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俺に抱かれたいんだろう?
yuyami wo futari
今回は大手広告会社勤務の会社員と出版社勤務の会社員のお話です。
受視点ですれ違った2人が心を通わすまでと
攻視点で本編裏事情的な回想と後日談を収録。
受様には同性の恋人がいます。高校1年で出会った同級生で受様とは
全く違う強さに憧れを抱き、やがて恋へと育っていきます。
3年間別のクラスで見ているだけでしたが、同じ大学を目指していた
事から共に試験勉強をする事となります。恋する彼の役に立てるだけで
夢のようだに思う受様でしたが、大学で彼に告白されて恋人となるのです。
この恋人が今回の攻様ですね♪
攻様は押しの強いワンマンタイプで万事控えめな優等生タイプの受様は
攻様に応えるだけで精いっぱいで自分の気持ちを口したことが有りません。
攻様に嫌われたくないから求められる事を嬉しいと思うだけで受様には
いっぱいいっぱいだったのです。
やがて大学を卒業した2人はそれぞれ広告会社と出版社に就職します。
初めて抱かれてから5年が過ぎ、受様は何度も「好きだ」と言われ、
攻様の合鍵ももらっていますが、部屋を訪ねてきても、訪ねて行っても
食事をして抱き合った後に2人で朝を迎えた事はありません。
自分は恋人なのか、都合のいい相手なのか。受様がそう思い出したのは
中途採用で入社してきた1人の若手社員の影響でした。若手社員は
受様のサブとしてつけられて先輩としていろいろと指導しています。
彼が簡単な昼食しかとらない事から彼が同性の恋人と駆け落ちで上京し
かつかつの生活をしている事を知るのです。
彼らは高校時代からの付合いでしたが、恋人の親が2人の仲に猛反対で
故郷を出るしかなかったのだと言うのです。恋人を大切な相手として
思いやる後輩を羨ましく思った受様は彼らの後押しを買って出るのですが
そんな受様と後輩社員の仲を攻様が邪推した上に誤解してしまいます。
攻様は後輩の挑発を真に受けて受様に怒りをぶつけるのですが
受様には後輩の言動の意図も攻様の怒りの原因も全くわからず
更なる誤解を生むことになります。
拗れてしまった2人の恋の行方とは!?
旧レーベル版を改稿し当時の特典小冊子を加えての文庫化です。
旧版も特典も所持していますが文庫化で新作が読めるとウキウキ
していたら再録だけですごく残念でした (>_<)
また、本作の攻様はスパダリ全盛の今では珍しいほどの亭主関白系
俺様攻なので旧レーベル作は他にも沢山あるのになぜコレがリメイク!?
と新装版の告知時から疑問でした。
今回ホントに久しぶりに読んでみたら本作は今でいう「両片思い」の
王道パターンを踏襲したお話でしたね。
受視点である事で穏やかで控えめな受様が俺様な攻様に振り廻される
感じを前面に出しつつ、受様と後輩社員とその恋人の絡みでは
攻様の真意も見え隠れする展開で、攻様の出番は少ないのに後輩社員にも
その恋人に対してもかなり威嚇してるのは明らかです。
攻様がそんな態度に出るのは攻様が受様を誰にも渡したくないと
思っていると読者にも丸わかりなのに、当の受様だけがその状況も
攻様の言葉の意味もわかってないニブチン(ほぼ天然域)なので
攻様の言葉を全て悪い意味にとらえてグルグルし通しなのですよ(笑)
でも他人の意見より我が道をゆく攻様も受様が好きすぎて拗らせてる
からどっちもどっちかな!?
あらゆる意味でこの2人は破れ鍋に綴じ蓋カプなので雨降って地固まれば
イラスト担当の実相寺先生のあとがきSSのように後輩カプが引くほど
2人の世界を作っていそうです♡
誤解ですれ違うパターンって相手の真意が見え隠れしてこそ盛り上がるもの
ですが、火崎先生は片視点でもそういう状況を作り上げるのがとっても
お上手だと思います。
リメイクも雑誌の文庫化もワクワクだけどオール新作を切に願ってます!!
今回は本作に似たテイストで火崎先生の既刊『傷痕』をご紹介します。
昔の火崎作品はこのシュチュが多いかも!?