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jinan hajimete no chiwagenka
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
久々に龍X明信カプの話がメイン。
この二人が主となる話で明るく楽しいものはないと思っている私だが
今回も例に漏れずドシリアスで苦しかった。
表面上(!)は一番うまくいっているようだった花屋カプなのに
自分の進路について家族だけでなく龍にさえ報告しないできた明信が
龍を連れて家族の前でその事実を報告した途端に
恋人から何も知らされていなかったことに憤り声を荒げてしまう龍。
そんな龍に怯える明信。
お互いの欲を相手に告げることなく穏やかな関係を維持してきた二人が
明信の報告によって心の中にわだかまりを抱えることとなり
上手に仲直りできないまま悩んで苦しんで
やがて別離の危機を迎えてしまう展開はつらい。
龍に対してだけでなく、誰に対しても何も望まず求めず生きてきた明信が
龍を失うかも知れないという現実に直面したことで
真弓の言葉で自分の傲慢さを悟り、自分の本心と向き合う。
相手の気持ちを勝手に決めつけて勝手に自己完結して
1人で生きていないということにすら気付けないでいた明信だけれど
自分の想いを言葉にして伝えていくことの大切さを知ってからは
自分にできる精一杯で龍に気持ちを伝えようと頑張る姿にホッとした。
大人なはずの龍が今回は全然ダメで、でもそのダメさが悲しくて
そんな龍への勇太の言葉は重くて胸に響いた。
…他人同士で一緒にいるためにはお互いにしんどい思いをしなければならない。
自分を変えることは大変だけれど、好きだから頑張れる。…
また、真弓の精神面での成長ぶりには驚いた。
物語の中で時間が経過しているのと同じように、真弓も成長していたんだな。
重たくて暗い目な花屋カプの話の中に
野球部マネージャーとしての真弓の話と
こじれたままの大人カプ:大河X秀の話が出てくるおかげで
肩の力を抜いて読む時間がもてた。
今作において本当の意味でカプらしくなった龍と明信の今後は
容易に想像がつくのだけれど、その後も読んでみたい。
秀が上梓すると宣言した2人の話も読んでみたい。
どうでも良いことかも知れないけれど私的にすごく気になったのが明信の学歴について。
通っている大学が赤門のある国立なのには納得だけれど
修士過程は早期終了か2年で終了した後に博士課程に進んでくれないと
頭脳明晰という設定に疑問符がついてしまうのだけど…。
表題作は花屋カプのお話と、その前に末っ子カプの短編付き。
勇太と真弓は、二人での初めての旅行に(以前の家出や逃避行は旅行じゃないのね)黒部ダムへ行こうとするのですが、計画段階で色々と、、、。
東京から黒部ダムは遠いです。
北陸新幹線開業前は、まず富山へ行くのが遠い。
富山から黒部ダムへ行って、さらに長野側へ抜けるルートは昔も今もさほど変わらないけど、全く旅行慣れしていない子が初めての旅行先に選ぶにはかなりハードルが高いのは確かな目的地。
早々にその無謀さに気付けて良かった。
そして、表題作、帯刀兄弟の中で一番の優等生だった次男が、実は本人が無自覚なだけで、やっぱりちゃんと問題を抱えていましたというお話。
自己認識は難しいってことが、真弓や秀のエピソードも交えて展開されています。
実は龍と明信のカプってよく解らなかったんですよね。
過去に自分がしてしまったことに大きな後悔を抱えている大人の男と、その男が精神的に立ち直るまで側にいようと決意する気配り上手な年若い研究者との恋は、大きな波乱がないかわりに、いつも何となく物寂しい感じでした。
萌え所はあるんですよ。
でも、今一発「なんか釈然としないなぁ……」といつも思っていたんですよね。
今作を読んでその謎がはっきり解けました。
『相手の気持ちを飛び越えた思いやり』って、確かに傲慢なものだよねぇ。
龍と明信にそのことを気づかせたのが勇太と真弓だというのが!
子どもたちは悩みながら大きくなっているんだねぇ……感無量です。
『子どもたちは制服を脱いで』から始まる、大学の軟式野球部の先輩達に対する勇太の複雑な想いが此処に繋がってくるとは思いませんでした。
勇太、頑張ってるね。
あのどうしようもなかった勇太がこんなに理性的な話を他の人に出来るなんて、おばさんは嬉しいよ。
担当替えに拘っている秀のいじましい努力がコメディタッチで挟み込まれますが、こっちも私はとっても嬉しいんです。あれだけ他者と関わることを避けていたというか、そもそも自分の想定外だった秀がこんなに頑張っているのは凄いことだよ(その方向性は大きく間違っているけどな)。
人間はひとりでは生きていけないから、だからきっと変わることが出来るはずだと私も思います。
帯刀家のみんなは、もう変わりはじめているし。
頑張れ!
なんだかんだと雑誌や特典SSをかじり読んでるので、読めるかもと思った私がバカだった(笑)こんな大シリーズ、途中から読むもんじゃありません(涙)先生、誠に申し訳ございません、途中から読むとこうなるよという評価で中立です、ごめんなさい×100万回。末弟カプのお話40P弱(雑誌掲載分)+次男坊カプのお話200Pほど+あとがき。
登場人物は、
帯刀大河(長男・編集者)×阿蘇芳秀(人気小説家・ほぼ宇宙人なおかん)
木村龍(同じ町内の花屋)×帯刀明信(次男・大学院生)
帯刀丈(三男・ボクサー)→この人だけ、未だに把握できていない・・・
阿蘇芳勇太(秀の養子・仏具職人見習い)×帯刀真弓(大学生)
という四人兄弟にさらに恐怖政治を敷いていたらしい長女(現在は海外にいて、たまに帰国するらしい)という大家族物。
秀さんが宇宙人ではと思うぐらいぶっ飛んで、決して一般人とは言えない方で、みそ汁がどうだの、ファンだからといって同業者に2万字のお手紙を送るだの、大変。
四男坊の真弓ちゃんも色々あったみたいなんだけど、私はまだ把握できていなくて、そんな中、まだまともに見える次男坊のお話だからと手に取ってはみたものの、周りが関与してこない訳もなく、そして昔色々あったらしい龍ちゃんのお話だの、二人のなれそめも通り一辺倒のものではなかったみたいで・・・
申し訳ありません、多分魅力の1/100も理解できなかったと思います。とにかく家族皆がお互いを思いやって、温かな心情をゆっくり丁寧に書いていただいてます。そして今まで忍耐の日々だった次男坊が少し変わるのかもと明るい気持ちになるお話だわ★とは思うのですが、いかんせん、わからん部分が多すぎた。
頑張ってシリーズ最初からちゃんと読みます(涙)という反省文でした。大家族物がお好きな方、最初から参りましょう。