他作品でナツメ先生のファンになりこちらを購入しましたが、この作品もとても良かった!
ナツメ先生はキャラクターの心理描写を丁寧に描いてくださるので、感情移入がしやすく、終盤はシロにも虎にも感情移入しまくりで、二人が思いを通わせてやっと一つになったシーンではよがったねぇぇぇ〜〜ヽ(;▽;)と、号泣でした。
優しくされ期待したけどその相手の死亡という最悪の形で裏切られ、もう一度期待をすることが怖くて逃げるシロに真正面から不器用にぶつかって心を和らげる虎の執念が実って本当に良かった!
辛抱強くシロを見守り、裏切らなかった虎の誠実さが好きです。
ノンケで出会った当初はゲイに身構えているのに、それでもシロの魅力に惹かれていってしまう葛藤も丁寧に描かれていて、やっぱナツメ先生のお話好きだな〜と、しみじみ思いました。
一巻完結の短いお話ですが、読後の満足感は個人的に十巻完結の漫画を読んだ後くらいあります。
それくらい綺麗にギュッと内容が詰まった作品でした。
シロも虎も幸せとは言えない境遇ですが、特に受けのシロがかなり可哀想なので、これからは虎に癒され幸せな生活を送って欲しいです。
こちらの作品はドラマCDを先に聞くというちょっと邪道な入り方をしたのですが、原作を読んだ後そういう入り方で正解だったのかもしれない、と思い直しました。
ドラマCDは尺に収めるためか大幅カットがされており、冒頭の岸辺のナニシーンが全カットされていました。
そのおかげなのか執着変態感は原作より薄めで、ちょっと執着が強めの攻めの印象で聞くことができ、それなりに楽しめました。
面白かったし、原作も読もう!と読んだ結果、岸辺にドン引きする、という事態になったわけです。
逆だったらドラマCDは聞いていなかったかもしれません。
20年という月日を考えれば岸辺の行動にも一定の理解は出来るのですが、やはり気持ち悪さが先に来てしまいヤバい男感が拭えず、黒岩逃げて〜!と思ってしまいます。
岸辺はちょっとアレですが、黒岩が気持ちが良いことに弱いのは可愛かったです。
あと、受けだけど元スポーツマンらしく筋肉質で体格が良く男前なのも、女の子みたいな見た目の受けが苦手な私のような人にはポイント高いと思います。
この作者さんは絵がとても上手く、筋肉の描写や濡れ場シーンが大変良く満足度が高いです。
そういうシーンが多めなのも頷ける描写力なので、エロいBLが読みたい!気分の時におすすめです。
オリジナルシナリオとのことで、何が起こるかわからないハラハラ感は楽しかったです。
攻め役の阿座上さん目当てでしたが、今まで聞いたことがないクールな先輩役で声もかなり低く、こんな演技もできるんだ〜、と感心しきりでした。
受け役の鈴木さんはお若いにも関わらず演技が上手で、濡れ場以外の演技はとても安心して聞けました。しかし、濡れ場の演技が可哀想に感じてしまい全然萌えられず……少し残念です。
可哀想だと思うのは吐息が多いのか、震える声が多いからなのかはわかりません。
が、ウブな後輩感はとてもよく表現されていたと思います。もうちょっと甘さがあれば良かったのかなあ、と。
二回目だともっと甘い声が聞けるのかな?と、考えましたがポケドラでの購入だったので特典CDを聞くことも出来ず……。
なにやら男はじシリーズはファンディスク(?)とやらがあるそうなので、そちらでは甘々だと良いなあ〜と思います。
ドラマCD化をきっかけに原作を読んでヒズアンが大好きになりました。
原作の繊細で切ない雰囲気が損なわれずにドラマCD化されていて、もう最高!の一言です。
阿座上さんの琥士郎がとにかく可愛い!
成人男性が表現する可愛さというのは多少のあざとさがないと成り立たないと思っていましたが、阿座上さんの琥士郎は少年のようなあどけなさがあるというか、少年の純粋さの延長線上のお芝居で、自然なのにとても可愛らしいんです!琥士郎がそこにいました!これはもうCDを聞いていただかないと分からないので、聞いてください!としか言えません。
松田さんの源慈は痺れるような低音がとにかくカッコよくて、渋い大人の色気が溢れています。
阿座上さんの琥士郎がお芝居を聞いていくうちにうわーっ!琥士郎だ!!凄い!琥士郎がいる!となるなら、松田さんの源慈はもう第一声目から源慈です。
ベクトルは違うけどお二方ともキャラそのもので、この二人の掛け合いを聞いているだけで幸せな気持ちになれました。
キャストトークで源慈役の松田さんが心が動かせなくて辛かった(意訳)と仰っていましたが、そりゃこれだけ可愛い琥士郎(ちびと大人の二人分)からひたむきに好意を寄せられているのに冷たく接しなきゃいけないのは辛いよね……と少し同情してしまいました。それくらいちびも大人も琥士郎が可愛いです。
あと、ヒズアンを語る上でどうしても外せない「ちび琥士郎がキュッと服を握って微笑むあのシーン」
ドラマCDでは声が付いているとインタビューで読み、不安も少しありつついざ聞いてみたら「愛」に溢れるものになっていて、感動して泣いてしまいました。
琥士郎から源慈への愛はもちろん、神様?から琥士郎への愛も感じられて、つくづく愛に溢れた作品だなあ、と。
漫画とドラマCD、媒体の違いで変わる表現も楽しめて、それがこんなに素晴らしいものになっていて、製作陣やキャストの皆様に感謝しかありません。
原作同様に大好きなドラマCDになったので、何度も聞いてヒズアンの世界に浸りたいと思います。