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楠田先生と言うと、捻りのある一筋縄では行かないストーリーが面白いと思うんですけど。
で、今回はタイムリープものですが、こう来たかって感じの切り口が斬新なお話になります。
もう、先に先にとページめくらせてくれる、息をつかせぬ展開なんですよね。
最後の最後までハラハラドキドキさせてくれて、ラストでは思わずホロリとしてしまう。
そんな、とても素敵なお話でした。
内容ですが、ややシリアス寄りのタイムリープものになります。
名門バレー部に所属する大学生の湊。
試合に向かうバスが事故に遭い、湊を庇った親友でエースアタッカー・健太郎が、選手生命を絶たれる大怪我を負います。
自分に好意を寄せる健太郎を、罪悪感から拒めずに、共に暮らして恋人となる湊。
しかし、次第に激しくなる健太郎の独占欲と執着に、追い詰められて行きー・・・と言うものです。
こちら、序盤の湊ですが、かなり痛々しいです。
親友で共にバレーをやってきた健太郎と湊。
しかし、実力の差は大きくなり、次第に共に居る事が気詰まりに。
実は、同じ大学に入った二人ですが、健太郎は推薦で、湊は彼に強く願われ、一般入試で入ってるんですよね。
更に健太郎から告白され、彼が一緒の大学に行く事にこだわったのは、湊のバレーの実力を大切にしたのでは無く、好きと言う恋情からだったのでは無いかと気付いてしまった・・・。
更に事故のあと、共に暮らし始めると、健太郎の独占欲や執着は日増しに強くなって行く。
行く場所やその日の行動を全て報告し、健太郎の機嫌を悪くすれば手酷い抱かれ方をされてしまう・・・。
あのですね、楠田先生の書く、執着系の攻めって強烈なんですよ。
もうこれでもかと追い詰められ、ボロボロで声を殺して泣く湊が切なくて。
で、とうとう追い詰められた湊は、死を意識しながら高校の母校を訪れます。
そこで出会ったのが湊達の後輩で、キーパーソンとなる高校生・関。
以前から、湊が憧れの先輩だと、真っ直ぐな好意を向けていてくれたんですね。
そんな関と体育館でバレーをするうち、自分の辛い胸のうちを打ち明ける湊。
で、ここで出てくるのが祖父の形見で願いを叶えてくれると言う人形。
過去に戻ってやり直したいと強く願うと、二人の時間は巻き戻りー・・・と続きます。
こちら、面白いのが、過去に巻き戻った際、主人公である湊の記憶は消えちゃう所なんですよね。
事故の起きる直前、自分の前に突然現れて「事故が起きるからバスに乗ってはいけない」と強く引き留める後輩。
どこかデジャヴを感じつつも、信じずにバス乗ってしまう湊達。
そして、再び繰り返される事故ー。
そう、巻き込まれる関にだけ記憶があり、彼が孤軍奮闘すると言う形になるのです。
で、この後も、何回もタイムリープを繰り返す二人。
しかし、その都度、何らかの形で不幸になってしまう。
果たして、この不運のループから抜け出し、二人は幸せになれるのかー?
また、強い独占欲と執着を見せ、湊を縛り付けようとする健太郎。
そして、湊を幸せにしようと、懸命に頑張る関。
湊はどちらと結ばれるのか?みたいな。
当然、核心部分のネタバレは避けますが、とにかく関がいい男なんですよね。
何とかこのループから抜け出そうと、知恵を絞ってあれこれ頑張る。
その上、彼は時間が巻き戻ると中学生にまでなっちゃったりして。
本当は高校生で湊よりも大きいんですよね。
だからこそ、中学生になっちゃって「これじゃ相手にされない」と悔しがってるのが可愛くて。
また、個人的に、執着攻めが好きなんですよ~。
健太郎の湊に対する、ゾッとくる感じの執着ぶりに萌えるんですね。
彼は何度やり直して、状況がどう変わろうが、結局は強い執着で歪んで行く。
一応、本編ではどちらと結ばれるか、途中からうっすら分かり始めますが。
とりあえず、ここではネタバレ無しで。
あと、こちら、最後のオチがとても素敵でした。
えーと、ここまで、関が孤軍奮闘の形だったんですよね。
しかし、ラストでその法則が覆ったりして。
色んな思いを胸に、懸命に頑張る主人公ー。
今、やっと、不幸のループから抜け出せる・・・と。
くっ、もう本当に良かったよ!
どうなる事かとハラハラさせられましたが、皆が幸せになる、とても希望に満ちたラスト。
楠田先生の作品ですが、毎回ラストがお見事なんですよね。
どうなる事かとハラハラさせてくれて、最後は心あたたまる素敵な結末。
思わず、ホロリと来ちゃうじゃんかよ。
と、とても素敵な作品でした。
楠田先生が未読の方も、この機会にぜひ読んでいただきたいです。
今回は母校のバレーに所属する高校生と
バレーの強豪校に進学する大学生お話です。
攻様が受様と幼馴染の関係を変え
受様が攻様と歩む未来を選ぶまで。
受様は小学生3年生の時
祖父が大切にして人形と呼ぶ
不思議な石のオブジェを譲り受けます。
その翌年から受様は
燐家の幼馴染とバレーボールを始め
良きライバルとして切磋琢磨します。
バレー強豪の誠護学園高校に入学した2人は
3年の時にインターハイで優勝し日本一となり
受様はずっと2人でプレーしていけると
思っていたのです。
しかし、幼馴染は
インカレ決勝常連の青海大学の推薦で進学、
受様は攻様を追って一般入試で入りましたが
受様の選択は幼馴染との実力差を
より感じる結果となりました。
その上、親友だと思っていた幼馴染に
好きだと告白されてしまった為に今までのように
気軽な付合いができなくなっていたのです。
そんな中、
インカレに向かう大学専用バスが事故に遭い、
受様をかばった幼馴染が右足を切断、
罪悪感に駆られた受様は幼馴染の望むまま
恋人関係となるのです。
しかしながら
幼馴染の受様への独占欲と執着は
次第にエスカレートしていき
耐え切れなくなった受様は部屋を飛びだし
ふらふらと誠護学園高校を訪れます。
そこで事故の日にサービスエリアで
受様と幼馴染に声を掛けてきた
誠護のバレー部員に再会するのです。
このバレー部員こそが今回の攻様になります♪
攻様も幼幼馴染と同じアタッカーで
受様に強い憧れを抱いていたのです。
真っ直ぐに向けられる好意とともに
受様を優しく気遣う攻様に
受様はつい今の苦しい気持ちを打ち明け
やり直したいと強く願います。
すると2人は爆発するような光に包まれ!?
攻様が受様の祖父の人形の力を駆使して
過去を変えるためタイムリープするという
ファンタジックなお話になります。
大体において時渡りや界渡りするお話って
対象者が自分の世界との違いに戸惑いながら
"今"の世界で奮闘するのが鉄板ですが
本作は受様視点で有りながら
攻様が行動することが鍵になっているので
読者は受様と一緒に攻様の謎の行動を
読み解こうとするという
鉄板に沿わない展開がすごく斬新で
とても面白いお話です (^O^)/
タイムリープを引き起こす核は
受様の祖父の形見の人形なのですが
タイムリープして戻った過去で
ソレを手にしているのが攻様なために
攻様にしか未来の記憶はありません。
攻様は受様の未来を変えたいと強く願い
その転換点となる事故を避けるために
行動しますが
攻様は受様と過ごした記憶がありますが
受様にとってその時は"未来"であるために
受様にとって攻様は知らない人なのです。
そして未来に繰り返されるのですが
読者には受様の苦しみしか見えない事も
先々の展開を秀逸に感じさせる布石と
なっているのですよ (>_<)
2度のタイムリープで
受様の辛い未来を変えられなかった攻様は
交通事故という基軸よりも前の時間へと
3度目のタイムリープが行われ
バス事故は回避されて
3度目の正直で良かったと思っていたら
まさかの不幸が起こるのですよ。
このまさかの不幸を乗り超えて
受様が幼馴染との関係を変え
攻様の恋人となるまで
ハラハラ&ドキドキし通しでした。
3度目で幕引きもできたと思いますが
更にそこで事件が起こる事で
守られてきた受様が主体的に動き
度重なるタイムリープが収束します。
受様の行動があったことで
受様視点で展開していた物語に
納得感と深みを与えていて
納得のいく終幕となったと思います。
受様の幸せのために
タイムリープを繰り返した攻様が
健気で真摯で男前です♡
今回は本作同様タイムリープもので
櫛野ゆいさん『君のいる世界』は
いかがでしょうか。
両片思いのジレジレ感も楽しいです♪
帯と裏表紙のあらすじから、タイムリープものという情報だけで読み始めました。
可能なら、それ以上のネタバレは入れずに読んでいただきたいな。
物語の最初は、主人公たちに正直腹立たしかった。本当にそれでいいの?好きなの?って問いただしたかった。
でもそこから起こるタイムリープによる展開が見事で、ぐいぐい物語りに引き込まれて、ラストには泣いてしまいました。
素敵な未来を掴み取ることができて本当に良かった。頑張ったよ二人とも。
すごく素敵な物語でした。物語としてとても楽しむことができました。
最後はこれ以上はないと思えるハッピーエンドです。
だから安心して、ネタバレせずに読み始めてもらえたら、最高の感動を味わうことが出来ると思います。
何度でも、何度でも、何度でも!
あらすじにある通りタイムリープものです。
こんなに感動したタイムリープは初めてです。
健太郎がこんなキャラだったの?との驚きと、湊の犠牲と、拓歩の孤独な献身と。
逃げて〜、絶対に一緒に住んじゃダメ!と。
2度目からは言うこと聞いて!信じてー!と叫びそうでした。
諦めない拓歩、誰も聞いてくれない信じてくれない、どうやっても湊は健太郎に…。
何度も戻って、戻るタイミングをずらして。
全てを上手く収まるように、湊を健太郎から守るために、湊を手に入れるために。
もう本当のことを言えなくても、必死で近づいて先回りして湊のバレーボールが好きな気持ちやヤル気を取り戻して。事故を防いでみんながバレーボールを続けられるように。拓歩と湊の約束にもう泣けて泣けて。
湊も中学生の拓歩の言葉にちゃんと耳を傾けてくれて良かった。
拓歩の孤独な頑張りを思うと号泣です。
今度こそ!と思ったらまさか拓歩が!
今度は湊が!
やっと二人の時間。悲願が叶ったね!
タイムリープを繰り返すうちに拓歩はどんどん湊を好きに、愛していったんでしょうね。
良かったです!
タイトルを見て何年も私が思い続けてた言葉でびっくりしました。
数年前に追突事故にあい全てが狂い今も治らないのですが、何度あの日あの時あの場所へ行かなければ!と思ったことか。
戻ってタイヤをパンクさせるなり、1分でもズレていれば、違う道を通っていればと。
素敵なタイムリープものが読めて大満足です。
あらすじとサマミヤアカザさんの描かれた表紙につられ購入。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は大学生の湊。
幼馴染の健太郎とともにバレーに明け暮れ、そして高校3年生の時に日本一に。湊がセッター、健太郎がアタッカー。息の合ったプレーで、ずっと二人で楽しくバレーを続けられると思っていた。
が、大学生になり、二人の間には埋めることのできない溝ができ始める。強豪校と名高い名門校で、1年生でありながらレギュラー入り間近と言われる健太郎と、健太郎の添え物でしかない湊。劣等感に悩まされる湊をさらに追い詰める出来事が。
それは、健太郎に告白されたこと。
親友としてずっとそばにいた健太郎から思いがけない告白を受け、今までの関係が少しずつゆがみ始める。
そしてそんな二人を事故が襲う。
遠征の移動中、バスに酔った湊と席を変わった健太郎が、事故で足を切断することに。将来有望な選手だった健太郎が足を失い、その絶望感を湊にぶつけ始め―。
と、序盤からかなりシリアスモードでストーリーはスタートします。
自分のせいで健太郎の足を切断することになってしまった、という湊の罪悪感。
湊のことが好きで、バレーも失い、湊により執着し始める健太郎。
歪んだ関係を持ち始める二人に、ハラハラしつつ読み進めました。
序盤は湊が主人公だと思ったんですよね。
が、このストーリーの主人公は湊ではありません。
湊に恋する、後輩の拓歩が主人公なんです。
罪悪感で押しつぶされそうな湊。
恋愛感情があるわけではないのに、罪悪感から健太郎に抱かれている湊。
そんな湊を救うために、拓歩が孤軍奮闘するお話でした。
どうやって湊を救うのか。その方法は、
ネタバレ注意!!
*******************************************************
タイムリープ。
するんです。
誰も拓歩の行動の理由を知らない。
そりゃそうだ。
だって、拓歩しか「未来」を知らないわけですから。
時に胡散臭い目を向けられ、不審者扱いされ、それでも湊を救うためだけに、時に自分を犠牲にしながらも拓歩は奮闘する。湊自身にも信じてもらえず、それでも心を折ることなく頑張る拓歩が、めっちゃ健気で、そして男前でした。
拓歩が誰も知らない闘いに挑みながら、少しずつ湊との距離を縮めていく過程に、激しく萌えました。
タイムリープできる理由もなかなか良し。
序盤にまかれた伏線が、少しずつ回収されていく展開で、ページを捲る手が止められませんでした。
が、これ、タイプリープもの、って知らずに読んだ方が面白いんじゃないかな。
あらすじとか帯にしっかり書かれちゃってるのでレビューでも書いてしまいましたが、その点がちょっと気になりました。
そしてサマミヤアカザさんの描かれた挿絵がこれまた良い。
ちょっと儚げで、繊細で。
イメージにぴったりで、萌え度は確実に上がりました。
二転三転するストーリー、ハラハラする展開。
でも、この作品の根底に流れているのは紛れもない「純愛」。
愛する人を救いたい。そんな拓歩の深い愛情に、激しく萌えました。
「え?そう来るか?」という流れがとても面白かったんですよね。
素直に読んでいたものですから、私は途中からの展開が読めませんで……
タイムリープものって『なかったことにしてしまう』訳ですが、私は『あの重大な事件がありませんでした。なので2人は幸せに暮らしています』だと、どうも食い足りない感じを持ってしまうのです。
だって、現実はそういう風には進みませんよね?
お話の終わりには「二度と巻き戻せないからこそ今を必死で生きよう」と思わせてもらいたいんです。
このお話にはそれがある。
好みです。こういう決着の付け方。
私が「え?そう来るか?」と思った部分について触れざるを得ない感想を書きますのでブランクを取ります(あらすじとか受け攻め表記とか、今までのレビューを読めば解るのですけれども。でも、私はそこが分からないまま読んだから余計面白いと感じたので)
主人公の湊を庇って大怪我を負い、右足切断をせざるを得なくなる健太郎のキャラクター設定がとっても興味深かったんですよね。
「好きか嫌いか」と聞かれれば「こういう人の側にいるのは願い下げ」なんですけれども。
全日本ユースにも選ばれている将来を嘱望されるアタッカーで、高校時代はチームメイトに信頼される主将。周りに人が集まってくるタイプで、湊への恋心も抑制できる良い奴なんですよ。怪我する前は。
ところが、怪我でバレーが出来なくなってしまうと湊の罪悪感を利用し、彼につけ込み、挙げ句の果てには超束縛男になっちゃうの。
これねぇ『あるある』だと思ったんですよ。
性格って、勿論、持って生まれたものもあるけど、その人の置かれた環境によって大きく違ってくる。
今まで自分が経験してきたことや、関わってきた人達が作り上げてくれるものでもあると思うのです。
だから、他の人に理解されない孤独の中でタイムリープを何度も繰り返す拓歩は、健太郎と真逆にどんどん思慮深くなって行く訳で。
この辺がね、とっても上手いと思ったのですよ。
そして、最終的に湊の心を動かしたのが「自分はバレーが好き」という気持ちを思い出したことだったのもね、非常に好感を持ったのです。
『犠牲的精神』は美しいものだと思うけれど、それだけに長い一生を費やすのは無理だと思うんですよ。
拓歩の様に、その犠牲に自分の喜びがある場合は別なんですけれど。
この辺も、前述の部分と同じ様に対比になっていて、とっても上手い!
いやー、読み終わってからその整合性に唸りましたよ。
拍手!
「楠田さんの本、もっと読んでみよう」と思いました。
大学バレーボール部に所属するエーススパイカーの健太郎とセッターの湊は小学生の頃からの幼馴染み。
全日本インカレが開催される試合会場への移動中、部員を乗せた大型バスが事故に遭い、主力選手だった健太郎は片足に深刻な大怪我を負う。
車中、自分を庇ったことで負傷した健太郎の将来を思い、もしあの時、ああしていれば、こうしていれば…、と罪悪感に苛まれる湊でしたが、彼には子供頃に祖父から譲り受けた、謎のお守りのようなものがありました。
それは丸い石のようなものに目鼻がついた不思議な置物型の人形←不気味
その人形によって、湊はもう一度過去をやり直すチャンスを得ます。
サマミヤアカザさんの挿絵一発目にして胸鷲掴み。攻め(仮)のヴィジュアルが好みすぎたのでワクワクして読み進めていたのですが、なんだかものすごく性格悪っ…くなっていくような?
事故の直前に寄ったサービスエリアで、二人は拓歩という高校の後輩から声を掛けられます。この拓歩が導き手となって、湊は何度も過去の「あの日」に連れ戻されることになっちゃうんですね。
何度同じ日に戻っても事故は起こる。
ならば、それよりももっと前に時間を巻き戻したら…?
湊は同じ日をやり直す場面に戻ると、そこから進んだ時間分の記憶を失ってしまいます。湊と健太郎の未来を人形と共に託された拓歩は、一人で必死に彼らに働きかけるのですが…
もしかして拓歩こそがとんでもない執着タイプなのかも笑
もし時間を巻き戻すことができたとしても、人生で起こることって、どんな形を取ったったところで同じ重みをもってその人に降りかかるものなのかもしれない。大事なのはその後、諦めずにどんなふうに受けとめて先に進むかなんだろうな、と考えさせてくれました。
楠田せんせー、お話の作りがうまいです。タイムリープを辛い状況からの現実逃避に使うのではなく、今を大事にすることが未来を決めていくんだと教え諭してくれるリマインダーの役目を果たすように、活かしてくれています。
前半はちょっと辛いけど、最後の甘いラブラブも楽しませてくれましたので、読後しばらくは前向きなテンションをキープさせてもらいました!
目的を果たすために、何度も過去へ戻ってやり直す、タイムリープを扱ったお話。
「あの日、あの場所、あの時間へ!」ってタイトルなのだから、この作品がタイムリープ物だってこと自体はネタバレとして隠さなくても大丈夫だよね。
このお話の面白いところは、過去に戻ってやり直していることを一人だけが知っていて、
その、やり直している事を知っているのが、最初に願った本人ではないところ。
やり直しの時間を、自分だけでなく、関わる全ての人が幸せになるようにと奮闘する、その孤独を
思うと、最後に報われてよかったと素直に感動できる。
よかったね。
「幼馴染」にほぼ無条件で萌えてしまうタチなので、冒頭の健太郎と湊という幼馴染描写にキュキューンとしちゃったのも事実。
だって幼稚園の時から常に一緒で、「二人で日本一になる」と小さい頃からバレーボールを一緒に頑張ってきたとか、ふつーの作品ならそれだけで立派な幼馴染カプストーリーとして成立する。
だけど健太郎はお相手じゃないんですよね。
初読時は、えっ!?健太郎じゃなくて、もしかしてこの声をかけてきた拓歩がお相手なの?となんかガックリきちゃって、そこで挫折。
気をとりなおして読んでみましたが、健太郎が予想を遥かに超えたヤベーやつだったわ……。
健太郎が告白したシーンの、自分勝手な押しの強さから違和感があったけど、読み進めるうちに、執着というかヤンデレの香りがプンプン。
いくら幼馴染萌えがある私とはいえ、健太郎から逃げろ!!という気持ちになれて、自然と拓歩を応援する気持ちになれました。
それにしても、拓歩は頑張ったなぁ。
受けの湊よりも3歳年下なので年下攻めらしい良さも味わえつつ、拓歩はタイムリープで何度も時をやり直すことで湊よりも生きてる(?)時間が長いという妙。
だから年下でありながら湊よりも男としてこなれていて、拓歩の中身は年下攻めと年上攻めが両立してるっていうんでしょうかね。
そこが何とも良かったです。
先生買い。久しぶりのタイムリープものな気がする。ハラハラドキドキで途中で読み止められず、風呂でユデダコ寸前になりました。最後はみんな前向きになったので後味は良かったのですが、癒し・・・というテイストは薄めに感じたので萌にしました。本編300P弱+あとがき。
東日本インカレの試合に出るためにバスで高速を移動中の健太郎と湊。幼馴染で高校時代にアタッカー、セッターとして名コンビだった二人でしたが、大学では健太郎が準レギュラー、湊は一般入試で入っていて今一つ。車酔いがあってやや元気のない湊を気づかい、健太郎は後部の湊の席近くに座ったのですが、事故が起こって健太郎は足を切断することになり・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は、色々関係者はいるっちゃいますが、大物は健太郎さんぐらい。レビュー書いてる時点で攻めとして情報登録されていますが、個人的には攻め認定したくない(笑)
**お話として好きだったところ
何回繰り返すねん!と叫びそうになったくらい、やり直してます。学習して、素晴らしいタイミングにちゃんとタイムリープして。辛くなると思うのに頑張って。3人とも明るい良い未来を手に出来るような結果になっていて、本当に後味は良いです。大変よく頑張りました、でした。
そもそもの事故で健太郎さんが壊れてしまうのは良く分かるし、途中途中の過程で湊がもういいやという様子になるのも良く分かるので、一人で頑張った拓歩(たくほ)は本当に辛抱強い頑張り屋さんでした。
シリアスめなお話が大好きで、年下ワンコがお好きな方にはもってこいの作品なのではと思いました。