お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
yuuwaku no manazashi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
アート/美術系のBLを探していて巡り会った本書。なかなかのアタリでした!
描く/描かれる者という独特な関係がエロティックで、
また日本絵画がテーマということで、全体に漂う和の風情が素敵。
美大助教授の一征が、現代の浮世絵師について論文を書くため
若き天才彫師・雅親を訪ねる。
彫師とは絵師が描いた下絵を板に掘る専門家で、絵師と同じくらいの絵心が要るという。
その仕事ぶりに惹きつけられ、度々雅親を訪れる一征だが
ある日雅親が日本画の贋作に手を染めていることを知ってしまう。
そして、本来の冷酷な顔を露わにした雅親に口封じのため強姦され・・・
こんな感じで無理やり始まる関係ですが、芸術バカ(?)な一征の性質が興味深いです。
強姦されたことはショックだが、それよりも芸術愛が勝る。
雅親が一征をモデルに描いた春画を見てその才能に魅入られてしまい、
強姦された後も、絵をもっと見たいという欲求から、雅親を訪ねます。
雅親もまた、一征を抱くこと/描くことにドップリ嵌っている。
度重なる行為、視姦プレイ、スケッチ・・・
多くの時間を共に過ごす中で、
芸術を愛する一征の歪みない心が、贋作に手を染める雅親をも動かしていきます。
画家とモデルとしてだけでなく、
才能ある者とそれを見抜く者としても相性ピッタリな関係。
逆に言うと、芸術面以外で互いに惚れる要素があまり見当たらず、
読者的にも、よくあるオラオラ×流されな二人のキャラに萌えとかはあまりないかも;
それでも、二人が芸術に関するポリシーや感性の面で惹かれ合っていく様は
芸術家の恋かくあるべきという感じでとても自然だし、
また両想いになってからは、絵だけでなく互いへの言葉にも愛がダダ漏れていて
ゴチソウサマ感満載ですw
そしてこの作品の一番の魅力は、雅親が描く一征の春画でしょう!!!
作中の行為が絵になって再度登場することで
行為の生々しさや熱、一征の情感などがより鮮明に伝わってきます。
枚数を重ねるごとに絵が艶かしく熱を帯びていき、
そこには描き手/描かれ手の気持ちの変化が表れている。
ラストシーンで絵を並べ、そのことを実感する二人の姿はなかなか感動的です♪
(一征モデルの絵を画集で出す件にはウソーーーー??とかなり心配にはなりますがw)
いおかいつきさんは『好きこそ恋の絶対』など刑事物の印象が強かったので
このような絵画的情趣ある作品はかなり新鮮でした☆面白かったです。