「善き王子のための裏切りのフーガ」って、なんてオシャレで内容の奥深さを内包したタイトルなんでしょう。
コレは声に出して読みたい。
内容のほうですが。
腐敗した王政のもと、傲慢と噂される第5王子と、その王政を転覆しようと画策する組織の一員との、まさにロミジュリ的ストーリーです。
王子であるシセが、いろいろなことに我慢や諦めをしているんですよ。
立場や境遇から、それは仕方ないこととはいえ、読んでいて切ないし、もどかしい。
でも、萎れているわけではなく、毅然と顔を上げている様子に心打たれます。
そして、そのシセに振り回されながらも惹かれていくルカ。
シセを守ると決めてからのルカの行動力と度胸が、勢いがあって頼もしく感じられたのも良かった。
華やかさはなかったけれど、切ないLOVEをいっぱい感じることができて、秋の読書には最適な1冊でした。
シリーズ3作目で完結編です。
1巻読んであまりにも素晴らしく、2巻が出ると知って「あぁ…あんなにキレイに終わったのに…」と少しがっかりしてしまったほど。
なのに、2巻も1巻と同じぐらい、いえいえ上回るほどの感動をいただきました。
がっかりした過去の自分に説教ですよ。
そして、この3巻!
もう、本シリーズの集大成ともいえるLOVEと涙と幸せに溢れた読後感…。
多幸感、ってこういうこと?
頭と身体がほわほわ〜となっています。
冬吾はシリーズ通してずっとカッコいいし、すばるはずっとかわいい。
二人とも相手を思いやる心を持っていて、自分自身にもしっかりと芯が通っていて、読んでいて気持ちいいんですよね。
登場人物みんなが「良い人」なのは少々ウソくさいけど(←私の心の悲しい汚染度)、そんなこと吹っ飛ぶぐらい癒されるから!
周りに人にもモノにも優しい気持ちになれるから!
未読のヤサグレている方々、だけじゃなく、多くの方に読んでほしい〜。
↑怖いアイテムですよね。
切り離された身体の一部分ですもんね。
夏なのでホラーちっくなこちらの作品、手に取りました。
怖ーい話、大好きです。
攻めは美貌の花屋さん。
元僧侶というポテンシャル持ち。
受けは無自覚な霊取り憑かれ体質のリーマン。
幼い頃からこの世のものではないモノを見てしまい、虚言癖を疑われてしまった過去があります。
そんな二人が、出逢い、対峙する得体のしれない存在。
徐々にこの怪異の正体がわかる経緯もテンポよくて、飽きずに一気に読んじゃいました。
二人の惹かれ合うポイントも分かりやすくて、文句なし。
いや、本当に毎日暑いですからね。
この作品読んで、ゾワッとしてみるのも良いかも、ですよ。
この作品大好きで。
定期的に読み返しては「ほこほこ」させていただいていました。
そしてありがたいことに、続編、ですと!?
期待して早速読んだら、期待以上なんですけどー!!(嬉しい悲鳴)
もう、二人の嫌味のないラブラブっぷりが最高なんです。
この「嫌味ない」って結構重要でして。
1巻から2巻を通してずっと、胸やけ一切なし、の甘やかさなんですよね。
藤田の同僚のしのさん同様「はわわ~」とか「ぐわぁ〜」と心の中で声を上げながら、楽しく二人のやりとりを読めます。
これ、本当にいつまでも眺めていられる。
しのさんが羨ましいです。
私もそのポジションで見守りたいですもん。
藤田の彼氏力の高さと林くんの笑顔の可愛さ、この巻で終わらせるのは、もったいないですよ。
続編、お願いします。
読者「総しのさん化」して、見守りますから。
本当にイロイロな転生モノが出ていますし、読みましたが、今のところ、この作品が一番読みやすかったです。
攻めも受けも真面目で地に足がついている感じ。
とても好感がもてます。
前世の記憶を夢、という形で見てしまう受けの、恋の始まりの葛藤…の前編「やり直すなら素敵な恋を」。
そして後編は恋人同士になってからの、受けの揺れる恋心「やり直してもホントの恋を」。
どちらもスッキリとキレイな着地点でした。
前世の二人の物語が、びっくりするぐらいベタで王道なんですよねー。
そこがかえって良かったんですよ。
所詮、前世の話なので、あまり複雑にされると現世が色褪せてしまう。
現世の恋を際立たせる効果としては、抜群でした。
表紙や挿絵がスタイリッシュで、そのイメージで読み進めていくと、二人の恋もとてもオシャレなものに感じられる。
うーんイラストの効果って凄いと改めて実感しました。
攻めさんがスパダリだけど、傲慢じゃない…とても好きなキャラでした。
前巻レビューで「もう少し(航平と太一の恋愛を)スピードアップしていただかないと、草葉の陰から見守ることになる!」とやや、焦りの心境を吐露させていただいた者です。
年齢的にね。
今巻も、そのスピードアップをお願いしたい気持ちに変わりはないのですが、なんだろう、ちょっと達観というか。
太一が、「なんだかんだちゃんと恋愛脳になってきている!…かなりのスローペースだけど…」という部分にじんわりと喜びを感じてしまったので。
だってだって最初の頃の恋愛の「れ」すら意識してそうもなかった太一が。
航平の周囲の女性の影にムッとしたり、自ら抱きついたり、キスの余韻に浸った(そんなでもないけど)り、とまぁ〜成長したなあと感じたのでね。
もう…これはこれで…うん、良いやと。
満足しました。
読み終えて(ちょいちょい不穏ながらも)幸せな気持ちにさせていただきました。
ただただやっぱり、先生、できるならもう少しスピードアップを…。
先生のこの先まだまだ長いぞーと示唆するコメントに震えてしまったので。
何卒よろしくお願いします。
可愛らしいお話で、スッキリきれいにまとまっていて、楽しく読めました。
神崎(攻め)も心(受け)も二人とも嫌味のない努力家なので、好感持てましたし。
でも、なんか…んー…物足りなかったんですよね。
登場人物の中で、もう少し活躍させるともっと楽しくなりそうなキャラが何人か出てくるのですが、その方々がひっそりと埋もれて終わってしまったからかもしれません。
心の推し(神崎)への気持ちが、ファン心理から恋愛感情へと変化する過程、神崎の「好ましい」気持ちが「愛」になる過程、それぞれが、イマイチ伝わってこなかったのも、物足りなさポイントですね。
話としては王道ストーリーで安心感があります。
心の推し活言動にほっこりとなるので、推し活に疲れた時に読んだら、初心に返ることができるかも。
1巻のレビューでもジーノがめっちゃ好みだ!とウザいぐらい主張していましたが、やっぱりジーノが最高に格好良くて可愛いと再確認しました。
ジーノ、すっごい好き。
受けとして、私の「好き」要素が全て入っているーー!
先生、本当にありがとうございます。
1巻のラストが不穏だったこともあり、2巻の発売を首を長くして待っていました。
冒頭、ダンテを想うジーノの表情にグッと胸が詰まり、もうこの場面だけでも待っていた甲斐があったと思いました。
2巻はダンテの正体や想いにスポットライトが当たる描写でしたね。
痛くて切なくて苦しくて…からの痛快な救出劇。
これぞエンターテインメント。
粗さもあるけどテンポの良さは1巻から引き続きで。
次巻への期待とワクワクも同様で。
ダンテとジーノの関係も、ずっと甘々で。
部下たちは有能で可愛くて。
キャラもストーリーも文句なし。
いやもう、さすがです。
田舎で育った二人が「幼馴染で恋人」という関係のまま、都会で生きていく。
たんたんと。
それだけの描写なのに、こんなに胸が温かくなるんですね。
好奇心旺盛で表情がくるくる変わるコタと、冷静で仏頂面な瞬平。
お互い一緒にいるのが当然で、大切な存在なんだって言葉にしなくてもわかりあっているのが、本当に素敵。
二人の大学生活は、友人ができたりして少しずつ変化していくのに、その「二人は一緒にいるのがあたりまえ」のスタンスは変わらない。
だからえっちシーンも自然体で、特別感のない感じ(←褒め)なんです。
読み終わったとき「あーなんか、こういう人たち、そのへんに居そう」と思ったんです。
そのぐらいの自然体っぷり(笑)。
『幼馴染で恋人同士』が大好きな方は、ぜひ。