不在の痕~ヘル オア ハイウォーター2~

不在の痕~ヘル オア ハイウォーター2~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神47
  • 萌×28
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
10
得点
273
評価数
58
平均
4.7 / 5
神率
81%
著者
S.E.ジェイクス 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
ヘル オア ハイウォーター
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784403560286

あらすじ

民間傭兵派遣会社EEの仲間たちの前から完全に姿を消したプロフェットは、地の果ての砂漠で核物理学者の娘の保護をしていた。もうEEに戻ることはない―そんな彼を引き戻したのは、新たなパートナーを選びながらもしつこく送り続けてくるトムからのメールだった。ハリケーンの中、ルイジアナのトムの叔母の家で再会した二人は、その直後、地元の殺人事件に巻き込まれる。被害者はマイルズ―トムとかつての恋人・エティエンヌの少年時代を地獄にした男だった。そしてプロフェットの携帯にエティエンヌからの呼び出しが―。湿地帯の中に封印された秘密が、次々と暴かれてゆく―人気シリーズ第二弾。

翻訳:冬斗亜紀

表題作不在の痕~ヘル オア ハイウォーター2~

トム・ブードロウ,民間傭兵派遣会社勤務(元FBI・元保安官補),36歳
プロフェット,元海軍特殊部隊・元CIA工作員,31歳

レビュー投稿数10

トムさんの幽霊退治

はじめてレビューを書きます。

それだけ、この小説が大好きで、大好きで、たまりません!
最終巻(4冊目)になるであろう『IF I EVER』を、S.E.ジェイクス先生、どうか書き上げてください!
日本のファンも、首を長くして心待ちにしております。

というわけで、今回はシリーズ2冊目です。

私は原作を読みましたが、

1冊目が、プロフとトムの出会い&退治すべき幽霊の紹介
2冊目が、トムの幽霊退治
3冊目が、プロフの幽霊退治の前半
3.5冊目が、日本で言えば同人誌的な、本編のオマケの2人の短編
そして出版が待たれている4冊目が、プロフの幽霊退治の後半

という感じで進行していくようです(私の英語理解力が低いので確実ではない)。

で、シリーズ2作目です。
1巻で離ればなれになった2人が嵐の中で再会し、抱き合います。
私のうろ覚えで申し訳ないのですが、作者さんのサイトで試し読みした時、この場面がその年のこのレーベルのラブシーンの年間3位に選ばれていたはず!
それだけアメリカ人のファンも多い名シーンのようです。

さて、再会したものの互いの幽霊が邪魔をして2人の気持ちは揺れ動くのですが、トムの幽霊退治にプロフが協力したことで、2人は覚悟を決め一緒にいることを選択します。

エロシーンも、とってもナチュラルで素敵ですし、ストーリーもリアルで、なんちゃってCIAとかは出てきません。

そして1番の魅力は、自ら信じる正義のために命を落とすことさえある仕事を生業とし、1人でも生きていける大人の自立した人間が、それでも愛する気持ちを抑えきれず、相手を巻き込むリスクが高まっても2人でいたい……
そういう重厚な人間ドラマです。

最後に、この2巻は閉じられた空間で進みましたが、3巻はプロフさんのターンなので、ワールドワイドに話しは進み、個性豊かな登場人物も増えます。
原作を何度も読み返しましたが、謎解きが進みつつ、いよいよ佳境へと入っていきますので、お楽しみに!

日本で3巻の翻訳出版がなされるのが待ち遠しいのと同時に、
(冬斗亜紀先生頑張って! 小山田あみ先生のイラスト最高!)

どうか、どうか、S.E.ジェイクス先生、4巻を本国で出版してください!!!

日本のファンもアメリカのファンと同じく、プロフとトムのその後が気になって、気になって、仕方ありません。

24

Krovopizza

やえこさま、はじめまして。
このシリーズ本当に素晴らしいですよね!
私も3.5巻まで読みまして、4冊目の『If I Ever』(このタイトルがまた泣かせますね!)を首を長くして待っているところです。
3.5巻の『Not Fade Away』も(短いですが)すごく素敵な話なので邦訳出ると良いですね。

>『I'll spend…』
このセリフ、私も大好きです!
あと『Who the fuck else could compete?』のとことか、『Come sit on my lap, bebe.』とか…
挙げ始めるとキリがないですね笑

このシリーズがお好きな日本の方にお会い(?)出来て嬉しいです。
素敵なレビューをありがとうございます(*^^*)

やえこ

私が3巻の『Daylight Again』で、1番好きなセリフは、『I ’ll spend the rest of my days proving it to you』(俺は、それをお前に証明することに、残りの人生を費やすよ)というものです。

俺が誰なのか? それとは何なのか? は、伏せておきますが、1巻と2巻でチラホラ見え隠れてしていたものが、3巻になって、ドッと本流に押し入ってくるので、お楽しみに☆

舞台は地味…ですが中身は衝撃の連続

シリーズ第2巻。
プロフとトムが、互いについてより深く理解し合うと共に、絆も深めていく…
そんな内容たっぷりの一冊です。

前巻で訣別したプロフとトム。
二人がそれぞれどのような任務を経て再会するのかワクワクしていたら、なんと物語序盤にて早々に再会。
そして物語の舞台はトムの故郷ニューオリンズ。
随分スケールダウンした印象のある舞台設定に大丈夫か??と若干危惧していましたが、閉鎖的な田舎町で何者かに狙われているという状況は大変スリリングで、息もつかせぬ面白さ。
そして、終盤明かされるプロフの過去にまつわる新事実の数々には驚かされっぱなしでした。
ネタバレは避けますが、今後の展開にますます期待が高まるのと同時に、
パートナーとして関係を深めていくプロフとトムのやり取りに目頭が熱くなるような内容です。

ストーリーの中心となる事件は、トムの同級生が次々何者かに殺されるというもの。
その事件に付随して少しずつ明らかになるトムの過去は大変痛ましいものですが、彼の精神的な強さを表すエピソードでもあります。 
自分を虐げた大人たちのいる故郷に自らの意志で戻り、保安官補として働いていたこと。
自分のような子どもが出ないよう、町を変えようとしていたこと。
彼なりに自分の過去と向き合う努力をしており、そのまっすぐな生き様はプロフに対する向き合い方にも表れています。

そしてプロフ。
トムのためニューオリンズに駆けつけたところから始まり、
彼がトラウマに押し潰されないよう支えたり、
彼に代わり何者かの呼び出しに応じてワニ(!)に襲われたり…
と、相変わらずの面倒見の良さ(口の悪さも健在)。
前巻にも増して人間離れした身体能力を発揮し、トムや町の子どもたちを守る姿が大変カッコいいですが、
彼の内に抱える不安やトラウマ、他人を巻き込むまいとする優しさもよりハッキリ伝わってきて、
剛柔併せ持つ男としてますます魅力的に描かれています。

互いの気持ちは確かめ合ったものの、トムを自身の抱える厄介事に巻き込みたくないプロフと、プロフを助けたいトムとではなかなか決着がつかず。
ジョークやセックスの合間に幾度となく展開される議論に決着がつくクライマックスは大変感動的。
クサいシーンは何一つありませんが、互いへの信頼と決意が伝わってくる胸熱な結末です。
フィルとのエピソードからタイトル『不在の痕』の意味も分かり、ここでも感動。
プロフが色んな人に(陰ながら)愛されていることが分かる、心温まるシーンです。

男臭くバイオレンスな世界観ですが、ときに非常にロマンティックなエピソードが挟まれるところも本書の魅力の一つ。
ラストのプロフの本名に関するエピソードなどはまさにそれで、冒頭のハリケーンとも繋がる二人の縁の深さにちょっと泣きそうになりました。

ベッドシーンは(ベッドでのシーンは殆ど出てきませんが)前巻以上にラブラブ且つクレイジーで読み応え抜群。
ハリケーンを目前にしての駅弁f ckに始まり、アリゲーターごっこ、縄、スパンキング…と何でもありで勿論リバ。
ただエロいだけでなく、プレイ内容が互いの過去に関わっていたり、行為中のやり取りに相手を服従させようとする駆け引きがあったりするところに萌えます。

「預言者」を意味する名を名乗る一方で、過去を追い続けてもいるプロフ。
強さと繊細さを併せ持つ彼は、トムというパートナーを得たことで自身の運命にどうケリをつけるのか。
次巻の発売が楽しみでなりません。

迷いなく神評価です(たとえ命じられてなくとも!)。

23

やえこ

Krovopizzaさま、コメントをいただき、大変、恐縮しております。
私がBLの購読の1番の参考にしている、超人気レビュアーさまから声をかけていただけるなんて、気が動転してオカシクなりそうです(苦笑)。

コメント、ありがとうございました。

そして、Krovopizzaさまの、この↓コメントを読み、ブログのSSを読むことが出来、感謝しておりますし、3巻のネタバレを少しだけ書いてもいいかなって、自分のコメント欄の参考にさせていただきました。

さて、コメ返しになりますが、『Who the fuck else could compete?』の箇所は、すぐにピンときました!
あのシーン、2人が共に言い合うというか、その前の3語のセリフが、もうジーンときて、ついに!って、私が涙ぐんでしまいました。

でも、『Come sit on my lap, bebe.』は、これから探す旅に出ます。

私は英語力がイマイチなのに、萌えだけで原作に手を出したクチなので、ご了承下さい。

あと、私の予測ですが、3巻は紙媒体で出るでしょうが、3.5巻は翻訳されたものが雑誌に掲載された後、電子書籍のみの販売になるんじゃないかと思います。

とにかく、まだS.E.ジェイクス先生が4巻を書き上げていらっしゃらないご様子なので……本来は2014年に出版予定だったのですから、アメリカのファンの方は、それこそ祈りを捧げながら待っていることでしょう。
先生のプライベートがご多忙だったこともあり仕方ないのですが、ここ日本からもエールを送り、プロフとトムの歩む道を最後まで見届けたいですよね!!!

一緒に、S.E.ジェイクス先生が書き終えてくださることを、日本から念を飛ばして応援しましょう!!!

原作を読み、先生の印税に、直接、協力してくださる方がいてくださるのは、とっても心強いです。

最後に、Krovopizzaさま、皆の羅針盤になるレビューを書き続けてくださり、心から感謝しております。
ありがとうございます。

継続は大変だと思うのですが、ますますのご活躍を願っております。
お身体を大切になさって、お元気でお過ごしくださいませ。

Krovopizza

ちなみに作者SE Jakes氏のブログで、本シリーズの番外SS(クリスマス編とバレンタイン編)を読むことができます。
どちらも甘々で最高に萌える内容なので、一読をオススメします☆☆☆

運命の竜巻

まだまだかと待ち続け、やっと手にした2巻。
今回もイカれててイカしてるクレイジーな二人が暴れています。

姿を消したプロフ。
地下に潜りもう二度と表に出ることはないと決意したプロフを引き留め、引き戻したのはトムからのメール。
一つ残らず、一人残らず捨てていけるだけの覚悟は脆くも崩れ。
最大の、最悪の失敗。トムのメールを読んだことをそう表現するプロフに、なんだか胸がきゅっとした。
それほどまでに、トムからのメールがプロフにとってパンチ力のあるものだったんだ、と。

惹かれるように運命のように嵐の中再会した二人ですが、そこからはもう胸が熱く二人も熱く、叫びだしたいぐらいの興奮が渦巻きました。
また小山田さんのイラストがその興奮に拍車をかけるぅ!

再会によってトムの地元での殺人事件に二人は巻き込まれていき、そしてトムの過去が暴かれ、プロフの過去も垣間見えてきます。
トムの意外な特技(?)やプロフの仕事などが判明。

危険な目にあわせたくないと言うプロフ、おまえを守りたいと言うトム。
お互いにどっぷりハマりながらも、許すことのできない線。
けれど離れることなどできそうもない焦がれた感じがたまらなく萌えです。

片方ばかりが寄りかかるのではなく、時にはプロフが時にはトムが支えになっている関係がなんだかとてもかっこいい。

1巻はなんだかトムの方が危うげに見えていたんですが、今回はプロフの方が危うげというか迷いみたいなものが見えた気がしました。
トムはプロフを離さない!と決意したから迷いが吹っ切れたのかな?

Eから始まる名前の男。
トムがかつて予言された内容にゾクリ。
これが運命と言わずに何と言うのか。
周りを蹂躙し巻き上げる──たしかに、プロフは竜巻見たいな男。
本当に、「こんなのアリかよ」です。

嵐の中再会した二人。
二人の関係も嵐のように激しく、今回も熱く燃え上がる男たちのお話を堪能いたしました。

18

ロマンスは名前からはじまり

最近このシリーズにはまっています!

トムは生まれながら霊感・直感の特殊能力を持っている。プロフェットの名前は預言者という意味。霊能力者と預言者との出会い!二人が出会ったとき、トムが「名前が預言者(プロフェット)って本当?」と皮肉った。ただしプロフェ自身も直感が強い人でトムを誰よりも理解している。

プロフは出会ってからトムに惹かれていた。トムに何個も愛称をつけた。。。ヴードー,ケージャン,トミー,T,など名前をつけて自分から距離を縮めてるじゃないか!

トムは以前預言されたのは、いつかEから始まる名前の男にすべてをまきあげられ、命の終焉を迎える。それがプロフェ(Elijah)との出会い。でもお互い様だろう。プロフェがハリケーンなら、トムが火山、周りに悩ませるトラブルメーカバカップル(笑)

11

不器用な愛と歪んでるように見えて真っ直ぐな愛!

本屋さんに行く度に気になっていましたが海外のBLということで即買いできずにずっと気になっていましたが読むものがなくなりためにし一巻を買って1日でハマり2巻もその日のうちに買いました。
1巻を経ての2巻でのこの2人の再会シーンからトムの幽霊退治は読んでいてとても一言では表せない気持ちにさせられました。
プロフェット本人が自覚せざる終えない程にどれだけトムを思っているか伝わってくるトムへの行動と言葉に読んでいてハラハラする内容なはずなのにドキドキしてしまいます!
今まで読んできた中で一瞬でダントツ一位になった作品です。
初めての海外BLでしたが割と抵抗なくすんなりと読めました。
挿絵もとても綺麗な上にリアルさがあり自分は好みでした。

6

萌えは世界共通だと実感

シリーズ二作目。今巻はトムの故郷のバイユー(湿地帯)を舞台にトムの過去にアプローチがされる展開でした。アメリカ南部の湿地帯独特の雰囲気が出ていて、非常に新鮮で面白かったです。某動物との絡みとか最高ww トムとプロフェットのバカップルぷりも最高潮で萌えまくりました。この二人は対等な関係がいいな。

トムの過去も湿地帯の空気感と相まって、ミステリアスで引きこまれました。 トムが抱えていたスティグマの全容を知り、トムが闘い、大事なものを守り続けてきた今迄の軌跡が伺え、ますますトムに魅了されました。強い面も弱い面も併せ持つ所に人間の魅力があるなーと実感。

トムと元彼のエティエンヌとの甘酸っぱい初恋模様も良かったです。今はトムの本命はプロフェットだけれど、過去にトムもエティエンヌもお互いの事を良く知り、想い合っていた事が想像できて、そちらも楽しめました。

そにしてもプロフェットには謎が多すぎて、トムがヤキモキするのも分かるなー。トムもプロフェットも自分の過去が暴かれる過程で相手に見せる表情や態度が対象的で、そちらも萌えポイントでした。アメリカらしいスケールの大きい話なので、次巻で全ての謎が解き明かされるのが楽しみです。

6

プロフェットはトムのこと本当に好きだよね! と再確認した!

1巻で2人は離れてしまったので、今回はそれぞれの居場所からスタートです。
1巻ラストから4か月。

冒頭、プロフェットがかなり距離を置きたがっている(今までの全てから)ので、どうなることかと心配してましたが、トムから今も送られてくるメールを読んだことがきっかけで、彼の故郷にて再会する2人。
かなり早い段階で会えるので、ほっとしました。

トムの故郷ということで、この巻はトムの過去の話です。
全体通して思ったのは、プロフはトムが好きでたまらないんだなってこと。
1巻の時から好きなのは分かってましたし、トムもプロフがっていうのは読み手にはよく伝わります。

ただ、プロフはそれを表に出さないというか、そういう感じがあったので今回は幾つか言葉にしてたのが印象的でした。
例えば、再会直後の洗濯機辺りとか、ラストの言い合いの締めくくりとか。

他にも、プロフ視点の部分でトムに対して「守ってやりたい」とか思ってるので、1巻と比べると糖度高いです。
プロフの方が相手をより拒絶しがちだったので、彼が自分の気持ちを認めると途端に辛さが和らぎますね。

反面、トムがかなり苦しんでいる(精神的に)のが気の毒でした。
彼も簡単に過去の話をプロフにはできず拒絶するので、何やら1巻とは逆の立場のようになりましたが、プロフの押しの上手さ(相手を問いつめる時に、直前と内容をがらっと変えたりするところ等)とトムの若干のM気質が相まって、ぎすぎすした感じはないと思います。
結局、トムが受け入れている形になるから。

殺人事件が起こるわけですが、このシリーズはミステリーではないのでそこに期待してはいけません。
これをきっかけにトムが過去と向き合い乗り越えようとするところと、それを支え守ろうとするプロフの距離の縮まりが見どころでしょう。

2巻でも当然リバなのですが、相変わらずセクシーな雄同士といった感があってとても良い!
小山田先生のイラストもパワーアップしていて、美しさ増し増しです。

ただ、今回もラスト周辺はプロフの秘密の件でそこそこ揉めてます。
最早、恒例ですね。
しかし1巻の時の拒絶とは違い、トムはプロフの力になりたい、プロフはトムを危険な目に遭わせたくないというお互いへの思いやりゆえです。
でも1巻のラストのように離れる決断をするわけではないので、そこはご安心を。

5

ごっこ

なぜ突然、プロフェットはハリケーンがきているからとトムの叔母の家に行くのか。そして何故叔母は受け入れるのか…分からない…分からないけれどトムが嵐の中現れ2人が抱き合ったらもうどうでもよくなりました。

アリゲーターごっこはやってくれたので、兵隊さんごっこも是非やってほしいですね。

今回は生きるか死ぬかの規模がやや1巻より小さい感じ。国家規模の話から突然街の駐在さんレベルになったせいで、なんとなく受け入れにバグが。本人達にしてみれば重要なことなんだろうけど。

革を贈るっていうのはやはり支配欲の現れなのかしら。プロフェットは子どもが欲しいのかってのもやや驚いた点。よくよく茶化すように出てくるけど、彼はやはり本質的にロマンチストだ。

萌2〜神

2

依存してしまったのか依存できたのか

盛りだくさんな内容で面白かった!連載漫画を読んでいるようなワクワク感。今作はメイン二人の背景や内面にも切り込んでいて、より一層キャラに愛着が湧く。期待を煽り、萌えでいっぱいにしてくれる終わり方も最高だった。

始まりは匿名のヒーローが活躍し、壮大なストーリーを期待させる。が、このプロローグの意味は最後の最後で明かされるまで分からず、メインはトムの故郷の小さな街が舞台だった。トムの過去や背景が語られ、心の闇も見えてくる。

驚いたというか笑いそうになったというか、トムは自分の前から消えたプロフィットに百通以上ものメールを送りつけていた。返信はなく届いているかも分からないのに。しかもたまにポエミーな内容を(笑)
前作では確かに不安定で恋愛脳な印象があったトムだが、まさかこんなキャラだったとは……。スケッチを添付したとあったので、あのイラストはトムの手描きってことだったのかな。なんか後からじわじわくるタイプの萌えだった。

殺人事件に巻き込まれながら語られるトムの事情は、精神的にキツい。自分で自分を痛めつけているところもあり、トムの心の中に明るい出口があるのか心配に。
今はプロフィットに依存していると言われたトムだが、それはトムにとってどっちなんだろうと思った。依存してしまっているのか、やっと依存できたのか。

プロフィットはずっと自由に動き過ぎていて仕事が謎だと思っていたら、かなり焦らして終盤でやっと種明かし。これがまたすごく良かったんだけど、今後背後にどんな組織があり、何をもってプロフィットがその任務に就いているかまで書かれるのかな。
二巻までの印象だと、ちゃんと読もうとするとそうした説得力の地盤となる描写が不足していると思う。BLに求めるのが間違いなのかなあ。

二人ともまだ自分の中の闇に縛られてはいても、欲しいものははっきり口にしていてほっとする。相変わらず喧嘩腰の言い合いで、決裂して次作への流れかと思っていたら全然で。占いと運命なんて妙に可愛らしいことで笑う二人に癒やされた。
決意を固めてさあ次へ!というエピローグも良かった。

全体を通して見れば余剰といえるエピソードもありそうだが、楽しいから全て良し。早く最終巻まで出ないかな。まとめ読みできる日が楽しみ。

2

男臭さと甘さの融合

シリーズ前作の「幽霊狩り」ラストにて。
プロフェットとのEE社でのパートナーシップを解消しコープを選んだトムと、全ての連絡を絶ちEE社を辞めて地下に潜ったプロフェット。さあこの2人の未来はどうなる⁈というところで終わっていましたが。
のっけからプロフェットを恋しがって、返事の来ない恋文のようなメールを延々送るトムの姿。
陰謀渦巻くハードボイルドな物語の中でこのような甘さが出てくるのは読者としては読みやすいけれど、ただ肉弾戦のようだった2人の間にこんなにも恋情感が出てくるとは…
とはいえ2人のやり取りは「幽霊狩り」よりももっと辛辣だったりお互い意地を張っていたり。
でもそれもお互いがお互いを守りたいがため。そしてお互いがそれを理解している。
つまりお互いが離れがたく相手を愛してしまっている証拠…
そんな感じで、一気に2人の間には「恋心」も、より深い「愛」も、もちろん欲情も燃え上がっています。
そして本作の特徴は、トムの過去中心ということ。
トムが抱えている怒りの問題。それがどこから来ているのか。
少年時代にトムが経験したいわれのない悪評と非難の日々。
それらがトムの故郷・南部の熱くワニが蠢くバイユー(沼地)で語られます。勿論プロフェット側の砂漠のフラッシュバックも。
トムの魅力的な少年時代の恋人・エティエンヌの最期には非常に驚きましたが、彼の息子・レミーに向けるプロフェットの優しい眼差しは、『いい父親になれる』という言葉に過剰に反応するプロフェットの過去の何かの伏線なのだろうか?
また、本作ではプロフェットの本名が明かされます。
それはトムがまだ13才の時に女占い師の口から出た運命の頭文字…
彼女の占いが本当なら、プロフェットの未来も全てうまくいく、はずだけど…
健康?長生き?結婚?子供?まだまだもう一波乱二波乱ありそう。

1

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