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yasashiku sotto chikaduite
初読み作家さん。イラストの方が気になってポチったが、挿絵はなかった。
文章は硬め。刑事ものには合ってるんじゃないかと思ったが、あまりシリアスな雰囲気でもなく、攻めの軽さを出す必要もあり、効果的でない気がした。
もう少し深刻なトーンのストーリーだと文章ごとハマれそうな気はする。文体そのものはわりと好き。
ストーリーは恋が始まるまで、とにかくゆっくり。少ないページ数の中で半分以上仕事に勤しむ日々が淡々と綴られている。刑事もの自体は大好きなのに、この話には惹かれる点がなく、さっぱり話に引き込まれなかった。
主人公の受けは女性にした方がしっくりくる、行動・思考・セリフ全てが。やたらと周囲に気を配っていて、現場向きの刑事じゃない。特に連続殺傷事件の犯人を追おうとしているのに、職務遂行より同僚の不快感に気を使うところなどは呆れた。女性読者にはウケがいいんだろうけど、そんなことも割り切れない刑事に事件は任せられない。
受けは新人で準キャリアで期間限定の現場だから、と言い訳が可能だが、そうした現場に染まらないままの、のほほんキャリアが上にいく組織ってのも嫌だ。攻めの甘やかしも目に余る。仕事に私情を持ち込もうとするところも好きになれない。
BLキャラ全般に言えることで、仕事に対する考え方の甘さが見えて引いた。職業が刑事だけに、より一層そこが際立っていた。
ただの日常が続く中、やっときた初のキュンポイントは囮捜査中のナンパごっこ。あまりにBLのテンプレすぎるのが読んでいて恥ずかしかった。
事件はさらっと解決。気を使って取り調べから外され、嬉しがる受けに最高に幻滅した。向き合うこともせず、嫌なことから逃げ出せてありがたがる?攻めに反発するなら共感できたが、これで惚れまくる従属思考にはついていけない。
おかげで結構な動機を持って行われた犯行なのに、表面的で薄っぺらくなってしまった。
攻めはだらしなく見えても、やるときはやるタイプで、誠実さを持ちつつそれなりに軽い。受けを「あおちゃま」呼びさえしなければ魅力的だと思えた。
捜査のツッコミどころを全スルーしても、受けのキャラと仕事の組み合わせが悪すぎて、好きなところが見つからない。
この作家さんの仕事中心でない他の作品を読んでみたい。
叩き上げの先輩警官と、準キャリアのきれい&かわいい系の主人公の物語。
警官ものって、ザ・BLファンタジー!って感じのぶっ飛んだものも多いなか、こちらは丁度良い塩梅に地に足がついたラブストーリー。
登場人物、特に先輩警官に適度にリアリティがあるんですよね。
絶世の美男というわけではないけど、そこそこ鍛えていてそこそこカッコいい。
世慣れてコミュニケーションを取るのが上手だけど、遊びすぎているわけではなく、適度に真面目。
どこの組織のどの部署にも1人くらいはいそうな、感じの良い先輩、指導係なんです。
2人が扱う時間も、マフィアがどうこうという壮大な話ではなく、あり得るなあという規模のもの。
2人が関係を持つところも突然野獣になるわけでもなく、一つ一つコミュニケーションをとって進めていて、そんなところも物語のトーンにあっていました。
でもリアルで重くて堅苦しい、というわけでもなく、むしろ適度に夢見る少女マンガ的な要素も入っているので、レディコミ系のぶっ飛びBLに疲れた時に、肩の力を抜いて気持ちよく読める物語だなと思いました。
先輩警官の人物造形が魅力的だったので、その後の2人の話も読みたいな。
他の作品も読みたいな、と思う佳品でした。
イラストレーターさんきっかけで購入しました。警察官の先輩後輩ラブ。正直、萌と中立の間くらいです。
刑事ドラマばりの導入部から始まって、ノンキャリ先輩の神懸った洞察力により事件は鮮やかに解決。人間的にも男としても魅力を備えた先輩に惹かれていく後輩…
年の差はあれど階級は同じ二人が、ペアを組んだことで互いの知らない部分を見せ合っていきます。その過程が恋愛に発展していくわけですが、ちょっとテンプレに感じ、た、かな?
気になったのは事件発生のきっかけでしょうか。BLに無理なくつながりそうなネタではあるけれど、一番作者自身のBL観を晒してしまう可能性があるので諸刃のような気がしてヒヤヒヤしました。近年はBL作品での性指向の扱いにおいてフィクションとリアルの線引きに戸惑うことが増えたような気がしているので、難しいですね…。
ラブの部分は好みでした。メインカプのキャラも嫌味がなく、スーツ姿と私服のギャップを楽しませてくれましたし、おおらかで器用に家事をこなす中崎はもっと挿絵でも拝んでみたかったなー。(料理ができて味覚のセンスがいいと、なんかイイ男っぽい気がする。)先のレビュアー様がご指摘されているように、イラストがないので…。あと、二人の恋模様ももっと焦れてくれてよかったんじゃないかなと思います。このお話のメインディッシュはそこですから!
色っぽいシーンについても思うところがありますし、ページ数が少ないのもあるのかもしれませんが、物足りなさは否めません。もう少し膨らませたら絶対萌えも膨らんだと思います。
文章については冒頭、若干疲れていたせいか自分の頭の調子がよくなかったため、なかなか内容が入ってこなくて読解するのに時間がかかりました。「起」にあたる部分なので、気合が入っている感じ。中崎のキャラもまだ定まっていない印象ですし、情況説明に徹するあまりに一文が詰まっているというか…。
後半につれ気にならなくなりましたが、文章をほぐしたらもっと読みやすく感じられたと思います。単純に相性の問題かもしれませんが。
初読み作家様でしたが、表紙のイラスト、タイトル、あらすじに惹かれて購入。
(電子、中の挿絵はありません)
文章はとても読みやすいし、攻めである先輩刑事の中崎がとても魅力的なキャラで素敵でした。(こういう攻めさん好き)
中崎より10歳年下の新米刑事である受けの碧唯は地味で真面目な印象のゲイ。
中崎とペアを組むうちに、だんだんと惹かれていきますが男社会の警察組織内、しかも相手はノンケということで気持ちをひた隠しにしています。
ある日ゲイばかりを狙った連続通り魔事件が発生し、二人は捜査を開始するのですが-。
被害者がゲイということで、同じマイノリティーである碧唯も事件を追うごとに怒りや辛さを味わっていくんですが、わりとそこらへんの心情や葛藤がさらっと感じられて、事件自体の解決もあっさり目な印象。
ただ、囮捜査になってから、ナンパ役だった中崎が、役になりきるため不慣れな遊び人風を演じた碧唯とのシーンはとても楽しかったし、終始、碧唯視点で話が進むので中崎の胸の内はわかりませんが、普段と違う碧唯のギャップにどう感じてたのか、その辺を推察しながら読むと萌えます。
ラストのラブラブシーンはとても良かったです。
だからこそなんですが、碧唯のキャラと事件の深みがもう少しあれば、更に盛り上がったんじゃないかとちょっと惜しい気持ち。
今回はもう一歩の印象でしたが、文章も読みやすいし好きなものも詰まってたので次作も読んでみたいなと思いました。