは社会的にも身体的にも弱い存在ながら、勝ち気な性格が萌えでした。
オメガバ苦手腐女子としては、濡れ場の描写の女性的な表現はやはり微妙な気分。発情すると受けは自然と濡れるし、「破瓜」「蜜壺」「子宮口」とか出てくるし…。
そしてオメガは本作でも、社会の底辺という扱い。受けは危険な目にあってもそれは仕事の一貫、ちゃんと攻めに助けてもらえるけれど、他のオメガは陵辱、強姦よりもさらに酷い目(虐殺と言ってもいいレベルの)に遭っていて。この要素が個人的にはキツイ。ある程度覚悟していたのだが、それでも辛かった。
ふたりが本能で惹かれ合ってしまうという設定はわかっていても、司波の気持ちがいつ動いたのかはいまいち読み取れず。薬を飲んでも身体が反応してしまうのは、相手が好きだから、なの? 運命の相手ってこと?
普段オメガバを読まないせいか、そのへんでどうも引っかかってしまい、読み慣れてる人なら問題ないのだろうけど、好きだからムラムラしてるのか、フェロモンのせいでムラムラしてるのか、だんだんわからなくなってくる…。
オメガバのこういう要素は、ふたりがエッチするための理由になるのはわかる。必然的にエロも多くなるし。が、恋愛面を重視して感情移入しようと思うと、それのせいで心理描写がどこか散漫になってるような気も…。
あくまでも、普段オメガバ読まない人間の感想なので、あしからず…。