まひるま
(旧版を読んでの感想です。)最後の最後まで魅せてくれた作品でした。何不自由ない贅沢で穏やかな暮らしを手に入れても、サーカスで生きた日々への妄執から逃れられないトリノス。ブランコから落ちた弟、ピンで頭を打って以前のようにジャグリングができなくなったレオ。華やかで非日常的なあの夢の世界は、ただ綺麗なだけではない。命の危険や能力を失う危険、舞台上でも私生活でも自分の身体が自分の思い通りにならない辛さと…
(旧版を読んでの感想です。)とにかく最初から最後まで目の離せない作品でした。ストーリー展開はもちろんのこと、中村先生の洗練されていながら毒も孕んでいて、1つひとつのコマが芸術であるかのような魅惑の絵にも、引き込まれざるを得ないんです。主人公・トリノスが、恐らく彼自身にも説明のできないあまりに複雑で入り乱れた感情を抱いているから、それを表現する絵も自然と混沌とする。でも、様々なものが絡まり合った中…