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kuchibiru wa wazawai no moto
遠野先生の作品は、派手さはないけど、心理描写が丁寧で、恋の駆け引きとすれ違いがとても面白い構成。
レーベルが変わり、表紙絵だけの復刻の電子版。
①「唇はワザワイのもと」
韮沢正純:営業・27歳 俺様気質の攻。
行きずりの遊びのつもりが、通哉にゾッコン惚れてしまう
片桐通哉:営業・25歳
華奢な美貌。男の可愛げを持つ魅力的な性格。
⓶「瞳は口ほどにものをいう」
舘野俊宏 x 宮嶋貴章
「続・唇はワザワイのもと(新装版)」
韮沢正純x片桐通哉
最初に「瞳は・・」を読んでしまったので、続編を読まずに、「唇は・・」を読み、その後続編を読む。
内容は、「唇は・・」のほうが変化に富んで面白いと思った。
「瞳は・・」は、続編「唇は。。」のオマケみたいな感じ。
偶然駅でぶつかって、印象最悪だった男は、ライバル会社の営業マンだった。その晩、その男と今度はバーで再会。
1日に何度も同じ人に出くわしたら、なんの運命のイタズラかと思いそう。でも正純も通哉もそういうロマンチックな感じにはならず、週末だけの割りきったセフレ関係になる。
二人ともバイというか、どちらも男性経験ありなせいか、そこのところサクッと話がまとまる割には、違和感はあまりなかった。
両方の視点から交互に語られて話が進むため、気持ちの移り変わりが分かりやすい。
双方が気持ちを自覚してからの、すれ違いは本当に切なかった!
受けは強気なタイプなのに、どんどん憔悴してやつれていくし、自信満々なタイプの攻めも本気で落ち込んでるしでハラハラする。
お互い男だから、こういう後腐れなさそうな関係になったのに、気持ちが入ってくるにつれて、男だからこそ本気になったらまずい、相手は遊びなのに自分だけが本気になって傷つきたくない、という葛藤が出てくるのがいい。
別れを選ぶ理由も、本当の気持ちを抑えてしまう心理も、両視点だからこそよくわかって切なすぎ。
これ、どちらか一方の視点だと、相手が冷たいヤツに見えたりしてたかもなあ。
体から始まった二人らしく、ラストも体でわからせてやる、とばかりにベッドに行くのだけど、ここはもうちょっと、いや、デロデロに甘くてもよかったかなー。終わったあとはちゃんと気持ちを伝えあうんだけど、すれ違い描写が長いと、こっちも生半可なことじゃ傷が癒されないよー。
SSはなにやら賭けをしてる二人。勝った方が負けた方になんでもしていい権利を獲得できる。受けは一度くらい攻めてみたかったのか? でもいつも負けちゃって、抱かれると気持ちよくてもうどうでもいいか…ってなる。
勝った攻めが鬼畜なプレイでも要求するのかと思いきや、可愛いお誘いで、ほのぼのした終わり方だった。