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ヤンキーな見た目から周囲に敬遠される主人公。偶然誘拐事案に出くわし、子供を助けた事から始まるお話。この子供・翼がとても可愛かったが、後半ではほぼ出番がなくなってしまった。逆にBLは後半から本番な感じ。
超常現象のように女神が出てくる描写がとても不思議で神秘的な空気を作り出し、作品のアクセントになっていた。この女神のオチもちゃんとあって良かったし、純の抱えるいろいろが自然な流れで解決していたのも良かった。
純は父親が作った借金を返済するためだけに生きているようなキャラ。自身を利用することしか考えていないと知っていながら、父親を捨てられないでいる。その気持ちにやっと変化が訪れたのは、他に拠り所ができたからなのかもしれない。
BLの相手役となる御堂は、最初かなりのクールというかツンというか。純に何も言わず、純のためには裏で動くので、優しさや思いやりが伝わりにくい。そのわりに身体接触は気まぐれのようにあるので、純は振り回されるというBL。
他にゲイの小野寺という秘書もいて、かなり良い味を出している。どんなに緊迫感あふれるシーンでも、ほのぼの空気にしてくれる天然ぶり。とある小洒落たバーでの振る舞いはスカっと展開でカッコ良く、この二面性も素敵。
長年、というかほぼ人生の全てを占めていた父親の件に決着をつけ、御堂に執着する仙石も蹴散らし、純と御堂でどうにかこうにかハッピーエンド。
注意点は純が仙石に拉致されてヤられそうになるシーンが長いことくらいかな。
正直、各所で事後処理の甘さは感じるものの、まあ同人なので良いかなという感じ。わちゃわちゃケンカしながら仲良くいちゃいちゃし続ける、愉快なカップルだと思う。