秘書と野獣

hisho to yaju

秘書と野獣
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×216
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
105
評価数
25
平均
4.2 / 5
神率
28%
著者
水壬楓子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
石田惠美 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
ストレイ・リング
発売日
価格
¥675(税抜)  
ISBN
9784796412896

あらすじ

大手総合商社の社長秘書・吉鹿は、上司である社長の右城に密かに想いを寄せていた。
男の自分が恋愛対象になれるはずもなく、告白すら諦めていた吉鹿。
しかしある夜、右城に同性の恋人がいることを知ってしまう。
ヤケになった吉鹿はバーで出会った右城と同年代の男・蒼衣に抱かれた。
その関係は一夜限りのはずだったが、蒼衣は翌日から執拗にアプローチしてきて――!?

表題作秘書と野獣

蒼衣祐輔 バーで出会った謎の男
吉鹿央秋 上司に片思い中の社長秘書 28

その他の収録作品

  • 秘書と恋人
  • あとがき
  • 秘めごと

レビュー投稿数5

オヤジ好きさんにオススメ!

ワイルドなオヤジと、ツンデレ美人受けによる、駆け引きめいた大人の関係です。

元々オヤジ好きなんですけど、今作の攻めである蒼衣がですね、胡散臭くてふてぶてしくて、下ネタギャグなんかが好きでと、まさに好みのど真ん中でして。
また、そんな悪いオヤジに捕まっちゃった、クールに見えて実は健気な美人受け。
えーと、軽い調子でチョッカイをかける攻めに、バッサリ切り捨てる受けみたいな、二人のやりとりが楽し過ぎるなー!と。

ついでに、胡散臭いオヤジである攻めの正体。
主人公である受けともども、完全に騙されてました。
作者さんに、してやられた感がめちゃくちゃ強いですよ。


内容ですが、バーで出会った謎の男・蒼衣×社長秘書・吉鹿による、アダルトラブストーリーです。

上司で社長の右城に、密かに想いを寄せている吉鹿。
しかし、右城に男の恋人が居る事を、偶然知ってしまうんですね。
ヤケになった吉鹿は、バーで出会った男・蒼衣に抱かれますが、一晩だけの関係のつもりが、彼から執拗なアプローチを受けるようになりー・・・と言うものです。

で、何故か自分の個人情報を知っていて、強い関心をよせてくる蒼衣。
社長である右城の弱みを探る為、自分に近付いてきた興信所の調査員だと確信するんですね。
そこで、騙されたふりをして逆に嘘の情報等で騙してやろうと思い付き・・・と言う流れです。

吉鹿ですが、頭の回転も早くて仕事も出来るため、蒼衣の言動の端々から、彼の狙いを見抜いてしまうんですよね。
また、クールに見えて、実はすごく一途で健気でして。
一夜だけと思ってはいたものの、優しく抱いて慰めてくれた蒼衣の真の狙いを知り、傷つきもする・・・。
それでも、想いを寄せる右城の為に、蒼衣の注意を自分に引き付けておこうと健気に決心する。
いや、こういう不器用な美人受け、大好きなんですよねぇ。
傷ついてるくせに強がってる姿に、グッときちゃうんですよね。

まぁそんなワケで、本心を隠したまま蒼衣と付き合い始める吉鹿ー。

蒼衣がですね、すごく包容力がある、いいオヤジなのです。
会いたいと呼び出されて、てっきり身体を求められるものと思う吉鹿。
しかし、映画を見て遊園地で遊びと、至って健全なデートをするだけ。

こう、蒼衣は大人の余裕があり、常に吉鹿を包み込むような言動と、懐の深さを感じさせてくれるのです。
それと共に、妙に子供っぽい所があるのが魅力になってまして。
吉鹿がですね、何かと右城の話をし、彼を誉めるんですよ。
すると、拗ねて「長年そばに居る君の気持ちにも気付かない、鈍感な男だ。俺の方がいい男だ」みたいな。

個人的に、常に余裕綽々みたいなふてぶてしいオヤジが大好きなんですけど、そんな男が不意に見せる子供みたいな態度とか、意外な純情さとかに、もうキュンキュンしちゃうんですよ。
蒼衣ですが、その配分が絶妙なんですよ!!

と、そんな日々を過ごす中、蒼衣に惹かれ始める吉鹿。
しかし、彼が調査員だと分かる決定的な会話を聞いてしまうんですね。
更に、調査の経過を知ろうと蒼衣の荷物を探っていると、彼にその現場をみられてしまいー・・・と続きます。

こちらですね、終始吉鹿の視点で進むのです。
なので、彼に完全に同調してしまうのです。
また、作者さんの、ミスリードの誘い方が巧みなのです。
受けともども、蒼衣の正体を疑いもしてなかったのです。
まぁそんなワケで、完全に騙されたよ!と。
てっきり、なんか事情があってとかだと思ってたら、そっちかーい!みたいな。
いや、なんか蒼衣、ちょっと気の毒だよなぁみたいな。
一番しっかり状況を把握してたのって、実は右城じゃないの!?みたいな。
いや~、一杯食わされましたよ!

で、ここまでが雑誌掲載作で二人の馴れ初め。
この後、書き下ろしで付き合い始めた二人になります。
幸せいっぱいかと思いきや、とある事実により、蒼衣との交際を悩む吉鹿ー・・・と言ったお話になります。
吉鹿、彼は色々考えすぎだよ・・・。
そして、意外と甘えたな所を見せる蒼衣が、可愛いなぁと。
そう、男って、いつまでたっても子供なんですよねと。

ところでこちら、「晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽」と「ストレイ・リング」の関連作との事です。
両方未読ですが、問題なく読めました。
ちなみに「ストレイ・リング」の二人のSSが、最後に収録されてます。
ストレイ・リング、面白そうで購入しちゃいましたよ。

あと、身体の関係から始まった二人なので、かなりエロエロです。
蒼衣の責め方が、ネチッこい上にオヤジくさいな~!

12

秘密な匂いが楽しい♪

今回は受様が失恋した夜に一夜を共にしうさん臭い謎の男と
上司である社長に片思いしていた社長秘書のお話です。

身体から始まった攻様との関係が恋愛に変わるまでと
攻様の正体を知った受様が攻様との関係に悩む続編と
フェア小冊子に収録された既刊カプSSが再録されています。

受様は新卒で国内でも5指に入る大手総合商社に入社し、営業部に配属
されますが、名門大学を出た同期と比べてもアシスタント的な仕事を
任される事が多く、目立つ業績もない社員と評価されていました。

受様自身もことさら仕事への情熱があるとか、出世への野心があるとか
ではなかったのですが、ゲイの自覚がある故に人間関係には気を遣って
与えられた仕事は指示以上を目指しきっちりしてきます。そんな受様に
目を付けたのが、当時のブランドマーケティング部長でした。

業界でも名の知れたやり手の部長は受様には遠い存在でしたが、部長は
受様の仕事ぶりを正しく評価していて専任秘書として引き抜いたのです。

部長は評判に見合うだけの手腕を持つだけでなく、仕事には厳しく、
上司にも部下にも容赦がなく人でしたが、受様は部長の元でめきめきと
頭角を現し、常に隙のない仕事ぶりを見せるやり手の秘書と言われる
ほどになるのです。

そして部長がブランドマーケティング部の部長職を兼任したまま社長に
就任すると受様の肩書も社長秘書へと変わります。社長にとって受様は
単なる部下でしたが、受様にとって社長は片恋の相手にもなっていたの
です。

ところが受様が忘れ物をしてオフィスに戻ったある夜、社長が社内で
男性社員を組み敷いている所を見てしまうのです!! 社長には妻子があり、
受様には不倫をする様にも、同性を相手に出来るタイプにも見えません
でした。だからこそ恋心を封印していたのに。

受様はすべてをなかったことにしたくて馴染みのバーで一夜の相手を
探す事にします。そこで知り合ったのが部長と同年代の野性味のある
色気を滲ませた男でした。この男が今回の攻様になります♪

攻様は受様が自棄になっている様子を揶揄しますが、その通りな受様
は更に攻様を挑発してベッドへと誘います。攻様は受様に全てを吐き
出させながら泣かせて激しく甘い夜を過ごさせるのです。

翌朝、出社した受様は社長とのスケジュール確認で社長が離婚手続き
を勧めている事を知ります。モヤモヤしつつも仕事に打ち込む受様で
したが、夕方、見知らぬ相手から1通のメールを受け取ります。

バンビちゃん、今朝は逃げ足が早かったな。
今夜、Tホテルのバーラウンジで

指定されたTホテルは今夜取引先のパーティが行われる予定で、社長に
随行して受様も向かうことになっています。

攻様はいったい何者なのか!? 受様に接触する目的とは!?

本作は既刊「晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽」「ストレイ・リング」派生の
シリーズスピンオフとして書かれた雑誌掲載作に書き下ろし続編を加え
文庫化した大手総合会社を舞台としたオフィスラブです♪

私は遥か昔(笑)に「晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽」を旧版であるリンクス
で読みましたが、ガッシュのリメイク版も「ストレイ・リング」も読ん
ではおらず関連作とは知らずに手にしました。

ちなみに同じ会社の社員のお話というのがシリーズ通しての共通点で
「晴れ男の憂鬱 雨男の悦楽」の攻様と「ストレイ・リング」の受様が
友人、「ストレイ・リング」の本作の攻様が受様の片思いの相手という
繋がりです。

「晴れ男の憂鬱・・・」を読んでいなくても本作には支障はなく、前巻の
「ストレイ・・・」を読んでいると受様の上司について予備知識がつくので
シリーズ既刊も一緒に読むとより楽しめるかと思われます。

ただ既刊を未読でも年上エロオヤジの掌の上でコロコロされて美味しく
食べられちゃう年下バンビちゃんという設定は十分に萌えられます♡

クールビューティな受様が大好物ですが、普段は取り付く島さえない
ような美人さんが、一癖どころか難癖も有りそうなうさん臭い男に
翻弄される様はすごく美味しかったです♪

攻様は出会った時から受様が何者であるのか判っていた(というよりも
判っていたから近づいた)のですが、受様は彼の正体を知らず、社長に
男の恋人がいる事を知ってしまった事から社長の離婚で色々と嗅ぎ回る
探偵なのか!?と当たりを付けます。

攻様は白を切るというよりは状況を楽しむために自分の素性を明かさず
にいるので、受様が攻様の正体を知り攻様の求愛を受け入れるまで、
2人の駆け引きめいたやりとりにワクワクし通しでした。

本作の受様が覗いてしまった社長の蜜事のSSがあとがきの後ろに再録さ
れていて更にムフフってなりました (^O^)/

ガッシュ文庫の最後だからか、いろいろ仕掛けられた感じな1冊で楽しく
読ませて頂きました。

今回はオヤジ攻にて水任さんの既刊『ファイナルカット』をおススメです。
水名瀬さんのイラストも雰囲気にマッチしていて楽しいです♪

5

生真面目バンビ

「ストレイ・リング」のスピンオフ作品。
「ストレイ〜」同様、セクスィーなおじと年下の若い男、のお話。

主人公は「ストレイ〜」の攻め・右城社長の秘書の吉鹿。
吉鹿はゲイで、ずっと上司の右城に憧れのような恋心を抱いていた。右城は妻子持ちだし、はじめから諦めて何も言うつもりもなかったわけだけど。
ある日退社後に忘れ物を取りに戻ったところ、社長室から右城と男がセックスしている物音を聞いてしまった…!
激しくショックを受けた吉鹿は、ワンナイトの相手を求めて行ったバーで見知らぬ野生的な40代の男と出会い…

…と始まります。
ワイルドなちょい悪オヤジの手管と包容力が魅力の本作。
恋が破れて心の弱さがこぼれ出てしまうクール系美人の吉鹿を大きく包み込むわけですが。
これね、一貫して吉鹿がとってもネガティブ思考なんですよね…
元々の生真面目な性格と、リスクを回避しなければという仕事柄の習慣が染み付いてしまったのかな。
何故このイケおじ・蒼衣が自分と出会ってこんな恋愛ごっこをしてるのか。それは蒼衣が本当は探偵で右城社長の離婚に際して浮気の証拠を握ろうとしてるからだ!とか。
ちゃんと恋人になった後でも、実は地位のある蒼衣と自分では釣り合わないし、男の自分が横にいては蒼衣の弱みになってしまう、蒼衣の秘書が弱みを握ろうとしている!とか。
勝手に「悪い方妄想」に走ってる。
作者様の書き方は真っ当に切ないので、吉鹿の健気さとも言えるんだけど。
一方攻めの蒼衣。
「ストレイ〜」の右城と違って、勝手に離れていく吉鹿に焦ったり、落ち込んだり、自分から追ったり、という可愛げがあります。
余裕がありすぎて憎たらしい右城と、もう少し人間ぽい蒼衣とどっちの攻めがイイ?みたいな読み方もできて、これぞ「スピンオフ」を魅せる作品だと感じました。
途中チラリと右城の甥・将人や「俳優シリーズ」との関連が出てきたり。そんなところも楽しめました。

4

甘えた野獣萌

攻の蒼衣さんは「ストレイリング」の右城さんとはまた違った魅力のおじ様でとても素敵。右城さんはただただかっこよくって憧れのスーパー攻おじ様ですが、蒼衣さんはワイルドなのに甘えたで可愛いのです。
やり直そうと僻地まで吉鹿さんを自ら迎えに行っちゃう感じが素直なオヤジで可愛いんです。

後半の「小鹿料理食べちゃうぞ〰」「食べて」なエロシーンは好みじゃないのでドン引きしましたが…

「ストレイリング」が好きなので、右城藤近カプが思ったより多く絡んできて嬉しかったです。吉鹿さんと元恋敵の藤近さんとのシーンがあったのも良かった。

一つモヤモヤが残ったのは、蒼衣さんがあんなに吉鹿に惚れた理由。「何年か前に偶然見かけて気になってた」みたいな非常にふんわりとした理由では物足りなかったのでもっと詳しく読みたかった!

2

こじかちゃん

大好きだったストレイ・リングのスピンオフ。今回もおやじ攻めですが、今回のおやじはヘタレで無精ひげ似合うタイプでしたので萌にしました。(前作のおやじの方が好き)本編130P弱+その続き130P弱+あとがき+ストレイ・リングのカプ達のお話10Pほど。

右城の秘書をしている吉鹿(よしか)。忘れ物を取りに立ち寄った夜のオフィスで、右城が男といちゃこらしているシーンに出くわします。右城に告白することも出来ずに失恋してしまって、やけっぱち気味に馴染みのバーにいってみると、見知らぬおっさんが声をかけてきて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
右城(受けの上司、社長)、受けの同僚少々、後半に攻めの秘書(♂)、藤近(右城の恋人、♂)、最後のSSで「晴れ男の憂鬱・・・」の方のカプが出ているようですが、未読のため分からず。

***以下内容に触れる感想

攻めのおやじが結構ヘタレってると感じました。前作の右城は、「どんとこい、なんでもこい、なんとでもしてやる、どうせ俺から離れられる訳がない」といったように思えたのですが、当作は受けが別れるといったら「わかった」と一旦離れる&めっちゃヘタレた様子で「ごめん、もっかいやりなおして」てな様子で現れる!!!!!そこがちょっともの足りなかった・・・人たらし、スーパー仕事出来る系の方のようなのですが、ちょっとなああ・・振られたぐらいでグダグダになるなよ、おっさん(怒)と思ったんです。

受けさんは素直にならない眼鏡クールさん系。最後までつっぱってなくて、こっちもなんだかんだいって弱っちいという印象があったので、やや残念。

こじかちゃん食べたいとぬかす余裕あるエロおやじ風なのが、ぐだぐだになるのがお好きでしたら、よいのでは?と思いました。

6

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