小山田あみさんのレビュー一覧

華は褥に咲き狂う~鬼と剣~ 小説

宮緒葵  小山田あみ 

時代劇エンタテインメント(シリーズ化望む!)

御台所が男でそれも攻めというぶっ飛んだ内容の前作にウヒョウヒョ言ったのは私だけではない様で、待望の続編が出ました。嬉しい!楽しい!

このシリーズは「スパダリ受け」の傑作だと思うのです。特に光彬さまなんてKing of スパダリですよね。将軍様という身分だけではなく、心持ちの高潔さや弱いものに対する慈悲、頭脳明晰で眉目秀麗、おまけに人心に厚く人脈も広い。無鉄砲なほどの行動力もある。(この辺、前…

9

悪びれない男「買われた男」番外編 グッズ

正に「悪びれない男」です

本品は『買われた男』の
フェア書店限定特典ペーパーです。

本編後、
ある夜の情事後のお話になります。

宗司の絵のために買われた関係から
めでたく恋人関係になった孝祐ですが

恋人になったからといって
床事情が変わることもなく
今夜も激しく抱かれてしまいます。

夜中にふと目覚めると
宗司に身体を拭かれている上に
腕が上がりません。

寝ぼけた顔で
どうして…

3

スレイブ・ゲーム 小説

綺月陣  小山田あみ 

ライオンとリスと変態と

タイトルに『スレイブ(奴隷)』がついて不穏な感じですが、すっごく面白かったー!
表紙には3人。この中の2人が1人をスレイブにするのかと思ったんだけど、真ん中の大悟(攻め)は終盤巻き込まれるだけです。
スレイブにされるのは左の理久(受け)。
理久をスレイブにするのは右のトーマです。

理久の私生活トラブルをトーマが解決してくれ、その報酬を理久の体で払わされる事になるんだけど、トーマが悪徳弁…

17

極道はスーツを愛玩する 小説

中原一也  小山田あみ 

猛り立ったり、もどかしかったり

極道物の古典とも言えるシリーズの初期作品。
多分、第1作はドラマCDを先に聞いて、その頃まとめ買いして積んだままになっていた原作シリーズ本を発掘。

BLに登場する極道たるもの、こうでなくっちゃいけない!って程のスーパー絶倫な攻めっぷり。
傲慢な振る舞いも、自分の愛する者は徹底的守り抜く、愛ゆえの独占欲。
対する受けの方も、極道の愛人たるもの、やっぱりこうじゃなくっちゃ!って思える、平凡…

2

おやすみなさい、また明日 小説

凪良ゆう  小山田あみ 

涙がこぼれるのだけど、あたたかな読後感。

関連作を読んだ流れで久々に再読したのですが、やはり良い……。

後書きで「編集さんにはBL的にはこのエピソード入れない方が良いのでは?という助言ももらったけど、実はこれが一番書きたかった」とあった巻末SS。これは私もここが一番キモだな、と思う派です。

それぞれに色々なものを抱える二人が、遠回りを重ねて結ばれる涙腺決壊間違いなしの切ないストーリー……だけでも十分に素敵なのですけれど、人生の…

7

ブラックジャックの罠 小説

中原一也  小山田あみ 

甘味成分少なめ。男臭いハードボイルド……でもBL!

まるでハードボイルドを読んでいるような男臭さ。
ある意味、読み応えのある警察小説を一作読み終えたような感じ。

甘さとか、らぶらぶなどとはかけ離れた硬派なストーリー展開で、途中でBL小説を読んでいるのを忘れそうになるほど。
けれどもそこはやっぱり忘れてはいけないところで、ちゃんと鵜飼と西沖のバトルもしっかりと。
……そう、まるでバトルのようなベッドシーン!
それでも、西沖の抱える切ない…

4

おやすみなさい、また明日 小説

凪良ゆう  小山田あみ 

大好きな凪良先生の作品の中でも特に好きな一冊

 大好きな凪良先生の作品の中でも特に好きな一冊。
 
 十年来の恋人に「子どもがほしくなった」という男の自分にはどうすることもできない理由で振られたつぐみは、下宿の大家の孫・朔太郎の優しさに触れ、徐々に心の傷を癒されていきます。当然の流れで朔太郎に惹かれていくつぐみですが、朔太郎には、「俺はもう誰とも恋愛はしない」と決意する事情があって…。

 大好きな人を忘れてしまうのと忘れられてしまう…

5

楽園彼岸 ~蝶の褥~ 小説

夜光花  小山田あみ 

あれよあれよとしている間にお話が終わってました

電子書籍で読了。挿絵有り。

うーん……
上巻を読んで「どうやって話を収拾させるのだろうか」とは思っていたのですが、きちんと収拾はされています。ただ、二人の恋も、匠の記憶障害も、隼人の前職も、そもそもこの大がかりなパニック事件が起きた原因も、なんかそれぞれのエピソードがそれぞれバラバラに存在する様に唐突で、乗り切れないままに、気がつくとお話が終わっているっていう感じでした。
一番印象に残っ…

5

楽園彼岸~溺れる劣情~ 小説

夜光花  小山田あみ 

ボーイズやラブよりも別のことに気をとられて……

電子書籍で読了。挿絵有り。

夜光花さんは好きな作家さんです。ミステリを書いてくれることが嬉しいし、何と言ってもアクションシーンが上手い。一度にたくさんの人間が動いていても、誰が何をやっているのかはっきり解る書き方をしてくれます。だから頭に絵が浮かびやすい。リアルに脳内動画を結べるのは、描写の力量があるからですよね。
なので、現代日本だろうと思われるこのお話の舞台である「ネバーランド」という…

2

哀しくて、愛しい 小説

愁堂れな  小山田あみ 

愛が生まれる不思議

愁堂れなさんというと、2時間ドラマ的なエンタメ色豊かな作風のイメージがあります。
本作はそこから少し外れて、底辺に「死」の静けさ、寂しさを湛えた物語だと感じました。

2人の出会い編「声」。
2人の結びつき編「夏」。
攻め・安原の方にも転機が訪れる「恋」。
安原視点の短編「愛」。
…の4編で構成されています。

「声」の冒頭、いきなり妻子が事故死し、何もかも麻痺してしまったような…

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