弓
短編集でないはらだ先生の作品で、最も一般的なBLっぽく、読みやすい且つ萌えられる箇所もたくさんある作品ではないかと思います。『やたもも』1巻も割と読みやすいですが、あれはビッチ受けが苦手な人は手に取りづらいと思うので、はらだ先生の作品を初めて読むという方にはこちらをオススメしたいですね。
リバ表現も含んでいますが、読後はほぼリバだったことを忘れるくらい攻め受け固定の印象しか残らないので、…
【やじるし(表題作)】
大学の同級生で、パシる攻めとパシられる受け。飲み会で1人でいるところに声を掛けてもらったのがきっかけで攻めに惹かれる受けですが、気持ちを伝えた途端パシリや性欲処理の道具としていいように利用されてしまいます。最後まで攻めはクズのままですが、無理矢理犯された受けが泣きながらそれでも好きと伝えた瞬間に、心が揺れ動いた攻めの表情が見れたので満足です。
【ひきずる音】
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1巻がモモの現状、八田ちゃんとの出会い、2巻がモモの暗い過去が滲み出す話でしたが、この3巻は須田とも母親ともきちんと決別しモモの明るい新たな人生が始まるという、最終巻に相応しい内容となっていました。栗田の行動力を見習い負けたくないとモモに正直に話す八田が男気があって惚れます。八田と須田との大人げないやりとりは笑えるポイントがたくさんあったのですが、最後の須田の「モモは、君くらいの世話焼きがよかっ…
幼い頃から愛を切実に求めていたけれど与えられなかった、というキャラクターはBL界隈にたくさん存在すると思いますが、この描き方は非常に新鮮味を感じましたし、さすがははらだ先生です恐れ入りました。もうただただキャラクターの表情に込められた凄まじい熱量に圧倒されるばかりでした。モモという人格がどのように形成されるにいたったのか、本当に丁寧に描き上げられています。1巻でモモの魅力を十分に理解できなかった…