絢桜
まだ最終巻ではありませんが、クライマックスと言っても過言ではないほど、満足感がたっぷり味わえる巻でした。何よりも、秋彦が雨月と決別し、春樹の手を取ったことに感動。雨月を愛していた、でも、音楽を楽しいとは思えなくなっていた秋彦。彼がもう一度音楽の楽しさを思い出せたのは、ギヴンというバンドと、春樹という存在のおかげだった。そこで彼は恋にも音楽に対する気持ちにも決着をつけて、雨月の元を去る決断をした。…
今回は秋彦と春樹に重点の置かれたストーリーでした。今でも両想いな秋彦と雨月。ただ、お互いが音楽の道を極めるには、相手の存在が重荷になってしまう。これは2人の中での非常に感覚的な話なんだと思いますが、感性で作曲し演奏する以上、やはり見て見ぬ振りはできない感覚なんでしょうね。一見両想いなら音楽面にも良い影響がありそうだけど、特に雨月にとっては、秋彦に無防備な自分を晒け出す生活の中では思うような演奏が…
立夏達のバンドは初ステージの後トントン拍子で調子を上げていき、フェスの二次審査も通るほど実力が認められ、読んでいて気持ち良かったです。上手く行き過ぎとも思えるかもしれないけれど、元々1人ひとりの技術力もしっかりあって、そこに真冬の人の心をぐっと掴む声が乗っているわけですから、客観的に考えても納得の反響なのかなと思いました。もちろん今後壁にぶつかることもあるだろうけど、皆で踏ん張ってどんどん前へ進…
1巻よりも演奏シーンにかなり躍動感が出ていて引き込まれました。このバンドがどんな激しい音を奏でているのか、そこに真冬の激情を孕んだどんな声が重なっているのか、イメージが膨らみます。真冬と由紀の話も切なかったです。彼が真冬を心底愛していたことを知り、彼の死の直後から今立夏とバンドを組んでステージに立つまでの間、真冬が由紀について折り合いをつけることはどんなにしんどい作業だったただろうと思いました。…
バンドの演奏シーンには雰囲気に頼っていてまだまだ躍動感が足りないかなぁという印象を受けましたが、肝心のBL面についてはこれからどんな風に上ノ山が真冬と距離を縮めていくのか気になる終わり方で、続きを読みたいと思わせるには十分だったと思います。真冬の歌やバンド全体の演奏シーンはまだそこまで多くはないので、2巻以降もっとイメージしやすい濃い描写になることを期待しています。
真冬のほわほわ感は最…