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hai to kemono
実は前作で、その独特の世界観に魅了された作家さんになります。
で、今回も、その世界観が存分に味わえるのです。
ダーク寄りなアンダーグラウンドの世界で繰り広げられる、半獣と人間の対立。
そして、20年前の事故の真実ー。
えーと、推理サスペンスものとしてとても面白くて、グイグイ読ませてくれるんですよね。
また、その事故の裏に隠れていた、意外な真実に心を打たれると言うか・・・。
まぁそうじゃ無くても、主役二人の不器用過ぎる恋愛に萌えまくりなんですけど。
いやもう、クール見えて情の篤い、年上美人受けは良いですなと。
内容ですが、島で拾われた「人間」で大学生の楓×狼の半獣でバーテンダー・一灰による、どこかダークな雰囲気の推理サスペンスものになります。でも、純愛。
人間と、半獣が存在する世界ー。
半獣が多く暮らす「昼島」では、人間と半獣との対立が日に日に酷くなってるんですね。
そんな中、人間でありながら島に帰って来ては、半獣である一灰に甘える楓。
そして、二人の前に現れた、20年前に起こった連絡船の海難事故の謎を追う記者。
この事件の真実を追いつつ、とある事情でスレ違ってる二人が結ばれるまでとなります。
まずこちら、設定や世界観がとても複雑でして。
一応両者は共存してはいるのですが、半獣は人間から差別的な目を向けられ、彼等はその事に不満を抱いている状態。
で、半獣は半獣達だけで独自のコミュニティを築き、暮らしていたりするんですね。
で、そのコミュニティの中でバーテンダーとして働く一灰。
クールでどこか硬質な色気のある美人受けです。
その一灰に赤ちゃんの頃に拾われ、現在は本土で大学生をしているのが楓。
しょっちゅう船で昼島に帰って来ては、育ててくれた一灰に一途な想いを向けるー。
彼はですね、昼島出身でありながら、本土の国立大学に行けた優秀な青年なんですよ。
一灰は楓を可愛く思うからこそ、人間達の世界で幸せになって欲しいと強く願っている。
その為、どれほど楓から一途な想いを向けられようと、子供扱いして流して・・・って感じになるんですけど。
で、こんな二人がいかに種族、と言うより心の壁を乗り越えて、互いに結ばれるか。
また、二人の恋愛にも大きく関わって来る、20年前の事故の真相と、その裏に隠れているとある真実の読み解きが見所でしょうか。
う~ん・・・。
この事故の謎を追うにあたり登場する記者や、激化して行く半獣と人間の対立なんかが面白いんですよ。
20年前の事故ですが、半獣が本能を制御出来なくなったせいで起こったとされて来たんですね。
しかし、その裏にあったのは、大企業の自社商品の故障を隠蔽しようとした痕跡。
事件の真相をつまびらかにしたいと願う人間の記者。
人間を信用出来ない半獣達ー。
細かい部分まで背景がしっかりと作り込まれているため、ここでの人間ドラマがとても読み応えがあるのです。
また、そんな中でたどり着く、驚きの真実ー。
これがですね、完全に予想外なんですけど、この作品のオチとしてはとても素敵で。
陳腐かも知れないけど、種族とか関係無く、人と人って分かり合えるんだよ~と。
凄く複雑に伏線が張り巡らせてあって、ラストで感嘆しちゃうんですよね。
こう来たかと。
ところで、主役二人の恋愛ですが、先に書いたように非常にジレったいのです。
一灰が頑固に楓を受け入れない理由ですが、彼の人間としての幸せを願っての事です。
が、同時に、人間と半獣では幸せになれないと言う、強い思い込みもあるんですね。
これの落とし所も、また素敵でした。
一灰はですね、冷めてるふりして、実はとても優しいし、臆病でもあるんですよね。
まぁ、楓の粘り勝ちって所なんですけど、素直になった一灰が可愛すぎて悶絶なんですよ~。
特に、二人の気持ちが通じ合ってからは、これまでの20年を取り戻そうとばかりにひたすらベタ甘。
まぁ、有り体に言わせてもらうと、終盤はひたすらエッチ三昧って感じでしょうか。
一灰が散々啼かされてるのがちょい気の毒な気もしますが、頑張って20年分の想いを受け止めてやってと。
と、そんな感じの、とても読み応えのある作品でした。
作家買いです。
人間と半獣という種族が存在する、限りなく現代に近い架空の世界。
東京の外れにある、半獣達が多く住む半周諸島が舞台です。
雇われバーテンダーをしながら暮らす、ヒトと半獣のハーフで狼の"半獣"である一灰(イチカ)と、20年前に島に捨てられていた赤子で、偶然見つけた一灰によって保護され島で共に育った"人間"である楓。
一灰は、人間の父親が幼い頃に居なくなっており、半獣の母親を海難事故で亡くしています。
一方の楓は赤子の頃に捨てられていた為、誰の子どもなのかが分からないまま育ち、やがて大学生に。
そこへ、ある日突然島に「20年前に起こったある事件の真相」について調べに来たという人間のライターが現れ、楓の過去を知っていると言い出し、過去の謎を紐解くように物語は進んでいきます。
手嶋先生の書かれるお話は、恋愛面や人間関係や心理描写はもちろんのこと、先生ならではの独創的な設定がしっかりと練られていて、なおかつぐいぐいと読ませてくれるような重厚感があるんですよね。
人間と半獣の間にあるお互いへの根深い差別や偏見、島という小さなコミュニティでの軋轢、家族や愛について、種族の壁を乗り越えられるか?など、深いテーマを上手にまとめられていて、今回の作品もとても読み応えがありました。
読み進めるにつれてさまざまな謎が解けていくと共に、一灰と楓の関係性が恋愛へと変化していく様子もじっくりと楽しめます。
恋愛に臆病な一灰と、一灰に対してずっと一途でいる楓。
この2人、12歳の年の差と種族の差からか、思いが通じ合うまでがすごくじれったいのですが、自分の想いに素直になり結ばれた後はべったりと甘いです!
長年の好きが大爆発する楓と、普段はクールな一灰が素直になった姿がとても可愛いです…
楓は絶倫なのでは…?一灰にはこれからたくさん頑張って頂きたいです…(笑)
じっくりと読ませるような作品が読みたい方、一捻りある作品が読みたい方、一途な年下攻めがお好きな方におすすめしたい作品です。
好きな作家さんです。
この方の書かれる『触れなば落ちんという風情でありながら実は芯のある受けさん』も良いのですが、一番好きなのはその風景描写なんです。
今作の冒頭でも西日に照らされた一灰の部屋が書かれています。
南国の強烈な夕日に照らされて、畳の毛羽立ちまで赤く見える部屋。
このたった6行しかない部屋の描写で、静かに荒んでいて寂しい一灰の世界にスルッと入り込みました。
これだよ、これ!
手嶋さんはこういうのがとても上手だと思うのですね。
獣化する半獣は危険視され、様々な制約が設けられている社会。
一灰が暮らす半周諸島は元々半獣の方が数が多く本土に比べれば差別が少なかったのですが、30年前にカジノが出来たことで本土から沢山の人間が来島するようになりました。半獣の権利を更に小さくする法案が審議されている中で、島でも人間との対立が激化しつつあります。
一灰は人間の父と狼の半獣の母のミックスなのですが、父に捨てられ、連絡船の事故で母を亡くし、施設で育ちました。父が自分たちの元を去った経緯から「人間は信用できない」と思っています。
しかし、彼は『弟分』であり、本土の大学に行っている人間の楓をとても可愛がっています。楓は12歳の時に一灰に拾われた子。一灰は体が弱かった楓を大切に育てて来ましたが、優秀で美しい楓は本土の人間の社会で暮らした方が幸せになると思い込んでいます。でも、楓は一灰に会うために頻繁に島を訪れて一灰から離れようとしません。
そんな中、一灰の母が命を落とした事故の真相を探るライターが訪れます。
彼は一時期、半獣に対する偏見を煽る記事を書いていたため、島の半獣コミュニティに敵対視されてしまいますが、母の死に関して『ある気がかり』を持つ一灰は彼を無下にすることが出来ません。そればかりではなく、この事故の謎に楓が関わっていることを知って……
寂しくて仕方がないのだけれど、仕方がないことだと諦めている一灰。
手嶋さんは本当にこういう人を書くのが上手い。
諦めているけれど寂しい。
仕方がないけれど寂しい。
寂しさの源泉になっている『あの部分』を埋めれば良いと解っていても、それが出来ないのです。
埋められた人が不幸になると思っちゃっているからなんですね。
これがね、読んでいて「クゥ~ッ!」となるんですよ。
連絡船事故の真相が解ることで、一灰と母の関係、母と楓の関係が明らかになるお話の組み立ては秀逸!
『恋愛ものでありながら家族の物語』という、実に私好みのお話で大変満足いたしました。
また、楓が自分の本性(?)を隠したままで一灰との関係を築こうとしていたことも『人間か半獣か』ではなく、それぞれの個人が『どんな人であるか』ということが問題なのだと言っている様な気もしましたし、現世で起きている問題になぞらえられる様な部分もあって、色々考えさせられたのも刺激的でしたよ。
物語は終始、クールな文体で綴られていますが、ラストは甘いです。
これには、ほっこり。
現代日本の架空の島を舞台にした、年の差ケモファンタジー。
人間と狼の間に生まれた一灰は、バーの雇われ店長。中学生の頃、捨て子だった男児を保護し、楓と名付けて弟のように可愛がってきました。
一灰が生活している島の住民はほぼ半獣で、唯一島民として黙認されている人間は本土の大学に通っている楓のみ。
時の政府が島にカジノを誘致し、やんわり隷属させようとする目論見に、島民達は不満を募らせます。そんな中、とある海難事故の真相を探るライターが島に現れたことで、一灰は自分にベッタリな楓をより早く本土の生活(人間世界)に適応させねばと焦るのですが…
一灰は父親に捨てられた経験から、たとえ本能的に楓を欲してつがいになれたとしても、やがて心変わりされるに決まっていると思い込んでいます。
身分差のような楓と一灰の特別な繋がりに胸が痛くなりましたが、今作ではお話の世界にどっぷりハマることができませんでした。というのも、読み易いのは良いのですが、それが過ぎてなんとなく察してしまった感がありマス。
もっと二人の間に深い葛藤を感じたかったかもしれません。それか、エンディングにもう一捻りを期待してしまいました。
先生買い。ファンタジー設定なんだけど、対立する関係をどうするかといった所に手嶋先生らしいなあという印象なお話、本編260P超+あとがき。攻め受けにきゅんしたか?と問われると否なので中立よりの萌です。年下攻めにはあんまり萌えないんだよな。
ヒトの父には逃げられ、半獣の母を亡くし、施設で大きくなった狼の半獣である一灰(いちか)。亜熱帯に属する半周諸島で、雇われバーテンダーをして生計を立てています。12歳の頃、半獣の暮らすエリアの端っこにある寺で拾った赤子(ヒト、楓)は大きくなり、東京の大学に行っているのですが、なんだかんだ言ってしょっちゅう島に帰ってきて、男によく絡まれる一灰を守ろうとするのですが・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
店のオーナー、店の常連客や受けに絡んでくる奴、受けの母(故人)、ライター(ヒト)。結構数出てきます。
**攻め受けについて
お話自体は面白かったんです。半獣は死ぬときに鳴いて想いを伝えるという設定があり、母が事故で死んだ時にその鳴き声を聞けなかった事の真実が分かった時は「おおお」と思ったりもしたのですが。
攻めさんがそんなにカッコいいなあと思えず、そして、受けさんも凛々しいんだけど、健気一点張りでもないし可愛いという訳でもないし好きだなああああと思うタイプじゃなかったんです。
色事シーンは今まで読んだ手嶋先生の他の作品より色っぽい!ととても思ったので(若いし半獣だからか長い、しつこいw)色っぽいシーンがお好きな方は嬉しいんじゃないかな。耳シッポを色事で責めるシーンもありましたし。ただ私は癒しとか萌え転がるということが少なかった・・・。
年下、ちょっと甘えて見せるこズルい印象もある攻めが好物な方には良いのかもと思ったお話でした。