みざき
ディアプラス文庫から発売されている「ふれるだけじゃたりない」の川琴ゆい華先生による番外編同人誌です。
本編を再読したところ、こちらも再読したくなってしまいました。
表紙・裏表紙を含め36Pほど。
・ふわふわパンケーキ
・何度でもたしかめたい
・甘くて甘くないパンケーキ
本編終了後の上記短編タイトル3作が収録されています。
どの作品もたまらなくしあわせで甘くて、本編がお好きだった方は間違いなく悶える1冊だと思います。
以下、各短編のレビューです。
●ふわふわパンケーキ
付き合い始めてまだ1ヶ月ほどの2人。
久瀬視点なのもあってか、ものすごく初々しくてものすごくかわいい。
低温が定温とまで言われていたあの久瀬は一体どこに?というほど、晴琉のことがかわいくて仕方がなく「愛おしい」気持ちでいっぱいになっています。
一見するとスン…とした無表情な久瀬の脳内が満開の花畑状態かと思うと、もうあまりにもおかしくて!
パンケーキを分け合って食べたり、家で愛し合ったりして、甘い甘い休日を過ごす2人の様子が楽しめます。
こちらの短編の何が良いって、久瀬の人としての情緒や恋人としての成長が見られるところ。
一緒に過ごす時間を晴琉が心地良くしてくれているんだとちゃんと理解していて、晴琉からの愛情を感じてはしあわせな気持ちでいっぱいになっているんです。
そして、愛されるだけではなくて、晴琉のことも「しあわせな気持ち」でいっぱいに自分がしてあげられないだろうか?と考えているんですよ…
あの久瀬が…なんという成長なの…
人間半年目のような久瀬が晴琉によって、確実に良い方向へと変化していっているのが嬉しい。
それにしても、久瀬視点だと晴琉をいかに愛おしく感じているのかがよく分かるので、受け大好きな攻めが好きとしてはたまらないですね。
●何度でもたしかめたい
同じく久瀬視点。
お互いの家族に恋人だと紹介し合い、久瀬のマンションで同棲生活をすることになった2人。
引越し前夜に晴琉のマンションで睦み合う2人が見つけた、すみれ色のアレを使ってのお話。
あることをどうしてもを言わせたかったとわがままを素直に打ち明ける久瀬も、そんな言わせたがりの甘えたがりな久瀬を見た晴琉の反応もなんだかとても良い雰囲気で好き。
●甘くて甘くないパンケーキ
久瀬のマンションで同棲生活を始めた2人のとある休日のお話。
晴琉視点の短いお話なのですが、この作品が1番好きでした。
気を許した仲の良い2人の何気ない日常のしあわせな風景を切り取っているかのようで、読んでいるこちらまでしあわせでいっぱい。
朝早くから起き出し、いつものように映画DVDを夢中で観ている久瀬と、久瀬よりも遅く起き、ごろごろしながら気ままに過ごす晴琉という、ごく普通の休日。
晴琉はひとりで何かをしてひとりで満足するタイプみたいなので、何事も久瀬に尽くそうと思ってやっているわけではないのだと思います。
特に多くをコメントするでもなく、手を合わせて「いただきます」と食べ始め、「ありがとう。ごちそうさま」と小さく言う久瀬のことが好きな晴琉。
ところが今日は…?
おいしかったと言われるよりも100倍嬉しいと喜ぶ晴琉も、きっと上手く言えなかったんだろうなあと思える久瀬の不器用さもすごくかわいくて、優しい気持ちのやり取りが本当に素敵でした。
このお話、好きだなあ。
どのお話も愛し合う2人が穏やかで、じわじわとしあわせが広がります。
読みながら、久瀬と晴琉のことがさらに好きになってしまいました。
あとがきによると、先生は普段エンドを打ったあとに続きを書きたいと思うことは少ないそうで。
2人のその後が読めて嬉しいです。
久瀬の家庭事情も読みたかったなあ。
この作品は、18歳未満の方には不適切な表現内容が含まれています。
18歳未満の方のアクセスは固くお断りします。
あなたは18歳以上ですか?