はなれがたいけもの 恋を知る

hanaregatai kemono

はなれがたいけもの 恋を知る
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神43
  • 萌×212
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
5
得点
276
評価数
66
平均
4.3 / 5
神率
65.2%
著者
八十庭たづ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
シリーズ
はなれがたいけもの
発売日
価格
¥1,300(税抜)  
ISBN
9784799746455

あらすじ

家族がひとつの群れで
離れることなく
ご飯を美味しいと思えれば
それがなによりも一番だと
ディリヤは思う。

金狼族の王代ユドハと人間の兵士ディリヤ、二人の子のアシュ。
双子の赤ちゃんも生まれ、家族は幸せな日々を送っていた。
だがディリヤの前に、金狼族に敵対する部隊<狼狩り>に
所属していた過去を知る、かつての上官が現れ、家族を狙う。
アシュを守って戦うが、囚われたディリヤ。
ユドハは愛しい恋しいつがいを取り返すために動き出し…!

恋どころか、もう愛を交わしているのに、
まだ告白する前の未熟な片思いのように、
目の前のオスに恋をする。
何度も、何度でも。

WEB発獣人BLの傑作! 大人気作の続編が書き下ろしで登場!

表題作はなれがたいけもの 恋を知る

ユドハ、金狼族最強の兵士で国王代理、29
ディリヤ、元敵国の兵士でアスリフ族、24

同時収録作品ゆるすひと

フェイヌ、半狼半人の部下
エレギア、人間の国ゴーネ帝国の大佐

その他の収録作品

  • しあわせなおしり
  • ディリヤのまほう
  • たてがみのはなし
  • 後記

レビュー投稿数5

「愛してる」に泣けてしまった(´;ω;`)

「はなれがたいけもの」続編で、本編と別カップルの短編を書き下ろし。
更に、小説投稿サイトやSNSでの掲載作が収録されています。
完全な続きものなので、気になる方は前作からお読み下さい。

で、今回ですが、タイトルどおりディリヤが「恋を知る」物語です。
前作ですが、暗殺者として敵国の王に抱かれたディリヤが、たった一夜の契りで子供を授かり、やがて二人は番や家族になると言うもの。
そう、二人はまだ恋をしていない!
そこで今回、出会って番として幸せに暮らす二人が、一から恋を始める。
いや、順番としては完全に逆なんだけど、恋に振り回されてるディリヤがあまりに可愛くて、悶絶しましたよ!
二人のイチャ甘にも、萌え転がりましたよ!!
ディリヤが見せる脆さにも、強く心を動かされましたよ!!!

ストーリーとしても更に深みを増しと、とても読み応えがある続編。
ぜひ、二人の愛や家族の絆に感動していただきたいです。

ザックリした内容です。
アシュに加え、双子の赤ちゃんも生まれて、幸せに暮らすディリヤとユドハ。
だが、かつて、ディリヤが所属した「狼狩り」部隊の上官により、ディリヤが拐われるんですね。
ユドハはディリヤを取り戻すべく、単身で敵中に潜入しますがー・・・と言うものです。

で、今回キモとなるのが、この元上官・エレギアの狙いとは何なのか?と言う陰謀部分。
あと、見処となるのが、初めて恋を知ったディリヤの、右往左往する様だと思うんですけど。

えーと、このエレギアの狙いですが、国と国の利権が絡む、複雑なものとなります。
で、ここの部分がかなり面白いんですよね。
宮廷ものなんかがお好きな方は、陰謀渦巻く国同士の駆け引きなんかに、ワクワクしちゃうんじゃないかなぁって感じで。
また、敵でありながら、このエレギアと言うキャラが魅力的で。
実は、前作で最初に出て来た「軍の偉い人」なんですね。
暗殺に失敗したディリヤに、「もう戦争は終わるから関係ない。貰えるものは貰っておけ」と報酬を握らせて故郷に返した。
前作でずいぶん人間味のある上官がいたものだなぁと印象に残っていたんですけど、今回もそのままの印象。
いや、年をとった分したたかにはなってるものの、人間としては合格でも、軍人としては不合格の、弱さや優しさを捨てきれない人物。
兵士としての冷酷さや狡猾さなら、圧倒的にディリヤの方が上なんですよね。
彼の存在が、より作品を面白くしてくれてると思うんですよね。
なんでこんなにコイツの事を語っちゃうかと言うと、短編で別カップルの主役で書かれてて。
なんかすっかり入れ込んじゃったのですよ。
エレギア達が主役の、スピンオフをお願いしたい。

と、話が逸れましたが、今回メインとなるディリヤの恋バナを!
もうこれが、めちゃくちゃ甘いし可愛いのです。
前作同様家族の物語でもあり、アシュや双子の子育てを通して、二人が絆を深めて行く様が丁寧に綴られます。
で、同時に、ディリヤ達の初々しい恋模様が語られると言う。

いや、ディリヤですが、てかユドハもですが、際限なく互いを好きになって行くんですよね。
しかし、好きになればなるほど、その想いをどう昇華すればいいか分からなくなるディリヤ。
好きだと伝えたいだけなのに、どう言えばこれだけの想いが伝わるのか分からない。
だから、身体を繋ぎあう。
で、そんなディリヤの想いを聞き、愛しくてたまらないと叫び出したくなるユドハ。

ユドハなんですけど、前作でもひたすら器の大きい溺愛攻めだと思ってましたが、今回は輪をかけて溺愛ぶりに拍車がかかってるんですよね。
てか、この二人のやりとり、端から見たら甘すぎて聞いちゃいられないんだけど、本人達は至って真剣なのが笑えちゃう。
おいおい、子供を三人も作っておきながら、何を今さら中学生みたいなやりとりをしてるんだい?みたいな。

これね、ずっとこんな感じで、二人が揃えばひたすらイチャ甘なんですよね。
またこれが、甘くて悶絶するだけで無く、時に切なく、時にひどく心を打たれて胸がいっぱいになる。

人間であるディリヤと、金狼族であるユドハの、寿命の違い。
恋する喜びに、恋する切なさ。
大切なものが出来たからこその、失う事の不安。
そして、守り通そうとする強さ。
二人がこれらの事に、一つ一つ向き合う様が丁寧に綴られ、ただただ胸が熱くなるのですよ。

あと、狼であるユドハは、家族を群れだと認識してるんですよね。
で、ディリヤをメスだといい、ディリヤはユドハをオスだと言う。
こんな、印象的な言い回しがとてもお上手な作家さんなのです。
メスよわばりって普通なら引くのに、深い愛を感じて萌えちゃうと言うか。
う~ん・・・。
上手く説明出来ないんですけど、言葉の使い方がとても上手いんですよ。
ひらがなとかを多用してと、かなりクセがあるんですけど、まさに言葉の持つ力を実感させてくれるのです。
ダイレクトに、心に響く文章を書かれる。
すごいね。
これはもう、天性のものだと思う。

ちなみに、イチャ甘だけでは無く、オスとして戦う二人もめちゃくちゃ格好よかったです。
いや、それぞれの目的と守るものの為に、別々の場所で戦う二人。
エレギアとの駆け引きで、ディリヤのしたたかだったり、酷薄な一面が垣間見られるのですが、シビれちゃうんですよ。
また、緊迫感のあるシーンなのに、このやりとりが妙に色っぽくて、「うはあ」ってなっちゃうんですよ。
条件を呑んだエレギアに、「いい子」と言いながら短刀の腹で頬を撫でるみたいな。
いやはや、知っても知っても新たな一面見せてくれるディリヤに、もう骨抜きですよ。

と、そんな感じで、とにかく面白い続編。
本当、最高でした。
あと、最後になっちゃいましたが、アシュ(+双子)も相変わらず可愛すぎでしたよ。
彼の成長にも、ぜひご注目下さい。

16

愛を知った男は、どこまでも強く逞しく、そして美しい

『はなれがたいけもの』の続編。
前作がツボ過ぎて悶えながら読破したので、続編が刊行されると知って発売を心待ちにしていました。続編ゆえ、前作未読だと理解できません。前作未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。

さて。

前作は敵対する国の王を暗殺するために送り込まれた末端兵士(受けのディリア)と、その対象である王(の身代わり)のユドハとの出会い、そして恋の成就までを描いていましたが、その続編ということでさぞかし甘~い展開になっているのでは…?と思いつつ手に取りました。

ラブラブ、甘々なだけだとちょっと食傷気味にもなるかな、なんて思いつつ手に取りましたが、いやいや、とんでもない。甘々あり、ラブあり、エロあり、けれど闘争シーンもあるという読みごたえたっぷりな続編でした。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。



自分の子を産んでくれていたディリヤを手元に取り戻し、そして国を治める良き国王代理として奮闘しつつ、アシュ、そしてジジとララというアシュの双子の弟たちの良き父親として日々過ごすユドハ。そんなユドハが愛してやまないのは、かつて自分を暗殺するために送り込まれた兵士だったディリヤ。狼の国で、人間が王代理の番として過ごすには相当の労力を必要とするであろうに、ディリヤは日々子どもたちに深い愛情を注ぎ、そしてユドハとの愛に包まれ幸せに暮らしている。

過酷な子ども時代を過ごしてきたディリヤにとって、今の幸せは夢のよう。日を追うごとにユドハへの愛情も増し、けれど、かつて「狼狩り」として多くの狼たちを亡き者にしてきた過去から、表舞台に出ることを良しとしない。

次期国王となるアシュの護衛としてユドハによって選ばれたライコウ、フーハクという新しい仲間も増え、日々充実した日を送るディリヤだったが、そこに「狼狩り」の上官だったエレギアがディリヤの前に姿を現しー。

というお話。

序盤はもうほんとに優しくって、エロくって、温かなシーンで埋め尽くされています。子どもたちを甘やかすだけではなくきちんとしつけをするディリアの親としての愛情、ユドハとの恋の日々、新しい家族も増え、本当に幸せな描写が続きます。

子たちとの家族愛もほのぼのほっこりで多幸感満載ですが、ユドハ×ディリヤの2人の深い愛情にもめっちゃ萌える。自分が生きるために人を殺めることも厭わなかったディリヤが、ユドハを恋をして、少しずつ人としての感情を芽生え始めた感じ。

が、そこにエレギアが現れたことでその温かな空気感は一変します。

エレギアがディリヤに接触を図ってきたのはどんな意図があるのか―?

と、そこを軸に展開していくストーリーでした。

もともとディリヤは、その生育環境から自身に対する執着が薄い。
自分のことよりも他人のこと。
それが、子やユドハになればもっと顕著になり、自分のみを犠牲にすることに何のためらいもない。

エレギアに攫われ、危機的な状況になるディリヤではありますが、子やユドハと離ればなれになったことで、自分の彼らに対する愛情を再確認する展開には、お約束と思いつつ萌えが滾りました。

もともとこの作品には萌えポイントがたくさん詰まっています。

スパダリ。
薄幸健気受け。
可愛いちびちゃんたち。
モフモフ。

盛りだくさんなバックボーンを存分に生かした展開になっていてストーリーが上滑りしていない。伏線を回収しつつ、二転三転する怒涛の展開も面白すぎる。

で、今回のディリヤたちの敵となるエレギアですが、彼もまた、めっちゃ良かった…。

いやいや、なかなか悪いやつなんですよ、エレギアという男性は。
そもそも前作でディリヤに王暗殺を命じた非道な上官なのですが、前作とイメージがガラリと変わりました。その変わった理由、も、きちんと描かれています。

で、ですよ。
エレギアにも、彼の魂の番といっていいでしょう。
常に彼の傍を離れず、守り、尽くす、腹心の部下でもある人物がいます。

恋人、という甘い関係ではない。
上官と部下、という生易しい関係でもない。

まさに、光と影。
魂の片割れ。
そんな関係なのです。

この二人はディリヤに酷いことをする敵対する関係ではありますが、彼らの存在なくして今作品は成り立ちません。素晴らしいサブキャラでした。

彼らをメインにした小話が、最後に収録されています。これがめっちゃ良かった…。ぜひとも彼らメインのスピンオフ作品を書いてほしと絶賛切望中であります。

ディリヤが攫われ、若干痛いことをされるシーンがあるので、そういったシーンが苦手な方は注意が必要ですが、とにかくディリアがカッコよすぎて悶絶します。攻めのユドハもカッコいいですよ?カッコいいんですが、圧倒的なスパダリであるユドハをも上回るカッコよさが、ディリヤにはあります。

彼の強さは、かつては自身を守るためのものだった。
が、愛を知り、家族を得て、その強さが愛するものを守るためにいかんなく発揮されています。愛を知った男の強さと逞しさと、そして美しさは留まるところを知らない。

前作がツボ過ぎて、それ故に今作品の期待度も上がってしまっていましたが、その期待を裏切らない素晴らしい作品でした。

11

もふもふもラブもバトルも堪能させて頂きました

今回は金狼族最強を誇る国王代理と番である元敵国の兵士のお話です。

ウルカ国の失墜を狙うゴーネ帝国の政略に受様が巻き込まれる本編と
子供達との幕間的短編と受様の元上官の短編を収録。

受様は達悦した身体能力をもち赤目赤毛が特徴的なアスリフ族出身の
人間です。アスリフ族はどの国にも属さず、12才前後で出稼ぎに出る
のが一般的でした。

受様が出稼ぎに出た時期は人間の国のゴーネ帝国と金狼族の国のウル
カ国が戦争中で、一番手っ取り早い金稼ぎとして受様は人間側の軍に
入ります。

下働きから5年、兵士となった受様は人の間では年相応でも、金狼族か
ら見れば幼い子供か華奢な少年に見え、彼らの油断を誘う容姿故に、
ウルカ国王暗殺の役目に抜擢されます。手付金だけで出稼ぎの何年分
にもなり、受様は死を覚悟して任務に就きます。

受様は金狼族の王への献上品の1つとして貢がれ、王が閨で油断したと
ころを暗殺するために身を任せます。金狼族のオスは望めばどんな種
族でもオスであろうと子を孕ませることができるのですが、受様は自分
を孕ませたいと望む王との情交に喜びを感じ、刃を向けられませんでし
た。

戦いはゴーネ帝国の敗戦で終わり、戦争用に雇われた出稼ぎ労働者であ
る受様は用無しとなります。妊娠を知った受様は決死の思いで出産し、
金狼族の資質を色濃く宿す息子を1人で育てていました。

そんな受様の息子の父親こそが攻様なのですが、攻様は兄王の影武者を
務めていて受様を抱き、戦後は自らの子を宿したであろう受様を探して
いたのです。ウルカ国の内紛に巻き込まれなながら受様は攻様と心を寄
せ合う番となり、さらに双子を産みます。

攻様は国王代理としてよく国を治め、受様はそんな攻様の最愛の番なが
らも決して表に出ることなく、子供達を守りながら慎ましく暮らしてい
ました。攻様はそんな受様と子供達を心から愛し大切にしていますが、

かつて受様が傭兵として雇われていたゴーネ帝国との停戦記念式典に
受様のかつての上官が出席していた事から、受様は攻様の失墜を狙うゴ
ーネ帝国の陰謀に巻き込まれ、ついには拉致されてしまいます。

受様を捕えた元上官は受様に攻様は暗殺されたと言い、受にゴーネ帝国
のスパイとして寝返れと迫ります。

果たして攻様の死は真実なのか!?
そして受様は再び子供達の元に戻れる事ができるのか!?

八十庭先生の既刊「はなれがたいけもの」の続編です。既刊で2人は
番となり、家族となっているので、本作から読み始められなくはない
ですが、既刊を読了してからのほうがより楽しめるお話です。

受様は攻様の正体を知らず、息子を宿し、王の死を知る事でただ1人の
親として息子を立派に育てる事に全力を注いで生きてきます。攻様と
再会した事で初めて自分を包み込むように愛してくれる存在を得ます。

攻様への恋慕を自覚するの前に母となった受様は攻様との暮らしの中
で改めて攻様に惹かれていく受様は自身の気持ちを現す術を知らず、
言動が無自覚にストレートで甘々でキュンキャンさせられました♡

そして子供達と対するシーンがもう萌えしかない ヾ(≧▽≦)ノ

小さな子供に対する接し方としてはちょっと厳しめではありますが、
特に厳しいほどに考えさせ、目指すべき道へと導く受様の子供達へ
の愛と信頼が溢れているし、もふもふな子供達がとってもキュート♡

そんな幸せ一家に忍び寄る影が受様のかつての上官であるゴーネ帝国
の軍人なのです。帝国元帥を父に持つ彼はウルカ国に混乱を巻き起こ
すべくかつて狼狩り部隊にいた受様に目を付けるです。

帝国を牛耳る元帥派と彼らの政策を快く思わない若手将校達、攻様に
失脚させられた太皇太后一派、狼狩りに対する遺恨を持つ者達が絡ま
りあって進み、受様の救出劇と絡まって子供達が優しい父母を取り戻
すまでハラハラ&ワクワクが止まりません!!

既刊でも思いましたが、ファンタジーでありながらキャラクターの
生きた方がとてもリアルです。受様の生き方は直向に真摯であり、
とても生き難い生き方だと思うのですが、自分の信じる道をまっすぐ
に生きる受様の姿がとても胸を打つお話でした。

八十庭先生のツイッターフォロワー限定短編もすごく良かったので
おススメです♪ そして更なる続編を期待したいです (^O^)/

4

前作より面白かった

前作よりはとても読み易くなってました。
相変わらずとても長い作品ですが、今回はテンポ良く物語が進んだので読んでいて楽しかったです。前作はディリヤの感傷的な心情がこれでもかと何度も繰り返されたので、とても苦痛で仕方なかったんです。
今回は書き下ろしだったのが幸いだったのかもしれません。
でも今作を読むならやはり前作を読むべきなので、これから読む方は心して読んでくださいとしか言えません。

ディリヤはとても強くて美しくてかっこいいというのが、今作で良く分かりました。家族とどうありたいのかの気持ちが固まったからだと思いました。
ユドハとの番としての息もぴったりで共闘シーンはとても面白かったです。

ユドハの立場もハッキリしたので続編も楽しみになりました。ゴーネ帝国があれからどうなったかも知りたいです。

ただ出来るならば今作の半分くらいの量にして欲しいです。

2

命は壊れたら作り直せないことをアシュが学ぶ

ユドハとディリヤは、何時までも初恋と同じ気持ちのまま。
ユドハにだけ見せるディリアの笑顔は、とても美しい。それ以外は無表情。
12歳から傭兵になり、殺人ロボットのような無情緒のディリヤでしたが
ユドハと出会い、子を生み育てることから、生き物らしい気持ちを取り戻して、失う恐れと愛を知る物語。

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金狼族の王代ユドハと人間の兵士ディリヤ、二人の子は、アシュ、双子の赤ちゃんも生まれて幸せな日々を送っていた。
ある日、酔っ払いの人間が塀をよじ登ってきた。ディリアが当身をした酔っ払いを人間の部隊まで送り届けた帰り、ディリヤの前に、金狼族に敵対する部隊<狼狩り>に所属していた過去を知る、かつての上官が声をかける。
その後、家に戻ったディリアは、死と寿命についてアシュに教えます。人は、獣人より寿命が短い。
アシュは、ディリアを失うことを考えると辛すぎて、、赤ちゃん返りをして泣いて離れなくなります。
寝不足のディリアに昼寝をさせて、ユドハはアシュと積み木遊びをしながら会話をします。
積み木で塔を作る途中、積み木が壊れてしまう。アシュはユドハに「ディリアも壊れたら、作り直せる?」と尋ねます。ユドハは、「無理」と答えます。
アシュは、ディリアを見ると、大好きなのに悲しい。哀しくてどうしていいのか分からないと、泣きます。
ユドハはアシュに、ディリアがアシュを誇らしく思うような生き方をしなさいと教えます。
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良い親子の会話だな~ アシュは、幼児言葉ですが、語る内容は大人です。
・・・「命」について、「家族を愛すること」について、子供に優しく教えるこの場面は、読んでじーんと沁みました。
幼い子供に語る場面だけを抜粋して、絵本にして読んであげたくなるくらい良いシーン、いい文章を書く作家だなーと、涙を拭きふき読みました。

この後、ディリアに災難が降りかかるのですが、ユドハが狼らしく解決。
あぶない目によく遭うディリアが心配になってしまう。長生きしてほしいです。

余りも面白いので、早く読み終えないよう休み休み読んだのに、読了してしまった。続編が待ち遠しい。
期間限定で、今なら著者tw(@YSNWtds)をフォローしたら、ssを讀めます。
 ◼️プライベッター(http://privatter.net/u/YSNWtds)に短編を掲載中 ◼️

2

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