恋を半分、もう半分

koi wo hanbun mou hanbun

恋を半分、もう半分
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×214
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
134
評価数
32
平均
4.2 / 5
神率
37.5%
著者
久我有加 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
頬にしたたる恋の雨
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784403524745

あらすじ

大学に入学したばかりの卓人は、ひとつ年上の元宮の熱心な勧誘にあい、全く興味のなかった落語研究会、通称・落研に入部する。素直なのが取り柄で趣味も特技もなく生きてきた卓人にとって「落語向き」の声を容貌と言われたのは新鮮だった。元宮は男前な上にやたらと面倒見がよく、卓人は落語にも彼にもどんどんのめり込んでいき……?卓人のブラコン全開の兄が登場する書き下ろしも収録。春色キャンパスラブ♡

表題作恋を半分、もう半分

経済学部二年で落語研究会~会社員
大学生・経済学部で落研,18~

その他の収録作品

  • 愛を半分、もう半分
  • あとがき
  • 恋も愛も全部

レビュー投稿数7

恋とは「半分半分」のもの。相手を支え、相手に支えてもらうこと

はあ〜〜…久我先生の落語シリーズ、本当に本当に最高です・:*+.

溺愛攻め × 一途健気受けの良さがこれでもか!!!と詰め込まれた、極上の作品でした…

落語については全くのど素人だったのですが、先生の作品に感激し、ついに今週寄席落語デビューを果たしてしまいました。
落語、めちゃくちゃ面白い!(一番笑ったのは、実は合間の漫才だったりするのですが…へへ)
若い人もちらほらいて、どんな年代でも気軽に楽しめるこんな素敵な娯楽があったなんて!と、今まで全く興味関心を持ってこなかったのが本当にもったいなかったな、と。
久しぶりにこんな”新しい世界”に触れられ、大興奮でした。

…とすっかり初落語鑑賞の感想文になってしまいましたが;

こちらの作品、本当に素晴らしかった〜!
寄席に行く電車の中・帰りの電車の中・帰ってから家でも読んで読み終わり、文字通り「落語の一日」になりました。至福!

大学の落語研究会の先輩である勇真 × 新入生の卓人。

講堂から出て来た卓人に一目惚れした勇真が卓人を落研に誘うところからストーリーが始まり、書き下ろしでは受けの卓人視点での7年後の姿を拝むことができます。
キャラの成長を味わうことができるのは、なんともいえない喜びがありますよね。。

イケメンだけど、どちらかといえば人に冷たい印象を与える勇真が卓人にだけは初めからメロメロで、周りがギョッとするほど優しい目を向けて表情豊かになったり、包み込むような言葉をかけたりするのが、もうくすぐったくてくすぐったくて。

そんな、どこからどう見ても卓人一筋メロメロぞっこん男でしょー!っていう勇真の気持ちに卓人だけが気付いておらず、要らぬ心配をしてやきもきしてる姿が可愛くて仕方なかったです。

また、そんな卓人にはブラコンの7歳離れた兄がいるのですが、この麻人というキャラがめちゃくちゃいい味を出してました!この兄のストーリーを単体で読みたいぐらい。笑
麻人と勇真がバチバチに張り合ってるシーンが本当に面白くて、お話のいいスパイスになってました。

後半の「愛を半分、もう半分」は攻めである勇真視点になってるんですが、他の方も書かれているように、この部分がまた本当に良かった(よかった、しか言ってないですが;)…。

自分の手を離れて夢に向かって走り出した卓人。就職したばかりの勇真に心配をかけまいと、一切勇真には相談せず、勇真は人づてに卓人の夢を知ることになります。
どんな時も自分を頼って欲しい、頼られる存在でありたいと願う勇真は、そこに猛烈な寂しさを覚えるわけですね。

「リアルタイムで卓人が何を思い、何を言ったのかまでは知ることができない。けど、俺はそれが知りたい」

…恋する者の切ない想いや願いがこの一文に込められている気がして、ため息が出ました。

たしかに”BがLする”物語ではあるんですが、恋の奥深さとか、芸を極めるということを覚悟した者の強さとか、そういった恋愛以外の部分にも、猛烈に心を撃ち抜かれる素晴らしい作品でした。

4

もう、ビックリするほど受けにデレデレ

こちら、芸人シリーズの落語家編です。
シリーズと言いつつ完全に独立したお話なので、今作だけで問題無く読めます。
ちなみに「落語って全然知らないし」と言う方も、(私のような)ド素人でも楽しく読めるように書かれてるので、お気軽に手に取られて大丈夫だと思います。

で、こちら、とにかく甘いんですよー!!
攻めがですね、もうビックリするほど受けにメロメロ。
ついでにデレデレ。
また、素直な受けはですね、攻めを健気に慕って尊敬の眼差しで見ていたりする。
そう、ひたすら甘くて可愛くて、ちょっぴり切ない両片思いが、これでもかと楽しめる作品なのです。
溺愛攻め好きにとっては、たまらない作品なのです。

が、実のところ、一番心を動かされたのは溺愛部分ではなかったりするのです。
私はこの芸人シリーズがとにかく好きなのですが、自分でも何故こんなに好きなのか理由が良く分からなかったんですよね。
しかし、今作でようやく気付きました。
どうも、夢をひたむきに追う主人公と言うのがツボだったんですよ。
もう、ラストなんかが凄く感無量なんですよね。
まぁそんなワケで、甘くて可愛い上に感動まで味わえるこちらの作品。
とても楽しく読めました。


内容ですが、大学のひとつ上の先輩・元宮×新入生の卓人による、落語研究会で芽生える夢と恋の物語です。

大学に入学したばかりの卓人が、元宮からの熱心な勧誘で落語研究会に入部する所からお話はスタート。
彼が、落語の楽しさに目覚め、稽古に励む様。
また並行して、ちょっとしたスレ違いなんかを経て両片思いの二人が結ばれるまで。
ここまでが雑誌掲載作になります。

そして、ここから書き下ろしの後日談。
付き合いだして三年後の二人ー。
就職した元宮と進路に向かい真っ直ぐ努力する卓人。
新しい環境により、起こるスレ違い・・・といった感じになります。

まずこちら、受けである卓人がとにかく魅力的なのです。
作者さんが書かれてますが、可愛くて素直でウブな健気受けブームの最終期との事で。
こう、彼は一見ごくごく平凡な青年なのですが、実はとても芯が強くて、しっかり自分の意思と言うのを持ってるのが心地好いんですよね。

で、そんな彼が惹かれる落語研究会の先輩・元宮。
こちら、受け視点ながら、元宮が卓人にメロメロでデレデレなのが良く分かるように書かれてるのがお上手と言いますか。
何だろう・・・。
シビアでS認定されてる彼が、卓人にだけは脂下がった甘過ぎる笑顔を見せ、周囲から気味悪がられたりするのが楽しいのです。
また、基本おっとりな卓人だけが「元宮さんは本当に優しい」とやってるのも楽しかったりする。
いやもう、落語の稽古時なんか、完全に二人の世界ですよ。
どう見たって、この二人相思相愛ですよ。

で、これだけでも相当萌えるのに、更に素敵なのが卓人のお兄ちゃんの存在。
彼もまた溺愛系だったりします。
大学生の弟に毎日のように電話をし、元気がなければ有給をとって東京から大阪まで駆け付ける。
そして、弟の彼氏と張り合う。
個人的に、こういう弟に激甘なブラコンお兄ちゃんと言うのがツボなのですよ~。
彼がめっちゃいい味出してるから!
ホント、めっちゃいい味出してるから!!

 
あとですね、書き下ろしで語られる二人のスレ違い。
こちらが元宮視点になります。
夢を真っ直ぐ追いかけ、着実に一歩一歩進んで行く卓人。
そんな彼に、置いていかれるようで寂しさを感じてしまう元宮ー。
て、感じになるんですけど。

これ、卓人の男前過ぎるセリフが素敵でした。
そう、卓人命の元宮は、彼を箱の中に大切に仕舞い込んで守る事しか考えて無かった・・・。
でも、そんなのは思い上がりなのです。
卓人は守られるだけでは無く、彼もまた元宮を守りたい。
そして、互いに助け合いながら生きて行くのが、本当のあるべき姿なのです。
更に絆が深まった二人の、この後のエッチまで甘過ぎて悶絶でしたよ。

他、あとがき後にSSがあります。
こちらは七年後。
夢を叶え、最初の一歩を踏み出した卓人が読めます。
なんか、ジーンと胸に込み上げてきちゃう、素敵なSSでした。

11

関西弁たっぷり!

昭和初期と思われる「頬にしたたる恋の雨」がめっちゃ好きで、芸人シリーズはもうこの本だけで十分や神や!と思ってたんですが、ムク先生の挿絵に弱くて購入。今度はほぼ現代。関西弁ばりばり。これ関西ホームやない人、大丈夫やろかとめちゃ心配ですが、お話の内容が可愛らしい、ええ話なんで、関西弁話が気になっている方はお手にとってみてください~。受けに癒され、後半のSSでヘタレってる攻めと受け兄に爆笑し、最後のおまけでじわわん感動するんで、1冊で3回美味しいです!お楽しみに。もし関西弁読むのツライわという方がおったら朗読したげたいぐらい、関西弁ええですよww

大学入学したての卓人。講堂の出口から見える外の様子は、サークル勧誘の嵐・・・・人見知りなので、出ていくのを躊躇ってはいたものの、いつまでもこうしてられん!と出ていくと、「あ、ちょっと」と紺色の着物を身に着けた超イケメン男から声を掛けられて、なんだかんだ言いくるめられ落語研究会へ連れていかれ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
落語研究会の同級生、先輩少々に、攻め狙いの肉食女子、受け兄(イケメン)、後半のSSに落語家の方々 ぐらい。ふたりぽっち等ではないですが、皆さん個性豊かなんで、読みにくいということは全く無かったです。

**好きやったところ

受けさんが芯の強いええ子で癒し♡可愛い。特段執着するようなものを見つけられなかった子やったのに、落語がどんどん好きになって、とうとう弟子入りするまでになるところがめちゃ嬉しかったです。学生同士ながらも落語を教えあう様子を読ませてもらうと、ああそうなんや・・・と興味深いし、それに一生懸命になっていく受けさんが、なんやろう、頑張ったらええんやっていう応援歌みたいに思ったんかな。ぽかぽかする心地です。

後、受けの兄が強烈ブラコンで爆笑。攻めもええかっこしいのヘタレやということが後半の攻め視点SSで分かって爆笑。切ないだけとかしっとりだけというのではなく、笑えるところがあるのも私には嬉しい点でした。

気になる関西弁表記ですが「落研には入ってもらわれへんて言わはったんとちゃうか?」「弟さんがいてはるんが分かったんは嬉しいけど」といったあたりを読めるんやったら大丈夫やと思います。久我先生の関西弁の世界へ是非。

7

落語は『一人芸』なので

このシリーズ、大好きだなぁ。
私が初めて読んだ久我さんの本は『何でやねん!』で、そこから続く漫才シリーズも好きなのですけれど、こっちは題材が『落語』なのが嬉しい。
昔から落語が好きだというのもあるんですが、漫才が複数でやる芸なのに対して落語はひとりでやるものだからかえって面白い様な気がするんですよね。『恋愛の対象が相方でない』という点で、色々なバリエーションが生まれて来ると思うのです。
今回のお話も、同時収録の『愛を半分、もう半分』は、それがとっても活かされているような気がしました。

さて、タイトル作は大学の落研が舞台です。
落語を全然知らなかった十亀くんが、イケメン先輩の勇真に勧誘されて落研に入り恋が生まれるまで。
とても素直な大学生の恋物語で、スルスル・ウキウキ読めました。

同時収録作がね、私「とっても好きだなぁ」と思ったんですよ。
勇真が卒業・就職し、十亀が大学4年生の時のお話なんですが。
十亀くん、勇真にだけじゃなく、落語にも夢中になってしまって、卒業後の進路として噺家になろうとするんです。
彼はどっちかって言うとおっとりとした優しい子で、まぁ、そんな大それた望みを抱くような感じがしないんです。『恋を半分~』を読む限りには。
こちらのお話は勇真視点なので、いつ何時、そんな強い想いを抱いてしまったのか、詳しい所は解らないのですね。だから余計、勇真は『もやもや』してしまうんです。可愛がって、甘やかしていた恋人が、自分の知らない所でそんな風に変わってしまっていたことに。

この『もやもや』の正体を勇真自身も何なのかが解らずに、もやもやもやもやし続ける所がとっても良かったんですよ。共感出来るとでも言うか。

どんなに好き合っていても、四六時中一緒にいることは出来ません。
たとえそれが出来たとしても、相手の考えていることや感じていること全てを把握するのは無理です。
だから、恋をしていても寂しい。
と言うか、本気の恋をすればするほど、相手とひとつになることを望めば望むほど寂しさは大きくなる。
これって恋することの本質のような気もするのですが、それを日常的な出来事からこんなに上手に解らせてくれるなんて……久我さん、凄い。

しかし、久我さんの大阪弁は色っぽいなぁ。
久我さんの本を読んでいると、夜の大阪で繰り広げられる会話に、激しいドリームを抱いてしまいます。
いやホント、滾りました。

5

意外な進路

大学の落研に入った新入生(受け)と先輩(攻め)の青春ストーリー。初対面の時からお互いに好印象だったけど男同士なので仲々気持ちを伝え合えずモジモジしてるのが可愛いかったです。サークルの他の人達にはバレバレだったけど。

そして両思いになってからのえっちシーンが、久我さんの作品は相変わらずじわじわエロい。3Pとか過激なのじゃなくて甘々なのにエロいのってすごいと思う。受けの関西弁が可愛いすぎるっていう私の好みもあるかもしれませんが。小椋ムクさんの絵も可愛いのに結構エロいイメージなので合っていると思います。

前半の話は意地悪な女の子が2人の仲をかき回してきたり、青春キャンパスライフがメインでしたが、後半の話は先輩の攻めが社会人になり、一つ下の後輩の受けの選んだ進路が意外でした。甘く育てられたお坊ちゃん風だったけど、仲々困難な道へと進みます。受けは何事にも素直で一途だけど意外と芯の通ったしっかり者だったので、逆に攻めが置いていかれるような不安な気持ちになってしまう…そんな話でした。

4

ブラコン兄が楽しかった





シリーズものということですが、今作だけで十分わかります。
私は、落語家シリーズは読んでいませんが大丈夫でした。
ただ、数人出てくる落語家の名前がに少し似ているので、親子とか弟子とかの関係が一度で覚えられず、何度もその辺りに戻っては確認するということをしてしまったので、読んでいたほうがスムーズに読めたんだろうなとは思います。


特に何という目的もなかった大学生がちょっと強引な勧誘で入った落研で、世話してくれる先輩と恋に落ち、目標に向かって地道な努力をするすごく頑張り屋な子になったのがすごく印象的でした。


前半は受け視点。
大学に入学したばかりの十亀卓人(受け)は同じ学部の元宮勇真(攻め)にちょっとばかり強引な勧誘を受け落研に入部します。
マンツーマンで面倒を見てくれる元宮のおかげで落語に目覚め、同時に彼に惹かれていくことに戸惑い、同性だからかなうはずがないと落ち込みます。
そんな時、元宮目当ての肉食女子が絡んできて・・・
と、二人の出会いから二人が恋人になるまで。

後半は攻め視点。
前半から3年経ち、就職活動を始めた卓人は落語家になりたいと言い始めます。
夢に向かって頑張る卓人を応援したい反面、置いていかれた気がして寂しいと感じる元宮。
卓人を心配しすぎてしまう元宮が素直に寂しいと言えたことで二人の絆がもっと深くなるまで。


前半の二人の恋が成就するまでは、元宮の一目惚れから始まり、両片想いになり、お邪魔虫な肉食女子などを絡めて両想いになり、という過程はけっこうあっさりしていました。初めてのエッチもちょっと性急な気がて・・・
もう少しゆっくり進んでほしかったかなと思いました。

どちらかというと後半の、落語家になりたいと頑張る卓人が仕事が忙しい元宮を気遣って打ち明けてくれなかったことに落ち込み、話を聞いて応援したいのに背中が寒い気持ちになるのが何故なのかなかなかわからず、夢に向かって走る卓人においていかれた気持ちがして寂しかったことに気が付く元宮の話の方が、面白かったです。

そして、最近は弟子を取っていないという師匠へ何度も何度も手紙を書き、会いに行き、持てる人脈をフルに使って弟子入りしようと頑張る卓人が、入学したての頼りなさから一変逞しくなって、かわいいやら誇らしいやら・・・

特に楽しかったのはブラコン兄。と元宮の掛け合い。
噺家になることを唆したと元宮の家に強襲したり、まだそのことを聞いておらず驚く元宮への麻人の勝ち誇った顔を見せたり、二人で卓人を心配して師匠との顔合わせをそれぞれ覗きにいって鉢合わせするところとか、なんだかんだと一緒に卓人をのぞき見するところとか、卓人にばれて「兄ちゃん嫌い!」といわれ呆然自失になるところとか。
二十歳も過ぎた弟に対する態度とは思えな
いこのアラサー兄が可愛らしくて楽しかったです。

あとがきのあとのSSで夢の階段をまた一歩進む卓人の姿でじーんとなりました。


最後まで読んで思ったのは、他のシリーズ本は読んでなくても全然大丈夫ですが、卓人が弟子入りする際に世話になった落語家や弟子入り先の師匠などの人柄とかが全く分からなかったので、きっとを読んでたらもっと楽しめたかもと思いました。

駆け足だったけど、その先まで読めたのがすごく良かったです。
でも、もう少し二人のラブラブな話も読みたかったとは思いました。
あと、前半は卓人視点だったことで、元宮が他の人からどんな感じに見えていたかというのが他の部員の驚いた顔で想像するしかなかったのですが、大分顔面崩壊してるみたいだったので、他の部員からみた元宮のデレ具合をちょっとでいいから読んでみたかったです。

1

純だからこそのエロさが読める

久我有加先生おなじみの「芸人」シリーズ作品。
と言っても続き物でもスピンオフでもなく、大学の落研が舞台の青春ものと言えます。
主人公は大学の新入生・十亀卓人。
特に趣味もなく人見知りな卓人だけど、着物姿の男前・元宮に声をかけられ、流れで落語研究会に入部することになる…
この元宮が、もうはじめっから卓人に優しくて優しくて。
卓人の方もいつも優しくしてくれる元宮に惹かれていくんだけど、誰とも付き合った事もなく、まして同性に恋するのは。元宮の優しさを自分への想いだなんて考えもしない。
そこですれ違いが発生しますが、何しろ最初っから最後まで甘々のラブストーリーです。
元宮から初めて卓人に告白するシーンも、甘くむず痒い。
戸惑いながらもそのままセックスまで受け入れる卓人は、純情で、それゆえにエロい。

後半の書き下ろし「愛を半分、もう半分」は、3年後の元宮視点。
なんと、落研に入るまで落語を全く知らなかった卓人が噺家になる、と決めるお話。
一足先に社会人となった元宮だけど、自分を頼ってこず1人で決めて1人で行動する卓人に寂しさを感じ焦る姿。
でも当然ですよね。頼れる彼氏でいたい、っていう元宮の気持ちはよくわかるけど、まだ社会人1年生なんだもん。
「寂しい」と本心を明かす元宮を、逆に卓人が包みこみます。ここのHシーンはかなり濃厚。
これから社会人になる卓人。噺家になってもならなくても会える時間は減っていく。でもお互い甘やかされて甘やかして、共に…
若い2人のこれからが眩しくて、青春〜!って感じ。甘くて爽やか。
あとがき後のSSは、またその4年後。噺家・栗梅亭亀福となった卓人の第一歩です。

全編関西弁。久我先生の持ち味炸裂です。読みやすく読後感も良い作品です。

1

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