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ラスト1行でこんなに感動するとは思いませんでした。受けが中々攻めに靡かない作品がお好きな方はドンピシャな作品だと思います。
目眩の1作目を読んだ時は、光一に同情するものの、どちらかと言えばドタバタの楽しげな作品だと思ってました。(何より屋上のシーンが爆笑。愉快すぎる)
それが今作は一転、シリアスめなお話になり最後まで遠峰と光一がどうなるかわかりませんでした。
が、終わってみれば綺麗すぎるぐらいに終わっていて、ラスト1行にジうるっと来てしまいました。
壮大な話だけど荒唐無稽でも無くて、bl小説の楽しいところ、魅力が詰まったシリーズだなぁと。
何よりすごいと思うのは、20年ほど前の作品なのに全く古臭くないところ!
超おすすめです!
以前、シリーズを二冊まとめて読んだときは、「1は面白かったけど、2はいまいちだなァ…」と思った記憶があるんですが、未レビュー本を突っ込んだ段ボール箱をゴソゴソして引っ張り出してなんとなく再読してみたら、意外や意外、前回より面白く感じました。
たぶんこれ、期待値の差によるものが大きいのかなと思いました。あと、これを読む直前に、ひどい文体の小説を読んでイライラしてたから、「ちゃんとした文章で書かれてる~!」と安心して嬉しかったというのもあるw
1は奇妙なバランスが魅力的な作品で、シリアスさの中にそこはかとなく漂うコミカルさが絶妙だったんですよ。テンポも良かったし、謎を含んだ先の見えない展開も良かった。
対してこの2は、コミカルさは影をひそめ、ひたすら流され監禁される受けの話になる。
受けがモテモテで狙われまくりの流されまくりなのは相変わらず。でも、前作のような破壊力には欠けてるかなと思いました。前作は、嘆き悲しみ怖がり逃げて流される主人公がある意味アホっぽくて可愛かったんですが、2ではそれが無かった。これは、主役カップルの愛が深まっていく部分に力を入れてたからだと思います。
とはいえさすが魔性の受けです。なんの意思もなくヌボーッとしてるだけともいえるのに、この受けを巡って周囲がどんどんヒートアップしていく。コミカルさが薄れたのが残念ではありますが、「こういう話」とわかった上で再読するぶんには面白かったしスリリングでもありました。
なにより、ラストが大好きです。
ちょっとじーんとしました。
シリーズ第2巻!完結編!
1巻に比べると、雰囲気も一変してシリアス系が強くなります。
そして、流され逃げ続けていた光一が自分自身と、そして遠峰と向き合おうと改心していくことで、前回みられなかった恋情&ドラマテックさが覗かされていきます。
1巻の、色んな意味で目眩しそうな不思議な魅了にハマっていたので、2巻の普通というかマトモな展開&結末はちょっぴり物足らなくもあり、
最後は駆け足のように、案外あっさりハッピーエンドだったのは残念でした。
それでも、1巻では殆どみられなかった、登場人物の心情描写がしっかりあるので読み応えはありました。
遠峰に香港へ拉致された光一は、日本以上の軟禁生活を強いられます。
遠峰が持つアジアのネットワークを狙うマフィアに、人質として攫われる光一。
そして光一に関わってくる新たな男達!
家庭教師のエリック、光亮、老爺子。
香港に留まらず、色んな国を移動し、攫われ、監禁され、撃たれ、その死闘っぷりはまさに目眩しそうな展開でした。
そんな中で光一は知ることになります。
遠峰と過ごした短いながらも長く感じる期間の間に、好きだなんて言葉はなかったけれど、
言葉はなくても、自分が何に囲まれて暮らしていたのか…
そこには、自分を愛してくれている遠峰の存在があったことを、今更ながらに気づかされます。
その事に気づいたものの、離れ離れになってしまう2人。
光一は、遠峰を愛すためには、彼の側にいるためには、自分はもっと強くならなければいけないと思い⁉︎
決死の別れ…そして再会。
長い年月をかけて、やっと同じ位置に立ち、心を通わすシーンは思わずジーンと泣けました。
ツッコミ所はあります!
高学歴で、いくら賢いと言われる光一を、どうして異国の組織の後継者にしようと思われたのか?
その7年間の間は語られていないので、どうやって光一が組織の信頼を得て成長したのか?
そして何気に気になるのが光一の家族!
結局光一の父の会社は立てなおれたのか?
音信不通になってしまった光一を心配していないのか?
凄く気になりました(笑)
遠峰は1巻に比べるとギャップがあります。
強面な位の方がかっこいいのかもしれませんけど、実は弱さもある彼の人間味あふれる部分は好感的でした。
その分、強くなるために頑張って、遠峰を支えていける程の人物に成長をしてくれた光一が素敵。
お互いにとって本当にいい関係になれて良かったなと思います。
だからこそ、再会を果たしたその後を、もう少し読みたかったかも!
しかも遠峰視点のラブ&甘展開なら最高だったんですけどね♡
妄想の域でしかありませんけど、これだけ執着攻だったのだから、もう愛情を表に出してしまえば美味しい展開間違いなしだと(笑)
大分それてしまってすみません。
ある意味、逃げ回り続ける光一もみたかったりもしましたけど(笑)
それではお話が成り立たないし、甘め&ラブ好みの私にとっても、ホッと安心出来るラストでした。
忘れていけないのが、遠峰を支え続け、光一の事を気遣い、長い間2人を見守り続けた矢沢さん!
彼の存在は偉大で好きなキャラでした。
1巻に比べると普通な展開のお話にはなってしまったものの、全2巻通して『悲劇と喜劇は似ている』がテーマになっているようなお話だったので!
その言葉を念頭に読むと、結構楽しめた作品だったと思います。
前回の悲劇か喜劇かわからなかった話が俄然メロドラマ風になります。
ごく普通のすれ違い&極道(マフィアもの)。
ただ光一の変化と遠峰の純情という意味ではテンプレものではありますが、シリアスなこういう展開が好きな人には安心して読めます。
こういう話しに付きものの拉致監禁とか流血とかはありますが。
次々男に追われるのは今回も一緒。
ただそんな中で光一は遠峰のことを少しずつ知り、彼のことを考え始めます。
でもなかなか自分の気持ちには気づかない。
ひょっとして欠陥人間か?とも思ったんですが。
そもそもこの話、不可抗力はあるかも知れないけれど、光一の流され加減は尋常じゃない気が……
自分で自分の道を歩きたい、とか言いながら対人間(相手)に対してなんか違う感じがしてならない。
まぁ……だからこそ、この話が成立するのでそこを突っ込んでも仕方ないのだけれど。
前回のとんでも「神作品」から比べると「普通」な作品にはなりましたが、それ故にちょっぴり泣けて好きな話です。
シリアス度が強くなる、のは先に投稿された皆様のお書きになっている通りで、私も「ああ、トンデモ感がパワーダウン」と思いつつ読んでいたのですが、文庫版124pの中頃で大爆笑しました。
こんな危機的状況でなぜ「一人突っ込み」をしなければならないんでしょうか?
そこで感じたのは、ひょっとして光一クンはものすごく自暴自棄になっちゃっているんではないかと思ったんですね。
確かに、個人的特性のせいで、彼は自分の人生を全くコントロール出来ないわけで、でも、理性的にその善し悪しの評価は出来るんですよね、頭良いから。
そんな風に考えると、後半で彼が自分のことを自分で決めたのは「コントロール感を得る」宣言なんでしょうねぇ。そうすることで起きる事故(と言うか、何というか)も予測がついた上での行動だったみたいですし。
遠峰との間にラブはありやなしや、については私は良く解らないです。だって光一クン以外の登場人物全員が狂言回しみたいに見えるんで。
「恋のはなし」と言うよりは「流されてきた若者の壮大な(?)自立話」の様に感じました。
自立話というものはやはりキラキラしいので、そういう意味での萌え評価です。
あ、
丁寧に読んだら、私は結構笑えるところがありました(口調が爺クサイところとか)。
舞台は香港に移ります。
前巻では光一の男を魅き寄せるフェロモンで何だかんだとあった訳で、今回もその魅力は薄れてはいないんですが単純にフェロモンだけじゃなくマフィア等の抗争が関わってくるので、遠峰の弱点としての存在の面が大きくなり結果的になんか普通にテンプレ風になっちゃったかなーって感じです。
それでもしっかり男をのめり込ませる辺りが光一フェロモンなんですが。
遠峰の奥さんに似ているって設定が凄くあっさり終ってたのはちと残念。
あと結局、マフィアの大ボスの老人が何故そこまで光一を欲しがったのかがぶっちゃけよく分かりませんでした。
素直に愛人にしたいって理由の方がまだ納得いった様な…。
前作に比べると面白さではかなりダウンな感は否めませんでした。
死ネタとレ●プ表記がないので地雷の方は注意です。
二巻の感想は、まさに「こんなに死ぬとは聞いてない!」です。
二巻ではほぼ香港に滞在、たまにフランス?
二人が日本を離れてのお話です。
香港に渡った途端、軟禁された光一。
そしてお約束の誘拐。
殺されそうになり、薬を使ったレイプもされてしまいます。
一巻の攻め達は光一が好きな前提でしたが、今回は愛が全くない行為。
タイミングよく攻めが現れる事もないので、地雷な方は注意です。
そういった表記もなかったので私は軽くショックを受けました。
その後、助けてくれた別の攻めに抱かれます。これは愛があります。
印象的だったのが、悪い人物が日本以外で多過ぎた事。
自国以外の奴は敵だ、という表現があったりその国の悪いイメージを植え付けられそうで、残念です。
また、死ネタが多く含まれるため、後味の悪さが増します。
一例を挙げると、受けを助けてくれた攻めの一人であるエリックが自殺した時。
「なぜ…何でいい人まで死ななくてはいけないんだ」と、暗い気持ちになりました。
そのまま光一はマフィアのボス(お爺ちゃん)に身を売ってまで遠峰を助けますが、それから次は急に7年後になります。
この時点で、すでに気持ちが追い付けません。
てっきり遠峰と逃げおおせて幸せに暮らすのかと思いきや、7年後に再会した光一は「徐」と名乗って、遠峰の前に現れます。
そこで終わります。…え!?
マフィアに解放されたという表現もなく、その後どうするの!?と頭はプチパニック。
光一がどういう生活を送っていたのかも、待ちに待った両想い後のラブラブもない…。
また、作者のあとがきに書かれている、一巻は「逃げてばかり」二巻は「攫われてばかり」は、まさにその通りだな!と納得。
一巻が好みだっただけに、二巻で評価がガタ落ち。
まだ日本にいた頃が幸せで穏やかだった。
あって精神病院送りとかで済んでたし…。
いい所を挙げるとすると、二巻で決着がついてくれた所くらいです。
このまま、どっちつかずが一番モヤっとするので…。
でも、出来る事なら一巻の方向性のまま、幸せになって終わってほしかった。
はたして、色んな人が死んだけど幸せになれた人はいるのか。
そんなモヤモヤを消したくて、そのあと私は明るめの幸せなBLを読みました。