天瞳さんのマイページ

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女性天瞳さん

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幸せオーラたっぷりの恋物語短編集!

表題作含め4話収録された短編集!
2005年〜2007年に描かれている作品なので、多少の絵のバラツキや、初コミックに入っていてもおかしくない作品も混じっているそうなのですが⁉︎古さは全く感じさせられませんでした。

町屋先生の描く、恋に奮闘する様々な男達の真の強さや、それぞれの幸せオーラが満載!
リーマンカプに、年の差10年越し再会愛!
持ち味でもある絵の綺麗さ、大人の男達の男気、エロス、ドキドキ、キュンキュンといった心情面を追う丁寧さも堪能!
そして新鮮だったのが、今回はキラキラ要素も含まれているという美味しさ♡
町屋作品と言えば、私の中では大人カプのイメージだったのですが⁉︎
なんと、とっても淡く切ない中にも、ピュアな優しい幸せを感じさせてくれた少年カプ愛も登場してます。
キラッキラッしてて好きでした。
町屋先生と言えば、ドキドキさせられる位、綺麗で結構生々しいエロ描写の濃厚さも見所だと思うんですけど⁉︎
改めて、それだけじゃない作家さんだなあ〜とファンとして嬉しかったです。
キャラ設定はもちろん、ストーリー展開の見せ方の旨さ!
どの作品も心を温めてくれる素敵なお話ばかりでした。

中でもオススメは、表題作の『イイ関係〜』と『誘う図書館』です。
リーマン&再会もの好きの私のこころを擽ってくれました(笑)

『イイ関係〜』は、ちょっぴりオヤジ風な攻男性が出てくるのもオヤジキラーとしてはニマリ♡
読み始めから、いきなり無精ヒゲのオヤジ風なイケメンさん登場に、ガシッと心掴まれてしまいテンションあげあげ、ルンルンでした(笑)
受様も一生懸命で可愛らしく、好感!
『りんごの天ぷら』が登場してますけど…揚げるとアップルパイみたいになって、食べ出すと止まらなくなる位、私も大好きなんですけど!
まさしくこの2人の関係も、りんごの天ぷらのように、ヤミツキないい関係で、ほわんほわんとしていて癒されました。
あと、気になるのは2人の会社の社長さん!
天然そうで、結構腹黒魔性タイプの予感にスピンで読んで見たいかも⁉︎と思わされました(笑)

『誘う図書館』は、生徒と司書という年の差カプもの!
2人の微妙な距離に引き込まれました。
再会後の「えっ!逆転」予感に2人の今後の展開が気になるところ。
この2人のリバなら読んでみたいかも⁉︎と思いました。

最近は、榎田尤利先生との原作漫画が続いていたので、久々の町屋先生のオリジナル作品が読めて幸せいっぱいでした‼︎

とても楽しめる読み応えある一冊なのでオススメしたいと思います。

ゆっくり!じんわりです!

今回の表紙も、引き込まれてしまう雰囲気の絵柄で好みでした‼︎
元先生の描かれる、『視線』の絡みが好きだな〜と!
握り合う手、優しさ温さの中にも、力強さを感じます。
今にも動きだしそうな印象でした。

主人公は小さな頃両親をなくし、市長の息子として養子になった大学生(受)と、
河川敷を開発しに来た都市開発プランナー(攻)のお話。

元先生らしい、受様は健気で可愛らしく、攻様は仕事も出来るかっこいい大人系。
でも攻様は受様に振り回される運命(笑)展開のほっこりほのぼのカプ。

内容も雰囲気があって、キャラも可愛くて好みなんですけど…。
ただ、ストーリー展開が今一つ掴み辛かったのが残念な印象です。
今回もじんわり展開で進んでいく恋路なんですけど、大きな山場のエピがないからか、お互いにどうして好きになったのか、心理描写が伝わりにくかったです。
なので読み終わると、いつの間にかくっついて終わっちゃった感が強かったかもしれません。

受様と養父がこだわっていた『場所』のキーワードについても、蟠りがなくなり、これまで以上にいい親子関係を築けていけそうな展開は良かったとは感じるものの、執着していた理由が『えっそれだけだったの』といった印象だったので、感情移入しにくかったのも残念でした。
私の読み込みの問題なのかもしれないんですけど、場面構成なんかも読みづらく感じる事があって気になりました。

何冊か読ませて頂いた中では、残念ながら評価が落ちてしまいますけど、まるまる一冊通しのお話なので、元先生らしい、穏やかな心地よい時間の流れは楽しめると思います。

評価は迷いましたけど、タイトル『秒速ゼロマイル』を踏まえて読むと、なんとなく納得⁉︎ということで、中立にとどまりました。

あと、表紙カバー下のちょっとしたエピの絵柄が好きで、毎回楽しみにしてます。
私的に1番ほっこりしちゃってます(笑)

このじんわり系は癖になるかも‼︎

以前から、小説の挿絵でちょこちょこ拝見していて、繊細なキレイ系の中にも、可愛らしさあるホッと癒される雰囲気の絵柄には好感はもっていました。
でも、元先生の漫画を読むのはこの作品が初めてになります。

まず表紙に凄く惹かれました。
駅のホーム、車掌、リーマン、制服&スーツ‼︎
好みな身長&体格差‼︎
優しく見つめる視線と、うつむく視線‼︎
美味しさ要素満載に期待値も上がります。

結構表紙が良くても中身が今一つなパターンが多かったりする中で、実際内容を読んでも、雰囲気を崩されない点も良かったです。

過去のトラウマを抱え、他人に触れられるのが嫌、喋るのも苦手な車掌さん(受)と、
受に惚れ込み、諦めずに何度も何度も口説く、根気強いというか…しつこい(笑)イケメンリーマン(攻)。

この作品を含めて数冊読ませて頂いて共通して言えるのは、キャラが凄く雰囲気があっていいんです。
普通に読むと物足らない印象かもしれないんですけど、じっくり読むと温かさであったり、愛を静かにキュンと感じさせてくれる作風‼︎
ジワジワ系の恋路が読みたい時にはオススメです。

今回の主人公(受様)が、トラウマを抱えている所もポイント大でした。
他人と関わりを持つ事を避けてきたのに、攻様の登場で感情をかき乱され、グルグルしている様が私には可愛く移ってキュン×2でした。
ほだされパターンではあるものの、この攻様が憎めないタイプなので、嫌な印象を受けなかった所も良かったんです。

なんて言いましょうか?
仕事もできる大人のイケメンリーマンなんですけど、結構必死に口説いてくれちゃうのがいいんです。
大方脅しで飲みに誘い、酔った所を抱きしめたり、キスしてきたり(笑)
これだけだとただの強引攻なんですけど、一味違う所もいい‼︎
受様を想うからこそ、大人としてきちんと距離を保つ心得が心地いい。
書下ろしの2人の関係はクスリと笑ってしまいました。
攻様のかっこいいけれど、かっこ悪さも覗かせてくれる、妙なリアルさが良かったです。
じっくりほかほか引き込まれます(笑)

結構深みのある温かいお話だと思うので、このお話の恋路のように、ゆっくり静かな気持ちで、心落ち着かせて読んでみて頂けたらいいかなあと思いました。

残念だったのは、攻様の受様を思う気持ちは伝わってくるものの、どうして?どこに惹かれたのか?の描写が伝わりにくかったかな〜と思います。

短編も面白かったです。
10年越しの友人&会社の同僚‼︎
しかもつかず離れず関係からの恋路‼︎
キュンキュンものでした。
出来れば続きを読みたかったです。

全体的にエロ度は薄いです。
でも読ませてくる、見せてくれる雰囲気のある作風なので、視線の絡みや、手を握り合っているシーンだけでも萌まではいきませんけど、引き込まれてしまう印象でした。

ほかほか優しい雰囲気の、ジワジワな恋愛ものを読みたい方にはオススメです。

オオカミさんカプ登場が1番嬉しかったかも!

一応『オオカミさん』シリーズのスピンになるのかな⁉︎
友情出演という形で、水瀬×一海カプが登場します。

宮川先生お馴染みの福岡が舞台。
超エリート検事•布施×担当事務官•恵。
憧れの東京地検特捜から異動してきた、スチールマンと呼ばれる男•布施。
その名の通り、空きのない鋼鉄な雰囲気を醸し出す布施に、強い憧れ抱く恵。
そんな大物が地方の地検に異動してきた本当の理由は何なのか?

そんな時、恵にとっては小さい頃よく遊んでもらい、憧れの兄ちゃん的存在だった剛と偶然再会!
彼がヤクザの組長をしていると聞き!
その上、布施と剛は双子の兄弟だという事実を知らされ驚かされます。
剛には強引に迫られてしまい⁉︎
全く違う性格の2人の間で揺れ動く恵!
恋なのか憧れなのか⁉︎
まだ隠されていた布施の秘密とは⁉︎

検事というお仕事的な部分と、相変わらずのオオカミさんカプの登場は面白かったです。

でもこのお話自体は、残念なことに今ひとつでした。
キャラも嫌いではないんですけど、攻様が2面生の生活をしているということもあり、そのギャップがキツ過ぎだかなあと(笑)
恵も可愛いいタイプではあるものの、宮川作品にしては、真面目でお堅い受様だったので、そんなに甘い展開にならないのが物足らなかったです。

宮川作品=楽しいアブノーマル展開を期待してしまう分、そういった意味での受攻様のメロメロ甘々度が薄かったのは残念でした。

文章力に定評のある作家さんの後に、読んでしまったからなんですけど、文章の書き方の甘さが気になったのも、お話に乗れなかった原因かもしれません。

一海と恵の先輩後輩トークと、お互いの好きな人お悩み相談の相手が発覚するラストのドタバタさは楽しめました!
この4人の絡みをもっと見たかったです。

記憶喪失がきっかけで…!

凄くサラリと読めてしまいます。
余りの速さに読み終わった後、ページ数と本の厚みを確かめてしまいました。

王道の記憶喪失ものにしては、凄く明るいお話です。
その辺は天野先生カラーだなと思いながら読みました。
最後の展開の意外さは、面白い意味で少し驚きでした。
ただもったいないのは、その展開を生かし切れてない印象だったこと!
もう少し、心情面を分かりやすく描写されていたら良かったのにと思います。

事故で9年間の記憶を失ってしまった水沢は28〜19歳へと戻ってしまいます。
そんな水沢の目の前に現れたのは、9年前はライバルとして犬猿の仲だった浅葉。
今は一緒に仕事をし、一緒に暮らし、しかも恋人同士だと教えられます。
最初は半信半疑ながらも、記憶を取り戻す為に自宅に戻り浅葉と暮らすことに。
そして「Hすれば思い出すかも」と迫ってきた浅葉に、嫌がりながらも流されるまま抱かれてしまう水沢!
けれど記憶は戻ってこなくて⁉︎
事故直前何をしていたのか?
記憶を戻すために昔の友人にあったり、仕事の話を聞いたり、料理をして見るものの、簡単には記憶は戻らず⁉︎
そんな時事故の前にあっていた人物と会うことになり⁉︎
一人で向かったもののピンチに襲われてしまう水沢の運命は⁉︎
水沢と浅葉の関係は⁉︎どうなってしまうのか⁉︎

最後のオチなら、ライバル同士だった2人が、どのような経緯で共同経営として独立し、同居にまで至ったのか?
その辺の心情変化が今ひとつ伝わりにくかったので、どうしても、記憶が戻って、記憶喪失中の全ての事を覚えていて…という展開が、余りにも都合よ過ぎに思えてしまいモヤモヤが残ってしまう結末でした。

水沢視点な割りに、いつから浅葉に対して恋心を持ち始めたのか伝わりにくいのも、盛り上がりにかけてしまい残念です。

だから、浅葉が恋人同士だったからといって水沢を抱いたことが、愛があった行為でも、一歩違えば犯罪行為なのでは?と突っ込んでしまいました(笑)

その辺のツメがもう少ししっかり描かれていたら美味しい展開のお話だったのになあと…。

最後の浅葉視点のお話は結構好み!
浅葉の水沢に対する本気さが分かったことは好感でした。

記憶喪失ものを、明るく楽しんで読みたい方にはいいかもしれませんけど、シリアス要素を求める方には物足らないかもしれません。

2人だけのという意味では、夜明けはまだ遠そうです!

完結編!

前回、伝説の官僚とまで言われた小早川に、自分の恋愛歴の乏しさを指摘され、その上酔った勢いで関係を持ってしまったコタ。
その後の小早川の反応に納得いかないながらも、古舘と折原の件が落ち着いたら、コタの納得のいく方法で謝罪を約束するという小早川。
そして、駆け落ち同然で失踪した古舘と折原を捜す為、北海道の女満別に向かうことになります。

この旅で、小早川とコタの距離はどんどん縮まり始めます。
お互いに対する認識が変わっていくことでほだされていく2人。
小早川の存在がコタの中で膨れ上がるに連れ、長年片思いをしてきた折原に対する想いに、疑問を抱き始めるコタ。
2人の恋の行方は?
古舘と折原を連れ戻すことが出来るのか?
この他にも、コタの担当者の夫婦問題に、古舘の婚約者、居候人の女性問題に巻き込まれてしまい?
居候3人集を追い出すことは出来るのか?

下巻も、コタは周囲のドタバタ劇に振り回されながらも、持ち前の面倒見の良さと、人の良さで、何だかんだ文句を言いながらも一つ一つ解決へと導いていきます。
これがコタの性分というか…運命というか仕方が無いんですよね(笑)
でもそこに、これまた似た性分の小早川が加わり、運命共同体ごとく、2人で協力し合う内に愛が芽生え…展開は、初々しい2人の甘さにキュンとしました。
谷崎先生お馴染みの、無理矢理カラダから始まるパターンなんですけど、今回はちょっぴり事情が違っていた所は良かったかもしれません(笑)

仕事ができるけど、クールな嫌味な男のイメージが強かった小早川が、下巻の最後では、本当に普通にいい人に収まっていてビックリです。
ヘタレたという訳でなく、責任感あって、思いやりもあって、優しい人柄とコタの事を大切にする誠実さが良かったです。
この方も、恋するのはコタが初のようなので…テンパリ具合が可愛くて楽しめました。

お初同士としても、嫌な役回りばかり回ってくるような不幸な性分という意味でも、似たもの同士の2人は最高のカプなのでは?と思います。

お騒がせカプの古舘と折原さんも、厄介ごとばかり持ち込むご迷惑な他の人達の問題も、丸く収まったから一安心といった感じでした。
厄介ごとを持ち込む根本の原因は何も解決していないので、コタの受難はまだまだ続きそうですが(笑)

1年が経ちコタと小早川はまるで夫夫のようにいい雰囲気!
コタにとっての夜明けがやってきたんだと嬉しく感じたのも束の間⁉︎
居候3人集は、持ち前の要領の良さで⁉︎…ここの夜明けはまだそうです(笑)
賑やかだけど、ほのぼの楽しそうな日常の風景に、これはこれで幸せな大団円だったのではと思います。

折原に対する長かったコタの恋愛感情が、意外にもアッサリ終わった所は、少し腑に落ちなかったんですけど、その後のドタバタ劇にそんな事も何処へやら(笑)
明るいハッピーエンド読後もスッキリでした。

藤井先生の表紙のイラストはシリアス系に取れるんですけど、中のイラストはコメディ要素たっぷりで楽しめました。
特に居候3人のイラストは笑えました。

明るいアットホームなお話を読みたい方!
初々しい恋愛ものが好みの方にはオススメです。

はた迷惑な!愉快な個性派ぞろいの仲間達(笑)

タイトルと表紙からシリアス系のお話を想像していたら、中身はドタバタコメディ系のお話で、いい意味で裏切ってくれていて、上下巻通して楽しく読めました。

谷町胡太郎(通称コタ)は、若いながらも人気の評論家。
出版社の担当者からは、原稿を急かされるものの、ろくに仕事をしていないような呑気な暮らし。
それも、親が残してくれた不動産関連の遺産を引き継いでいるから。

そんなコタには、大学時代から長年片思いをしている先輩•折原さん(オトコ)という想い人がいます。

ところが、ノンケだと思っていた折原さんに、昔男の恋人がいたことが発覚⁉︎
しかもその相手は古舘といい、国会議員になっていて!
古舘家は、代々政治家を務めるサラブレッド一家。
古舘の亡くなった父親に頼まれた折原さんは、大学卒業を期に彼に別れをつげ終わっていたのだけれど⁉︎
偶然再会した2人は、やけぼっくりに火がついたように急接近!

それと同時に、コタは古舘の秘書を務める小早川と知り合い、最初こそ険悪なムードだったものの、古舘と折原2人が姿を消してしまった成り行きで協力し合い、親交を深めていくことに!

古舘と折原の件で充分振り回されてしまうコタだけれど…
コタの周囲は厄介ごとを持ち込むのが趣味のような人間達ばかり(笑)

コタは所有するビルのワンフロアに住んでいるのですが、そこには、居候が3人も住み着いています!
しかもこの3人、公官庁に勤めるような立派な役人!

大学の同級生で、コタの住まいが広い事をいい事に、1人一部屋を占領し、家賃も払わず仕舞い。
朝はコタに起こしてもらい、もちろん上げ膳据え膳状態。
3人集達の、代引き荷物の受け取りに、付き合う女性の対応、会社での愚痴など、「おまえらいい加減にしろ!」と文句を言われながらも、
結局人のいいコタの面倒見の良さを知っている3人は、居心地の良さから何があっても出て行こうとはしないんです(笑)
1番は、それぞれ厄介な事情を抱えて住み着いているっていう所がポイントなんですけどね!

小早川も財務省のエリート官僚から議員秘書という不思議な経歴の持ち主!
彼がどうしてそういう道を選んだのか?という所も気になる所。
人の痛い所ばかりを分かって突ついてくる物言いが、最初は陰険そうで嫌だったんですけど、読むに連れ小早川のイメージが変わっていきます。
秘書という仕事柄、気配りも出来るし、コタの前で徐々にみせる素の姿に好感が持てます。
お酒に呑まれるタイプだったり、素直だったり、冷酷そうなイメージだったのが、わりと普通の人だった所が可愛く見えてきて良かったです。

そして、コタが本当にいい人!
こんな友人がいたら、私も甘えて転がり込みたいって思ってしまいます(笑)
気は強いけれど、基本お坊ちゃまタイプかな〜と!
人がいいというか、世話焼き女房タイプだから、結局「困ってる、助けてくれコタ!」と甘えられたらほおっておけないんです。
いい意味での不幸体質&女難の持ち主な所が、読んでいて面白かったです。
あと童貞くんだから、反応が初々しくて可愛らしいのも好感でした。

どうしても谷崎先生の作品は脇キャラにも注目してしまうんですが、
今回も悪の強い女性陣が勢揃いしてます(笑)
その辺の絡みも2巻にかけて見所になっていきます。

婚約会見後、逃避行してしまった古舘と折原は?
古舘の怖い婚約者の出方は?
小早川に「あんたはやっぱり抱かれる方に向いている」と言われたコタ!
酔った勢いで微妙な関係になってしまった2人の恋の行方は?
居候が3人集は自立してくれるのか(笑)
いい所で下巻2に続くので、上下巻揃えて読まれることをお勧めします。

悲劇と喜劇は紙一重!

シリーズ第2巻!完結編!

1巻に比べると、雰囲気も一変してシリアス系が強くなります。
そして、流され逃げ続けていた光一が自分自身と、そして遠峰と向き合おうと改心していくことで、前回みられなかった恋情&ドラマテックさが覗かされていきます。

1巻の、色んな意味で目眩しそうな不思議な魅了にハマっていたので、2巻の普通というかマトモな展開&結末はちょっぴり物足らなくもあり、
最後は駆け足のように、案外あっさりハッピーエンドだったのは残念でした。
それでも、1巻では殆どみられなかった、登場人物の心情描写がしっかりあるので読み応えはありました。

遠峰に香港へ拉致された光一は、日本以上の軟禁生活を強いられます。
遠峰が持つアジアのネットワークを狙うマフィアに、人質として攫われる光一。
そして光一に関わってくる新たな男達!
家庭教師のエリック、光亮、老爺子。
香港に留まらず、色んな国を移動し、攫われ、監禁され、撃たれ、その死闘っぷりはまさに目眩しそうな展開でした。

そんな中で光一は知ることになります。
遠峰と過ごした短いながらも長く感じる期間の間に、好きだなんて言葉はなかったけれど、
言葉はなくても、自分が何に囲まれて暮らしていたのか…
そこには、自分を愛してくれている遠峰の存在があったことを、今更ながらに気づかされます。

その事に気づいたものの、離れ離れになってしまう2人。
光一は、遠峰を愛すためには、彼の側にいるためには、自分はもっと強くならなければいけないと思い⁉︎

決死の別れ…そして再会。
長い年月をかけて、やっと同じ位置に立ち、心を通わすシーンは思わずジーンと泣けました。

ツッコミ所はあります!
高学歴で、いくら賢いと言われる光一を、どうして異国の組織の後継者にしようと思われたのか?
その7年間の間は語られていないので、どうやって光一が組織の信頼を得て成長したのか?
そして何気に気になるのが光一の家族!
結局光一の父の会社は立てなおれたのか?
音信不通になってしまった光一を心配していないのか?
凄く気になりました(笑)

遠峰は1巻に比べるとギャップがあります。
強面な位の方がかっこいいのかもしれませんけど、実は弱さもある彼の人間味あふれる部分は好感的でした。
その分、強くなるために頑張って、遠峰を支えていける程の人物に成長をしてくれた光一が素敵。
お互いにとって本当にいい関係になれて良かったなと思います。

だからこそ、再会を果たしたその後を、もう少し読みたかったかも!
しかも遠峰視点のラブ&甘展開なら最高だったんですけどね♡
妄想の域でしかありませんけど、これだけ執着攻だったのだから、もう愛情を表に出してしまえば美味しい展開間違いなしだと(笑)
大分それてしまってすみません。

ある意味、逃げ回り続ける光一もみたかったりもしましたけど(笑)
それではお話が成り立たないし、甘め&ラブ好みの私にとっても、ホッと安心出来るラストでした。

忘れていけないのが、遠峰を支え続け、光一の事を気遣い、長い間2人を見守り続けた矢沢さん!
彼の存在は偉大で好きなキャラでした。

1巻に比べると普通な展開のお話にはなってしまったものの、全2巻通して『悲劇と喜劇は似ている』がテーマになっているようなお話だったので!
その言葉を念頭に読むと、結構楽しめた作品だったと思います。

久しぶりに再読してみたら、この不思議なお話にハマっていた!

2000年の作品を再読!
谷崎先生の人気作『君が好き』にどっぷりハマった流れで読んだ作品だったんですが!
はっきり言って当時は、本当に同じ人が書いたのか疑ってしまう位に違う雰囲気のお話しだったので、途中で読むのをやめてしまおうかと思い悩みながら読んだ記憶があります。

その時は、もう読み返すこともないだろうと思っていたのに、苦手意識とかは置いておいて、今回本の整理に当たって、もう一度作品を読み返してみました。
意外とこの不思議なトーンのお話にハマってしまいました⁉︎

元はギャグ小説のつもりで書いた作品を、アレンジにアレンジを重ねて文庫化するに当たって、センチメンタル系にしたようなんですけど!
なんというか、読み手によってギャグともシリアスとも取れてしまう作品です。

シリアスだけれど、主人公が陥っていく不幸すぎる展開は、設定から凄いんですけど、そのあり得ないトンデモなさは、ある意味ギャグともとれてしまいます(笑)
そんな混在しているような微妙な作品ながらも、『目眩1〜2巻』で主人公がどういう結末を辿っていくのか⁉︎
冒頭の「悲劇と喜劇は似ている」という言葉を念頭に置いて読んでいくと、結構楽しんで再読できました。

でも、間違いなく好みは割れてしまう作品です。
特に1巻目は、甘さもラブも感じられないような、イタイ系のお話展開です。
読まれる前はある程度覚悟された方がいいかもしれません(笑)

主人公は、東大法学部首席卒業の眉目秀麗な光一。
その美しさから、何処にいっても欲望の標的にされ続け、本人はあくまでもノーマルなのに、何故か男性ばかりにモテてしまいます。

そんな光一に関わってくるのは、会社の同僚•山下に、上司の氷室。
高校の先輩で初めての男•三崎。
そして1番恐ろしい男が、バイト先で見初められ、光一の家族を盾に愛人契約を強いられ続けてきたヤクザの遠峰。

光一に関わってくる男達は、あり得ない位自己中心的。
本人の意思など微塵も考えず、傲慢な程に振り回してくれます。

そんな環境下で生活してきた光一は、慣れているというか、どんな状況になっても大抵冷静で、殆ど諦めも入っているので、普通の無理矢理展開とは違い、悲壮感はあまりありません。

そんな流されに流されっぱなしの光一も、遠峰だけは恐ろしく、常に『逃げたい』気持ちと葛藤し続けます。
諦めるのを待ち続けるも、一向に自分を手放さない遠峰。

光一の弱い場所に『紅い椿』の刺青まで彫らせたのは何故か⁉︎
死んだ妻と似ている理由だけで、光一を側に置いているのか…⁉︎
光一の事を、本当はどう想い、側に置き、抱きつづけているのか⁉︎
そんな分からない恐怖と、縛りに苦痛しか感じられない光一。

そして、三崎はアメリカ、氷室はドイツ、遠峰は香港へ光一を連れて行こうとして⁉︎
遠峰からは逃げたいけれど、結局は誰についていっても、状況は一緒だと苦悩する光一…。
そして追い詰められた光一は、ビルの屋上に上がり⁉︎
それでも、結局は自分で選ばせてはもらえず、遠峰の香港にドナドナされる所で2巻に続きます。

ストーリーもキャラにも萌を感じる事はないんです。
次々光一にふりかかる、悲惨な出来事にただ唖然とさせられ、Hも甘さなんてなく、痛々しさしか感じられません。
でも、不幸すぎる光一の行く末はどうなってしまうのか?
どんなに悲劇が降りかかってきても、その限度が超えてしまった時、光一はどうするんだろうと⁉︎
自分自身の人生をリアルに体感し、喜劇へと一転することが出来るのか⁉︎
興味をそそられてしまうんです。
よく『人の不幸は蜜の味』と言いますけど、その通りだな〜と納得(笑)

1巻目は、光一の遠峰に対する感情は、言いよってくる他の男達とは別格ながらも、『好き』なんていう言葉は存在していません。
でもここまで光一に執着している遠峰には、期待を持ってしまうんです。
特に、傲慢で冷酷、酷い男としか思えなかった遠峰の、最後に少しだけ見せた、遠峰という男の人間味というか…弱さを表す言葉と行動に情を感じさせられました。

この2人の微妙な関係を成り立たせている、不器用さに目がそらせなくなったというか…
上手くは言えませんけど、
「最後まで一緒に見届けてやろう」という気持ちにさせられたんです。
萌はなかったんですけど、どんな形であれ、この不思議なトーンの作品に魅了させられたという点だけなら、神評価かもしれません!
でも、全体的に総評して萌評価にさせて頂きました。
というのも、光一の『僕』という表現にどうしてか毎回引っかかっていたのと、イラストがどうしても苦手だったんです!
お話には、藤咲先生の耽美な絵柄はあっているとは思うんですけどね。
私の中でいう華麗な絵とは違っていたので、光一の美貌が今ひとつ挿絵からは伝わってきませんでした。
好みの問題なのですみません。

まだ2巻に続くわけなのですが、舞台は香港へ移ります。
本当に目眩を覚えてしまいそうな位、光一の不幸は続いていきます(笑)
1巻の不思議な雰囲気はなくなってしまう点では寂しいかも⁉︎
その代わり、光一の感情変化が見所になっていきます!
ただ、その事で賛否両論意見の分かれそうな結末ではあるかもしれません。

ヤクザ&裏組織、『逃げる』という危機迫った人間の心理を堪能したい方、暗く痛い系のお話を好む方は読まれても大丈夫だと思います。
ラブラブ&甘々展開や、読んで萌たい方は苦手系だと思うのでご注意下さい!

王道だけど、癖になる面白さ!

以前から気になっていた漫画家さん&作品。
電子書籍で、キャンペーン中だけ1巻1チケで読めたので即買いしました!

キャラもストーリー展開もBLお馴染みな王道展開なんですけど、この作家さんのは一味違って感じられて楽しめました。
絵柄も綺麗でエロ系なんですけど、時折、キャラに可愛らしさを添えてくれるのでそのギャップが癖になりそうでした。

俺様御曹司・真行寺 × 山猫系ホスト・絢の恋のラブゲーム!

高級ホストクラブ『レオパード』の売れっ子ホスト絢。
幼少期の苦労から、愛は信じないという、世の中全てはお金!現金主義だと思っているようなタイプ。
美しすぎる容姿が、お金稼ぎには大活躍役しているのだけれど…
本当は美しさの影には、誰よりも繊細さを隠し持っていて…⁉︎

そんなプライドが高く、誰にもなびかない絢を、体だけでなく、心ごと強引にあの手この手と巧みに落としてくる真行寺。
最初は、反発&嫌々で逃げ回っていた絢もその巧みさにだまされまんまと真行寺の手に落ちていき…⁉︎
いつの間にかメロメロに夢中にされてしまっていて⁉︎

読み始めは、2人とも男前タイプなので攻×攻カプ系を想像したんですけど!
意外と絢がおバカで可愛らしくて、徐々に恋に落ちていってしまいながらも、真行寺に落ちてしまう自分が嫌で、中々素直になれず。ツンデレっぷり発揮している所がツボでした。
真行寺も強引な俺様攻なんですけど、最終的には、私好みの愛ある攻様だった所が良かったです。
わざと真意を見せずに、長期戦でジレジレさせながら相手を落としていく手菅はお見事(笑)
2人の恋の駆け引きにニマニマ楽しく読ませて頂きました!

ハーレムクイン系のようで、 一味違った面白さを感じられた所も好感でした。
上手く言えませんけど、絢の常識人な所というか…容姿も仕事も派手なのに、私生活はごく普通で、逆に質素な位で、生活感を感じさせてくれたりするシーンなんかがクスッと笑えて、ほのぼのしていて良かったです。
ホスト仲間に、男同士の恋愛相談をしちゃってる、一生懸命なおバカさ加減が可愛くて、凄く絆されました。

王道過ぎる位に華やかな世界のお話のようで、いい感じで崩しちゃってくれているギャップが新鮮でした。

長いシリーズですけど、この他のホスト達の恋路も気になるので、ぜひ続きも読んでみたいと思います!