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1冊ぜんぶ表題作です。成宮(受け)の視点でストーリーは進みます。
タバコの臭いがポイントになっている場面が結構ありますので、苦手な方はご注意された方が良いかもしれません。
成宮はシナリオライター。友人に連れられて出席したパーティで出会った都築(攻め)と付き合うことになります。初めての恋人で浮かれていたのですが、遊びなれた様子の都築に二股を掛けられているのではと不安になります。合鍵をもらったものの、開けてはいけない部屋もあり…という話です。
登場人物の感情や行動をメインに置いた流れに任せて読むような作品ではなく、構成をよく考えられた話だという印象を受けました。
「開けてはいけない部屋」で青髭のような展開を想像しましたが、中盤で開けられてもおかしな点はありません。その理由は、都築の秘密と共に終盤で明かされます。
都築が実は二十歳だったという秘密が微笑ましかったです。成宮に「大人の男」だと思われているからこそ、6つも年下だと言い出せなかった心情も理解できましたし、抱きしめるだけの夜や、ラブホテルで性急に求めた理由もすんなり納得できました。
男女とも未経験な成宮のウブなところも良かったです。チェーンを掛けられて玄関で泣きながら呼ぶ場面は切なかったです。
ただ、キーマンとなる大塚が不満でした。終盤で偉そうに説教していましたが、大塚がチェーンをかけるのではなく成宮に上手に説明したら良かったんじゃないかと文句を言いたかったです。他にあてを見つけるような説明もなかったので、これからも都築の部屋を借りるつもりなのも図々しく感じました。イラストでそこそこ格好良く描かれていたのですが、ヒゲの生えた小汚い男で良かったのにと思ったりしました(笑)
健気受け、元遊び人の攻め、すれちがい設定がお好きな方にお勧めだと思います。タイトルの謎解きもあとがきで書かれていて、言われてみれば納得!でした。
恋人の部屋には、開けてはいけない扉がある。
そこから青髭のような童話を想像していたら、全然違う話でした。
グノーシスの都築×若手シナリオライター・成宮(26)
パーティー会場で大人の男・都築と出会って、成宮は初めての恋に落ちる。
愛を交わし、メールも交わし、合い鍵ももらって、恋人なはずなのに不安が去らない。
担当している脚本に出演する役者の白河とエレベーターですれ違い、もしかしてと、都築に浮気疑惑を抱くも証拠らしい証拠もつかめない。
都築に会っても誠実な態度で、自分の勘違いだと思うのに、それでも不安で。
どんどん恋人への疑惑が増していく成宮の不安な気持ちが、リアルに伝わってきました。
それだけに決定打となる事件が起こって、悲痛な気持ちで見守るしかなくて見るのも辛かったです。
成宮のことをそっちのけで、自分達の事しか考えていない周囲のキャラの身勝手ぶりに腹が立ちました。
肝心の秘密も、秘密にするものか?と言う瑣末な内容で、最後の落ちも納得できず、もやもやが残りました。
一度言いだし逃したら言い出せないのもわかりはしますが、恋人が泣く程悩んで、他人に言われてからようやく告白するのはどうかなと思いました。
告白を促した人物も人物で、自分はしっかり恋人を守っているみたいな上から目線のもので、原因の一つでありながらずうずうしいです。
作者の仕掛けに騙されて、やられた!と言う痛快なものではなく、ネタが明かされた時にがっかりしました。
トリックのネタ元に、もっと魅力が欲しかったです。
エロ:★3 普通。
総合:★2 肝心の秘密が弱いです。騙されての痛快感、爽快感が欲しかったです。