佐々木久美子さんのレビュー一覧

シナプスの柩(下) 小説

華藤えれな  佐々木久美子 

「魂の再生」の夢分析が「幸福の領域」

この小説は、深層心理に興味を持つ人が読んだら、多分物凄くオモシロイ内容だと思います。特に、ユングの夢分析にほぼ沿っています。自分探しのヒントになると思います。

なので、この小説を深層心理分析に興味がない人が読むと、エロ少な目だし、訳不明の陳腐な内容に感じると思うので、お薦めしません。読まない方が良いです。
不評レビューが上がると、努力して再編集した著者の労が報われない、気の毒すぎます。

4

シナプスの柩(上) 小説

華藤えれな  佐々木久美子 

「シナプス(ニューロンの接合部分)」の棺=記憶の遮断

BL版白い巨塔? 
あとがきに書かれていましたが、著者が専門家の情報を得ながら書きあげた作品だけあって、いい加減ではなく真面目に細かく書かれていてとても面白かった。
でも、テーマを欲張りすぎたのか、少し物足りない。悪徳院長をもっと追い込んでやって欲しい。

特に、主人公の水斗が記憶喪失になって、記憶を取り戻すまでのプロセスが、専門家の情報を元にしてしっかり書かれているなーと、興味深々でのめ…

5

片角の暴鬼 小説

かわい恋  佐々木久美子 

嫉妬に燃える鬼は良き

孤独も愛も知らない者と謎の美しい青年が今まで持たなかった感情を知っていく…という大好きな設定と、かわい恋さんは何作か読んでとても良かったので購入。表紙も挿絵も素敵です。牙狼丸が鬼味強過ぎず、時代設定ふんわりなのも読みやすかったです。

和氣は初めから包み込むような優しさ柔らかさをもって牙狼丸を癒します。角を舐めたりいじらしい部分が出てくるのが可愛くて堪らなかったし、人生に絶望する事なく最後村人…

2

愛されたくない 小説

夜光花  佐々木久美子 

狂気の面白さ

 表紙のタダならぬ不穏な表情に言いようのない不安を感じながらも、エグい内容を期待して手に取ってみた。普段ならば、絶対買わない汚いイラストに怯んだが、「 夜光センセの趣向ならば…」と。 なによりも表情が凶悪過ぎて読まなければいけない気がした。

感想は、「昼下がりのBLメロドラマ 」だと思った。 背後霊のように張り付く攻めの、ヨレヨレクズ炸裂っぷりに「シバいたろか、コイツ, 離れんかいっ!」の文…

2

哀しい獣 小説

火崎勇  佐々木久美子 

鬼神が子供を守って育てる話

自然災害を鬼や大蛇で表現した民話のBLジャンル現代版でした。
タイトルの「哀しい獣」は、銀のことなのかな?銀は、鬼神で、獣じゃないです。

昔、僧によって岩に封じられた鬼神の銀が、山津波で壊滅した村でたった一人生き残った10才の男の子;亮を、親の代わりに町に出てずっと育てる。

或る晩、寝ている亮の枕元で、銀が誰かと会話しているのを聞いてしまう亮。
「亮が他の誰かと一緒になるまで、傍に…

3

愛されたくない 小説

夜光花  佐々木久美子 

受けで世界が回っている執着攻め

凌辱・強姦ものでヒットしたこちら。
実は夜光さんだと気づかず購入。
合う合わないが個人的に分かれる作者さんなので積読してました。
が、もう見事にツボに入りました!
夜行さんの現代ものが合うのかも。

攻めの執着加減と受けの嫌がりっぷりの塩梅が絶妙にヒットです。
嫌がってくれてありがとおおおって気分です。

受けからしたらとんでもなく恐ろしい存在。
嫌っても嫌ってもどこまでもつい…

2

真夜中の太陽 ~弁護士調教~ 小説

鬼塚ツヤコ  佐々木久美子 

スピンオフに期待

受け攻めの関係性に萌える鬼塚先生の作風がすごく好きなんですが、この作品はあんまりグッとこなくて残念でした。本の厚みといい、タイトルにある「調教」といい、ものすごく楽しみにして積んでいたんですけど…。

2012年刊行といえども結構時代を感じます。たった8年と感じるか、8年も前?と感じるかで年齢がでますね…笑

ページ数の割に内容は半分の分量でも収まりそうでした。受けと攻めのすれ違いをエロで…

1

淫狼 ~インモラル・バディ~ 小説

松梶もとや  佐々木久美子 

面白かった!

あとがきでデビューノベルズと知って驚きました。これだから知らない作家さんの作品を買うのを止められません。期待の新人作家さんだと思いました。

読み易い文章と面白い展開は勿論の事ですが、受けのレイが獣墜ちしてしまうのか?タイラはどうやって彼を救う事が出来るのかと終盤まで夢中で読みました。

"凶獣"という圧倒的な敵を蹂躙するが如く1人で殲滅するレイの秘密、誰にも何にも関心…

4

淫狼 ~インモラル・バディ~ 小説

松梶もとや  佐々木久美子 

初長編でこのパワーはスゴい!!

2020年刊。
松梶さんの小説は先に短編『禁忌の密約』のみ読んだ事がある(*注・ガチ兄弟ものです)が、初長編でこのパワーはスゴい!!
今後色々な作風が持ち味の一つになってほしい、期待したい新人さんだ。

あらすじに戦闘部隊云々とあったので、今流行っているほわほわしたファンタジーとは違うんだ…とは感じた。
ただ、突如地上に出現した異形の脅威、人々は壁を構築して防衛している生活…といった序盤…

3

淫狼 ~インモラル・バディ~ 小説

松梶もとや  佐々木久美子 

"異質"な一匹狼同士が出会い、知り、深まる

めっっっちゃ良かった!!!!

個人的に攻めと受けの間で命が関わるやりとりや刹那的な生き方にとても弱いので、もぅ…めちゃくちゃ良かったッッ!としか言えない…。攻めがね、すごいんです。諦めないの。繰り返し繰り返ししつこいぐらいに気持ちを伝えるのにグッとくるんですよ(;///;)

世界観は先の姐様も書かれているように某人気漫画の設定は過ぎりました;壁とか壁の外に太刀打ち出来ない生き物がいると…

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