砂原糖子さんのレビュー一覧

言ノ葉ノ世界 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

「愛されたい」と願う二人のすれ違いが切ない…

私は「言ノ葉ノ花」より「世界」の方が好きです!

主人公の仮原の素行が悪く、「好きになれない」という意見があっても当然と思ってしまうところがあります。
でも、それが「自分を愛してくれる人なんていない」という主人公の絶望と重なって見え、そのどうしようもなさが人間臭く、私は大好きです。

本作の主人公の仮原は決して善人とは言えません。
心が読める能力を他人を利用する事に使うし、他人を嘲笑い…

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ファンタスマゴリアの夜 小説

砂原糖子  梨とりこ 

No Title

前半は夢中になって読みました。引き込まれましたね。
特に小学生、中学生の時のお話が本当に良かったです。幼い頃の艶と永見、どちらもちょっと変わり者なんですよね。かわいらしくて、切なくて、いじらしくて。これ、大人になったふたりが恋人になった時のシーンに生きてきます。子供の頃、そんなふうに思っていたのか〜と微笑ましかったですし、2人の会話にニヤけちゃいました。

ただ正直、大人のシーンがちょっと残…

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心を半分残したままでいる(1) 小説

砂原糖子  葛西リカコ 

タイトルの伏線回収を見たとき「やられた!」と思う、綿密に作られた切なく美しい作品

1~3巻まで全て読んだ感想です。
とりあえず1巻を1冊だけ買ってみた人間ですが、読んだ当日には続刊を発注していました、お急ぎ便で。
読みだしたら止まらなくなる作品です、気を付けてください。

本作は作者が洋ドラの引きが強いシリーズ構成に憧れ、「続きが待ち遠しくなる事」を目指して書かれたそうですが、まさしくその通りになってしまいました。

はじめは受けが抱える記憶障害の重さに理解が及ばず…

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リバーサイドベイビーズ 小説

砂原糖子  雨隠ギド 

ツッコミなしのボケ×ボケ高校生

ツッコむ人がおらず、ボケ×ボケ状態になっている高校生カプ。序盤から多真上の言動に恐怖を感じていたら、ついにやらかしてしまった。いくらマイペースでズレているといっても、脳震盪で倒れた意識のない相手を強姦するのはさすがに許容範囲外。反省はしてたが、もう少し挽回して欲しかったと思う。

三丈は感情は分かりやすいけど、あらすじでおバカ高校生と言われている通り考え無しな行動を簡単に起こし、その思考にはつ…

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世界のすべてを君にあげるよ 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

切なさを演出する文章が好きすぎて

結構ガチに駆け落ちしてたお話。省也視点で、省也の葛藤がめちゃくちゃ伝わってくるのに、どうしても洸生の方が不憫で気の毒でそちらに肩入れして読んでしまう。切なさを演出する文章が素晴らしく、その表現力で泣かされた気がした。

省也は心理描写がしっかりあるので気持ちは分かるけど、洸生を振り回しすぎかな、と思う。期待を持たせたり時限爆弾(比喩)を仕掛けたり、逃げたり戻ってきたり。これでは洸生もいつ消える…

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毎日カノン、日日カノン 小説

砂原糖子  小椋ムク 

優しい気持ちが溢れるお話でした

表紙買い。ふんわりした柔らかい表紙がとても素敵で。期待以上でした。お互いを思いながらも立場の違いで受け取り方が違ったり自ら距離を作ったりして切なくて泣きながら読みました。一緒に暮らし始める時も可音が家を出る事を決めた時も、もう読んでて苦しくて。すれ違った気持ちが通じた時はもう、涙が滝でした。
子供の頃のキャンプで怪我に発展したエピソードや大切なテディベアが無くなった思い出も、なんか自分も昔こんな…

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世界のすべてを君にあげるよ 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

No Title

砂原糖子先生の作品は何冊か読んだことあるのですが、こちらが一番好きでした。ちょっとシリアスな感じ、切ない感じが好きな方には響くと思われます!ぜひぜひ読んでみてほしいです。

主人公の洸生と省也。両思いスタートのお話。兄弟のフリをして駆け落ち先で暮らしています。お互いを愛するゆえに…っていうお話です。省也の知り合いがやってきて、途中ドキリとさせられる場面もあり、読み応え抜群でした。

「世界…

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灰とラブストーリー 小説

砂原糖子  穂波ゆきね 

振り回し、振り回されて

ナチュラルに嫌味な物言いをする久我山に
最初は驚きと少しの腹立たしさを感じてしまったけれど(笑)
そのマイナスイメージをひっくり返していくようなストーリーになっていて、どんどん印象が変わっていくのがすごく面白かったです。

プライドが高い上に口も悪く、引っ込みが付かなくなるとどんどんエスカレートしていく様子は大人の言動とは思えないほど。
中馬にも一方的に噛みつき、先入観から差別的な発言を…

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バーテンダーはマティーニがお嫌い? 小説

砂原糖子  ミドリノエバ 

面倒くさいけど愛おしい

拗らせまくってめちゃくちゃに面倒くさい戸原ですが、一周回るとそれが愛おしく感じる不思議。
熱量低めな杜野との組み合わせがすごく良かったので、ふたりのキャラまるごとツボでした。

自分の性指向を認められず、それを隠したいだけではなく他人まで否定しまくっている戸原。
そんな彼の言動で10年前も再会してからも杜野が傷付いてしまうのは切なかったけれど
結局は戸原自身もダメージを受けていて、あっと…

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言ノ葉便り 文庫版 下 小説

砂原糖子  三池ろむこ 

”光”の番外篇集、後日談。変わるもの、変わらないもの

はーーーー…何一つ文句なし!、の「神」評価です。

「言ノ葉ノ花」後日談集。
特典ペーパーや小冊子の内容に加え、書き下ろし「言葉のあとさきーあとー」が
加わった一冊です。

上巻の「言葉のあとさきーさきー」で余村が見つけた日記帳が、
こんなふうに下巻の書き下ろしに続くんですね...
読後直後の今、光の余韻に浸っています。

自分の気持ちや感情を言葉にして表現するのが
極端に苦…

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