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koi to nazotoki wa opera no shirabe ni nosete
変わり者ながら頼りになる上司と、生真面目な新人による、刑事ものでありバディものになります。
デビュー作であるweb小説の方も読ませていただいたんですけど、今回は全て書き下ろしとの事で、とても面白いし、何より完成度が段違いに上がってる印象だったりします。
元々デビュー作自体がですね、荒削りながら、どこか惹き付けられるものがある素敵な作品だったのです。
なにか、光るものがあるなぁって感じの。
そこにしっかりした編集さんがつけば、当然面白いものが出来上がってくるわなぁ。
なんか上からの偉そうな意見で申し訳ない・・・。
要は、良さはしっかり生かしつつ、作品自体の質はブラッシュアップされと、素晴らしいよ!って事を言いたかっただけなんですけど。
ザックリした内容です。
上司から逆恨みされ、警視庁へ出向となった自衛官の紅太。
微妙な立場の彼は窓際業務に配属されますが、二人しか居ない人員の中、唯一の上司である一路は自分勝手で変わり者と、振り回される羽目になるんですね。
実は出向になる直前、海外で危ない所を偶然出会い、助けてくれた一路。
冷静で頼りがいある彼に憧憬を抱いていた紅太ですが、職場でのあまりの不真面目ぶりに、すっかり失望しー・・・と言うものになります。
こちらですね、面白いのが、攻めである一路の印象がコロコロ変わる所だと思うんですけど。
序盤の颯爽と現れ、命の危機を救ってくれた一路は、知的で頼りがいがある魅力的な男性。
で、警視庁で再会した彼は、自分勝手で不真面目な変人。
更に、捜査で共に過ごすようになると、口は悪くても部下思いの有能な上司ー。
いや、これだけコロコロ印象が変わってゆく攻めと言うのは私も初めてだったんですけど、これが全然不自然じゃ無い上に、二人の親密さに比例して変化して行く為、なんかすごく萌えるのです。
また、以前は優秀な刑事として活躍していた彼が、窓際業務に追いやられた理由ー。
こう、不真面目にしか見えない一路の、気骨ある本当の姿が超格好いいのです。
これは、「最低な人だ」と言っていた紅太が、見直すどころか惚れちゃっても仕方ないのです。
あと出し、ズルいけどとても巧みなのです。
またこれ、紅太は紅太で、正義感が強く生真面目で努力家でと、とてもいいキャラで。
そもそもですね、こんな二人なので、遠慮無しのズバズバ言い合うやりとりと言うのが面白くてですね。
えーと、(紅太がスタンドプレーでしようとしてる)捜査に協力する代わりにと抱かれる事になるんですけど、
「気分は?」
「最悪です。穴があったら、今すぐ入りたい」
「穴に入れたのは、俺の方だけどな」みたいな。
いや、こういうやりとり、ツボなのです。
と、ここに、紅太の同期で親友でもある自衛官の、自殺と見せかけた死の真相解明。
更に、その事件を追う中、重要な参考人であった在日米海軍司令官の殺人が起こり・・・と続きます。
これ、事件を追う中で、二人の関係が自然と進展するのが上手いなら、事件の謎解き自体もとても面白いです。
う~ん・・・。
事件の真相がですね、かなり切なくて心が痛むものなんですよね。
最大多数の最大幸福って、実はとても怖いものなんじゃない?
あと、一路には恋人が居ると紅太が誤解をしていたりと、このへんのスレ違いもいいスパイスになってるんじゃ無いでしょうか。
こう、誤解が解けた後の、一路の誉めてるんだか貶してるんだか分かんない怒涛の口説き文句も最高でしたよ。
個人的に残念だったのが、気持ちが通じ合ってエンドだったため、イチャラブが読めなかった事になります。
あと、タイトルがちょい微妙な気がするんですけど。
読後感からすると、もっと硬質で格好いいお話なんですよね。
微妙に合ってなくて、損してる気がする。
気がするだけかも知れないですけど。
今回は資産家で元捜査一課所属の捜査資料管理係の係長と
警視庁に出向させられた幹部候補と言われた自衛官のお話です。
警視庁に出向した受様が親友の自衛官の死の真相を掴むまで。
受様は都内駐屯地勤務の幹部自衛官ですが、半年前の大規模合同訓練にて
運用訓練幹部が起こした不手際の責任を取らされて、警視庁に出向となり
ます。
件の幹部は着任当初から色白で大きな瞳が特徴的な受様に興味津々で何か
とかまってきていました。しかし受様は仕事は全くてできないのに上への
ご機嫌取りだけ上手い幹部を軽蔑し、極力関わらない様にしていて、逆恨
みされていたのです。
受様は定例異動させられると予想していましたが、期限さえ決めない出向
は戻る場所のない片道切符な事は明白です。受様は現実逃避でプーケット
島に旅行を決行します。
南国のリゾートでささぐれた気持ちが癒され、明日には出国という日。
受様は宿泊ホテルで麻薬密売グループによる銃乱射事件に遭遇してしまいま
すが、同じく居合わせた日本人男性客の協力で犯人確保に一役買います。
件の男性は冷静な判断力と的確な指示によって受様を助け、こんな男の下
で働けたらと思わせるほどの人物でした。地元警察が到着したゴタゴタの
中で姿を消されてしまいますが、受様に強烈な印象を残します。
4月になり受様は警部補として警視庁に出向しますが、もちろん歓迎されず、
刑事部長をして厄介者押し付けられた感が見え見えです。配属先は捜査資
料管理係で、補佐として指名されたと言われますが体のいい言い訳だと
思われます。
そして受様を捜査資料係で待ち受けていたのは、大音響のオペラの中で優雅
に紅茶を飲む係長でしたが、意志の強そうな凛々しい顔立ちの男性は受様を
プーケットで助けてくれた人物だったのです。そして彼こそが今回の攻様に
なります♪
受様はあの時の攻様の迅速で正確な判断は警察官故かと納得しますが、攻様
は受様の挨拶をぶった切り、部長からの書類もおざなりに扱います。しかも
管理係の仕事は他の部署が管理できない小さな事件や事故の資料をまとめる
仕事ですが、やがては廃棄されるのだから基本的に出勤すれば自由に過ごし
て良いとまでいうのです。
厄介払いの出向で窓際部署、モチベーションの低い係長なのは仕方がない
けれど、プーケットの攻様の判断や行動力に憧れを抱いた身としては、今の
不真面目な態度には失望どころか怒りすら覚えてしまいます。
受様は今の自分にできる職務を全うすべく、黙々と目の前の資料に対し、
他課の助っ人的な役割まで果たすようになります。攻様は受様の外見は好み
だが中味は面白味がなくて面白くないと言い、自分は給料以上の仕事はしな
いから面倒毎に巻き込むなと明言されてしまいます。
そんな中、米軍の横浜基地内で自殺した自衛官の遺留品についての問い合わ
せが入ります。自殺した自衛官は受様の親友でしたが、受様には妹の成長を
楽しみにしていた彼が自から死を選ぶなどとは考えられません。
受様は親友の死を調べ始めますが、徐々に在日米海軍司令官の影がちらつ
き、親友の死は自殺ではない可能性が高まってきます。
果たして受様は親友の死の真相を掴めるのか!?
自衛隊内の駆け引きに敗れて警視庁に出向した受様が切れ者ながらも刑事部
内でも変わり者として評判の攻様と組んで事件を追うバディものです♪
防衛大学高時代を常にトップ成績で過ごし首席で卒業した受様は、末は幕
僚長かと言われるほどでしたが、所属基地で訓練の不手際の責任を取らされ
て、警視庁へと飛ばされてしまいます。
厄介者となった受様を受け入れたのは刑事部でも変わり者として通る攻様が
係長を務める窓際部署で、攻様は捜査一課で起こった事件の真相を強引に
世間に公表した結果、その部署に追いやられていました。攻様自身は個人的
な資産があり、出世も望まないので配属以降給料以上の仕事はせずにいたの
です。
プーケットで攻様の活躍を見ていた受様はそんな攻様に失望しつつも与えら
れた仕事をこなしつつ、攻様の世話まで焼くようになるのですよ(笑)
出来るのに爪を隠す上司を嫌がりながらも、性格的にこまごまと世話をする
部下って組み合わせはかなりMYツボです。再会してイメージ反転ってという
展開もその後のアップダウンが期待されて萌え萌えです (^○^)v
黙々と真面目に働く受様に親友の自殺の知らせがもたらされますが、受様に
は親友が自ら死を選ぶとは考えられず、真相を知りたいと望むのです。
調べていくうちに浮かび上がる機密事項の情報漏洩の可能性、親友と前司令
官との関りと現司令官との関係。米軍基地内での事故は外務省、防衛庁、
警視庁を巻き込んで、危険な様相をていしていきます。
事件捜査を禁じられた受様でしたが、うかつにもエロオヤジな現司令官の誘
いにまんまと引っかかって攻様の逆鱗に触れ、攻様に捜査協力する代価にと
受様自自身を望まれてしまうのです。しかも受様って生真面目すぎるうかつ
君なので、攻様と関係をもってから自分の恋心に気付いちゃうのですよ♪
受様の親友の死の真相が明らかになり、受様が攻様の恋人となるまでとても
楽しく読ませて頂きました。
最初は優雅そうなタイトルと、再会した攻様が閑職の捜査資料係長ながらも
鋭い感性で受様を読み解いた事などから、安楽椅子探偵系なのかと思いまし
たが、しっかり足でも活躍していてバディものとしても面白かったです。
攻様を嫌っている捜査一課の刑事もいい味なキャラだし、資産家だという攻様
にはまだ裏設定がありそうだし、恋人になった攻様は恋人は独占したい派だと
思うのでラブいちゃももっとみたいので続編を期待です (^-^)v
今回は刑事バディもので中原一也さん『不器用、なんです』はいかが。
事件はシリアスですが、コミカルシーンも多く読みやすいですよ。
警察もの大好きなのであらすじ見て、初読み作家さんでも買う確率が高いです。先月のショコラの新人さんの事件ものもすごく良かったし。
今回のは設定は萌えなんです。受けも攻めも美形の刑事だし、やはり事件ものって先が気になるからついつい読んでしまうし。ただキャラクターがあまり好みじゃなかった。受けは成績優秀の設定だけど現場の仕事にはそれをあまり活かせない様子。自衛官時代も警察になってからも。事務処理は得意みたいだけど。何より中性的で線の細い美貌を持ってるのに危機感なさすぎ。2回も危険な場所へノコノコ出掛けて行って…そりゃ助けに行った攻めも怒るわ!
攻めも資産家で容姿良し、英語はネイティブなみ、IT知識はプロよりすごいっていう全能感に溢れてるのに理不尽な左遷されても警察やってる意味がいまいちわからない。趣味?職場で大音量でオペラを聴くっていうのも社会人として嫌だ。
そして事件の発端になった自殺?した受けの友人の人生が救いが無くて可哀想すぎました。この子が壮絶な経験の後、攻めに救い出されて幸せになる話の方が良かったんじゃないかと思います。
刑事もの好きなだけにちょっと辛口になってしまいました。まだ2作目の作家さんらしいのでまた面白い刑事もののお話待ってます。
「後宮を飛び出した・・」が好きだったので購入したのですが、今一つキャラに入れ込めなかったため、申し訳ないです、中立です。本編260Pほど+あとがき。事件ものがお好きな人なら、もう少し違った評価になるのかも。
4月、警察学校での研修を終えて警視庁勤務となった紅太。自衛隊員でしたがある幹部と合わず、定例異動で自衛隊から追い出されてしまったのです。そして新しい勤務先に行ってみるとそこでの上司は、憂さ晴らしに行ったプーケットで一緒に銃乱射事件を解決した男で・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
捜査一課の尾辻、水嶋、鑑識の篠宮カンナ(♀)、杉原渚(防衛大学校時代の親友、故人)、カール・フィリップ少将、ハリー・マーティン少将、容疑者候補の方ぐらい。
**攻め受けについて
攻めはいわゆる金持ちスパダリの部類になるのだろうと思います。そしてIT関連に詳しい模様。変人とか執着わんことは思えません。
受けは美人さんなんだけど、我が身の事は全く気に留めず、人付き合いもへたっぴな生真面目さん。で、人間的な面白みというものが今一つ感じられず、萌えなかった・・・。おまけに「二回もおんなじことすんな!」とつい怒りたくなっちゃうし。
事件ものなので、内容は記載しません。笑いどころは少なく、せつない恋心が悲しめな事件というところです。どちらかというと、びしっとカッコよさそうなカール・フィリップ少将の恋話をもう少し読んでみたいかな。
自分が萌え上がれなかったので、このお話の良いところをお伝えできず恐縮です。
2019年刊。
自分ってばつくづく事件もの(刑事もの)や2時間サスペンス調が好きだよなぁ…と手に取ったはいいが、どうも出だしから合わないものを感じて読了までに時間がかかってしまった。
肝心の一路と紅太に好感が持てないし、何だか刑事ごっこしているリーマンものっぽく感じて駄目だったのだ。
掴みに失敗したせいか、普段は変わり者とか美形受けって大好きなキャラ設定なのに、今回はすんなりと楽しめなかった。
元自衛官というとがっちりしていて頼り甲斐がありそうなイメージに反して、人形のように整った顔立ちに華奢な体形だという紅太に違和感を拭えなかった。
自衛隊内で上官の機嫌を損ない、警視庁へ左遷となった為、刑事として不馴れなのは仕方がないが、二度も酒に酔わされて男性に襲われそうになるなんて30歳前だというのに頼りなさすぎる。
紅太の左遷先の部署・捜査資料管理係に居た一路にしても、履き違えたオレ様キャラな第一印象にうんざりした。
事件を追う中では、いざとなったら毒舌ながらも真っ当な正論を吐けるからまだいいが、独善的な性格が目立つし、普段は根本が我が儘で己の食指が動く事しか動かない。
金銭的に裕福な出自らしくハッカー系やPCデータを自在に操れるが、そんな一路が刑事になったきっかけは不明だ。
そんな二人が一緒に行動していて、相手のこんな部分に惹かれたってポイントにもピンとこなかった。
…あ、一路は紅太にはっきりと「顔と身体は好みだ」と明言していたっけ(-_-;)
BL刑事ものによくあるバディものって、コンビを組んでいる相手の性格や行動を汲み取れないと対等な関係が成り立たないと思うのだけどね。
何だか尊大な男と世話焼きが好きな部下っぽい、先輩後輩みたいな間柄に落ち着いてしまっている気がするのだけどね。
いつかはバディと言える関係に追いつくとしても、恐らくは到底先の事だろうね。