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くー、すごくよかったです。久我先生の作品は、関西弁でかかれてますが大正ロマンスっぽいはんなりとした雰囲気をかもし出して、すごくよかったですねえ。。
達臣に捨てられたことからやっと立ち直って2年。人買いとしてはじめて村に娘を買い付けにいく廉が、寒村で炭鉱の抗夫を集めている達臣と再会するところから始まります。
うそつき、裏切り者とののしりの言葉をつぶやいていなければ、再び達臣に傾いて行く心をとめられない廉。
花街で誰からも必要とされていなかった廉がはじめて好きになた達臣なのに、約束は守られず、ひどく傷ついて、その傷はいえることがなくて、廉の苦しみが今だ続いているところが、痛いですねえ。。
達臣は、毎週かかさずこの二年間手紙を出し続けたというのに、届くことのなかった手紙。またうそをつかれたと、廉は達臣の前から去ろうとしますが、そのとき強引な達臣の遣り方に反対する男が達臣をおそい、彼をかばって刃の下で倒れる廉
廉を失うかと絶望する達臣の姿をみた廉は再び彼を信じることを告げるのです。
後半は、一緒に暮らすようになったのに、相変わらず非道な仕事を続け敵を作り続ける達臣との間に溝を感じ、一緒にいるのに寂しく思う廉ですが、達臣の役に立ちたいと廉なりにがんばります。
達臣は達臣で二度と廉を失いたくないと、廉を閉じ込めてしまうし。
二人のすれ違いが、お互い思いあっているだけに切ないです。達臣の甘言に乗せられ父親が炭鉱で辛苦をなめさせられたと恨んだ少年に再び狙われ、廉が達臣をいさめながらも、達臣の廉を失いたくないという強迫観念のような恐怖も初めて理解します。
達臣を守り、一緒に仕事をすることで二人のきずなが深くなります。
時代背景は大正ロマンスですが、働く大人の男のお話で、読後感もすっきりです。
初・久我有加先生。
そうですか“ありか”と読むんですか、ずーと“ゆか”だと思ってました。
とても面白かったです!
主人公の「廉(れん)」がとても魅力的でカッコ良い!
【金色の龍を抱け/水原とほる】も、そうだったけど、美人で健気で、慈悲深くて平等で、そして“強くて”←これ大切!すごく重要!
紙上のヒーローに憧れます~!
芸妓の子として生まれ、すぐ母は亡くなり他人に育てられて、花街独特の社会に諦めと反抗を持っていた「廉」。
早春のある日に、兄と知らず「達臣(たつおみ)」と出会い恋に落ちる。
だが、一緒にここを出ていく約束が果たされず、花街に残った廉。
悲しくて切なくて、でも達臣を恨み切れない自分がいる。
忘れられず2年の月日が過ぎた。
達臣のその2年は、2人の仲を邪魔した者らを恨み、自分の立場を盤石にするべく横暴な事業展開をしてきた。
うーんっ^▽^、良い展開!
廉を思うあまり、恨みを買う事を屁とも思わない守銭奴になっていた達臣は、まるで【嵐が丘】のヒースクリフや【クリスマスキャロル】のスクルージな人物!
後からこの2年に達臣がどれ程壊れていったかを、友人知人から話されるので納得でしたが、実の父までも考えていたとは・・廉への執着は、廉のソレより凄かったのでした。
蜜月になってから、
達臣は廉を宝物のように閉まっておきたいし、反して廉は達臣の役に立ちたいと願っていて、言いあいになってしまう事、度々。
でも、達臣の横暴な経営の“付け”が返ってくる度に、花街育ちの廉の危機管理能力や平衡感覚が解決に近付けていって!
この活躍がとっても気持ち良かったです!
最後の書き下ろし、廉、それでも「淫乱過ぎて嫌われないかな?」って思ってるあたり、本当にうい奴でした!
門地先生のイラストも良かったです!おまけマンガも可愛い!
神と萌で迷ったけど、読み易い文章とキャラの心情にブレがない事、時代背景、読後感の心地良さ、門地絵・・・
やっぱり好きだーぁってコトで♪神で♪
昭和を舞台に、柔らかな関西弁としっとりした情緒に魅せられた
『頬にしたたる恋の雨』。
これもまた、これも古い関西弁で書かれた大正ロマンの香りある作品ということで、
手に取ってみました。
幼い頃に芸妓だった母を亡くし、花街で育てられた廉。
美しく16歳になった彼は、客として訪れた学生・達臣と恋に落ちる。
桜の下で二人は駆け落ちの約束をするが、約束の日、達臣は現れなかった……
癒えない傷を抱えたまま2年が経ち、廉は花街の人買いとして山奥の村に出向くが
そこで思いがけず自分を裏切った達臣と再会を果たす。
達臣は父親の元で、鉱山事業を成功させた冷徹な若手実業家となっていた。
姿形は美しくとも、実は武芸に優れ腕も立ち世の中を見る目もある廉。
そんな彼が、裏切られたと思いながらも惹かれずにいられない心を
押さえようと葛藤する様が切ない。
そんな中、達臣の会社の非道なやりくちに憤りを溜めた男達が達臣を襲い……
後半は、一緒に暮らすようになった二人。
相変わらずの仕事ぶりで敵を作る達臣を守りたいと思う廉だが、
家に閉じ込めておきたいと思う達臣との間に溝が出来、
彼のもとから去ろうとする矢先に、再び事件が起き……
達臣の失われた二年間の思い、廉が刃に倒れた時の彼の恐怖を
初めて本当に理解した廉。
だからこそ、籠の鳥になるのではなく、常に一緒に生きていこうと
その後廉が達臣の秘書として、山の飯場を仕切る仕事に関わり
二人の絆は深くなっていくのだった。
この二人って、なんだかあっさり誰も葛藤せずに話は進みますが
実は腹違いの兄弟なんですよねー(笑)
廉の強くて賢くて、でも恋に対しては愚かな程一途……というキャラが好き。
描かれている世界もいいけれど、『頬に〜』のような練れた雰囲気はないかな。
最後の短編『月光』は、その2年後。
本編ではあまりなかったHシーンです。
:
筆者も後書きで触れていますが、タイトルは太平記の有名な一節ですね。
落花の雪に踏み迷う、交野の春の桜狩……
元弘の変に破れた俊基朝臣が、鎌倉に送られる時の道行文です。
「落花の雪」とは桜のことなので、
桜が象徴的に使われるこの作品に相応しく美しいタイトルかと。
花街で芸妓の子供として生まれ、ずっとそこで生きてきた男と、資産家の男のお話です。
かつて駆け落ちを約束した男と、二年ぶりに再会する主人公。
約束の場所に現れなかったその男を、主人公はずっと恨んでいたのだ。騙されたと思っていたから。
二年ぶりに会った彼は、昔と同じように愛を語るんだけど、主人公はなかなか信じられない。
面白かったです。
花街を舞台にしたお話は大好きなので(といっても、主人公は用心棒やゼゲンをしてるので、直接的に芸妓たちは出てきませんが)、そういう空気感が心地よかったです。
舞台設定を考えると、主人公がもうちょい奔放でも良かったんじゃないかなァとは思いましたが。
しかし久我さんの描く攻めは、つくづく一途な執着攻めが多いですねー。
表紙買いなので、作者さんとは、多分初お目見え。
この作品は、アタリ、でした。
花街もののようでいて、でも表紙の、受けらしい子は目力の強い着流し姿。
タイトルと粗筋から想像する子と、この毅然と立っている子はちょっとそぐわないようです。
そして、この表紙の二人の絵姿こそが、この本の本質なのでした。
読み終わって、こうしてつくづくと表紙を眺めてみれば、すごく腑に落ちる、大納得な表紙絵なのです。
花街で生まれ育った廉。
美貌の芸妓だった母に生き写しといわれる容貌をしながら、茶屋を営む糸の元、町の自警団「弁天」の一員となるべく育てられます。
この「弁天」として育ったからこそ、この先のお話の展開がおもしろい。
大正という時代の設定も効いています。
受けの子が前向きで、ちゃんと立っているお話、
好きです。