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tsuki ga kirei to ienakute
シーモアのあらすじのほうがわかりやすいのでこちらを載せます。
「隣家の前に佇む訪問客に声をかけた高校教師の須賀。
隣人が亡くなったことを告げると、その男・高村は茫然自失!
実は亡き祖父から手紙を預かってきたと言う。
しかも、隣人もどうやら同じ手紙を書いていたらしい。
半世紀以上も封印されていた二通の手紙には、一体何が書かれているんだろう――好奇心にかられ、手紙探しを始めるが!?
「手紙」というアイテムを使った作品が好きなので、とても楽しめました。
亡き人が遺した未投函の手紙をきっかけに、二人の仲が深まっていく。
派手さはないけれど、しっとり静かに進んでいく恋物語でよかったです。
「月がきれいと言えなくて」というタイトル通り、成就した恋と、成就しなかった恋の二つが登場するのだけど、攻め祖父たちは「成就しなかった恋」組なんですね。
そこがほろ苦くて良かった。
実は、一番萌えたのが須賀に横恋慕する生徒・町田の存在。
こちらも入学以来片思いしつづけてきた教師の須賀が、高村とくっついてしまったことで「成就しなかった恋」側に回ってしまった人間なんですね。
今時の生徒かと思いきや、古風にその思いを「手紙」にしたためて渡してくるというところがまず萌える。
そして、恋を諦めるために最後にぎゅーっと須賀を抱きしめてきたところが超〜萌えた。(ひなこさんの絵も萌えるの!)
人を傷つけた痛み、そして成就しなかった恋の痛みを身を持って知った町田は、ぜったいにめーーーちゃくちゃいい男になる!!
めーっちゃくちゃいい男へと成長した町田の心の片隅には、ほろ苦い初恋(のはず)の思い出が残り続けるんだろうなぁ……というのが、超絶萌えます。
彼が成長した姿を見てみたい!
水原先生の「名前も知らず恋に落ちた話」が大好きなんですが、それから中々好みの作品に出会えませんでした。
攻めの高村が亡くなった祖父の手紙を届けようとして、受けの明紀と運命的とも言える出会いをします。
明紀の職場での生徒とのやり取りと、過去のトラウマ的出来事が重なり合って、淡々としながらもドラマティックな展開になっていました。
こういうお話は大好物です。
高村が大人で良い男でした。そして明紀も教師として素晴らしかった。2人はパートナーとしてこれからも上手くやって行くと思います。
だからあの生徒の彼のその後をスピンオフでお願いします。
水原さん作品は、なんとなく昭和的なノスタルジーを感じる。というか。耽美、と言ってもいいかも。今作品も、そんなノスタルジーをそこはかとなく感じつつ読破しました。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は私立高校で英語教師として教鞭をとっている須賀。
ほぼ彼視点でストーリーは展開します。
彼の住むマンションの大家さんの住む一軒家に、一人の男性が訪れる。が、その家の主である大家さん(名は粕谷さんと言う)はすでに故人。そのことをその客人・高村に伝えると、高村はあからさまにがっかりした風を見せる。
話を聞くと、彼の祖父が亡くなり、残された遺品の中に粕谷さんに宛てた手紙があったのだという。その手紙を渡すために粕谷さんのもとへ訪れたのだ。そのことを粕谷さんの娘さんに伝えると、大家さんもまた、高村の祖父に宛てた手紙を持っていた、と告げられる。
だがしかし、その手紙が見つからないのだとも。
2人は粕谷さんが高村さんに宛てた手紙を共に探すようになるが―。
というお話。
粕谷さんと高村さん。
彼らが、お互いに相手にしたためた手紙を、二人で探すことで、少しずつ距離を近づけていくが。
「手紙」という、ノスタルジーを感じさせる小物を登場させるところが非常に水原さんらしいといったところか。
ストーリーのバックボーンや「手紙」という演出は面白かったですが、もう一声ほしかったな、という気も。基本的に先の先まですっと見通せる展開で、ひねりがなかったように思います。
この作品は「手紙探し」が基盤になっていますが、そこに須賀に横恋慕する生徒の存在を絡めて話を膨らませています。
DKらしい若く青い恋。
それを、かつての自身の切ない過去の話と絡めて進んでいく展開でしたが、個人的には「手紙」の部分に焦点を当てて書いてほしかったな。
結婚し、子を持ち、幸せだった人生。
そんな人生の中で、唯一忘れられなかった恋。
「月がきれいと言えなくて」というタイトル、それを手紙というナイスな小物で描く作品だったわけですから、おじいちゃんたちの過去の恋や葛藤なんかも盛り込んで書いてくれたなら、あるいはもっと萌えた気がします。
「手紙探し」でつながった恋、なのに、その部分があやふやだったのが残念と言えば残念でした。
が、水原さんらしいレトロな感じは健在な作品なので、そういった展開がお好きな方にはお勧めな作品かと思います。