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花鳥風月 11 コミック

志水ゆき 

大団円。

2013年4月に1巻が刊行され、実に10年以上という長い年月読者に愛され続けている『花鳥風月』の11巻目。11巻目は大輝×サバトのお話。とある事故をきっかけにこじれてしまった二人の恋の行方はー。



個人的にツンデレちゃんてあまり好きじゃないんですが、サバトは可愛い。
大輝にツンツンしちゃう理由があるからでして。かつて二人で紡いだ時間を、事故で失ってしまった大輝の記憶は戻るのか?

個人的には記憶が戻るんじゃないかなー、と思いつつ読み進めましたが、さてその結末はいかに。ぜひとも読んで確認してみてください。

11巻の表紙で沢斗が身に纏ってるのが白無垢にしか見えなくてですね、え、あら、そういう感じ?といそいそしながらページをめくりましたが、もう、めっちゃ美しい…!そしてトラブルが発生して白無垢を脱ぎ、腰ひも一本でささーっとたすき掛けしていく沢斗のなんと男前なことか。カッコよ!

大輝が記憶をなくしたのは決して彼のせいではなく、沢斗もそれを頭では理解しながら気持ちを整理して受け入れるのには、それなりの時間が必要だったんだな。割れたお皿や自分たちが守っていく村の伝統と絡めながら、それらを沢斗が少しずつ咀嚼していく姿にめっちゃ萌えました。

大輝をきちんと受け入れようと決意した後の沢斗はまさに「漢」。
「尻で抱く」を地で行くナイスガイでした。

終盤には『花鳥風月』の他CPも登場していてそちらも大変よろしかった。

それにしても『花鳥風月』の表紙ってめちゃめちゃ素敵よね。いつも思うけど。最近電子で買うことも多いのですが、今作品に限って言うと、紙媒体で買ってしまうのです。

コミカライズ版の2巻目。

コミック版『魔道祖師』の2巻目。
続きものなので1巻未読だと理解できません。1巻から読まれることをお勧めします。

人を襲う舞天女の像を滅するために奮闘する魏無羨たちだがー?
という1巻の続きから2巻はスタートします。

強くなりすぎた舞天女の像をなかなか滅することができずに苦戦を強いられた魏無羨は、かつて彼が得意としていた術と同じように、即席で作った笛で悪霊を呼び出し、舞天女の像、=邪神を斃そうとする。が、魏無羨の笛で呼び起こされたのは、かつて彼が作り出した最強の凶屍・温寧だったー。

ということで、温寧登場です。個人的に温寧大好きなのでちょっとテンションが上がりつつ読み進めました。

温寧の登場により、藍忘機は莫玄羽の正体に気づいたか?というところで、時系列は彼らが出会った15年前へと移行していきます。15年前の2人が可愛い…。

小説版と異なり、詳細について文章で書かれるわけではないのでその都度注釈が描かれます。これが小説版とコミカライズ版の大きな違いの一つか。小説だとするする読める説明が、コミック版になるとちょっと蛇足感が否めない。でも説明文がないと初見の方には理解できない。仕方がないなと思うのですが。

あと、小説版とコミカライズ版の大きな違いは絵柄かと思われます。

落地成球さんの絵柄って、綺麗とか麗しい、というよりも可愛いんですよね。
小説版のコミカルさを出すためにデフォルメされた絵柄になることも多い。
意図は理解できますし、これが落地成球さんの味だとも思うのですが、小説版でそこかしこに漂っていたそこはかとない色香というか耽美さが欠落してしまっていて、それが個人的に残念というか「魔道祖師」の魅力が薄れてしまっているように感じました。ただこれは完全に好みの問題で、落地成球さんがよくないとか、そういうことでは全くないです。

小説版はかなりページ数の多い超大作なので、それをコミカライズするにあたって、読みやすく、初見の方でも理解しやすく、複雑な人間関係も分かるように描くのはなかなか難しいと思うのですが、その辺りはきちんと表現されていて読みやすい。真面目で勤勉な藍忘機と、彼と正反対のやんちゃでいたずっらこの魏無羨の2人の内面を、表情やしぐさできちんと読ませる手腕も素晴らしい。

藍忘機がカッコいいのです。寡黙でありながら、彼の内面の優しさにグッときます。

コミカライズ版は、どこまで刊行してくれるのかなあ…。
最後まで読みたいです。

シリアスさと甘々さのバランスが絶妙。

作家買い。
獣人+オメガバース、という世界観のお話。
西野先生の描かれたあとがきに「二匹の野獣とオメガの花嫁」と同じ世界観のお話だと書かれていて、あー、そういえばそうだったなあ、と思い出しました。ただこの二つの作品は全く別のお話なので前作未読でも問題なしかと思われます。

西野作品、ラヴァーズ文庫、しかもオメガバもの。
ということで前作と同様、エロてんこ盛りでございます。




主人公は暦。
オメガという性を持つ、ただそれだけの理由で両親に捨てられ、そしてオメガだけを集めた施設で18歳まで過ごしてきた青年だ。

ヒートを起こしアルファを誘うことのないよう管理された日々は、退屈ではあったもの安全な場所でもあった。が、ある日彼が森に出かけた時に、オメガをターゲットにした人身売買の組織につかまり、海外のアルファに売られてしまうことに。そこを助けに来てくれたのが、獣人の王・朱雀で、かつアルファの孝造で…。

という出だしで物語はスタート。
が、暦のお相手は孝造。ではなく、孝造の息子の尊。
孝造は暦を愛人にして様々な作法、マナーを教えてはくれたが、「愛人」というよりは「息子」あるいは「息子(尊)の番」として暦を扱っている、といった方が正解か。

孝造が亡くなり、暦は尊へと相続されることになってー。

と物語は続きます。
暦視点で物語は紡がれていくので、尊が暦に対してどんな感情を抱いているのかは暦だけではなく読者にも分かりづらいのですが、うん。まあ尊は暦に対して並々ならぬ執着心を抱いていることは、尊の言動の端々から読み取れるので甘々なお話なんだろうなと。そう予想しつつ読み進めたわけですが。

暦の薄幸さと、尊、そして孝造の暦への形は違えど深い愛情が交差して進んでいくので、お約束とはわかりつつ萌えはめっちゃあるんです。そしてそこに大切なキーとして描かれているのは孝造、そして尊の持つ「朱雀」という獣性かと思われます。

朱雀って鳳凰とかフェニックスとは違うんかな?と思って思わず調べてしまいました。あえて「朱雀」をテーマにしたところがカッコいいなあ、と西野先生のセンスに脱帽。孝造が暦を囲っていた屋敷のある「鎌倉」という地と、その屋敷の描写から「朱雀」と絡めて一気に和風テイストになるんですよね。その雰囲気が暦の持つ薄幸さと絶妙にマッチして、着物エロ(暦の着物を脱がすシーンがめちゃエロで最高)がより一層引き立つ。さすがです。

孝造によって着物を着せられていた暦が、尊に相続され現代風のスーツや衣装を身にまとわされる。「愛人」から「番」になっていくそのさまも読み取れてそこもいい。

そして、「朱雀」という伝説上の生き物がバックボーンなのもいい。
暦という存在を得て、尊は身も心も、紛うことなき「獣王」になったのだと。彼に欠けていたところに暦がピタリとはまった感じがしてめっちゃ良い。

ただ、彼らが恋に堕ちた経緯が若干甘かったのが残念だったなと思いました。「運命の番」の一言で済んでしまった感が否めない。この作品のキモはおそらく「朱雀」で、そこに重きを置いたストーリー展開だったのだと理解はできますが、個人的に紆余曲折経てお互いの恋心を育てていく経緯に萌えを感じるので。完全に好みなのだと思いますが、もう少し二人が恋に堕ちていく描写が見たかったなと思いました。

が、運命の番であるがゆえに、序盤から二人の間にはほんのりとした甘さがあって、エロもてんこ盛りだし、でもそれだけではないシリアスさも上手にミックスされた良作。西野先生らしい、そんな1冊でした。

独特な世界観が癖になる

2005年に刊行された『神官は王に愛される』を1作目とする、吉田先生の人気シリーズの一つである「神官シリーズ」の最新刊。サブタイトルに「神官シリーズ番外編集三」とついているところからも推測できるように、SSの詰め合わせです。

が、このSS、上手に繋がっていてですね、短編ではありますがちょっとずつ繋がっているうえに、過去の話ともリンクしていて、さながら「総集編」のような1冊でした。

侈才邏国国王・羅剛の妃であり、虹霓教の最高位の「聖虹使」でもある冴紗は、ある日羅剛にお祭りに連れて行ってもらうことに。かつて、今は亡き両親と一緒に行ってみたいと願っていた祭りに行くことができ喜ぶ冴紗だったが、そこで彼が見たのは、その日に食べることもままならない貧しい人々だった。聖虹使に一目会いたいと願う国の民と出会った冴紗は…。

というところから今巻は始まります。

黒髪・黒い瞳をもって生まれた、というただそれだけで疎まれ続けた子ども時代を過ごした羅剛は、冴紗を愛しそして愛され今は賢王と名をはせるほどになり、そんな彼が、国の民と、そして冴紗の心を痛める姿を見て行った政策はー。と話は続きます。

このエピソードから、羅剛の実父で前国王の敷いた悪政の話につながっていたり、冴紗を助けてくれた娼婦の雪花、羅剛のいとこにあたる伊諒からの冴紗への横恋慕など話が多岐にわたります。今シリーズの序盤で描かれていたような痛い展開は今は皆無で(ここ最近の作品にも言えることですが)終始甘々。しかも羅剛の暑苦しい話し方は健在なので、もうこの作品の持つ世界観はもはや誰にもまねできない独特なものになっていると言えると思います。

新刊が出るとつい手に取ってしまう不思議な魅力を持つ今シリーズ。
もう完結かな…?と思わせつつの、数年おきに出る今作品は、私にとってのボーナスみたいな感じ。甘く優しい作品で、読後心がほっこりしました。

深く優しい愛情を描き切った良作。

初読みの作家さま。
綺麗な表紙とあらすじに惹かれて手に取りました。表紙に描かれている青年の首元に巻かれた首輪からも推測できるように、今作品はオメガバものです。

ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




大学に通う有馬くん(アルファ)は、ある朝目覚めた時に一人の男性が自分の部屋にいるのを見つける。状況的に彼と「そういうこと」をしたことは間違いないようだけれど、その彼が誰なのか全く思い出せない。が、自分が自分で設定したであろう通知が何度もスマホから発信され、そしてその通知に従って確認したスマホに残されていたメモから、その「彼」の名前が佐久さんだということ、そして何度も佐久さんと会い共に時間を過ごしてきたことを知る。

「佐久さん」が誰なのか、自分とどんな関係だったのか全く分からないまま、けれど佐久さんにまた会いたいという欲求を抱いていることを自覚した有馬くんは…?

というお話。

αという性を持つ彼はそのことを理由に親の会社を継ぐように言われているが、会社は弟が継げばいいと思っており(彼の家庭環境はなかなかに複雑なのですが)、その為に親に言われるがまま入った大学でも勉強に身が入らない。退屈な日々を過ごす彼に差し込んだ光が、佐久という男性の存在なんですね。

が、有馬くんと佐久さんの関係が今ひとつわからない。
スマホのメモから「自分は佐久さんのことを忘れてしまう」ということは理解できるもの、急速に惹かれていく佐久さんのことをなぜ忘れてしまうのか、佐久さんが一歩引いた様子なのはなぜなのか、そういったことが有馬くんにはさっぱりわからない。

そしてそれは読者もまた同じ状況なのです。

なのでなぜ有馬くんが佐久さんのことを忘れてしまうのか、佐久さんは何か知っているようなのに教えてくれないのはなぜなのか、気になって気になってページをめくる手が止められませんでした。

が、読み進めるうちに、少しずつ見えてきます。このストーリー展開が秀逸です。

佐久さんの作家という職業、佐久さんと一緒に見に行ったプラネタリウム、佐久さんの地元に伝わる伝承。そういったものから、少しずつ有馬くんがなぜ佐久さんのことについてだけ忘れてしまうのか見えてきます。

何度忘れても、そのたびに思い出し佐久さんを求める有馬くんの深い愛情に萌えながら読み進めましたが、個人的には佐久さんがめっちゃツボキャラでした。

有馬くんのためには自分のことは忘れたままの方がいいと思いつつ、何度忘れられても、それでも一心に有馬くんを愛し続けた佐久さん。終盤、身を切られる思いで身を引く佐久さんがめっちゃ健気で可哀想で、思わず涙腺が緩みました。

オメガバースものってどうしても同じような展開になるものも多い中、独特な設定で描かれていてめちゃめちゃ面白かった。「信仰」という部分にも絡んでいて、閉鎖的に一見みえますが、大切なオメガを守るための神さまならではの愛情だったのだと思うとなんか可愛いお話だなー、と。

読み始めた時はどういうこと?という謎解きを孕んだお話だと思っていましたが、読後は心がほっこりする、そんな心温まる1冊。

すぎちよ先生のほかの作品も読んでみたいと思わされる、そんな素敵な1冊でした。