BLアワード2017|ちるちる

BLアワード2017|ちるちる

ついに今年もランキング決定!!
商業BLの祭典BLアワード2017!!

記者座談会

★BLの今はこうなっている!

2016年もBL界隈は盛り上がりをみせていました。BL原作のアニメ映画公開、また制作発表などが目白押し。またドラマでもBLがテーマの作品が普通に放映されるようになりましたし、バラエティ番組でもBLが特集されるなど、ボーイズラブは拡大の一途です。
今回はちるちるで働くBL好きのスタッフ一同が集まり2016年のBLについて語りました。

■続々とBL作品が映画化!アニメもBLを全面に押し出してきた?

真島ノ畔 『同級生』(中村明日美子原作)は腐女子のみならず男性の方にも高評価だったとか。BL愛好家のサンキュータツオさんは「明日美子先生の世界観をあそこまで再現できるとは! 」と絶賛し、何回も劇場に足を運んだことをラジオで話していましたよ♪

星野 そうだったんですね。『同級生』、実は機会を逃してしまいまだ見れておらず…あれを見ずには死ねないと思っているので(笑)、どうにかして見なくては!

栗ノ木 『同級生』私も見たいです!!BLから少しずれるのですが、林海象監督の『彌勒 MIROKU』も、少年たちを全て女性が演じていて倒錯的でいいですよ。原作が『少年愛の美学』という作品や 「少年とは水気を抜いた美少女である」という名言で知られる稲垣足穂さんなのもグッときます!

みかん 一般アニメですが、2016年もっとも大きなヒットを飛ばした『ユーリ on ICE』。その魅力は作り手が自分の好きなものを作ったことではないかと思います。今や腐女子やオタク女性が作り手・売り手側に回りその感性でどんどん業界を盛り上げていく時代。一般作品とBLの垣根は無くなっていくのではないでしょうか。

ゆいお 雲田はるこ先生の『昭和元禄落語心中』や雨隠ギド先生の『甘々と稲妻』がアニメ化するなど、BL作家先生の一般作品でのご活躍も見られましたよね。しかし、BLというジャンルの性質上やはりどこかで線引きは必要かなとも思います。

星野 3次元では、2016年は文乃ゆき先生『ひだまりが聴こえる』、中村明日美子先生『ダブルミンツ』という2つの人気作の実写化が発表され、腐女子の間で話題になりました。また、同じく中村先生の『同級生』のアニメ映画が公開されたり、羽生山へび子先生の『晴れときどき、わかば荘』の実写舞台化が決定するなど、BL作品がこれまで以上に大きく世に出る可能性が広がった1年だったのではないでしょうか。

冬桐 映画化は嬉しいんですけど、大体が実写なので、どうして原作通りにアニメ化じゃないのかなーって思います。
冒頭でも言ったLGBTとBLの同視化って、こういうところから誤解を生んでるんじゃないかなぁといつも思っています。

ほっしぃ BL作品の実写化・同性同士の恋愛をテーマにしたドラマが登場した反面、BL作品のアニメ化はまだ少ないと感じる年でした。2016年の地上波放送BL・BLレーベル関連アニメ作品は、『SUPER LOVERS』、『少年メイド』、『この男子、魔法がお仕事です』(4話作品)、『学園ハンサム』(5分アニメ)、『腐男子高校生活』(5分アニメ)の5作で、本格BLはなかなかアニメ化が実現しにくい現状です。是非『憂鬱な朝』『テンカウント』などの多数巻シリーズ作品のアニメ化に期待したいところです。

■テレビでも日常的に取り上げられるボーイズラブ

真島ノ畔 近年ますます「腐女子」がオープンな文化になったと感じています。以前はBLが好きだというと不思議な顔をされることが多かったのですが最近はめっきりそれが減ったように思います。2016年は叶姉妹さんのコミケ参戦が話題となり「承花」「高緑」【注1】などのCPが日の目を見ましたね(笑)この調子で2017年も腐女子人口が増え、より素敵なコンテンツがたくさん登場してくれたらいいなあと思っております。

馬子 メディアでも多く取り上げられたことにより、オープンになってきた気がします。年末に放送されたBLがテーマの『おっさんずラブ【注2】や、『ナカイの窓』でのBLトークなど。理解が深まり、もっと多くのBLコンテンツが誕生すると嬉しいですね!

真島ノ畔 私も『おっさんずラブ』見ました! ドラマでポップにBLが取り上げられるようになったことは嬉しいですね。あ、これは単なる思い込みかもしれませんがドラマ版『ラブホの上野さん』もBLみがあって良いですよ(笑)

みかん ドラマや映画などのマーケティングやプロモーションも腐女子の存在を意識するようになってきているのではないかと感じます。NHKのBL特集でもおもしろおかしく取り上げるのではなく、腐女子側を理解した内容になっているのは嬉しいですね! 一方でSNSでは目立つのがイヤだから取り上げないで!という腐女子たちの声も……。

冬桐 製作側は時代のニーズを取り入れている面が大きいので、偏った知識によらない発信を心がけていただき、受け手はメディアが発信しているのは、その世界では一部のことに過ぎないという前提を忘れないで欲しいですね。

ゆいお 腐女子の一般認知が広まることによって、同性愛者の方への偏見や、腐女子ではない女オタクの方への偏見を助長してしまわないかも心配です。BLコンテンツが注目され、商業的に発展するのは嬉しいのですが……難しいですね。


【注1】叶姉妹がコミケで買った「ジョジョの奇妙な冒険」「黒子のバスケ」同人誌のカップリング
【注2】12月30日テレビ朝日系で放映された 田中圭×吉田鋼太郎×落合モトキの三角関係ドラマ

■コラボカフェ・グッズ展開

神谷浩未 2016年ひっそりと驚いたのが、BL作品のLINEスタンプの発売でした。BL好きは隠すべき…という世代で育った私は、BLが日常の中に、とても気軽に取り入れられるようになり喜びと戸惑いでいっぱいです(買いました)。こういったことも含め、一般作品との垣根がどんどん低くなっている今だからこそ、より互いの好みを尊重できるようなコミュニケーションを心がけていきたいものです。

星野 えっ、LINEスタンプ出てたんですか…? 初耳だったので驚きました。
バラエティ豊かな作品とファンである腐女子がそれぞれ尊重し合うようなムードを大事にしたいですね。

ほっしぃ BL作品のコラボカフェや、BLキャラのグッズ販売がさらに流行りそうです。以前はBLというと一般作品の影に隠れて展開していたジャンルでしたが、実写化やアニメ映画化を経てそれが少しずつ開けてきていて、今年はさらに多くの人の目に留まるBL作品が増えると予想しています。業界内の流行りでいうと、最近ちるちるでも取りあげた「Dom/Subユニバース」がオメガバースに続く流行になる(といいな)と思っています。

ゆいお キャラ萌えを押し出した作品が多くなったのも要因かなと思います。それに、デザイン性のある表紙、個性的な絵柄の作家の台頭、痛バッグなどのグッズブームという要素が相まって、今後もBLグッズはどんどん展開されていくのではないでしょうか。

真島ノ畔 グッズ販売はここ数年で一気に増えましたよね。先日某アニメショップに行った際『テンカウント』や『同級生』のグッズをはじめ『クロネコ彼氏』のガチャガチャまで出ていることにびっくりしました。

ほっしぃ そうなんですよね!コラボカフェや原画展示会だけでなく、アニメショップなど腐女子以外の人も来る場所に堂々とグッズが置かれていることが多くなっていると感じます。『ビッチ部』などはキャラクターだけでなくおげれつ先生の自画像「クマえもん」もグッズになっていて驚きました。今年はどんな商品が登場するのか、楽しみですね!

■エロきゅんから激辛まで いっそう幅が広くなったBL作品

真島ノ畔 ズバリ「甘々王道エロ」。「王道回帰」と称された去年よりさらに甘めの作品がちるちるのランキング上位に来ていた印象があります。私自身も重い実先生の『アホエロ』をはじめ、高崎ぼすこ先生の『それでも俺のものになる 1』蔓沢つた子先生『新妻くんと新夫くん』など「甘々王道エロ」作品に癒された一年でした。

ほっしぃ 高崎先生は他に『暫定ボーイフレンド♥』も良い意味で安心して読めるBLでしたね。挿絵を担当したTHE王道あまあま小説『タフ』(著:岩本薫)も大きな話題になりましたよ。一風変わった個性派BLが流行り始めた頃からの若いBLファンからすると、王道も「新しい」ものに見えるのかもしれませんね。

みこりん ストーリーがあってエロ好きな人にオススメなのでは文川じみ先生の作品。オムニバス形式になっているため、いろんなBLを楽しむことができます。短編作品ですが、どれも話がまとまっていて、マンネリしないところが魅力の一つだと思います。コミックス1冊で一つの作品も、読んでみたいです

■個性的な新人が続々デビュー

みかん 丸木戸マキ先生は『ポルノグラファー』で表現力の高さと新鮮さを見せつけてくれました。新たなエロ表現をどんどん開拓してほしいです。中陸なか先生は素朴な絵柄で微妙な心理描写や繊細な雰囲気を作りあげています。

ほっしぃ コミックでは、『たゆたう種子』が話題になった中陸なか先生に注目しています。驚くほど丁寧で温かみのある作画の中、キャラたちが度々見せるコミカルな表情に癒されます。語りずぎず、行間から読み取らせるような雰囲気も魅力です。小説では、切なくもキュンとさせられる心理描写が圧巻の朝丘戻先生に今年も期待しています。『坂道のソラ』のスピンオフ『窓辺のヒナタ』を皮切りに、今年はどんなキャラクターたちに会えるのか、本当に楽しみです。

馬子 『インモラルと紙袋』おまる先生、『よなよなもしもし』丸顔めめ先生に注目したいです。
どちらも覆面BLという共通点がありますが…両先生とも凝った設定に濃いストーリー展開で、表現力が素晴らしいです。また、表紙のサブカル感が作品の世界観とマッチしていているのも魅力のひとつ。新人作家さんということで、今後の作品にも大注目です!

星野 2016年にデビューされた新人作家さんでは、卓越したストーリー構成が圧巻の『半壊の花』早寝電灯先生、絶対に笑わずには読めないギャグセンスの持ち主である『だって騙されるほうが悪い』それならミヤ先生、絵柄やシナリオに独特なセンスが光る『ロストワールドエンドロール:ビアンシャンテ』久松エイト先生は要チェックです。
また、唯一無二の世界観が魅力の『朝とミーチャ』のビリー・バリバリー先生や、電子雑誌『.Bloom』で活躍中の虫歯先生にも注目しています!

みかん 早寝電灯先生、2015年発売『フェイクファー』の虫歯先生は私もすごく気になっています! どちらも日常的なストーリーを扱いながら、幻想的なマンガ表現で表すことで日常から一歩ズレた独特の世界観を表していると思います。最近のコミックスではマンガとしての描写もどんどん洗練されてきていて、見ているだけでもワクワクするような画面構成が増えてきているという印象です。

■王道からはずれた異色系も話題に

真島ノ畔 ストーリーといえば、麻生ミツ晃先生、一ノ瀬ゆま先生のお二人。麻生先生の『season』は2016年最も心に残った作品なので今年も注目し続けたいです。そして今年楽しみにしているのが一ノ瀬先生の『gift 』中巻。2017年さらに人気沸騰する作家さんだと思います。ぜひみなさまもチェックしてみてください♪

神谷浩未 『夜明けを待つ君のために』のりーるー先生…ガチムチ受け、大人の恋、ゲイ作品が好きな方、肉体美重視の方にもオススメしたいです。優しい空気漂うストーリーは「誰も不幸にしない」という先生の思いが伝わってくるようです。
かしこまりました、デスティニー』のさちも先生…線の美しい絵柄に惹きつけられました。せつないストーリーからエロまで読み応えがあります。健気受けの鑑!

ほっしぃ りーるー先生の登場人物は受けも攻めも不自然な女々しさが無くて、リアルな「男同士の恋愛」を覗き見しているような感覚になりますよね。BLではまだ細い男子が主流のように思うので、リアル寄りBLの先駆けとして今後も活躍して欲しいです!

みこりん 私は2016年は、王道よりもダーク系などの少しパンチがきいたBLが流行った気がします。オメガバースも引き続き人気でしたが、様々な設定が盛り込まれるようになり、さらに幅が広がったと思います。それと、コミックスではオシャレな表紙が多かったです。

■気がつけば、BLはオシャレの代名詞に!?

星野 本当にここ1.2年、以前には見られなかったようなポップな色彩でお洒落なテイストの表紙のBL本が増えるなど、BLというジャンルがより幅広い層・世代へ浸透していっているように感じます。

ほっしぃ オシャレな表紙ほんと増えましたよね!男キャラ二人が近い距離で絡んだいわゆる「BLっぽい」表紙がほとんどだったのが、(主に)受けキャラを魅力的に見せるような一人表紙が増えたり、ぱっと見ではタイトルがわからないほど題字の入れ方を工夫した表紙など……特に昨年・一昨年にbl表紙の常識が大きく変わったような気がします。

ゆいお デザインを魅せる表紙が増えましたよね。表紙に個性があるので、書店でも手に取りやすくなったのかなと思います。過激な表紙でもおしゃれだったり(笑) 凝ったデザインの表紙は、本文と合わせて1冊で世界観を作り上げるって感じがして好きです。 

■電子雑誌の台頭

星野 インターネット上で無料で読めるWebマガジンや電子オンリーのBL雑誌の数も増加し、スマートフォンやタブレットなどを使って以前よりも気軽にBLを楽しむことができるようになったのではないでしょうか。

馬子 Amazonの「Kindle Unlimited」の登場などもあり、気軽に楽しめるようになった気がします。BLを読む入口みたいなものがたくさん増えましたよね。今後、VODのようなBL作品(漫画・小説・映像etc)の読み放題見放題サービスなども登場しそうです。

ゆいお 電子書籍サイトでのBL作品の特集やセールも増えましたよね。
試し読みもありますし、これを機に若い世代が商業BLに触れる機会が増えたらいいなと思います。

みかん 電子発の新レーベルが力をつけてきています。2016年後半だけで電子マガジンから紙媒体の単行本を出したのはなんと9レーベル。KADOKAWAのB's LOVELYやホーム社/集英社のEYE'SCOMICS Blinkなど中堅どころは安定しています。最近注目の新創刊マガジンはホーム社の『.Bloom』!
コミック化が楽しみです。

星野 私も『.Bloom』にはとても注目しています。あの独特の雰囲気にはとても惹かれますよね。近年の傾向を見るに、これからますます『.Bloom』のようなストーリー重視のBLが増えていくのではないでしょうか。

神谷浩未 数年前からの波を受け、2016年は特に新レーベルの登場が目立ったように感じました。雑誌の休刊や刊行頻度の減少など、出版界隈で一時心配なニュースが見られたり、電子書籍が主流になるのか等の話題が上がったりという中で、その電子作品が紙化することでレーベルの活性に繋がるとは。BL界の今後が楽しみになりました。

ほっしぃ レーベルの増加は単行本発売数の増加に直結するので、刊行雑誌が増えてBLが盛り上がっていくと思うと楽しみです!レーベルごとの強みを知っていると購入作品選びにも役に立ちますよね。今後もレーベル増加と細分化が進んでいきそうです。

いかがでしたか?
ちるちる記者による2016年を振り返る座談会。2017年、BL界にいったいどんな動きがあるのか?今年もいろいろサプライズがありますが、まだまだ驚きの展開があるのでしょうか。楽しみですね。(2017年1月某日 ちるちる事務所にて)

ちるちる記者プロフィール

神谷浩未
年下攻めと無自覚健気受けが性癖。攻めが受けのことを大好きならそれでいいと思っている節がある。

みこりん
あまキュンな王道BLを愛する腐女子? 気になった作品はすぐ買っちゃうので、高く積まれたBLタワーができやすい。

ゆいお
常に新しい萌えを求める探求型雑食腐女子。最近の推しは人間×ケモノのカップリングです。

ほっしぃ
健気ゲイ受けが好き。神経質と眼鏡も大好き。声優オタク。最近BL小説の開拓に力を入れている。

真島ノ畔
「June」系譜の作品が好きです。2016年の個人的best3は麻生ミツ晃『season』、梶本レイカ先生『コオリオニ』、梨花チマキ先生『花椿秘恋唄』。

馬子
「純ロマ」「セカコイ」などの王道BLから足を突っ込むも、現在はやや歪んだダークBLを主食に生きる。どうしようもないクズが大好物。

みかん
三度の飯よりリバが好き。ロマンス度低めのバディものや友情はみ出し系のBLなど、今日も邪道を爆走しています。

星野
少年と青年の間を行ったり来たりする微妙な年頃の男の子の恋愛模様を見守るのが好きです。

冬桐
リアルゲイネタ、LGBT関係の記事を主に担当しています。

栗ノ木
コミック、小説を深く掘り下げる記事、おもしろネタを主に担当しています。