表紙と題名で、エッチなコメディーかなと思って購入しました。
三島先生なので、攻のリモーネも受のネロも可愛くて贄とかいいつつ、ピュアピュアな純愛だなと(することはしてる)読み進めました。
ただ、設定が魔族と人間なので、どんなに相手が愛おしくて、尊重してても寿命が違うんですね。
二人はそのことを知りながら、儚いリモーネの寿命のその先のことを考え将来の道を決めます。
相手がいなくなっても、ハッピーエンドが続いていくんですよ。
なんか、胸に込み上げるものがあって涙腺のスイッチ押されちゃいました。
リモーネは、変わり者魔族のネロに会えて良かったね。リモーネも健気で一途ないい子だし。
表題作のほかに、ネロに厳しいことを言うけれど実は心優しい魔族ラカルと人間の恋人の話も収録されています。
心のデトックスをしたい時にまた読み返そうと思います。
クラス一軍男子の瑛人くんは、イカついヤンキー真木くんのお菓子作りの秘密を知り、スイーツ動画の共同制作に誘います。
真木くんは、瑛人くんの接触に心が揺らぎ始め....。
真木くんは見た目と中身のギャップがあり、繊細だし、動揺すると赤くなっちゃうし、そりゃ瑛人くんも好きになるなと思いました。
真木くんがやんちゃな外見をしてるのも、自分の柔らかい部分を守るため。セクシュアリティーに悩むところやお母さんとの関係に心が痛みます。
とにかく登場するスイーツがどれも美味しそう。
本編ではキス止まりですが、書き下ろしで瑛人くんに泣かされちゃう真木くんのお初が読めます。
甘い恋愛ごちそう様でした。
陽キャの拓郎と彼の胡散臭い笑いを見破る陰キャのひろむ。
正反対のキャラクターの性格の書き分けが見事で、恋愛だけでなく、二人の出会いの化学反応と成長を感じました。
たとえば、文化祭で攻の拓郎は皆に請われてメイド服を着ますが、似合いそうなひろむは断固として着ません。その後、急遽代打で登壇したライブでも、彼は学校のジャージのまま。
本当にブレない。だから、カッコいい。
拓郎がひろむに興味と好意を持つのも、彼の筋の通った意思の強さだとわかる。でも、言い換えれば彼のようなタイプは集団の中では浮いてしまう。
拓郎は、生き方も、他者への接し方も器用。塩対応のひろむを誘い続ける強メンタルでもある。
どこか冷めたというか悟ったようなところもあり、ひろむだけが彼の心の傷に気づいた。
拓郎がひろむに背中を押されて過去の傷と向き合ったこと、ひろむも拓郎によってクラスの日の当たる場所に連れ出してもらったこと。
二人は出会うべくして出会ったのかと思いました。
二人のはじめても、ひろむを大切にしたい拓郎の愛が感じられたし、密かにネットで学習していたひろむの対比が面白かったです。
それにしても、二人の通う学校は学祭などの行事が凝っていて楽しそうです。
続編では、1巻では明かされなかったα遙とΩこーすけの過去と両親との和解が描かれています。
遙のご両親は、エリート医師の響子さんとおっとり芸術家の奏さんで、響子さんの期待に応えるために自分の夢を封印して勉強を頑張る少年遙が切なかった。
高校時代のこーすけはいつ襲われてもおかしくないほどの乙女系の美少年で、友達の筋トレ大好き松本くんのお陰で意識を変えます。
松本くんこーすけルートでも、美味しいなと思ったのは私だけでしょうか。
オトメンこーすけに手を出さなかった松本くん、偉い。
確執があった遙と両親との絆を結びつけるのが、こーすけやまりんや洋介。しかも、こーすけは封印していた洋裁好きを皆に披露できました。
親だって完璧なわけではなく、絆を繋ぐのはやっぱり愛という接着剤なのかなと思いました。
遙とこーすけの出会いと、結婚に至る過程も見てみたい。次巻も期待しています。
顔良しウブ過ぎ高嶺と、ネトスト気味のSE理久の拗らせ両片思い。
途中から、二人の間に入って仲を取り持つ本宮さん目線で読んでしまい、巻き込まれる彼が不憫でめっちゃ面白いお話でした。
高嶺が、ええカッコしいで理久の前だと恋愛上級者を装ってしまい、自爆気味。
理久は、仕事激務で高嶺と再会の接点がないため、高嶺のSNSを全てチェックしていて、高嶺の強がりはお見通し。
それにしてもこの恋愛素人たち、十数年初恋を寝かせるのは長すぎでしょう。
高校の時、すんなりキスとか想いを告げるとかしとけば、拗らせないで済んだのに。部外者としては面白いからいいけど。
願わくば、本宮さんにもダブルデート相手の越地さん(隠れイケメンで創作モノ好き)と上手くいってもらいたいものです。書き下ろしを読む限りかみ合ってないけど。
久しぶりにBLで笑いました。上田にく先生の作品はやっぱり良いなあ。
最近新刊ラッシュが続いている沖田先生ですが、今作も凄く良いです。
憧れのモデルアイと、服飾専門学校の鈍臭いクラスメイト江永。二人は同一人物ですが、このタイプの違う攻が凄くいい。
千明の面倒見の良さとラブホを知らないウブさも良い。
千明の嘘が許せなくなった過去にも胸が痛むし、アイに距離を置かれたと誤解した千明が江永に泣きながら「オレ何しちゃったんだろ」と告げるところは、心が締め付けられた。
千明はアイにへそピを開けてもらった時に、すでに江永を選んでいたのだろうなと思ってました。
結果、二人のキャラは江永歩に統合されて、よかったね、千明。
パンクファッションなどの世界感も良い。日暮里なんて地名は裁縫する人にはニヤリとするのではないでしょうか。
受も攻も良い体を描かれる由依子先生の2作目。今回もすごく良かったです。
韓国スターと映画配給会社の社員のお話ですが言葉の壁が大きな障害となり、通訳でジホの幼馴染のウジンくんが二人の仲を引っ掻き回してくれます。
攻のジホがカッコよくてかわいい。飛呂に2回目をねだるワンコみたいな姿、それに対して躊躇いながら大胆に受け入れる飛呂くんも最高です。
それにしても、ジホのこと好きだったウジンくんに「好きだって飛呂に伝えて」は残酷すぎるぞ。ウジンのしたことは許されないけど、ちょっと同情してしまいました。
ウジンの救済を見たい方はシーモアで購入されることをお勧めします。
決定的に振られて落ち込むウジンにある意外な人物が手を差し伸べるシーモア限定漫画が読めます。
お話もキャラクターも良すぎるので、紙本で読みたい!出版社の方お願いします!!
とんでもなく良かったです。なんか色々刺さってしまい久しぶりに感動して号泣しました。
引き篭もり陰キャなのに、陽キャアバターでVチューバーとして活動する春輝と、性格良くてカースト上位のリーマンVチューバー、ユウが恋愛を通して成長する話。
タイトルがいいんですよね。(配信の)ナカの人というのと、心のナカと、カラダのナカが全てかかっています。
読後、成長と、匿名性と、自己承認。この3つを強く感じました。
甘いだけでなく、炎上して身バレし、ネットに戻れない辛さも描かれています。
それでも待っていてくれたファンの優しい言葉に応えて正直な自分の気持ちを言えたこと、配信初期の気持ちを取り戻したことなど少年漫画の成長譚のような胸が熱くなる展開が待っています。
攻のユウくんのキャラも良かった。春輝をたてているようでいて、実は主導権を握るタイプ。 作りものの春輝の陽キャもお見通しで、それでも春輝のナカを知りたいとねだるのです。
春輝もお触りを童貞卒業と勘違いしてたり、ユウくんの配信を邪魔しにいき、首に噛みつくとか、天然小悪魔炸裂してめっちゃ可愛い。
読後、爽快な気分になれました。この本だけでも物語は一応完結していますが、1とあるので続編も楽しみに待ちたいと思います。