二一さんのレビュー一覧

恋愛教唆 小説

二一  伊藤モネ 

堅実!

堅物×軽薄
タイプが真逆で毛嫌いしてるくらいだったのに
引き込まれていくのが良かったです!!

朴訥無愛想な整備士に一目惚れしてナンパ
のらりくらり軽い態度なのもあって李人は全然なびかない
違いが多すぎて軽蔑してるくらいだったのに  
そそのかしてくる癖にいつも逃げ道を作ってしまう縁の軽薄さの裏の強さと弱さを知って
どっちがどっちな攻防に変わってかの読み応えありました!!
 

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雨夜の月 小説

二一  青城硝子 

独特の雰囲気を醸し出す作品。

静かに読ませる作風でありながら、書き込まれた心理描写には解釈の余地があり、考察しながら読める一方で雰囲気小説としてさらっと楽しむこともできる。こういうのを求めて同人作品を読み漁ってるという、見つけて嬉しくなった作品。

小説家の八尋は、まあアクの強い人物。口の悪さや偏屈といった誰の目にも見えるところだけでなく、内面にも歪みを抱えているような。その根底に、作品冒頭で描かれた過去がどう影響している…

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春に恋う 小説

二一  伊藤モネ 

とても切ないお話。

前半はコロコロ視点を変えて、血の繋がりのない三人が家族のように過ごす日常が描かれる。後半は眞白視点で、雪弥との関係の変化や、進路や実家問題など。人の死に直面するストーリーが心理描写重視で綴られており、静かな文章がとても良かった。

雪弥と隆心は養子縁組をして、戸籍上でも家族になっているカップル。眞白の救いであり逃げ場所でもありながら、ほのぼのと穏やかな日々を過ごしている。

印象的だったの…

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LOST II 小説

二一  伊藤モネ 

最後の一番いいところで、なんでそうなっちゃうの

仲間を失い、後悔の念や喪失感の中でもがき続けてきた男の心の闇に迫る後半戦。素晴らしい読み応えでした。

このII巻は、I巻のネイサン視点とは変わってクレイ視点で話が進みます。
ヒュプノス島で戦死したとされるネイサンのことを想いながら、島の謎に迫っていくストーリー展開です。
あの島には何が隠されているのか、かつての仲間たちなはなぜ死ななければならなかったのか、そしてネイサンはクレイに何を伝え…

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LOST I 小説

二一  伊藤モネ 

生き残り兵士のリアルな内面に迫る光と闇の物語

BLを純粋に楽しむというには背景が重めな内容だけど、こんなに読み応えのあるストーリーに出会える機会はそうそうないと思う。
BLを読んでいるのか、ヒューマンドラマを読んでるのか分からないほど、主人公2人の背景描写が緻密。敵との戦闘シーンは本格派そのもので、無傷で生還しないところや仲間が非業の死を遂げたところなど、凄惨な現場であったことが分かるシーン展開には身震いがしました。

とある島に、調査…

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Re:dial 小説

二一  伊藤モネ 

デモデモダッテとぐるぐる

主人公が終わらせなければいけない恋に決着をつけ、新たに歩き始めるお話。相互救済でもあるかも。中盤からずっとデモデモダッテとぐるぐるし続ける心理描写に疲れる。こんな受けを根気強く開いていく攻めがただただすごいと思った。

いなくなった昔の恋人を忘れられず、携帯に番号を残し続ける寿朗。その相手は、山に入って7年経っても見つからないことから死亡届が出されたらしく、もしかしたら……と希望を持ってしまう…

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グッバイステップ グッバイステップ 1 小説

二一  COM 

少年から大人になるまでの過渡期

がとても丁寧に書かれています。マイノリティもマジョリティも1人の人間の中にどちらも詰まってて、その複雑な絡まりの果てにその人が出来上がっていて、だから同じカテゴリーの中にいても同じ気持ちを共有出来たり出来なかったりするんだろうな。と、読んでて思いました。
少年時代の守られた安全地帯から新たな世界に移行していく。不安と恐怖とコントロールの効かない自分の心と。読んでて何度も苦しくなって、でも読んで良…

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Re:dial 小説

二一  伊藤モネ 

安く買ってごめんなさい

なんとなく電書サイトを見ていて「やっす!」とあまり期待せずに購入しました。
がしかし、ページ数も少ないのにとっても読後感が良いお話でした。

ひとりでいることの寂しさに絡め取られている心に、お互いがぬくもりを与え合えるそんな大切な存在に出会えた奇跡。
ずっと穏やかにこれからの人生を過ごすのだろうなと幸せな気持ちで読み終わりました。
ほかの作品も読んでみようと思います。

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自称幸福論 小説

二一  あいだはるか 

自分以外の人が大切すぎて

kindleunlimitedでお見かけして、それ以後ポツポツと読ませて頂いてる二一先生。
やり場のない心情がありありと書かれているので気持ちが想像に難くなく、毎度読み入ってしまいます。

このお話、会計士の受け様・曜介と定食屋店主の攻め様・十弥のお話なのですが、この人たち含め周りの人もみんな、誰かに幸せになってほしいし幸せになりたいのにまぁーーうまくいかないんですね。そういうどうしようもな…

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Re:dial 小説

二一  伊藤モネ 

薄暗い先に見える小さい灯みたいな展開

10年、消せずにいた忘れられない人の電話番号に、誤って発信をしてしまう。
それは、違う人の番号になっていた。
その人は、偶然かかってきた見知らぬ人の電話で、生き直す切っ掛けを得る。

・・この作品を読んで思いだしたのは、
ウォン・カーウァイ監督の映画『欲望の翼(1990)』で、
そのエンディング曲 アニタ・ムイの「是這樣的(ungle Drums)」
あの映画も、マギーチャンがずっと…

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