雀影
不穏な雰囲気で終わった前巻でしたが、今回は有岡の線引きが絶妙で、まだ完結には至らないもののじっくり関係性の変わっていきそうな2人に引き込まれました。有岡は思ったことを割とそのまま言いますし、未だに衝動的に行動する時もあります。しかし、三島の意志をちゃんと確認して自分が引く選択肢も持つようになり、三島の言葉を素直に聞き入れることもできるようになってきたんじゃないでしょうか。
それでも三島は…
生徒×先生ものとして王道的展開を辿りつつ、先生自身の叶わない恋愛も交えながら、ちょっぴり切なさを漂わせる物語となっていました。生徒である有岡が気持ちを打ち明け、先生である三島が「思春期特有の勘違いだから」と一蹴するのはベタ中のベタですが、三島もずっと見込みのない恋に悩んできて、そんな自分と有岡を重ねながら2つの矢印の狭間で葛藤する姿が印象的でした。
有岡がぐいぐい攻めるタイプなので、三島…